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今週のジャケットのコメント


*ちょうど9年目を迎えて、折角なので「今週のジャケット」のコメントも残しておくことにしました。
NO.376〜以降です。(2007/04/01)

*10周年を記念したNO.442以降のドラ盤紹介ではジャケットも掲載しています。(2008/03/30)





(500) BILL CHARLAP TRIO / BLUES IN THE NIGHT
bill charlap(p) jay leonhart(b) bill stewart(ds)
2001/VENUS REC/

ビル・チャーラップの日本盤は”ゴールド・ディスク”なることが多いです。
そんなわけで「ドラ盤」入りは珍しいです。
いかにも日本人好みのピアニストでこの10年でぐっと注目度が増しました。

[レビュー時のコメント]
ビル・チャーラップ(p)の新譜は、夜のムードのスタンダード作品集です。
チャーラップは現在、絶好調というか、今が正に旬のプレイヤーだと思います。
元々持っている才能を開花させているだけかも知れませんが、猛烈な勢いで音楽の幅を広げています。
あちこちのセッションに引っ張りダコで、最近の活躍振りには目を見張るものがあります。
こういう組み合わせを考えるのは楽しいでしょうね、 なんと、ニューヨーク・トリオと銘打ってきました。
意外な組み合わせですけれど、適度な緊張感が感じられて中々いいです。
派手さはないけれど、聴けば聴くほど味が出るアルバムだと思います。
ヴィーナス独特の音作りも楽しめます。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2009/05/10



(499) ARTHUR BLYTHE QUARTET / BLYTHE BYTE
arthur blythe(as)
john hicks(p) dwayne dolphin(b) cecil brooks V(ds)
2001/SAVANT/

アーサー・ブライス(as)も久し振り、聴き直しても印象は変わりません。
2006年に亡くなったジョン・ヒックス(p)のプレイに注目してしまいました。

[レビュー時のコメント]
元ゴリゴリ・アルト・サックス奏者、アーサー・ブライスの変身スタンダード作品集です。
全10曲、うち4曲がジョン・ヒックス(p)とのデュオになっています。
彼が尊敬するセロニアス・モンクの曲も3曲入っています。
最近の軟弱なジャズとは一線を画す素晴らしさです。
この緊張感のある表現力はどうでしょう。
「ベサメ・ムーチョ」なんかは涙ちょちょ切れものですよ。
彼としては比較的聴き易いですから、みなさんにもじっくりと聴いて欲しいアルバムですね。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2009/05/03



(498) MARK TURNER QUARTET / DHARMA DAYS
mark turner(ts)
kurt rosenwinkel(g)  reid anderson(b) nasheet waits(ds)
2001/WARNER BROS/9

マーク・ターナー(ts)やカート・ローゼンウィンケル(g)の気だるいサウンドは実に新鮮だったです。
この頃からしばらくの間はどっぷりと浸かっていました。
今でも十分に魅力あると思います。
ライブも2回見ましたが縮んだり伸びたりの独特の縦ノリが面白かったです。

[レビュー時のコメント]
マーク・ターナー(ts)の新譜は新鮮で不思議な魅力に溢れています。
全9曲、全て彼自身のオリジナルで占められており、曲風も一貫された意欲作だと思います。
アメリカの若手ジャズメンが目指す新しいジャズの形の一つがここにあります。
ジョシュア・レッドマン(ts)の新作にも似たような曲作りがありましたよ、同様の感覚を覚えました。
クールかつ浮揚感のある独特のサウンドは、一方でフリー・ジャズに通じるところが感じられます。
私も最初はピンとこなかったんですが、聴き込んでいくうちにドップリとはまってしまいましたよ。
このサウンドの魅力はギターのカート・ローゼンウィンケルに負う部分が大きいですね。
好き嫌いがハッキリと出る作品だと思いますが、みなさんも聴いてみたらいかがでしょうか。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2009/04/26



(497) JOHN PIZZARELLI / LET THERE BE LOVE
john pizzarelli(vo,g)
harry allen(ts), dominic cortese(acor), ray kennedy(p)
jesse levy(cel), ken peplowski(cl)
bucky pizzarelli(g), martin pizzarelli(b), etc
2001/TELARC JAZZ/

ジョン・ピザレリは一時期凝ってずい分と聴いていました。
聴き直してみるとソフトで軽快な分やや物足りない感じがしました。

[レビュー時のコメント]

ジョン・ピザレリ(vo,g)の新譜はテラーク・レーベルからの第二弾です。
ゆったりとしたバラードが中心で、そのソフトな歌声と共にくつろぎの1枚になっています。
最近の男性ヴォーカリストでは一番のお気に入りで、ずっと追いかけているプレイヤーです。
これはリラックスしたピザレリの持ち味が良く出た好盤だと思います。
1995年録音の「BALLADS FOR YOU」に次ぐ傑作かも・・・。
余り知られていない?スタンダードを取り上げているのも特徴になっています。
ピザレリの世界を楽しんで下さい。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(くつろぎ系)

2009/04/19



(496) CARLA COOK / DEM BONES
carla cook(vo)
cyrus chesnut(p,fend ,org)  james genus(b) fred wesley(tb)
crag harris(tb)  tyrone jefferson(tb)
billy kilson(ds)  jefferey haynes(per)
2001/MAXJAZZ/

聴き直してみると思っていたよりずっとスマートでした。
バックのサイラス・チェスナット・トリオ&3トロンボーンも聴きどころ。

[レビュー時のコメント]

ハワイのCD屋のお薦めコーナーにありましたが、カーラ・クック(vo)は初めて聴きました。
歌はもう抜群に上手いです、これが今回の一番の大当たりだったですね。
声質もシットリとしていて、その丁寧な歌い方にも好感を持ちました。
解説を読んであとで分かったんですが、すでに向こうではかなり知られている存在のようです。
なんと1999年のデビュー盤がグラミーのジャズ・ヴォーカル部門にノミネートされたそうです。
・・・と聞いてさもありなんと思いましたよ、私の耳もまんざらでもないなあと自画自賛しています。
いずれ大物へと道を歩むかも知れません、興味があれば是非聴いてみて下さいね。
バックのサイラス・チェスナットも好調、3本のトロンボーンも聴きものです。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2009/04/12



(495) TERENCE BLANCHARD / LET'S GET LOST
terence blanchard(tp), brice winston(ts)
edward simon(p), derek nievergelt(b), eric harland(ds)
diana krall(vo), jane monheit(vo), dianne reeves(vo), cassandra wilson(vo)
2001/SONY/

今になるとこの4人の女性ボーカルの競演なんて信じられません。
ブランチャードが実にクール、じっくりと歌い込んだ作品で素晴らしいです。

[レビュー時のコメント]

テレンス・ブランチャード(tp)の新作は、なんと4人の女性ヴォーカリストが登場しました。
ダイアナ・クラ−ル、ジェーン・モンハイト、ダイアン・リーブス、カサンドラ・ウィルソンです。
クラ−ル以外は各2曲、それにインストルメンタルが4曲含まれています。
1枚で5つ楽しめるアルバムなんて、そうそうはありませんよ。
こんなお徳用盤ならもうそれだけで大満足です。
女性ヴォーカルの聴き比べをしたい人にも最適の1枚でしょうね。
ダイアナ・クラ−ルの出来が良かったので、もう1曲聴いてみたかった。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2009/04/05



(494) WARREN VACHE & BILL CHARLAP / 2GETHER
warren vache(cor,tp), bill charlap(p)
2001/NAGEL-HEYER/

トランペットとピアノのデュオにはルビー・ブラフ&エリス・ラーキンスの素晴らしい作品があります。
それに痺れて以来、この組み合わせのデュオは見つければ買っています。
今作品はそれに匹敵するもので聴き直してもしんみりしました。

[レビュー時のコメント]

スイング系のウォーレン・バシェとモダンなビル・チャーラップの組み合わせが魅力です。
甘さだけでなく適度な緊張感があって、デュオ・アルバムとしては上級だと思いました。
スタンダードでも特にチャーラップのピアノが新鮮でね、やはりこの人は相当な器ですよ。
私はチャーラップのソロ・アルバムを聴きたくなってしまったほどです。
いつもウトウトしながら聴いているんですが、最高のBGMになっています。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2009/03/29



(493) ERIC REED SEPTET/ HAPPINESS
eric reed(p),
marcus printup(tp), wyeliffe gordon(tb), wessell anderson(as)
wayne escoffery(ts,ss), barak mori(b), rodney green(ds) etc
2001/NAGEL-HEYER/

改めて聴き直してみるとこれが新鮮で良かったです。
分厚いアンサンブルとハーモニー、身体に沁み込んだスイング感があります。
黒人霊歌、ブルースが根底にあり、延々と繋がる伝統的なものを感じます。
エリック・リードが全開、メンバーも魅力です。

[レビュー時のコメント]

アメリカ期待のピアニスト、エリック・リードの新作はドイツ盤です。
一聴した途端、「これはー・・・」と思いました、好みからはややズレていますがいいですよ。
伝統的なジャズのスタイルを堅持しながら、現代的なセンスも感じさせます。
ここいらへんは師匠のウィントン・マリサリス(tp)の影響も大きいのかも知れませんね。
メンバーは全然知りませんが、分厚いアンサンブルとハーモニーを聴かせてくれました。
エリントンの「ムード・インディゴ」を除いては全てエリック・リードのオリジナルです。
エリック・リードの才能が大きく開花した意欲作だと思います。
どこの世界でも「温故知新」は大事なことですね。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2009/03/22



(492) JACKY TERRASSON / A PARIS...
jacky terrasson(p),
stefano di battista(sax), bireli lagrene(g), stefon harris(mar), etc.
2001/BLUE NOTE/

ジャッキー・テラソン(p)もしばらくご無沙汰していました。
こういう機会でもないと奥の方にしまいっぱなしになって聴くこともありません。
そういう意味でもこの企画は良かったと思っています。
今作もいいです。

[レビュー時のコメント]

ジャッキー・テラソンの新作は、いつもより題材がやわらかいので聴き易いと思います。
何気なくBGMで聴いていても、時々おやっという新鮮なフレーズが出てきます。
思わず聞き入ってしまいますので、さすがだなあと思いました。
若手ピアニストではブラッド・メルドーと、このジャッキー・テラソンが個性と可能性を感じさせます。
今作は彼のアルバムとしては面白い企画物になるでしょうね。
いずれ評価される可能性が高いです、持っていてソンはない作品だと思います。
ゲスト陣も豪華ですし、一曲一曲が短くて珠玉の短編集を読んでいるようです。
パリの粋を感じさせるので、私は結構好きですね。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2009/03/15



(491) RAY BROWN TRIO / LIVE AT STARBUCKS
geoff keezer(p), ray brown(b), karriem riggins(ds)
2001/TELARK/

久し振りに聴きましたがこのピアノ・トリオはカッコイイいいです。
お手本はやはりオスカー・ピーターソン・トリオなんでしょうね。
臨場感のある録音もいいんじゃないかな。

[レビュー時のコメント]

レイ・ブラウン(b)のトリオは、シアトルのスター・バックスで行われたライブ・アルバムです。
久し振りに重厚かつスイング感溢れるピアノ・トリオを聴いた気がします。
さすがにレイ・ブラウンのベース・プレイが効果的ですね、存在感も十分です。
ジャズ・メッセンジャーズ出身の名手、ジェフ・キーザーのピアノもいいですよ。
安心してお薦め出来るオーソドックスなピアノ・アルバムだと思います。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2009/03/08



(490)RYAN KISOR QUARTET / KISOR U
ryan kisor(tp),
peter zak(p), john webber(b), joe farnsworth(ds)
2001/VIDEOARTS/

ライアン・カイザー(tp)もしばらくご無沙汰していますがどうしているでしょうか。
聴き直してみると少し優等生かもしれないと思いました。
ベスト・トラックは比較的弾けている(4)「Seven Steps To Heaven」か。

[レビュー時のコメント]

ライアン・カイザー(tp)の新作は、とにかく爽やかで気持が良いです。
美しいメロディには、彼のまろやかな音色が良く似合います。
2,5,7のミディアム・テンポのバラードの表現力に長足の進歩が窺えました。
8のスロー・バラードはイマイチですね、もう少し深みが欲しい感じがします。
しかし、これをクリアするのも、そう遠くはないでしょう。
一枚を聴き通せる数少ないアルバムに仕上がりました。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2009/03/01



(489)TETSURO KAWASHIMA QUARTET / EMOTION
川嶋哲郎(ts,ss)
石井彰(p), 安ヶ川大樹(b), 力武誠(ds)

2001/EWE REC/

川嶋哲郎さんについては多くを語る必要がないでしょう。
名実共に日本を代表するテナー奏者だと思います。
文句なしの素晴らしいアルバムです。

[レビュー時のコメント]

