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Dragon's Jazz Corner

最近の愛聴盤

くつろぎ系 初心者の人や、疲れ気味の人におすすめです。
まじめ系 ジャズをしっかりと聴きたい人におすすめです。
中間系 そのどちらでもない人とそのどちらかの人向きです。


注: ここで言う愛聴盤とは私が寝る前によく聴くアルバムです。

10枚限定です。


 (10) ERIC ALEXANDER QUARTET / A NEW BEGGINING
Alt Saxophone With Strings


eric alexander(as),
david hazeltine(p), john webber(b), joe farnsworth(ds),
strings
2023/HighNote/



 1  Blues For Diane (E.Alexander)
 2  Embraceable You (G & I.Gershwin)
 3  All My Tomorrows (S.Cahn/J.V.Heusen)
 4  Maybe September (R.Evans/J.Livingston/P.Faith)
 5  To Love And Be Loved (S.Cahn/J.V.Heusen)
 6  Anita (E.Alexander)
 7  She Was Too Good To Me (R.Rodgers/L.Hart)
 8  Too Late Now (A.J.Lerner/B.Lane)
 9  Blues For Diane (E.Alexander)


エリック・アレキサンダーも今年で早55歳になるんですね。
リーダー・デビュー作は24歳だったのでほぼ順当だったと思います。
1991年セロニアス・モンク・コンペのサックス部門でジョシュア・レッドマンに続いて2位になりました。
ちなみに3位がクリス・ポッターで三人三様に大活躍しているのでこの年のレベルは凄かったです。
私はエリックが一番聴き易かったのですぐにエリックの大ファンになりました。
以来リーダー作は買っているので今回で45枚になりました。
その他に「One For All」とか「Reeds and Deeds」のグループ作があります。
何よりミュージシャン仲間や繋がりのゲスト参加が多いので稀代の多作家でもあります。
エリックはスコット・ハミルトンやハリー・アレンと共に人気の三大テナー・サックス奏者と言えます。

さてここでエリックはアルト・サックスを吹いています。
最初に買ってもらったのがアルト・サックスだったけどすぐにテナー・サックスに転向してしまったそうです。
事実サックス奏者はアルトから始める人が多いです。
小さいので取り扱いが便利なのと価格が安いのがその理由だと思います。

最初は「今さらエリックのアルトを聴いてもなぁ~」と思いました。
でも聴いてみると思ったより全然良かったです・・・違和感は全く感じませんでした。
今作は4年振りの新作なんだけどコロナ禍で真剣にアルトの練習をしていたと思います。
「やはりエリックはエリックだ」という感じはするけれど音が高い分新鮮でした。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



 (9) JOE FARNSWORTH QUINTET / IN WHAT DIRECTION ARE YOU HEADED ?


joe farnsworth(ds),
immanuel wilkins(as), kurt rosenwinkel(g), julius rodriguez(p), robert hurst(b)
2023/Smoke Sessions/



 1  Terra Nova (K.Rosenwinkel)
 2  Filters (K.Rosenwinkel)
 3  In What Direction Are You Headed ? (H.Mabern)
 4  Composition 4 (I.Wilkins)
 5  Anyone But You (J.Rodriguez)
 6  Safe Corners (K.Rosenwinkel)
 7  Bobby No Bags (J.Farnsworth)
 8  Someday WE'll All Be Free (Hathaway/Howard)


ジョー・ファーンズワース(ds)の新作です。
ファーンズワースのリーダー作は何枚か持ってると思いましたが今作が初めてだとは意外でした。
エリック・アレキサンダー(ts)と一緒だったので見たり聴いたりする機会が多かったからです。
師匠格はハロルド・メイバーン(p)でこれまた共演の機会が多かった。
また3管編成の人気バンドの「ワン・フォー・オール」のメンバーでもあります。

