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Dragon's Jazz Corner

「ライブ・レポート・2013」

注:詳しいライブ・レポートは下↓へスクロールしてご覧下さい。


■荒武裕一朗・カルテット 荒武裕一朗(p)、安東昇(b)、本田珠也(ds)、守谷美由貴(as) 2013/09/21


[ライブ・レポート]
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■荒武裕一朗・カルテットを聴いてきました。
荒武裕一朗(p)、安東昇(b)、本田珠也(ds)、守谷美由貴(as)

思うところがあってライブ・レポートを中断していました。
でも、さすがにちょっと書いてみたくなりました。
それほどこのライブは素晴らしかったです。

数年前、荒武裕一朗さんのピアノに参ってしばらく追いかけていたこともありました。
レギュラー・トリオのドラマーは力武誠さんですが今夜は本田珠也さんです。
それにお初にお目にかかる守屋美由貴(as)さんというフレッシュな組み合わせです。
このメンバーのトリオを聴くのは2度目で強力無比、大迫力のライブになるのは予想していました。
予想通りの強烈なライブを聴くことができました。

演目は1st、2nd共に4曲づつの全8曲。
スタンダード4曲と自身のオリジナル2曲と荒武さんの敬愛する本田竹広さんの曲が2曲の構成です。
バップあり、バラードあり、ロック調あり、フュージョン系ありと曲想やリズムが豊かで飽きさせません。

1st
「If I Were A Bell」、「Talking Junction (Y.Aratake)」、
「You Don't Know What Love Is」、「Sea Road (T.Honda)」

2nd
「Beautiful Love」、「Bags Groove」、「? (T.Honda)」、「夕焼け (Y.Aratake)」

アンコール
「Isn't She Lovely」

荒武さんの魅力は起承転結の物語性があるピアノ・プレイだと思っています。
静かに始まって徐々に熱くなり、グーッと盛り上がってまた静かに戻るというパターンです。
どうしても1曲が長くなる傾向にあるけど、その長さがいいという珍しいタイプのピアニストです。
荒武さんは抜群のセンスがあると思います。
フィーリング、リズム感、タッチ、フレーズ共に文句なし、個性的でグイと引き込む力があります。
観客の心を掴んで離さないスタイルを持っています。

安東昇さんの強靭なベース・プレイも聴きどころになりました。
ブンブンと引き回す根太いベースの音色は野性味が溢れています。
さしずめジミー・ギャリソンかリチャード・デイビスかいったところかな。
私はチャーリー・ミンガスを思い出したりしますが。

守屋美由貴(as)さんは初見でしたがまろやかな音色とスムーズなフレージングの持ち主でした。
女性がこのメンバーに入って大丈夫なのかという一末の不安がありましたが見事に払拭してくれました。
低音から高音まで音が良く出ています。
近年、女性のアルト・サックス・プレイヤーが増えていますが守屋さんも期待の一人だと思います。
惜しむらくは「Bags Groove」でのブルース感覚が今ひとつ足りなかったことかな。

ここでのハイライトは本田珠也さんでした。
地響きのするような圧倒的なドラミングはまさに驚異的です。
パワフルでエネルギッシュにいつ終わるとも知れぬドラム・ソロを聴かせてくれました。
そのスタミナには心底感心しましたよ。
終わるとケローッとしているのがまた驚きでした。
もの凄い体力です。

体育会系の汗が飛び散る豪快感動ライブは迫力満点です。
こちらも知らず知らずに手に汗を握ってしまう。
これを体感するために是非ライブ・ハウスに足を運んで下さい。

At The "No Trunks" Kunitachi On 2013/09/21




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