今が旬の川嶋哲郎の新作です。日本人プレイヤーとしては最も注目しています。
これほど短期間に急成長をしているプレイヤーも珍しいですね。
2000年度テナー・サックス部門の人気投票のトップも当然だと思っています。
真摯にジャズに取り組んでいる姿勢を高く評価しています。
売れるジャズも可能でしょうが惑わされずに自分の音楽を追求している感じです。
1曲目のバラードもいいですが、表題曲における後半の盛り上がりはまさに圧巻です。
バックのメンバーとのバランスも良く、日本人ジャズ・コンボの最高峰が聴けます。
聴かせるジャズですので少々重いのは覚悟して下さいね。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2009/02/22



(488)MARLENE ROSENBERG QUARTET / PIECES OF ・・・
marlene rosenberg(b),
cedar walton(p), javon jackson(ts), george fludas(ds)
2000/BASSLINE/

シダー・ウォルトン(p)とジャヴォン・ジャクソン(ts)の参加が貴重です。
私の経験からいえばこういうのがいずれレア盤になっていくと思います。

[レビュー時のコメント]

珍しい女性ベーシストのマーレーン・ローゼンバーグの作品です。
とても女性とは思えない強力なベース・プレイを聴かせてくれました。
全11曲中6曲が彼女のオリジナル、2曲がシダー・ウォルトン(p)の作品です。
注目しているサックス・プレイヤーのジャヴォン・ジャクソンもストレートな演奏で好感が持てます。
ベテランのシダー・ウォルトンとの組み合わせも上手くいったと思います。
マーレーンを中心に良くまとまった好アルバムに仕上っているので私の評価は高いです。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2009/02/15



(487)THE WINNERS / LIVE AT THE DOLDER GRAND HOTEL, ZURICH
franco ambrosetti(tp,flh)
thierry lang(p), heiri kanzig(b), peter schmidlin(ds)
2000/TCB RECORDS/

今作は2000年のベスト3の一枚になりました。
一発勝負のぶつかり合いは「負けてなるか」の意欲が伝わってきます。
メンバーの気合乗りは十分で一期一会のライブの魅力がいっぱいです。
名盤の一枚。

[レビュー時のコメント]

スイスのジャズ・マガジンのウィナー達による記念ライブ盤です。
さすがにそれぞれ実力を感じますね、気合も十分に入っています。
曲目は全てスタンダード・ナンバーですが、ヨーロッパの高水準のジャズが聴けます。
スイス・ジャズ・シーンの底力というか、レベルの高さを実感することが出来ました。
特に「MY FOOLISH HEART」は14分強の熱演、好解釈で素晴らしかったです。
フランコ・アンブロゼッティ(tp、flh)とティエリー・ラング(p)は、是非聴いてほしいですね。
フーム、これは困りました、またもや今年のベスト3の候補が登場してしまいました。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2009/02/08



(486)DAWN THOMSON / A TRIBUTE TO A.C.JOBIM
dawn thomson(vo,g)
helio alves(p,key), nilson matta(b), vandarlei pereira(ds,per)
john nugent(sax fl)
2000/ALFA/KYAL-9006

ボサノバも時々は聴きたくなります。
2月にボサノバとは季節外れですがこれもまた一興ですね。
気だるくセクシーな歌声で聴いていると夏が待ち遠しくなります。
共演のピアニストのヘリオ・アルヴェスもニューヨークで活躍中です。

[レビュー時のコメント]

ドーン・トンプソンと発音するそうです、シットリとした歌声と洗練されたサウンドのボサノバが聴けます。
帯中にはニューヨーク・スタイルの最新型ボサノバとありました、ジョビンの名曲がずらりと並んでいます。
このアルバムは日本だけを考えた場合、この時期に出すのはもったいない感じですね。
夏ならかなり売れたと思います、もっとも、この夏もう一度ヒットするかも知れませんが・・・。
ボサノバ・ファンなら必聴でしょう、私にとってもお気に入りの一枚になりました。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(くつろぎ系)

2009/02/01



(485)BOBBY WATSON / IN THE GROOVE
bobby watson(as),
dado moroni(p), hein van de geyn(b), hans van oosterhout(ds)
2000/CHALLENGE REC/

ボビー・ワトソンも好きなアルト・サックス奏者の1人です。
ジャズ・メッセンジャーズで注目、最初に見たのは”Mt・フジ・ジャズ・フェス”でした。
抜群のテクニックの持ち主で鼻から息を吸ってそのまま吹き続けるノン・ブレス奏法には驚かされました。
今作は2001年のベスト3に選んだほどの力作です。

[レビュー時のコメント]

久し振りにボビー・ワトソン(as)のアルバムを買ってみました。
これはいいですね、文句なしです、ライブ・アルバムとしても極上の一品です。
1曲目、チャーリー・パーカー作の「CONFIRMATION」におけるアルトソロから始まる
プレイは熱い!!、ワトソンの面目躍如、まさに圧倒的な迫力で迫ってきます。
2曲目、「ALL BLUES」では、ダド・モロニ(p)が凄みのあるプレイを聴かせます。
ワトソンの変幻自在のソロ、モロニのピアノも相変わらず切れ味が鋭いです。
「百聞は一聴にしかず」、ワトソンとモロニとの勝負は本当に聴き応えがありますよ。
ジャズ・フェスティバルにおける真剣勝負のぶつかり合いに圧倒されてしまいました。
ベースも強力、早くも今年のベスト3候補の登場です。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2009/01/25



(484)STEFANO DI BATTISTA / STEFANO DI BATTISTA
stefano di battista(as,ss)
jacky terrasson(p), rosario bonaccorso(b), elvin jones(ds)
flavio boltro(tp)(4,6,7)
2000/BLUE NOTE/

ステファノ・ディ・バティスタも久しくご無沙汰していました。
メンバーも素晴らしく若いだけに切れ味も鋭く代表作だと思います。
フラヴィオ・ボルトロ(tp)とのフロント2管も聴きどころで名盤の一枚です。

[レビュー時のコメント]

ミシェル・ペトルチアーニ(p)に見出されたイタリア出身のステファノ・ディ・バティスタの新作です。
ブルー・ノートからは2作目になりますね、前作の「A PRIMA VISTA」も良かったですよ。
大体、プレイヤーが自分の名前を冠した作品には、力がこもっているのでハズレが少ないです。
彼の音楽性を知ることが出来る、意欲的な一枚です。
今作はドラムにエルビン・ジョーンズ、ピアノには個性派のジャッキー・テラソンを起用しました。
特に尊敬するエルビンとの共演は若い時からの夢だったようですね。
1曲目にはコルトレーンを彷彿とさせる、見事なソプラノ・サックスを披露しています。
このアルバムがステファノの代表作になることは間違いないと思います。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2009/01/18



(483)DAVID SANBORN / INSIDE
david sanborn(as),
marcus miller(b,key,ds,etc), don alias(per), michael brecker(ts),
wallace roney(tp), ricky peterson(org), cassandra wilson(vo),
lalah hathaway(vo), sting(vo), etc
2000/ELEKTRA/

毎年暮れになると来日公演をするほどデビッド・サンボーンの人気も絶大なものがあります。
私はチャージ料に興味がありますがこれが集客力のバロメーターになると思うからです。
サンボーンは何年か前なら12000円でしたが今は10000円。
正月にかけてのパット・メセニーが13000円でこちらのほうが高かったです。

久し振りに聴きましたがやはりテンポのいいフュージョン・サウンドは水を得た魚のようです。
マーカス・ミラーの1曲目がいかにもという感じで良かった。

[レビュー時のコメント]

デヴィッド・サンボーン(as)のライブを見たので、この新作を良く聴いています。
実にサンボーンのアルバムを購入したのは、20年振りになるでしょうか。
久し振りに聴いてみて、吹き過ぎていないところに好感を持ちました。
ライブでもそれは感じましたし、この新作からは4曲ほどが演奏されました。
プロデュースはマーカス・ミラーで、ここでも5曲を提供しています。
この作品はヴォーカルを上手に組み合わせていて、構成も申し分ありません。
これほど豪華なゲスト陣はちょっとないでしょうねえ、多分みなさんも楽しめると思います。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2009/01/11



(482)DIDIER LOCKWOOD / TRIBUTE TO STEPHANE GRAPPELLI
didier lockwood(vln), bireli lagrene(g), niels henning orsted pedersen(b)
2000/DREYFUS/

久しくバイオリン・ジャズを聴いていませんでした。
ディディエ・ロックウッドも何年ぶりか。
ロックウッド&ラグレン&ペデルセンのメンバーも凄い。

[レビュー時のコメント]

ディディエ・ロックウッド(vln)のステファン・グラッペリ・トリビュート・アルバムです。
共演がビレリ・ラグレン(g)とオルステッド・ペデルセン(b)と強力な布陣です。
グラッペリ追悼としては、雰囲気といいメンバーといい最高ではないでしょうか。
こういうアルバムを1枚持っていると、ジャズ聴きの幅がグンと広がると思いますね。
フランスの田舎を感じさせるジャケットも印象に残ります。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2009/01/04



(481)KEITH JARRETT TRIO/ WHISPER NOT
keith jarrett(p), gary peacock(b), jack dejohnette(ds)
2000/ECM/

何も言うことはございません。最強のピアノ・トリオが聴けます。
先日亡くなった筑紫哲也さんがライナーノーツを書いているのも珍しいです。
”キース・ジャレットがすっかり元気になってのびやかに弾きまくるライブを聴けるなんて、なんとも楽しい”
(ライナーノーツよりの抜粋)

2001年の来日公演を見に行きましたが超満員でキース・トリオの人気を目のあたりにしました。
S席なのにえらく遠い席だったので「これはないなぁー」と思ったので印象に残っています。

[レビュー時のコメント]

キース・ジャレット・トリオのスタンダード集、パリでのライブ・2枚組です。
トリオとしての重量感というか、格が一枚も二枚も上ですね、現在考えられる最強の組合せかも。
唸り声も健在ですが、これが余り気にならないほど、素晴らしい出来だと思いました。
キースも病んで今1歩深みを増した感じです、トリオのコンビネーションも最高です。
これじゃ、2枚を1枚にする方が無理というものです、2枚一気に聴いてしまいました。
当然、目立つ1枚だと思いますが、GDにならなかったので、「ドラ流・・・」にしました。
極上のジャズ・スタンダード・アルバム、今年出たピアノ・トリオものでは出色の作品です。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2008/12/28



(480)THE ALEX BLAKE QUINTET featuring PHAROAH SANDERS
/ NOW IS THE TIME
alex blake(b,elb,per,vo), pharoah sanders(ts),
john hicks(p), victor jones(ds), neil clark(per)
2000/BUBBLE CORE/

今年は体調面もあってこういった刺激的で尖がったアルバムはあまり聴きませんでした。
今聞き直してみるとやっぱりいいですね。
来年はこういう傾向のものや最先端なコンテンポラリー・ジャズも聴いていきたいと思います。

[レビュー時のコメント]

アレックス・ブレイク(b)の22年振りのリーダー作だそうです。
何と言っても、ファラオ・サンダース(ts)とジョン・ヒックス(p)の参加が注目されます。
このところ、ファラオもジョンも大人しい感じのバラード・アルバムが多かったですが、
ここではライブ盤ということもあり、久し振りに熱く燃えたプレイを披露してくれています。
表題曲の「NOW IS THE TIME」は、アフロ・テイストで盛り上がりました。
最近は、こういうアルバムには中々出会いませんね、真剣勝負のスリルと興奮を覚えた一枚です。
それにしても、日本盤をよく出してくれました、普通は気が付きませんよ、やはり日本はジャズ天国か。
今だファラオ・サンダースの人気が衰えていない証拠ですね。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2008/12/21



(479)CHET BAKER QUARTET LIVE / THIS TIME THE DREAM'S ON ME
chet baker(tp),
russ freeman(p), carson smith(b),larry bunker(ds), bob neel(ds)
2000(1953〜54Rec)/PACIFIC JAZZ/

相変わらずチェット・ベイカーの人気には目を見張るものがありますね。
私の周りでも少なくても3人の熱狂的なファンがいます。(^^)
最後には身も心もボロボロになった破滅型なジャズマンの生き方にも魅力があるかも。
ここでもやっぱり(9)の「My Funny Valentine」は素晴らしいと思います。
瑞々しいチェットのプレイが堪能できるし、ジャケットのデザインも良くお薦めの1枚です。

[レビュー時のコメント]

最近入手したチェット・ベイカー・カルテットの1953〜54年にかけてのライブ盤です。
特に1〜5は未発表曲で貴重です。
6〜14は「JAZZ AT ANN ARBOR」として、LPで発売されました。
やっぱり、この頃のチェットは素晴らしいですね。当時のウエスト・コースト・ジャズの真髄が聴けます。
白人トランペッターとしては、ダントツの魅力があります、私は懐かしくてジワーとなってしまいました。
ファンの耳を馬鹿にしてはいけませんね。マイルスを凌いだ人気も十分に感じられますよ。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2008/12/14