ここはカート・ローゼンウィンケル(g)とイマヌエル・ウィルキンス(as)の名前に惹かれました。
珍しい組み合わせだと思いました。
全8曲はローゼンウィンケルが3曲、ウィルキンスが1曲、自身のオリジナル1曲、その他3曲の構成です。
明らかに音楽的指向はローゼンウィンケルですね。
ローゼンウィンケルとウィルキンスなら超クールな演奏になるのは予想出来ます。
それに対してパワフルに突っ走るファーンズワースのドラムスがどう絡み合っていくのか。
そこが一番の聴きどころになりました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



 (8) DON MENZA & SAM NOTO QUARTET / STEPPIN'


don menza(ts), sam note(tp),
dave young(b), terry clarke(ds)
2023(1980Rec)/Fresh Sounds/



 1  Something Old, Something Blue (M.Levine)
 2  Lover Man (D.R.Sherman)
 3  Spanish Boots (D.Menza)
 4  Paddelin' Maddeline (D.Menza)
 5  These Are Things I Love (J.Scott)
 6  Steppin' (D.Menza)


ドン・メンザ(ts)とサム・ノート(tp)のピアノレス・カルテット盤です。
「これは珍しいな」と思って手が伸びました。
名手デイヴ・ヤング(b)とテリー・クラーク(ds)のリズムもシブいです。
1980年のカナダのトロントでのライブ盤で今回が初お目見えの発掘盤だと思われます。
メンザはメイナード・ファーガソンやバディ・リッチ、ノートはカウント・ベイシーやスタン・ケントンに在籍しました。
共にビック・バンド畑の出身でキャリアは似ています。
メンザは遅れてきたジャズマンの一人でちょっと気の毒でしたがこのところ再評価されているようで良かったです。
何枚か聴きましたがスタンダードが中心で今作ではメンザのオリジナルが3曲も聴けたので新鮮でした。
ただ1曲が長くトータル80分弱の長丁場なので聴き続けるのはきつかったです。
それだけにこの日の二人が絶好調だった証拠で演奏内容が充実していて聴き応えはありました。
随所でメンザとノートのとどまるところを知らない圧倒的なソロを聴くことが出来ます。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



 (7) YVES THEILER TRIO / STANDARDS - Volume 1


yves theiler(p), marc mezgolits(b), marton juhasz(ds)
2023/TCB/



 1  All The Things You Are (J.Kern)
 2  You And Night And The Music (A.Schwartz)
 3  The Way You Loook Tonight (J.Kern)
 4  Conception (G.Shearing)
 5  Falling In Love With Love (R.Rodgers)
 6  The Saga Of Harrison Crabfeathers (S.Kuhn)
 7  Stolen Moments (O.Nelson)
 8  I Thought About You (J.V.Heusen)


イヴ・タイラー(p)は初見、スイスのピアニストです。
これはねぇ~、聴き始めから驚きましたよ。
「素晴らしい!!」
こんなにクリエイティブなピアニストがいたんですね。
スタンダード作品集なので軽い気持で買ってみたんだけど全然違いました。
聴きなれたスタンダードに彼の鋭い感性が刻み込まれています。
是非一度聴いてみて下さい。
今年のベスト3の一枚が決まりました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



 (6) LAFAYETTE HARRIS JR TRIO / SWINGIN' UP IN HARLEM


lafayette harris jr(p), peter washington(b), lewis nash(ds)
2023/Savant/



 1  Swingin' Up In Harlem (L.Harris Jr)
 2  Living For The City (S.Wonder)
 3  Teach Me Tonight (G.Depaul/S.Cahn)
 4  The Nearness Of You (H.Carmichael)
 5  Stardust (H.Carmichael)
 6  St.Thomas (S.Rollins)
 7  Over The Rainbow (H.Arlen)
 8  It's All In The Game (C.Sigman)
 9  Solitude (E.Elington)
 10  Nat's Blues (L.Harris Jr)