(478)MARION BROWN & JAZZ CUSSION / ECHOES OF BLUE
marion brown(as)
michael mohring(g), peter krug(b), bernd nawothnig(ds)
wolfgang kropp(per)
2000/DOUBLE MOON/

マリオン・ブラウンが活躍したのは1960年代半ばからほぼ10年間だったです。
その後は目立った活動もしていないようなので寂しいですね。
今作はマリオンのスタンダード集で美しいアルトの音色にはうっとりとします。

[レビュー時のコメント]

マリオン・ブラウンのスタンダード集と聞いたら、見逃すわけにはいきませんよ。
前作は同メンバーのラテン・テイストの作品で、今いちマッチしませんでしたが、これは良いです。
ピュアで澄んだ透明感のある音色は彼がベジタリアンだからでしょうか。
哀愁を帯びた演奏はたまりません、さすがにスタンダードの解釈も新鮮ですね。
前衛派のマリオンはどうも、という方にも安心してお薦め出来るアルバムです。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2008/12/07



(477)BILLY HARPER / SOUL OF AN ANGEL
billy harper(ts)
francesca tanksley(p), clarence seay(b), newman taylor baker(ds)
eddie henderson(tp). john clark(frh)
2000/METROPOLITAN RECORDS/

ビリー・ハーパーも大好きでよく聴いていました。
年齢的にもあのエネルギッシュでパワフルな演奏を続けるのは厳しいと思います。
何年か前のマッコイ・タイナーのビック・バンドだったか、往年の輝きはもうありませんでした。
最近ではチャールス・トリバー(tp)のビック・バンドに参加していますね。
このトリバー・ビック・バンドの来日公演があるということでハーパー久々の雄姿が見られるかもしれませんよ。

[レビュー時のコメント]

熱血漢、ビリー・ハーパーの新作です、ハーパー独特の熱いサウンドが楽しめます。
相変わらずの真っ向からのストレート勝負ですから、気持が良いです。
ここでもパワフルなプレイを聴かせてくれています。ファンにはたまりませんねえ。
もちろん、全曲オリジナル、決して自分のスタイルを変えようとはしません。
こういうジャズマンは、今や本当に貴重な存在です。
ライブで最も聴いてみたいプレイヤーの一人ですが、最近は日本に来ているのでしょうか。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2008/11/30



(476)RICK MARGITZA / HEART OF HEARTS
rick margitza(ts,ss)
joey calderazzo(p), scott colley(b), ian froman(ds)
2000/PALMETTO RECORDS/

このアルバムのジャケットは実に丁寧に出来ていて相当に気合の入った一枚といえます。
思うにリック・マルギッツアは久しくご無沙汰していました。
新譜も出ているようなのでまた聴いてみようかと思っています。

[レビュー時のコメント]

サックスのワン・ホーンのお薦めは久し振りではないでしょうか。
リック・マルギッツア、私は初めて聴きました。名前から想像するとイタリア系ですかね。
知られているのか、いないのかイマイチ分かりませんが、オーソドックスで上品なサックス奏者です。
クセがなく、それでいて適度な刺激、とても上質なアルバムに仕上がっていると思いました。
ピアノには今売り出し中のジョーイ・カルデラッツオを起用していて、彼のプレイにも注目しています。
心地良く耳に響く隠れた名盤、こんな作品をひっそりと聴いている人がいたら、それこそ本当に渋いです。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2008/11/23



(475)RON CARTER / WHEN SKIES ARE GREY...
ron carter(b),
stephen scott(p), hervey mason(ds), steve kroon(per)
2000/SOMETHIN'ELSE/

ロン・カーターも大の日本贔屓の1人ですね。
公園をバックにパチリ、思い出のジャケットではないかと思います。
個人的にもグレーは好きな色です。
ラテン・ジャズですがこの時期に聴くにはピッタリかもしれません。

[レビュー時のコメント]

ロン・カーターの前作「オルフェ」に引き続いてのラテン・ジャズ・アルバムです。
前作がヒットしたので2匹目のドジョウ狙いかも知れませんが、私はこちらの方がいいです。
目玉はハービー・メイソン(ds)の参加でしょうが、他の二人のメンバーも聴かせてくれます。
一聴したところ、何でもないようなアルバムのようですがね、
聴き込むにつれて、中々に中味が濃いことに気が付くのであります。
なにしろ、どの曲もテンポがまったく素晴らしいのです。
ラテンの名曲、「ベサメ・ムーチョ」にも驚かされました。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2008/11/16



(474)RUSSELL GUNN / SMOKINGUNN
russell gunn(tp), bruce williams(as)
marc cary(p), eric revis(b), terreon gully(ds)
2000/HIGHNOTE/

聴き直してもやっぱり素晴らしいです。
ラッセル・ガンのベスト・アルバムではないかと思います。
アタックの強さとスピード感は特筆もの、全員一丸となったストレート・アヘッドなジャズが聴けます。
鬼才、マーク・キャリーのピアノも光る。

[レビュー時のコメント]

つい先日ご紹介した急上昇中のトランペッター、ラッセル・ガンの新作です。
前回は組曲風の意欲作でしたが、今回は一転してストレートなジャズ・アルバムを作ってきました。
ラッセル・ガンは現在28才、パワーとスピード感溢れるプレイを聴かせてくれています。
プロデュースはセシル・ブルックス・Vです。本当に若さとは素晴らしいものですね。
ピアニストのマーク・キャリーも最近お薦めしたばかりですが、やっぱり出てきましたよ。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2008/11/09



(473)THE JAZZTIMES SUPERBAND
bob berg(ts),randy brecker(tp,fln),joey defrancesco(org),dennis chambers(ds),
paul bollenbak(g)
2000/CONCORD/

この企画このメンバーなら気合ノリが違う、全員の張り切りようが凄いです。
キーマンのジョーイ・デフランチェスコのベスト・プレイだと思います。
故ボブ・バーグを偲ぶ意味でも貴重なアルバムになりました。
生きていればマイケル・ブレッカー〜ボブ・バーグの強力なラインが出来たのに・・・。
二人が居ないのは実に寂しいです。
聴いているとジーンとしてきます。

[レビュー時のコメント]

ジャズ・タイムス誌の30周年を記念して結成されたジャズ・タイムス・スーパーバンドの作品です。
これはまさに現代のファンキー・ジャズの決定盤です。ソウルフルな実にカッコ良いアルバムです。
ここでのキー・マンはオルガンのジョーイ・デフランチェスコだと思います。
ボブ・バーグ(ts)、ランディ・ブレッカー(tp)もオリジナルを3曲づつ提供して張り切っています。
デニス・チェンバース(ds)のパワフルなプレイも聴きものです。
むずかしいことは考えずに、それぞれのプレイヤーの激突を楽しんで下さい。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2008/11/02



(472)JOEY CALDERAZZO TRIO / JOEY CALDERAZZO
joey calderazzo(p), john patitucci(b), jeff "tain" watts(ds)
2000/SONY/

近年はブランフォード・マルサリス(ts)のグループで活躍しています。
聴きなおしてみるとやっぱりいいので最近聴いていないのはまずいなぁーと思いました。
ピアノ・トリオの名盤の一枚です。

[レビュー時のコメント]

ジョーイ・カルデラッツオ、現在人気上昇中のジャズ・ピアニストの新作です。
彼はマイケル・ブレッカーに起用されて一躍注目を集めました。
このアルバムは自己の名前を冠した自信作なんでしょうね。
プロデュースはブランフォード・マルサリスがやっています。
8曲中6曲がオリジナル、残りがビル・エバンスとマイケル・ブレッカーの作品です。
ここに彼の心境を窺い知ることが出来ます。
全体的にはオーソドックスな仕上がりの作品で、主流派のピアノ・トリオを楽しめます。
いずれ彼の代表作になることは間違いないと思います。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2008/10/26



(471)ROY HARGROVE WITH STRINGS / MOMENT TO MOMENT
roy hargrove(tp,fhn), sherman irby(as)
larry willis(p), gerald cannon(b), willie jones(ds), strings
2000/VERVE/

このアルバムは2000年の「みんなのベスト3」に選びました。
ロイ・ハーグローブの新境地を開いた作品でその魅力が十分に発揮されています。
今聴きなおしても瑞々しく新鮮で素晴らしいです。その評価はまったく変わりません。

[レビュー時のコメント]

ロイ・ハーグローブの待望の新作です。
彼の新しいクィンテットとストリングスの競演という試みが、面白いというか意外でした。
ストリングスをバックにしたロイは押さえたプレイで本当に素晴らしいです。
その他のメンバーは若手のプレイヤーだと思いますが特にアルトとラリー・ウイリス(P)が印象に残ります。
ストリングス入りの作品は一般的に評価が分かれるけれど、私はとても気に入りました。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(くつろぎ系)

2008/10/19



(470)KEI AKAGI / VIEWPOINT
kei akagi(p), yoshio suzuki(b), hiroshi murakami(ds)
2000/ONE VOICE/

マイルス・デイビスにもその実力を認められたケイ・赤城さんのアルバムです。

[レビュー時のコメント]

ケイ・赤城(p)、鈴木良雄(b)、村上寛(ds)の日本人強力ピアノ・トリオの登場です。
全10曲中、6曲がケイ・赤城のオリジナルで、残り4曲がスタンダードという組み合わせです。
三味一体のプレイは見事です、日本人のピアノ・アルバムとしては第一級の作品だと思いました。
この3人は4年前からツアー活動を行っているそうです、今年の7月からも全国ツアーが予定されています。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2008/10/12



(469)JIMMY SCOTT / HOLDING BACK THE YEARS
jimmy scott(vo), pamela fleming(tp), bruce kirby(ts)
matt muniseri(g), michel kanan(p), hilliard green(b), victor jones(ds)
2000/ONOFF/

何度聴いても心に沁みます。
表題曲の「Holding Back The Years」は強烈な印象。
この作品でジミー・スコットの一大ブームが起こったのは記憶に新しいです。

[レビュー時のコメント]

今話題のジミー・スコット、75歳の最新作です、ヴォーカルの愛聴盤も珍しいです。
私は初めて聴きましたけれど、これには驚きましたよ。
彼の苦しく、悲惨な人生を感じさせる、魂を揺さぶられるジャズ・ヴォーカルです。
こんな経験はビリー・ホリディ以来のことです。
この感覚を言葉で言い表すのは、ちょっとむずかしいなあ。
とにかく一度聴いてみて下さい。久し振りに心に沁みた一枚です。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2008/10/05



(468)SARAH JANE CION / MOON SONG
sarah jane cion(p), phil palobi(b), billy hart(ds)
chris potter(ts,ss)
2000/NAXOS/

やはり意外性があったクリス・ポッターのプレイが印象的です。

[レビュー時のコメント]

ジャズ仲間のMちゃんがお薦めの一枚です、 美人なんとかに弱い私を見事に突いてきました。
実際に美人ピアニストの美しい抒情的なピアノも魅力的ですがね、
このアルバムは表題曲のクリス・ポッターの素晴らしいサックスで決まりでしょう。
私はポッターのファンですが、彼がこんなに渋いプレイをするとは思いませんでしたよ。
何度も繰り返し聴いてしまいました、是非一度お試しあれ。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2008/09/28



(467)DAVE DOUGLAS / SOUL ON SOUL
dave douglas(tp), chris speed(cl,ts), greg tardy(cl,bcl,ts)
joshua roseman(tb), uri caine(p), james genus(b), joey baron(ds)
2000/BMG/

デイブ・ダグラスは個性派トランペッター、重厚で分厚いサウンドが詰まっています。
素晴らしい・・・刺激的でソウルがいっぱいの傑作アルバムでお薦めの一枚です。

[レビュー時のコメント]

現在アメリカで最も注目されているトランペッターのデイヴ・ダグラスのアルバムです。
これはピアニストとしても活躍したメリー・ルー・ウィリアムスのトリビュート・アルバムで珍しいです。
彼女の作品が4曲で、その他の曲は全て彼のオリジナルで占められています。
影響を受けた人の中にレスター・ボウイ、オーネット・コールマン、ジョン・ゾーン等々が入っていて、
彼自身もアバンギャルドの経験者だそうです。
前衛出身者のメインストリーム・ジャズは面白いのが普通です。
ここでも分厚い、個性的なサウンドを聴かせてくれています。
非凡な才能を感じさせるアルバムで、俗に言う玄人好みの作品だと思います。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2008/09/21



(466)GREG OSBY / THE INVISIBLE HAND
greg osby(as,cl), gary thomas(fl,ts), jim hall(g)
andrew hill(p), scott colley(b), terrilyne carrington(ds)
2000/BLUE NOTE/