たまにはベテラン・ピアノ・トリオをゆったりと聴いてみようかと思いました。
ラファイエット・ハリス(p)、ピーター・ワシントン(b)、ルイス・ナッシュ(ds)なら間違いありません。
そのまんまのスイング感溢れるハーレム風カクテル・ピアノが聴けました。
手慣れた感じのよどみのない流麗なピアノを聴いているとホッとしますよ。
絶妙なタッチで聴かせるホギー・カーマイケルの名曲「The Nearness Of You」は絶品です。
いつまでもこのサウンドに浸っていたいと思ってしまう。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



 (5) JON BOUTELLIER / ON BOTH SIDES OF THE ATLANTIC !


jon boutellier(ts), alexander claffy(b), kyle poole(ds),
celia kameni(vo)(4), kirk lightsey(p)(3,4,10), jean-paul estievenart(tp)(1,2,4,10)
2020/Gaya Music/



 1  Black (C.Walton)
 2  Blue Rose (D.Ellington)
 3  Maybe September (Livingston/Evans&Faith)
 4  Save That Time (R.Long)
 5  Nice & Nasty (T.Jones)
 6  Quiet Sides (J.Boutellier)
 7  1974 Blues (E.Harris)
 8  We'll Be Together Again (Fischer & Laine)
 9  Yesterdays (Kern/Harbach)
 10  Blues On The Corner (M.Tyner)


フランス出身のジョン・ブテリエ(ts)は初見、今作は1960年代風のジャケットに手が伸びました。
ベテラン・ピアニストのカーク・ライトシーの参加とハード・バップな選曲にも魅力があります。

聴いてみるとピアノレス・サックス・トリオが中心(5曲)というのも面白かったです。
その他ピアノ入り、ヴォーカル入り、トランペットとのフロント2管など構成が良く飽きさせません。
シダー・ウォルトン(p)、サド・ジョーンズ(tp)、エディ・ハリス(ts)などが取り上げられたのも嬉しい。
聴きどころは(3)「Meybe September」と(9)「Yesterdays」になりました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



 (4) SYMBIOSIS 5 / JAZZ GETXO


mate drippey(ts), benedek virag(g),
levente kapolcsi-szabo(p), tamas gyanyi(b), roland gabor majsai(ds)
2022/Errabal Jazz/



 1  Parisian Song (M.Drippey)
 2  Duckling (Recek) (R.G.Majsai)
 3  Presence (Pillanat) (L.K.Szabo)
 4  Balaton (R.G.Majsai)
 5  Struggle (L.K.Szabo)
 6  Changing (Valtozas) (L.K.Szabo)
 7  Step One (L.K.Szabo)
 8  Locked In A Box (Dobozba Zarva) (R.G.Majsai)


「Symbiosis 5」は初見、今作はジャケ買いです。
若手5人のクインテット編成でなんか真面目そうでカチッとした雰囲気が気になりました。

スペインのガチョ・国際ジャズフェスのグループ・コンペティションで優勝したハンガリーのグループとありました。
ブダペストのリスト・フェレンツ大学とベーラ バルトーク音楽院在学中に知り合った5人の若者によって結成されました。
彼ら5人は、同じ音楽学校の出身であるにもかかわらず、世界中のさまざまな地域に個人的および芸術的ルーツを持っており、
様々な個性がぶつかり合い、化学反応を起こし新たにユニークなサウンドとしてアウトプットされたグローバルなジャズ作品となっている。

確かに内容も多彩で面白かったです。
ヨーロッパの伝統的な民族音楽のリズムが中心ですがスイング感に溢れる王道ハードバップ演奏もありました。
何しろテナー・サックスの音色が素晴らしいです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



 (3) PAU TEROL TRIO / MAY I ?


pau terol(p), paul lligadas(b), joan terol(ds)
2021/Swit Records/



 1  The Oracle (J.Calderazzo)
 2  I Hear A Rhapsody (G.Fragos/J.Baker/D.Gaps)
 3  Not Yet (P.Terol)
 4  Candle Light (P.Terol)
 5  Renewal (M.Alexander)
 6  Passing Cloud (P.Terol)
 7  Speak Low (K.weill)
 8  El Senyor de Les Portes (P.Terol)
 9  What A Difference A Day Makes (M.Grever)