グレグ・オズビーは80年代のM-Base派の一人です。
M-Base派はスティーブ・コールマンやこのグレグ・オズビー、ゲイリー・トーマスが中心となった
オーネット・コールマンの流れを汲むフリー・フォームを持っているプレイヤー達です。
これも聴き直しましたがじつに刺激的でスリル満点、やっぱりいいと思いました。
アンドリュー・ヒルはぴったりのピアニストでしょうね。
アンドリューも2007年に惜しくも亡くなっています。
時代は間違いなく動いています。

[レビュー時のコメント]

グレッグ・オズビーの世界を聴くには、絶好のアルバムになりました。
ダーク&ディープな雰囲気に統一された面白い作品だと思います。
これがアンドリュー・ヒルとジム・ホールの組み合わせの妙なのかも知れませんねえ。
私にはここにアンドリューとジムが一緒にいることが、どうにも信じられません。
好みもあるでしょうが、ある程度ジャズを聴き慣れた人向きか。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2008/09/14



(465)BRAD MEHLDAU / ELEGLAC CYCLE
brad mehldau(p)
1999/WARNER BROS/

聴き直しをしました。
今さらいうのもなんですがブラッド・メルドーはやっぱり凄いです。
ジャズ・ファン必携のソロ・ピアノ・アルバム。

[レビュー時のコメント]

ブラッド・メルドーをさかのぼって聴いています、これは5枚目のリーダー作でソロ・アルバムです。
全曲、彼のオリジナルで占められており、メルドーの世界が広がっています。
私は素晴らしいと思いますねぇー、2曲目の「RESIGNATION」は名曲ですよ。
この一曲を聴いただけでも、彼が只者ではないことが良く分かりました。
頭でっかちと感じて好みでない人も多いとは思いますが、くれぐれもお見捨てなきようお願い致します。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2008/09/07



(464)KENNY WHEELER & BRIAN DICKINSON
/ STILL WATERS
kenny wheeler(flh), brian dickinson(p)
1999/HORNBLOWER

トランペット系とピアノのデュオは「ルビー・ブラフ&エリス・ラーキンス」で痺れました。
以来、この組み合わせは好きなので見つけたら買うようにしています。
これもそんな中の一枚でした。

[レビュー時のコメント]

ベテランのケニー・ホイーラーとブライアン・ディッキンソン(p)のデュオ・アルバムです。
ホイーラーはパップから前衛まで幅広いキャリアの持ち主です。
アンソニー・ブラクストンやデイブ・ホランドのグループで活躍、ECMにかなりの作品があります。
ディッキンソンもカナダ人ですが、こちらはほとんど知られていませんね。
トランペットとピアノのデュオは中々良いものですが、ここではフリューゲル・ホーンが使われていますので、
より一層まろやかで、やさしい雰囲気に仕上がっています。
ケニー・ホイーラーとしては、かなり珍しいタイプの作品だと思います。
曲目は全て2人のオリジナルでスタンダードが一曲もないのも面白いです。
カナダ盤ですけれど、イメージ通りの森とか湖とかを感じさせる美しいアルバムです。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(くつろぎ系)

2008/08/31



(463)GEORGE GARZONE / MOODIOLOG
george garzone(ts,ss)
kenny werner(p), john lookwood(b), bob gullotti(ds)
claire daly(bs), douglas yates(as,bcl), mike mainieri(vib)
1999/NYC/

いやぁー、これは素晴らしいですね。
実に刺激的、スリルとサスペンスに富んでいます。
ジョージ・ガーゾーンのベスト・アルバムだと思います。
バックのピアノ・トリオが凄い、ケニー・ワーナー(p)も水を得た魚のようです。

[レビュー時のコメント]

ジョージ・ガーゾーン、今アメリカで最も注目されているサックス奏者ではないでしょうか。
プロデューサーはヴァイヴ奏者のマイク・マイニエリで、彼自身も参加しています。
影響を受けたミュージシャンとして、スタン・ゲッツ、ジョー・ロバーノ、マイケル・ブレッカー、
デイヴ・リーブマン等の名前を挙げていますが、コルトレーンやショーターがないのは意外です。
聴いてもらえば、すぐにお分かり頂けると思いますが、この人は只者ではないです。
至極個性的で刺激的、将来性も十分に感じさせます。
この作品は11曲中8曲がオリジナルで、残りの3曲がスタンダードという構成になっています。
「SUMMERTIME」、「I'LL REMEMBER APRIL」、「SOUL EYES」の解釈も新鮮です。
私の一押し、ケニー・ワーナー(p)も頑張っています。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2008/08/24



(462)JACOB CHRISTOFFERSEN / JAZZXPERIENCE
jacob christoffersen(p,org)
claus waidtlow(sax), jonas westergaard madsen(b), mikkel hess(ds)
niclas knudsen(g)
1999/STUNT RECORDS/

「今週のジャケット」に載せるにあたって全て聴き直していますがどれもいいです。
その時の感覚がそのままよみがえってくるような気がします。
特にデンマークのスタント・レーベルは波長が合うので紹介する機会が多くなりました。

[レビュー時のコメント]

ヤコブ・クリストフェルセンと読むのかな、全編オリジナルで占められた意欲作だと思います。
初めて聴いたけれど、スウェーデン発の中々に出来の良いアルバムです。
ピアノとオルガンを演奏していますが、新しい感覚のジャズを聴かせてくれます
曲想も新鮮で、サックス、ギターも秀逸、本当に北ヨーロッパの若手?も侮れません。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2008/08/17



(461)TOMOKO OHNO TRIO / AFFIRMATION
大野智子(p), rufus reid(b), tim horner(ds)
1999/DAN FLEX/

大野智子さんの日本での露出度は低いですね。
トリオの好盤を出しています。
特に当時の気鋭の若手ドラマーを起用しているところが聴きどころ。
前作はホルヘ・ロッシー、今作はティム・ホーナーという目の付けどころが凄いです。

[レビュー時のコメント]

大野智子の2枚目のリーダー・アルバムだそうですが、私は初めて聴きました。
中々に聴き心地の良い作品に仕上がっていると思います。
60〜70年代のフュージョンの名曲が聴けるという面白い企画です。
フレディ・ハバードの「サン・フラワー」、ハーブ・アルパートの「ライズ」、
デオダードの「スピリット・オブ・サマー」、アール・クルーの「サマー・ソング」、
ウエス・モンゴメリーの「ロード・ソング」等々、
私にとっては、滅茶苦茶に懐かしい名曲がズラーっと並んでいて、もうたまりませんなあ。
ピアノ・トリオとしてのコンビネーションも良いのでお薦め出来ます。お気軽にどうぞ。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2008/08/10



(460)TOM HARRELL BIG BAND / TIME'S MIRROR
tom harrell(tp,flh), craig bailey(as,fl), mark gross(as,cl)
alex foster(ts,fl), don braden(ts), david schumacher(bs)
xavier davis(p), kenny davis(b), carl allen(ds), etc
1999/BMG/

トム・ハレルは性格のせいもあるのか、真摯でちょっと硬いイメージがあります。
でも、ビック・バンドではそれをほとんど感じさせません。
今聴いても新鮮そのもの、素晴らしいアルバムです。

[レビュー時のコメント]
久し振りにビック・バンドのお薦めが登場しました、トム・ハレルのビック・バンド盤です。
彼はスタン・ケントンやウディ・ハーマン、メル・ルイス、ジョージ・ラッセル等のビック・バンド
に在籍しただけあって、なんとも心地良い乗りのビック・バンド・ジャズを聴かせてくれます。
アレンジは全てトム・ハレル自身が行っています、彼には才能があるんですねえ。
一聴の価値は十分にあると思いますので、是非聴いてみて下さい。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2008/08/03



(459)YUJI OHNO TRIO / LUPIN THE THIRD
yuji ohno(p), yoshio suzuki(b), kenichiro murata(ds),
1999/VAP/

[レビュー時のコメント]
これは近所のジャズ仲間の後輩に薦められたアルバムです。
後輩:「先輩、大野雄二の新作、ルパン三世をもう聴きましたか。」
私:「いやー、聴いてないよ。知ってはいるけどさすがに手が出ないよ。」
後輩:「これが先輩、結構いいですよ。是非聴いてみて下さい、私は毎日車で聴いています。」
と言われて早速購入してみたものの、聴くまでは正直半信半疑の状態でした。
しかし、これがまたオリジナル作、編曲者による心地良いジャズで楽しめます。ホントに驚きましたよ。
やっぱり音楽に先入観念は良くないなあと再認識させられました。
「ルパン三世」世代は必聴のアルバムです。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2008/07/27



(458)TOSHIKO AKIYOSHI TRIO / SKETCHES OF JAPAN
toshiko akiyoshi(p), philippe aerts(b), eddie marshall(ds),
carl allen(ds)(6), tomonao hara(tp)(7), jo yamada(as)(7)  
1999/NIPPON CROWN/

「国際ジャズ名誉の殿堂」入りを果たした秋吉敏子さんの記念史的アルバムです。
題名どおり、日本の印象を綴った貴重な作品。

[レビュー時のコメント]
「今年のCDベスト3」にも入れた秋吉敏子の作品です。
年齢を感じさせない創造力は本当にスゴイです。
日本をテーマにした作品で民謡や童歌が挿入されていますがとても新鮮で感動しました。
このアルバムをきっかけに90年まで、彼女のコンボ物を遡ってしまいましたよ。
どの作品も十分素晴らしい出来です。
やはり年を取ると女性の方が元気なんですねえ。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2008/07/20



(457) NEW DIRECIONS
greg osby(as), mark shim(ts), stefon harris(vib)    
jason moran(p), tarus mateen(b), nasheet waits(ds)
1999/SOMETHIN'ELSE/TOCJ-68044

当時のブルー・ノートの期待される若手メンバーが揃っています。
ブルー・ノート・ジャズのヒット曲のオンパレードです。
今聴いても新鮮、一味違うダーク&クールな演奏が詰まっています。

[レビュー時のコメント]

ブルーノート・レーベルの若手プレイヤー達による往年のBNヒット曲集です。
ブルーノート創立60周年の特別企画盤です。
中心は現在注目のグレッグ・オズビー、マーク・シム、ステフォン・ハリス、
そしてジェイソン・モランですけれど、中々聴かせるアルバムですよ。
まずはこの有名曲をお手軽に演っていないところに好感が持てます。
それぞれが個性的なアプローチをしていて、アレンジが斬新です。
モーガンの「サイドワインダー」、モブレイの「ノー・ルーム・フォー・スクエアーズ」、
シルバーの「ソング・フォー・マイ・ファーザー」なんかも聴けて私は満足しています。
新しいコンセプトのジャズを感じさせる作品だと思います。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2008/07/13



(456)CLUB TOKO QUARTET / DO IT !
川嶋哲郎(ts)、  
石井彰(p)、安ヶ川大樹(b)、力武誠(ds)

1999/ewe/EWCD-0015

ほぼ10年前のアルバムですが今聴いても全然色あせていません。
メンバーそれぞれの活躍は目覚しいものがありますね。

[レビュー時のコメント]
日野元彦さんへのトリビュート・アルバムで、リーダーは川嶋哲郎さんです。
川嶋さんは、私が注目している日本人プレイヤーですけれど、将来性を感じさせるに十分な内容です。
私は彼のやわらかいテナーの音色が好きだなあ。
力武誠(ds)さんは日野元彦さんの愛弟子で、これが初レコーディングだそうです。
真面目な作品と言うのも変な言い方ですがね、中々に力が入るアルバムです。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2008/07/06



(455)RODNEY WHITAKER QUINTET / BALLADS AND BLUES
rodney whitaker(b), eric reed(p), carl allen(ds)
ron blake(ts,ss), stefon harris(vib), wycliff gordon(tb)(7,9)
1998/Criss Cross/

今聴いてもこのフィーリングはたまりません。
1990年代の名盤の一枚です。

[レビュー時のコメント]
ジャズ仲間のTさんの紹介で購入した、ロドニー・ウィテカー(b)のアルバムです。
大分前に入手したものですけれど、不思議に時々聴きたくなります。
こうやって、ジワリジワリと良くなるアルバムはホントに長く愛聴出来るものなのです。
何と言うか、「真っ黒なジャズ」と言ったらいいのかな。
ベタベタとまとわりつくようなジャズで、中々良い感じなのです。
ポール・チェンバースの曲が3曲入っていまして、ウィテカーのベース・ワークも見事です。
ステフォン・ハリスもヴァイブとしては、相当に黒くて魅力を感じました。
全体的にしっとりとした落ち着いたオーソドックスなジャズを聴かせてくれますので、
私はこういうアルバムは好きです。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2008/06/29



(454)DASKO GOYKOVICH QUINTET / EUROPEAN DREAM
dasko goykovich(tp), gainni basso(ts),
peter mihelich(p), luigi trussardi(b), masahiko osaka(ds)
1998/Paddle Wheel/

オーソドックスなモダン・ジャズ・クインテットなので聴き易いです。
疲れた時などは特に聴きたくなります。
この雰囲気にいつまでも浸かっていたいと思うのは私だけではないでしょうね。

[レビュー時のコメント]
ダスコ・ゴイコヴィッチの最新盤を聴いてみました。
なんかユッタリとして、聴き易くて、とてもいい感じのアルバムです。
たまにはこういうのも、ホントにいいなと思いました。
フロントが2本あるから楽しめるし、ペットとテナーの組合せはジャズ・コンボの王道という気がします。
ジャンニ・バッソもムードがあります。
洒落たバーで水割りかブランデーを片手に、こんなのを聴いたらもうたまりませんよ。
出来れば彼女(彼氏)と聴きたいなあ。
これで口説けばイチコロでしょう、みんな頑張って。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(くつろぎ系)

2008/06/22



(453)STEVE GROSSMAN QUARTET / WITH MICHEL PETRUCCIANI
steve grossman(ts),
michel petrucciani(p), andy mckee(b), joe farnsworth(ds)
1999/DREYFUS/

スティーブ・グロスマンはマイルス・デイビスやエルビン・ジョーンズのグループで活躍した、
ソニー・ロリンズ系のテナー奏者。
ミシェル・ペトルチアーニ(p)との共演なら聴いてみたいと思いました。
以前のグロスマンなら尖がっていましたがこの頃から甘めになってきました。
それをどう評価するかが分かれ目ですが私はこちらが聴きやすかったです。
以来、聴き込んでいた時期があります。
今聴き直してみてもいいです。グロスマンもさることながらペトルチーニが凄い。
惚れ惚れしました。

[レビュー時のコメント]
ジャズ仲間のTさんがおすすめのアルバムです。
私がスティーブ・グロスマンにハマるきっかけになった一枚です。
やはりフリーの洗礼を受けた人のバラード・プレイはひと味違います。
素晴らしい出来で、3回も一気に聴いてしまいました。
久し振りに聴きましたので、私が今まで持っていた彼のイメージとは一変しました。
それにピアノがミシェル・ぺトルチアーニときたら、これはもう文句なしです。
ミシェルのプレイも力強いタッチで魅力十分。彼のことは、いまさらながら残念でなりません。
どこまで伸びたか見当がつきませんよ。
スティーブ・グロスマンとミシェル・ぺトルチアーニ、この二人の相乗効果は抜群です。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2008/06/15



(452)NAOKO TERAI QUARTET / THINKING OF YOU
寺井尚子(vln)
野力奏一(p,syn), 坂井紅介(b), 日野元彦(ds)

1998/VIDEOARTS MUSIC/

今聴いても瑞々しい感性が光っています。なによりヴァイオリンの音色が素晴らしい。
バックのトリオも魅力。
1曲目の「ストールン・モーメンツ」は彼女の愛奏曲の一つになっています。
聴き直してみるとそうそう気楽に聴けるアルバムでもなかった。(^_^;)
2曲目の「出会い」は感動的、心にジワーッと沁みました。

寺井尚子、ジャズ・ヴァイオリニスト。
生来の感性が紡ぎ出すそのサウンドは、ジャンルを越えて今、新しい伝説になる。
’98年年デビュー・アルバム。それは次世紀への静かなメッセージ。
(帯中よりの抜粋)

[レビュー時のコメント]
「話題になったバイオリンの寺井尚子さんのデビュー・アルバムです。
ジャズとしては優し過ぎると思いますが、気楽にBGMで聴くにはピッタリの作品。
とてもくつろげます。それになにより家族に評判がいいです。」

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(くつろぎ系)

2008/06/08



(451)MADS VINDING TRIO / DADDIO DON
mads vinding(b), roger kellaway(p), alex riel(ds)
1998/STUNT/

ネットでホーム・ページを始めてから「どうしても欲しい」と思った最初のアルバムです。
"STUNT"レーベルに注目したのもこれがきっかけでした。

[レビュー時のコメント]
「ジャズ仲間のHさんがおすすめの一枚です。マッズ・ビンディング〔b〕の作品。
どうしてもピアノのロジャー・ケラウェイが聴きたくて新宿まで買いに行きました。
なんとなくこれはいいぞという予感がありましたけれど、想像以上に素晴らしいアルバムでした。
本当に久し振りにケラウェイを聴きましたが、予想外の音の連発で、私はもう完全に参りました。
この人は間違いなく隠れたピアノの巨人です。
ピアノ・トリオのアルバムとしても最上級の出来だと思います。」

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2008/06/01



(450)MICHEL PETRUCCIANI / SOLO LIVE
michel petrucciani(p)
1998/DREYFUS/

ソロ・ピアノ・アルバムでこれほどいいと思ったのはなかったです。
今でもこれに優るソロ・ピアノは現れていません。

[レビュー時のコメント]
「ミシェル・ペトルチアーニのソロ・ライブ盤、1997年のフランクフルトの録音です。
ペトルチアーニ作の名曲「ルッキング・アップ」から始まるライブは本当に素晴らしいです。
美しいメロディ・ラインと力強いタッチは健在、私は感動してしまいました。
彼はソロでも聴く人を決して裏切りません、みなさんも是非聴いてみて下さいね。」

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2008/05/25



(449)BOB ROCKWELL QUARTET/ AFTER HOURS
bob rockwell(sax)
david hazeltine(p), billy peterson(b), kenny horst(ds)
1998/GO JAZZ/

ボブ・ロックウェル(ts)、久し振りに引っ張り出して聴いていますがやっぱりいいです。
デンマークのSteeplechaseや日本のMarshmallow・レーベルから意欲的な作品をリリースしていました。
それでも知る人ぞ知るの存在だったと思いますが来日公演などで徐々に知られるようになってきました。
ジャケット同様、ここでの演奏には凄みあります。
デヴィッド・ヘイゼルタイン(p)の瑞々しいピアノも聴きものです。
ちなみに新品だとすでに5000円以上の値が付いていました。
やっぱりなあー、と思いました。

[レビュー時のコメント]
「余り一般に知られている人ではないので迷っていましたが、思い切って紹介することにしました。
現在私が聴き込んでいるプレイヤーの一人で、ボブ・ロックウェルの最新作です。
オーソドックスなワン・ホーン・ジャズで、比較的聴き易い作品に仕上がっています。
バックの3人も素晴らしいです、特にデヴィッド・ヘイゼルタイン(p)の参加が貴重です。
こういうのがいずれ「幻の名盤」になっていくのだと思います。」

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2008/05/18



(448)JAZZ WORKSHOP / PANDORA
五十嵐一生(tp)、岡崎好朗(tp,flh)、池田篤(as)、緑川英徳(as)、岡淳(ts,fl,a-fl)、
川嶋哲郎(ts,ss)、大西順子(p,el-p)、椎名豊(p)、吉田桂一(p)、杉本智和(b)、
安ヵ川大樹(b)、米木康志(b)、井川晃(ds)、江藤良人(ds)、本田珠也(ds)、日野元彦(ds)
1998/SOMETHIN'ELSE/


発売から10年経った今、そうそうたるメンバーが揃っています。

「サムシンエルス10周年特別企画・限定盤。」
16人のトップ・ミュージシャンがジャズと遊んだ4日間。
これは凄いし面白い、ぜったい病みつきになるCD3枚組。
大西順子〜日野元彦トリオの「アス・スリー」他、聴かないと損するトラックばかり。
ずらり3時間超大作。
(帯中よりの抜粋)

[レビュー時のコメント]
「日本人のジャズ・プレイヤーをまとめて聴くという機会が少ないので、この企画は有難かったです。
それぞれがそれぞれのグループを率いての共演ですから、
おそらくかなりのの競争心があったことは想像に難くありません。
だからでしょうか、演奏はどれも相当に密度が濃いです。
パワーを除いてはまったく米欧にひけはとりませんね。
3枚組の6000円ですが、これは安い買い物だと思いました。」

(まじめ系)

2008/05/11



(447) KEVIN MAHOGANY / MY ROMANCE
kevin mahogany(vo),
bob james(p), charles fambrough(b), billy kilson(ds),
kirk whalum(ts), michael brecker(ts)
1998/WARNER BROS/

私としては珍しい男性ヴォーカル・アルバムの紹介になりました。
紹介当時、HPの掲示板で話題になった作品です。

[レビュー時のコメント]
「トニー・ベネットを除いては、何年振りでしょうか、
本格的な男性ジャズ・ヴォーカルのアルバムを購入しました。
バリトン・ヴォーカリストのケヴィン・マホガニーと言います。
現在は41歳で、日本にもすでに2回来ているそうです。
R&B系の歌手だと思いますが、ここではジャズのスタンダードを熱唱しています。
やわらかい、男性的なトーンで、中々素晴らしいですよ。
特に、表題曲の「マイ・ロマンス」は絶品です。もう30回以上聴きましたが、これはホントにいいぜよ。
バック・ミュージシャンも魅力的で、フュージョン系のプレイヤーが、
アコースティックに徹して、歌伴をやっています。これがまた、意外とシブイので驚いてしまいました。
ボブ・ジェームス(p)、チャールス・ファンブロー(b)、ビリー・キルソン(ds)のトリオを中心に、
カーク・ウエイラム(ts)とマイケル・ブレッカー(ts)がフューチャーされていて、超豪華盤です。
彼らのプレイも聴き物ですよ。
普段、ジャズ・ヴォーカルはどうもという人でも、これなら十分満足して楽しめると思います。
久し振りに男性ヴォーカルのおすすめが登場しました。
それからもうひとつ、みなさんも良くご存知の「日本盤のみボーナス・トラック収録」という代物、
大体がどうでもいいものが多いですが、ここの「ボディ・アンド・ソウル」だけは別です。
なぜ本選に入らなかったのか、ワケが分かりません。世の中、不思議なことがあるものですねえ。
これがある限り、日本盤を買わないといけませんよ。
紹介文が長くなりましたが、それだけお薦め出来る一枚ということで、ご容赦願います。」

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2008/05/04



(446) KENNY BARRON QUARTET / SPHERE 
kenny barron(p),
gary bartz(as,ss), buster williams(b), ben riley(ds)
1998/Verve/

アルバム・リストをまとめているとケニー・バロンの登場頻度は非常に高いです。
1990年代〜2000年代にかけて最も活躍したベテラン・ピアニストと言えると思います。

[レビュー時のコメント]
「最近超多忙のケニー・バロンのモンク・サウンドを中心にした「スフィア」の再結成アルバム。
なんか、こういうのを聞くと、私はホッとしますね。
懐かしい感じがして、とても落ち着けます。ゲーリー・バーツも好調ですよ。
それこそ、あまり「目立たないけどいいアルバム」だと、つくづく思います。」

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2008/04/27



(445) DAVE McKENNA&BUDDY DeFRANCO / YOU MUST BELIEVE IN SWING
dave mckenna(p), buddy defranco(cl)
1997/CONCORD/

[レビュー時のコメント]
「まずこれだけバランスの良いデュオ・アルバムは珍しいです、雰囲気も抜群です。
マッケンナとデフランコにとっても、晩年の代表作になることは間違いないと思います。
大人?のジャズとでも言うのか、実に味わい深いプレイを聴かせてくれます。
ジャズ・プレイヤーの最盛期は一体いつなのか?そう簡単ではないことを教えてくれました。
年を取ったら、あの人はもう終わったというとらえ方をするのは大きな勘違いだったかも知れません。
これを聴いて、私は年齢を問わずジャズは楽しめるものだと実感しましたよ。
ジャケットも結構気に入っています。」

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2008/04/20



(444) JOE LOVANO / CELEBRATING SINATRA
joe lovano(ts)
  kenny werner(p)  george mraz(b)  al foster(ds)
manny albam(arr con) etc
1997/BLUE NOTE/

[レビュー時のコメント]
「ジョー・ロバーノのシナトラ・トリビュート・アルバムです。
デュオからオーケストラまで色々なタイプの演奏が聴けます。
バックでは、ジョージ・ムラツとアル・フォスターの好演が目立ちます。
ジョー・ロバーノの唄ものと言うのも中々に味がありますねえ、ジワーっときました。
なんか余りお堅いものより、このような軟らかめの方が良いような気がしますよ。
私はシナトラが大好きなので多少の贔屓目もありますけれど、心に沁みる作品で楽しめます。」

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

2008/04/13



(443) BOB BERG / ANOTHER STANDARD
bob berg(ts,ss)
david kikoski(p, ed howard(b), gary novak(ds)
randy brecker(tp), mike stern(g)
1997/Stretch/