パウ・テロルはスペイン出身のピアニストで初見です。
今作が初リーダー・アルバムのようですがテロルは流麗なタッチ持っています。

全9曲は自身のオリジナルが4曲とスタンダード3曲、その他2曲の構成です。
選曲にはジョーイ・カルデラッツォ(p)とモンティ・アレキサンダー(p)の名前がありました。
なるほど、ここいら辺がテロルのルーツになるのかと思いました。
美しくて切れ味鋭くスイング感に溢れています。
(2)「I Hear A Rhapsody」の雰囲気がとても素晴らしくて何度も聴いてしまいました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



 (2) FRANCESCA BERTAZZO HART / PLAYING WITH JIMMY
a tribute to Jimmy Van Heusen


francesca bertazzo hart(vo,g), michele francesconi(p,arr,cond),
paolo trettel(tp), gigi crata(tb), stefano menato(as,cl),
fiorenzo zeni(ts), giorgio beberi(bs,bcl), beppe pilotto(b), mauro beggio(ds)
2022/Caligola Records/



 1  I Thought About You
 2  Like Someone In Love
 3  Come Fly With Me
 4  Here's That Rainy Day
 5  Darn That Dream
 6  All The Way
 7  It Could Happen To You
 8  Playing With Jimmy (F.B.Hart)
 9  Another Blues For Jimmy (F.B.Hart)
 10  The Second Time Around
 11  All My Tomorrows
 12  But Beautiful
 13  Call Me Irresponsible


イタリアのフランチェスカ・ベルタッツォ・ハート(vo,g)のジミー・ヴァン・ヒューゼン作曲集です。
ジャケットの写真はそのジミー・ヴァン・ヒューゼン本人です。
こうして見てみると改めて「いい曲をいっぱい書いているんだな」と思いますね。

全13曲はフランチェスカの2曲のオリジナルを除いてはジミー・ヴァン・ヒューゼンの作品になっています。
ここはマイケル・フランチェスコーニのアレンジと指揮も聴きどころになりました・
ひと味違う新しい感覚のジミー・ヴァン・ヒューゼンをヴォーカルと演奏で聴くことが出来ました。
面白かったです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



 (1) JERRY VIVINO / COAST TO COAST


jerry vivino(ta,afl,ss,vo),
andy langham(p)(1,2,4), john leftwich(b)(1,2,4), bernie dresel(ds)(1,2,4),
ron stout(tp)(1,2), bucky pizzarelli(g)(3,5,9), martin pizzarelli(b)(3,5,9),
karl lathamds)(3,5,9,10), ken levinsky(p)(3,5,9,10), mark sganga(g)(10),
john arbo(b)(10), mitchel forman(p)(7), kevin axt(b)(7), lew soloff(tp)(6,8),
kermit driscoll(b)(6,8), shawn peltonds)(6,8), brian charette(p)(6,8),
2018/Blujazz/



 1  Coast To Coast (J.Vivino/Langham)
 2  Spud Time (J.Vivino/Langham)
 3  Body And Soul (J.Green/E.Heywood)
 4  Sam I Am (J.Vivino)
 5  Paterson (J.Vivino/Langham)
 6  Category 5 (J.Vivino)
 7  Here's That Rainy Day (Van Housen/Burke)
 8  Lew's Blues (J.Vivino)
 9  Honeysucle Rose (Waller/Razaf)
 10  Miracles (J.Vivino/Levinsky/N.Vivino)


ジェリー・ヴィヴィノ(ts)は1954年生まれ、アメリカのニュージャージー州出身です。
父親もジャズマンでここでも共演しているギター・レジェンドのバッキー・ピザレリと共演していました。
そのバッキーが好きな曲の「Body And Soul」と「Honeysucle Rose」を選曲しています。
またトランぺッターのルー・ソロフも尊敬しているようで「Lew's Blues」という曲もありました。
演奏はスイング感溢れるウエスト・コースト・ジャズで聴き易いです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)