ボブ・バーグ(ts)は2002年に自動車事故で急逝しました。
51歳、まだまだこれからだったのに惜しいプレイヤーを亡くしました。
今作品は「ドラゴン流目立たないけどいいアルバム」のきっかけになったアルバムです。
今や中堅ピアニストのデヴィッド・キコスキやランディ・ブレッカー、マイク・スターンが共演しています。

[レビュー時のコメント]
「ピン・ポーン、久し振りの大当たりです。
犬も歩けば棒にあたる、これだからやめられません。
チック・コリアがお気に入りのボブ・バーグのスタンダード作品集です。
私の大好きなシナトラのヒット曲をたくさん演奏してくれているのも嬉しい。
私が密か?に集めている、「ドラゴン流目立たないけどいいアルバム」の一枚です。
もろ、ジャズ・オタクのわたしの一面です。
こういうのは、余りマイナーな人ではいけないし、余りメジャーな人でもダメなのですねえ。
ある程度のジャズ・ファンにはよくある、いわゆる一人よがりというやつですよ。」

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2008/04/06



(442) ED THIGPEN TRIO / THREE IMPACTS
ed thigpen(ds), monty alexander(p), christian mcbride(b)
1997/MELDAC/

10周年を迎えたので今までの「ドラ流目立たないけどいいアルバム」を順次紹介したいと思います。
記念すべき1枚目のアルバムはエド・シグペン(ds)のこのアルバムでした。
シグペンも、もう亡くなりましたがこの10年で鬼籍に入ったプレイヤーも多いです。
やはり"10年一昔"と言いますが長いようで短く、短いようで長い年月が流れています。
マクブライドも10年前は若手の範疇だったのかな。

[レビュー時のコメント]
「エド・シグペン、モンティ・アレキサンダー、クリスチャン・マクブライドの
3人のコンビネーションが素晴らしいアルバムです。
中々凝ったピアノ・トリオを聴くことが出来ます。
ピアノ・トリオ特有の甘さはほとんどないので、くつろぎを求めている方には向きません。
若手の売れっ子ベーシストをベテラン2人が迎え撃つという構図です。」

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)

2008/03/30


(441) KEITH JARRETT/ THE KOLN CONCERT
keith jarrett(p)
1975/ECM

キース・ジャレットならまずこの「ケルン・コンサート」が出てくるほどの大有名盤です。
私にはこの良さが分からなかったけれどクラシック・ファンからは絶賛を博しました。
即興のソロピアノのスタイルを根底から変えてしまったと言えるアルバムです。
収納方法が悪くだいぶ汚れてしまったのはいけませんがECMはジャケットが薄かったです。

2008/03/23


(440) JIMMY SMITH / THE CAT
jimmy smith(org), laro schifrin(arr,con)
1964/Verve

ジミー・スミスの大ヒット曲の「THE CAT」です。
プロデュースはクリード・テイラー、アレンジはラロ・シフリンときたらヒットする下地は揃っています。
バック・メンバーにはサド・ジョーンズ(tp)、ジミー・クリーブランド(tb)、ケニー・バレル(g)、
ジョージ・デュビビエ(b)、グラディ・テイト(ds)などの顔が見えます。

ところでジャズの一番の有名曲って何だろうかと気になりました。
普段ジャズを聞かない人を含めると「テイク・ファイブ」、「モーニン」とこの「キャット」になるでしょうか。
若い頃、ラジオでよく流れていたのは「テイク・ファイブ」と「キャット」でした。
「モーニン」はもうちょっと前の世代になります。

2008/03/16


(439) THE MODERN JAZZ QUARTET / FONTESSA
John Lewis(p), Milt Jackson(vib), Percy Heath(b), Connie Kay(ds)
1956/Atlantic

最近、遠方に住んでいる友人から久し振りに電話があって色々と話をしました。
友:「オレ、最近、ジャズを聴いているよ」
私:「へェー、何を聴いているの?」
友:「マイルス・デイビス、キャノンボール・アダレイ、M・J・Qなんか」
「聴き易くていいんだよね」
私:「ヨーロッパ・ジャズは聴かないの?」
友:「聴かないよ、だってジャズはアメリカだろ」
私:「・・・・・」

というわけで今週はモダン・ジャズ・カルテットの1枚を選んでみました。

2008/03/09


(438) JOHN HANDY / THE 2ND ALBUM
John Handy(as),
Michael White(vln), Jerry Hahn(g), Don Thompson(b), Terry Clarke(ds)
1966/CBS Columbia

再開当初はエネルギッシュにいこうということでジョン・ハンディ(as)を選びました。
このグループのグイグイと突っ走るユニークでエキサイティングな演奏は大好きでした。
CBSのメジャー・レーベルからなのでいかに期待されていたかが分かります。

2008/03/02


(437)LESTER YOUNG & TEDDY WILSON / PRES AND TEDDY
Lester Young(ts), Teddy Wilson(p), Gene Ramey(b), Jo Jones(ds)
1956/Verve

レスター・ヤングとテディ・ウィルソンの組み合わせによるスタンダード作品集です。
リラックスした演奏が楽しめるジャズ名盤の1枚です。
ジャズ・シーンにおける最初の二大テナー奏者はコールマン・ホーキンスとこのレスター・ヤングですね。
後世のテナー奏者はこの二人の影響からはまぬがれないと言っても過言ではありません。
レスター・ヤング派にはスタン・ゲッツを始めとしてズート・シムズやアル・コーンなどが名を連ねています。

2008/01/20


(436) HOWARD RUMSEY'S LIGHTHOUSE ALL STARS
/ VOL.6
Howard Rumsey(b), Conte Candoli(tp), Bob Cooper(ts), Bud Shank(as),
Claude Williamson(p), Stan Levey(ds), Frank Rosolino(tb), Stu Williamson(tb)
1955/Contemporary

ウエスト・コースト・ジャズを演出したのはこのハワード・ラムゼイ(tp)とシューティ・ロジャース(tp)
の二人だと思います。
アート・ペッパー(as)やバド・シャンク(as)をはじめとして、およそ西海岸の著名なジャズ・メンは
ほぼこの二人の下を通ったといっても過言ではありません。
これはそんな中の一枚で評価の高いものです。
海岸での撮影がいかにもウエスト・コーストを表していますね。

2008/01/13


(435) THE JAZZ CRUSADERS / AT THE LIGHT HOUSE
wayne henderson(tb), wilton felder(ts), joe sample(p), stix hooper(ds)
victor gaskin(b)
1962/Pacific jazz

ジャズ・クルセイダーズはソウルフルでファンキーで最高にカッコ良かったです。
若い頃、分からないながらも聞いていたラジオのFENから毎日のように聴こえてきました。
それだけ兵士達には人気があったのだと思います。
当時はパシフィック・ジャズも入手困難で彼らのレコードを手にした時は嬉しかったことを思い出しました。
後に私はフュージョンもよく聴いたので元々軟派なジャズ・ファンだったと言えます。
ブルー・ノートを本格的に聴きだしたのはジャズを聴き始めてしばらく経ってからのことでした。
ラリー・カールトン(g)を迎えてクルセイダーズとしてフュージョン・シーンで大成功したのはご存知の通りです。

2008/01/06


(434) OSCAR PETERSON / MONTREUX '77
oscar peterson(p), ray brown(b), niels pedersen(b)
1977/Pablo

オスカー・ピーターソンが亡くなりましたね。
またジャズの巨星が一つ落ちてしまいました。
ジャズ・ピアノ界きってのテクニシャンで匹敵するのはアート・テイタムだけ。
色々な意見がありましたが間違いなくワン・アンド・オンリーの世界を持ったプレイヤーでした。
寂しい限りです。
これは珍しい2人のベーシストと共演した異色のトリオ編成で、モントリューのライブ盤です。

2007/12/30


(433) JON FADDIS / LEGACY
jon faddis(tp,fhn), harold land(ts),
kenny barron(p), ray brown(b), mel lewis(ds)
1985/Concord

ディジー・ガレスピー(tp)から大きな影響を受けたジョン・ファディス(tp)の代表作です。
メンバーも渋いベテランで固められていて貴重な1枚だと思います。
80年代には注目を集めたトランペッターでしたが思ったよりも活動は地味なようです。
ちなみにライナー・ノーツはガレスピー自身が書いています。
よほどのお気に入りだったんでしょうね。

2007/12/23


(432) MULGREW MILLER / KEYS TO THE CITY
mulgrew miller(p), ira coleman(b), marvin"smitty"smith(ds)
1985/Landmark

マッコイ・タイナー派の重鎮、マルグリュー・ミラー(p)の初リーダー・アルバムです。
ジャズ・メッセンジャーズやトニー・ウイリアムス(ds)・グループでの活躍で一気に知名度が上がりました。
今ではベテラン・ピアニストしてあちこちに引っ張りだこの人気ピアニストになっています。
本来はホーン奏者のバッキングに定評があり自身も得意、トリオ作品はいまいちの評価でした。
ミラーは「Wingspan」という自己のグループを持っていて若手の育成にも努めています。
1985年頃はCDへの過渡期でぎりぎりLPが間に合いました。

2007/12/16


(431) JIMMY FORREST / OUT OF THE FORREST
jimmy forrest(ts),
joe zawinul(p), tommy potter(b), clarence johnston(ds)
1961/Prestige

ソウル・ジャズと言えばジミー・フォレスト(ts)も忘れられません。
フォレストは「NIGHT TRAIN」という大ヒット作を持っています。
R&B色の強い豪快なプレイが特徴です。
ここではジョー・ザビヌル(p)の参加にも注目。


2007/12/09


(430) LES McCANN & EDDIE HARRIS / SWISS MOVEMENT
les mccann(p,key,vo), eddie harris(ts,tp,p,vo),
benny bailey(tp), leroy vinnegar(b), donald dean(ds)
1969/Atlantic

レス・マッキャンのゴスペル調のソウル・ジャズは1960年代に人気がありました。
このスイス・モントリュー・ジャズ・フェスのライブ盤は彼の最高傑作とみなされている作品です。
エネルギッシュで熱い演奏はたまりません、観客も大ノリの大興奮です。
ソウル・ジャズを代表するベーシックな一枚として知られています。

2007/12/02


(429) GEORGE RUSSELL / EZZ-THETICS
george rusell(p,arr), don ellis(tp), david baker(tb),
eric dolphy(as,bcl), steve swallow(b), joe hunt(ds)
1961/Riverside

モダン・ジャズ・シーンで重要な位置を占める作編曲者のジョージ・ラッセルの代表作です。
マイルス・デイビスやジョン・コルトレーンは言うに及ばず後世のプレイヤー与えた影響も大きいです。
一筋縄ではいかない凝った演奏が楽しめます。

2007/11/25


(428) BUD SHANK & CLARE FISCHER / BOSSA NOVA JAZZ SAMBA
bud shank(as), clare fischer(p), ralph pena(b),
larry bunker(per), bob neel(per), milt holland(per), frank guerrero(per)
1962/Pacific Jazz

私が管理人を努めるmixiのコミュニティに「ジェリー・マリガンを語ろう」があります。
「気軽に楽しく、の〜んびりと語り合えたら」と思って作りました。
その中のトピックに「ウエスト・コースト・ジャズ」があります。
ここではコンテンポラリーやパシフィック・ジャズレーベルで活躍した色々なプレイヤーの名前が出て、
当然ながらバド・シャンク(as)やクレア・フィッシャー(p)も話題になっています。
そこで今週はこの二人のボサノバ・アルバムを取り上げました。
これは案外、珍しいんじゃないかと思いますよ。

2007/11/18


(427) FRANK STROZIER / FANTASTIC
frank strozier(as), booker little(tp),
wynton kelley(p), paul chambers(b), jimmy cobb(ds)
1960/Vee Jay

フランク・ストロジャー(as)の初リーダー・アルバムにして最高傑作と目されている作品です。
マイルス・デイビスのリズム・セクションにブッカー・リトル(tp)とくればいかに期待されていたか分かります。
しかしその後はキャリアの割りにリーダー作が少なく演奏機会に恵まれていたとは到底思えません。
体調が優れなかったのか、時代の流れ、ジャズ受難の時期に迷いを生じたのか、伸び悩んだのは事実です。

2007/11/11


(426) GEORGE WALLINGTON / JAZZ FOR THE CARRIAGE TRADE
donald byrd(tp), phil woods(as),
george wallington(p), teddy kotick(b), art taylor(ds)
1956/Prestige

ジョージ・ウォリントン・クインテットのよく知られたジャケットです。
遊び心があってシャレていますね。
ウォリントン(p)は若手の新進ミュージシャンを起用してフレッシュなハード・バップ・バンドを組んでいました。
1955年にはフロントにドナルド・バード(tp)とジャッキー・マクリーン(as)、
リズム・セクションにはポール・チェンバース(b)とアート・テイラー(ds)という素晴らしいメンバーでした。
今作はマクリーンからフィル・ウッズ(as)へ、チェンバースからテディ・コティック(b)に変わっています。
この頃のジャズは音楽界のメジャーでメンバーの入れ替わりが激しいのも特徴です。
それだけに魅力溢れる気鋭のジャズ・プレイヤーが次々に登場してきました。

2007/11/04


(425) GEORGE ADAMS & DON PULLEN QUARTET
/ LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD
don pullen(p), george adams(ts), cameron brown(b), dannie richmond(ds)
1987/Soul Note

ドン・プーレン&ジョージ・アダムス・カルテットの↓と同時期のものがもう1枚ありました。
こちらはイタリアのソウル・ノートから出たヴィレッジ・ヴァンガードでのライブ盤です。
典型的な双頭バンドなのでアダムスとプーレンの名前が入れ替わっていますね。
プーレンの右手を鍵盤の上でコロコロ回す奏法は実際に見てみないと分かりません。
それであのユニークな音が出てきます。

2007/10/28


(424) THE DON PULLEN & GEORGE ADAMS QUARTET
/ BREAKTHROUGH
don pullen(p), george adams(ts), cameron brown(b), dannie richmond(ds)
1986/Blue Note

ドン・プーレン&ジョージ・アダムス・カルテットも刺激的で魅力あるグループでした。
プーレンの名曲「Song From the Old Country」が収録されているのが嬉しいです。
ちょうどこの頃はLPからCDへの過渡期にあたりこのアルバムも貴重なものになりました。
新生ブルー・ノートの1枚ですがすでにプーレン、アダムス、リッチモンドはいません。

2007/10/21


(423) KENNY BURRELL / GUITAR FORMS
kenny burrell(g), gil evans(arr,cod),
gil evans orc.
1964/Verve

ケニー・バレル(g)のこの作品はたしか邦題「ケニー・バレルの全貌」だったと思います。
ギル・エヴァンスのアレンジでバレルにとっては異色作であり代表作の1枚になりました。
大物のギル・エヴァンスということでバックにも名の知れたプレイヤーが連なっています。
Roger Kellaway(p), Ron Carter(b), Elvin Jones(ds),
Johnny Coles(tp, ) Jimmy Cleveland(tb), Jimmy Knepper(tb),
Lee Konitz(as), Steve Lacy(ss), Grady Tate(ds), etc
録音はもちろんルディ・ヴァン・ゲルダーです。


2007/10/14


(422) RON CARTER / WHERE ?
ron carter(b,cello), eric dolphy(bcl,as,fl),
mal waldron(p), george duvivier(b), charles persip(ds),
1961/New Jazz(Prestige)

PRESTIGEの「NEW JAZZ」シリーズにも魅力的なラインアップが揃っています。
このロン・カーター(b)のアルバムは地味なようですがもう少し話題になってもいいと思っています。
ロンのプレイもさることながらエリック・ドルフィー、マル・ウォルドロンも聴きどころです。

2007/10/07


(421) MAL WALDRON / LEFT ALONE
mal waldron(p), julian euell(b), al dreares(ds),
jackie mclean(as)(1)
1960/Bethlehem

一度聴いたら忘れられないユニークなスタイルを持つマル・ウォルドロン(p)の代表作です。
表題曲の「Left Alone」はビリー・ホリデイ(vo)に捧げた曲としてあまりにも有名です。
哀愁を帯びたジャッキー・マクリーンのアルト・サックスが心に沁みてきます。
ポツン、ポツンと絶妙なタイミングで響くマルのタッチがたまりません。

2007/09/30


(420) LEE KONITZ / VERY COOL
lee konitz(as), don ferrara(tp),
sal mosca(p), peter ind(b), shadow wilson(ds),
1957/Verve

リー・コニッツもまだ現役で頑張っているようなのでやはりジャズ界の怪物の一人です。
70代で再婚?したとかでもう一花咲かせているようです。
ハンク・ジョーンズ(p)、ロイ・ヘインズ(ds)、ジム・ホール(g)に続いて4人目の怪物になりました。
チャーリー・パーカー以降、コニッツは白人アルト奏者では最初に出てくる大物です。
レニー・トリスターノ派ということになっていますが、むしろトリスターノに共感したという表現が正しいのではないでしょうか。
ヨーロッパに渡ってフリー・ジャズを吸収、ヨーロッパのアルト奏者に与えた影響も大きいです。
最近、コニッツやアート・ペッパー(as)の50年代の演奏をよく聴いています。

2007/09/23


(419) JUNIOR MANCE / JUNIOR
junior mance(p), ray brown(b), lex humphries(ds),
1959/Verve

地味ながら渋いピアニストの代表格、ジュニア・マンスの初リーダー・アルバムにして代表作です。
ジュニア・マンスはキャノンボール・アダレイ・グループに入って知られることになりますが、
キャノンボールのピアニストと言えば、ビル・エバンス、ウィントン・ケリー、ハンク・ジョーンズ、
ボビー・ティモンズ、ジョー・ザビヌルと有名どころが目白押しでやはりここでも目立っていません。
しかし、そのスイング感溢れるプレイは好感度が高いピアニストです。
一度は見て聴いてみたいと思っていたのですがこの11月に来日公演するとの情報があります。

2007/09/16



(418) STAN GETZ / PLAYS
stan getz(ts), jimmy raney(g),
duke jordan(p), bill crow(b), frank isola(ds),
1952/Verve

ほのぼのとした愛らしいジャケットはゲッツの多くの作品中でも一番印象に残るでしょうか。
このスタンダード作品集でもクールでやさしい音色と天才的な感性を感じることができます。
ここにデューク・ジョーダン(p)とジミー・レイニー(g)が参加しているのが貴重、
フランク・イソラ(ds)はゲッツとジェリー・マリガン(bs)以外にはほとんど作品が残っていません。
ゲッツはレスター・ヤング派の一番手でその実力は頭抜けていて、後世のサックス奏者に与えた影響も大きいです。
60年代になるとボサノバのゲッツとしてのイメージが固定化してしまうのが残念ですが、
40年代、50年代、さらに70年代以降も聴いて欲しいと思います。

2007/09/02




(417) ROGER KELLAWAY / THE TRIO
roger kellaway(p), russell george(b), dave bailey(ds),
1965/Prestige

ロジャー・ケラウェイ(p)の2枚目のリーダー・アルバムです。
これは1965年の作品で当時の先進のジャズ・ピアノが聴けます。
ケラウェイは地味ですが多才なプレイヤーで日本でも根強い人気を持っています。
印象に残っているのはケニー・バレル(g)の「Guiter Forms」(1965)、
ソニー・ロリンズ(ts)の「Alfie」(1966)、シンガーズ・アンリミテッド(vo)の「Just In Time」(1977)
マッズ・ヴィンディング(b)の「Daddio Don」(2000)等々です。

2007/08/26




(416) ROY HAYNES / WE THREE
roy haynes(ds), phineas newborn(p), paul chambers(b),
1958/New Jazz

ロイ・ヘインズ(ds)は80歳を過ぎた今でも元気に活躍しているジャズ界の怪物の一人です。
それこそジャズ界の生き字引的存在です。
この作品はロイの初リーダー・アルバムにして代表作の1枚で必ず名前が挙がってきます。
フィニアス・ニューボーン(p)、ポール・チェンバース(b)のメンバーにも魅力があります。

2007/08/19




(415) SONNY STITT / STITT PLAYS BIRD
Sonny Stitt(as),
John Lewis(p), Jim Hall(g), Richard Davis(b), Connie Kay(ds)
1966/Atlantic

先週ソニー・スティット(as,ts)の名前が出たところで早速今週に登場させました。
スティットはチャーリー・パーカー(as)と並び称される名手ですがパーカーに似ていることで損をしています。
自身もパーカー派と言われることを嫌ってテナー・サックスに持ち替えたりもしているほどです。
もっと見直されるべきだし、私は蒐集の対象としては面白い存在だと思っています。
これはパーカーの呪縛から解き放された1枚で好メンバーに恵まれた意欲作です。

2007/08/12




(414) SAL SALVADOR / FRIVOLOUS SAL
Sal Salvador(g),
Eddie Costa(p,vib), George Roumans(b), Jimmy Campbell(ds)
1956/Bethlehem

「真夏の夜のジャズ」で思い出しましたが、ソニー・スティット・クインテットで
サル・サルバドールがスイング感溢れる素晴らしいギター・プレイを披露していましたね。
サルはチャーリー・クリスチャン直系のギタリストでスタン・ケントン楽団で活躍して高評価を得ます。
ここではエディ・コスタの参加も貴重。
このベツレヘム盤は、長い間日本に版権がなく入手に苦労した思い出の1枚です。

2007/08/0
5



(413) GIMMY GIUFFRE / WESTERN SUITE
Gimmy Giuffre(ts),
Bob Brookmeyer(tb), Jim Hall(g),
1958/Atlantic

先週ジム・ホール(g)を紹介しましたが、このジミー・ジェフリー・スリーも忘れられません。
ユニークなスタイルを持っていて、映画の「真夏の夜のジャズ」にも出てきましたね。
イントロダクションから流れてきたのは彼らの演奏、最初に登場したのもこの3人でした。
独特のノリが印象に残っています。

ジミー・ジェフリーが知られたのはウディ・ハーマン・オーケストラの「フォア・ブラザーズ」を書いたことからです。
この後テナー3本とバリトンとの組み合わせは「フォア・ブラザーズ」として定着しました。
ウディ・ハーマン・オーケストラにも後の人気プレイヤーが目白押しです。
スタン・ゲッツ(ts)、ズート・シムズ(ts)、アル・コーン(ts)、ジーン・アモンズ(ts)、ジミー・ジェフリー(ts)、
サージ・チャロフ(bs)、ショーティ・ロジャース(tp)、レッド・ロドニー(tp)、ビル・ハリス(tb)、
テリー・ギブズ(vib)、ミルト・ジャクソン(vib)、ルー・レヴィ(p)、デイブ・マッケンナ(p)、
オスカー・ぺティフォード(b)、レッド・ミッチェル(b)、シェリー・マン(ds)等々。

2007/07/29




(412) JIM HALL & RED MITCHEL
Jim Hall(g), Red Mitchel(b)
1978/ArtistHouse

懇意にしているサイトに益満妙さんの「ジム・ホール・マニアックス」があります。
益満妙さんはジム・ホール・コンプリートという凄い人です。
ここのコーナーに「再発されない2枚のアルバム」というのがあります。
これはその中の1枚でこれを読むまではそれほど貴重なものだとは知りませんでした。

以下、益満妙さんの記事から抜粋させてもらいました。

「私の記憶によれば、最初に発売されたのが20数年前で、それ以降、再発、CD化されていないと思う。
ということは、現在Jim Hallが好きである40歳未満の方で、20歳前後にJim Hallと出会ってない方たち以外の人は、
アルバムの存在は承知していても、聴いたことがないのではないかと思われる。

 "そんな事、言われてもなぁ"と、お思いでしょうが、この2枚が相当いい内容なのです。
まず、あのJim Hallのホットな部分が、凝縮されている。
初めから、最後までバッキングを含め、Jim Hallが徹底的に楽しめる。
Liveであることから、スタジオ録音のクールでコントロールされた部分より、多少オフコントロール気味な所もあり、
ヴィヴィッドなインタープレイ、インターリアクションが随所に散見され、開放感がある。

 と、いうことで、聴いたことがない方は、何とかして、聴いてみることを、強烈にお勧めする。
 まず、年輩のJazz Fanと懇意になり、レコードを貸してもらいダヴィングする。 
それが、叶わなければ、老舗ジャズ喫茶へ足繁く通って、リクエストする。



という訳で、このアルバムを所有している方々は、その稀少的な価値を認識して戴き、
後輩、同胞諸氏の為に、有効利用もしくは、リサイクルをご検討ください。
再発CD化されるのが、ベストではありますが。」

(追記)2003年3月に、「Jim Hall/Live!」↓が20数年ぶりに紙ジャケでCD化されました。
「再発されない2枚のアルバム。」は「再発されない1枚のアルバム。」になってしまいました・・・

先日、益満妙さんにお会いした時にこの話が出て盛り上がりました。
最後の1枚もこの秋に再発されそうだということで「早めに紹介しておいたほうがいい」と笑いました。
お陰様で鼻高々の自慢の1枚になったわけです。

2007/07/22




(411) MILES DAVIS / SORCERER
Miles Davis(tp), Wayne Shorter(ts),
Herbie Hancock(p), Ron Carter(b), Tony Williams(ds),
1967/CBS

黄金のマイルス・デイビス・クインテットの最盛期のアルバムです。
この時期にはもう1枚「ネフェルティティ」がありますが甲乙はつけがたいです。
1968年になるとエレクトリック・ピアノやギターが起用されてきてそろそろ変化の兆しが見えてきます。
この頃のマイルスやコルトレーンの新譜にはワクワク、ドキドキ、一刻も早く聴きたいと思ったものです。
「出たー!」と聞けば贔屓のジャズ喫茶にすっ飛んで行きました。
そういえば、ジョン・コルトレーンが亡くなったのは67年の7月だったですね。
それを聞いた時にはショックで目の前が真っ白になって信じられない思いがしました。

2007/07/15




(410) MILES DAVIS / E.S.P
Miles Davis(tp), Wayne Shorter(ts),
Herbie Hancock(p), Ron Carter(b), Tony Williams(ds),
1965/CBS

ウエイン・ショーター(ts)を迎えた初のスタジオ録音盤です。
ジャズ史上に燦然と輝く黄金のマイルス・デイビス・クインテットがここからスタートしました。
このコンボにおけるハービー・ハンコック(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウイリアムス(ds)は素晴らしい。
モダン・ジャズ史上、最高かつ最強のリズム・セクションだと思います。
彼らが参加しているアルバムは、何度聴いても興奮してしまいます。

2007/07/08




(409) MILES DAVIS / 'ROUND ABOUT MIDNIGHT
Miles Davis(tp), John Coltrane(ts),
Red Garland(p), Paul Chambers(b), Philly Joe Jones(ds),
1955,1956(Rec)/CBS SONY

マイルス・デイビス(tp)のクール・ジャズの真髄が聴けます。
これを初めて聴いた時の感動は今でも忘れられません。

2007/07/01




(408) MILES DAVIS / BAGS GROOVE
Miles Davis(tp), sonny rollins(ts)(3,7), milt jackson(vib)(1,2),
thelonious monk(p)(1,2), horace silver(p)(3-7), percy heath(b), kenny clarke(ds),
1954/Prestige

マイルス・デイビス(tp)については私もよく聴いていたのでジャケットを選ぶのが大変です。
これはミルト・ジャクソン(vib)の名曲「Bags Groove」の決定的演奏と言われているものです。
2セットの演奏が録音されていますがメンバーも素晴らしい。
この時、マイルスはニュー・クインテットを組むことを思考中。
ソニー・ロリンズが第一候補でしたが断られてジョン・コルトレーンが入団することになりました。
結果は大成功・・・・・そんなことを考えながら聴くのもまた面白いと思います。

2007/06/24




(407) MILES DAVIS / BIRTH OF THE COOL
Miles Davis(tp), Kai Winding(tb), Jr.Collins(frehn), John Barber(tuba),
Lee Konitz(as), Gerry Mulligan(bs), Al Haig(p), Joe Sulieman(b),
Max Roach(ds), JJ.Johnson(tb), John Lewis(p), Kenny Clark(p), etc
1949/01/21, 1949/04/22, 1950/03/09
1956/Capitol

マイルス・デイビス(tp)の名盤中の名盤としてよく知られています。
名曲揃いの上にメンバーも豪華ですが録音してすぐには発売されなかったようです。
一つの謎ですが当時としては先進のクール・ジャズは売れないと判断されたと思います。
これは日本盤ですが現在のジャケットとは違っていますね。
定価は1500円、40年以上前の高校生の身分では物凄く高かったです。
多分、大卒の初任給が15000円〜18000円くらいだったと思います。
月に1枚はとても買えなかった・・・この頃に買ったレコードにはどれも思い出があります。
レコード盤も赤い色をしているので今では珍しいです。
ドーナツ盤には多かったけれど昔はこういったLP盤も時々見かけました。

2007/06/17




(406) JOHN COLTRANE QUARTET / A LOVE SUPREME
John Coltrane(ts),
McCoy Tyner(p), Jimmy Garrison(b), Elvin Jones(ds),
1964/Impulse

「至上の愛」・・・ジョン・コルトレーン・カルテットの代表作です。
何も語ることはありません、聴けば分かります。

2007/06/10




(405) JOHN COLTRANE QUARTET / COLTRANE
John Coltrane(ts),
McCoy Tyner(p), Jimmy Garrison(b), Elvin Jones(ds),
1962/Impulse

ジョン・コルトレーン(ts)、マッコイ・タイナー(p)、ジミー・ギャリソン(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)。
レギュラー・カルテットによる初のスタジオ録音盤です。
マイルス・デイビス・クインテットと並ぶ黄金のジョン・コルトレーン・カルテットがここからスタートしました。
特に(1)ジョニー・マーサーの"Out Of This World"、(2)マル・ウォルドロンの"Soul Eyes"が聴きもの。
ここで参加したジミー・ギャリソンがただ一人だけ、コルトレーンと最後まで付き合うことになります。

2007/06/03




(404) JOHN COLTRANE / GIANT STEPS
John Coltrane(ts),
Tommy Flanagan(p), Paul Chambers(b), Art Taylor(ds),
Wynton Kelly (p), Jimmy Cobb (ds)
1959/Atlantic

ご存知、ジョン・コルトレーン(ts)のジャズ・ファン必聴の名盤。
マイルス・デイビス(tp)の野心作「KIND OF BLUE」を挟んで2組のカルテットで演奏されています。
1959年の4月と12月の録音、つまり、その前後の違いを探る上での貴重な記録でもあります。
モダン・ジャズの歴史を語る上にも重要な位置を占める1枚です。
コルトレーン時代の到来を予感させる「GIANT STEPS」とはまさにピタリの題名ですね。
この後、怒涛の進撃でジャズ界の巨人となるジョン・コルトレーンの大きな第一歩を記しています。
「ジャイアント・ステップス」、「カズン・メリー」、「ナイマ」、「ミスター・P・C」など名曲が目白押しです。

2007/05/27




(403) KENNY DREW / TRIPPIN
Kenny Drew(p), Neils-Henning Orsted Pedersen(b), Ed Thigpen(ds),
Toots Thielemans(hca,g)
1984/Baystate

先週に引き続いてケニー・ドリューのイラスト・ジャケットの日本制作盤です。
お馴染みのトリオにトゥーツ・シールマンスがゲストで参加しています。
郷愁を感じさせるハーモニカの音色が女性の旅情を誘うかのようです。
来日記念盤になっていますね。

2007/05/20




(402) KENNY DREW / THE LULLABY
Kenny Drew(p), Neils-Henning Orsted Pedersen(b), Ed Thigpen(ds),
1982/Baystate

真っ黒だったケニー・ドリュー(p)もヨーロッパに渡って徐々に洗練されたスタイルになりました。
このアルバムは日本人好み、特に女性ファンを意識して作られたものです。
イラスト・ジャケットで子守唄作品集、いかにもヨーロッパの昼下がりをイメージしています。
イラストレーターは川村みずえさん、帯付きのジャケットは珍しいと思います。
「灯りを消して、目を閉じて、さあ、夢の世界に旅立とう」とあります。

2007/05/13




(401) BILL EVANS & JEREMY STEIG / WHAT'S NEW
Bill Evans(p), Jeremy Steig(fl), Eddie Gomez(b), Marty Morell(ds),
1969/Verve

今週はフルートのライブを聴いたのでこれを掲載しました。
ビル・エバンスとしては異色のフルート奏者のジェレミー・ステイグとの共演は刺激的だったでしょうか。
もっとも、エバンスは実験的なセッションにも数多く参加しているので普段通りだったのかもしれません。
しかし、ジェレミー・ステイグにとってはこの作品が出世作になったのは間違いないところです。
これで一気にフルート奏者としての評価が上がり、その後のフルート奏者に与えた影響も大きいです。
フルート好きならずともジャズ・ファン必聴の1枚でしょうね。

2007/05/06




(400) McCOY TYNER / LIVE AT NEWPORT
McCoy Tyner(p), Clark Terry(tp), Charlie Mariano(as),
Bob Cranshaw(b), Mickey Roker(ds),
1963/Impulse

マッコイ・タイナーも今やジャズ・ピアノにおける巨人の一人です。
肩を並べ得るのはハービー・ハンコック、チック・コリア、キース・ジャレットの大物3人でしょうか。
ジョン・コルトレーン・カルテットの諸作はもちろんのこと、自己のアルバムにも秀作が目白押しです。
師匠はリッチー・パウエル(p)(バド・パウエルの実弟、クリフォード・ブラウン(tp)と共に自動車事故で亡くなる)
バド・パウエル(p)直系ではなくてリッチー・パウエルとワン・クッションおいているところが面白いですね。
それであのユニークなスタイルが出来たのかも・・・。
さて、このアルバムは1963年のニューポート・ジャズ・フェスティヴァルのライブ盤です。
そんなことからメンバーの構成がちょっと変わっています。
クラーク・テリー(tp)とチャーリー・マリアーノ(as)のフロントが興味深いです。
ここでの「マイ・ファニー・バレンタイン」が絶品で、それはもう愛聴していました。
若い頃はジャズ喫茶のカウンターで”ジャック・ダニエルズ”を飲みながらよく聴いたものです。

2007/04/29




(399) JIMMY SMITH / ORGAN GRINDER SWING
Jimmy Smith(org), Kenny Barrell(g), Grady Tate(ds),
1965/Verve

ジミー・スミスは言わずと知れたオルガンの第一人者で、ジャズ・オルガンのバイブル的存在です。
私はオルガン・ジャズが大好きなジャズ・ファンの一人です。
一時期ブルー・ノート盤が入手困難になりましてヴァーヴ盤をよく聴いていました。
これはケニー・バレル(g)とグラディ・テイト(ds)のメンバーにも恵まれて彼の代表作の1枚です。
ソウルフルでファンキーなジミー・スミスの魅力がいっぱいに詰まっています。
特に何気ないトラッドな「グリーン・スリーブス」がお気に入りでした。
ヴァーヴ盤でのもう1枚はウエス・モンゴメリー(g)との「ダイナミック・デュオ」がお勧めです。

2007/04/22




(398) JOHN LEWIS / PIANO
John Lewis(p), Barry Galbraith(g), Jim Hall(g),
Percy Heath(b), Connie Kay(ds)
1956/Atlantic

先週、ミルト・ジャクソン(vib)を紹介したので今週はジョン・ルイス(p)にしました。
ミルトとジョンの二人は人気コンボのM・J・Qを20年以上も支えてきました。
M・J・Qは室内音楽的な要素もあるのでクラシック・ファンを初め幅広いファン層に支持されています。
それゆえ同メンバーでこれほど長続きしたのはモダン・ジャズ史上第一の存在です。
ジョンは作曲者としての才能も高く、「ジャンゴ」、「フォンテッサ」をはじめ
映画音楽の「大運河」などを手がけています。
さて、ジョン・ルイスのこのアルバムですがデュオが中心で異色作ということになります。
もう1枚選ぶとすれば「GRAND ENCOUNTER」(Pacific Jazz/1955)ということになるでしょうか。

2007/04/15




(397) MILT JACKSON / OPUS DE JAZZ
milt jackson(vib), frank wess(fl),
hank jones(p), eddie jones(b), kenny clarke(ds)
1955/SAVOY

ミルト・ジャクソン(vib)の代表作ならまずこの「OPUS DE JAZZ」と「PLENTY PLENTY SOUL」が挙がります。
もちろん、M・J・Q(モダン・ジャズ・カルテット)の作品群にも良いものはたくさんあります。
ジャズ・ヴァイブラホンを語るのにミルト・ジャクソンは避けて通れません。
それだけヴァイブ奏者としては傑出している存在です。
ミルトの姿を見て「ソウルが歩いている」と言われた有名な話もあります。

2007/04/08




(396) WYNTON KELLY / WYNTON KELLY !
wynton kelly(p), paul chambers(b), sam jones(b), jimmy cobb(ds)
1961/VEE JAY

ウィントン・ケリーも人気のあるピアニストですね。
バド・パウエルの直系ながらオスカー・ピーターソンのスタイルを合わせ持つ貴重な存在です。
これは邦題「枯葉」と付いた”Vee Jay”レーベルの1枚ですが色使いが綺麗なので印象に残るジャケットです。
”Vee Jay”にはこの他に「ケリー・グレイト」、「モダン・アート」、「ケリー・アット・ミッドナイト」などがあります。
あとは”Riverside”と”Verve”に有名盤が残されていますがどれもスイング感溢れるピアノが聴けます。

2007/04/01




(395) JOE PASS / VIRTUOSO
joe pass(g)
1973/PABLO

1枚のアルバムがそのプレイヤーの評価を決定的に変えることがあります。
これはそんな中の1枚で、ジョー・パスの代表作と同時にジャズ・ファン必聴の1枚です。
スタンダード・ナンバーをギター1本でここまでの表現が出来るのかと驚かされました。
これ以降、パスはオスカー・ピーターソン(p)と並んでパブロ・レーベルの看板スターになりました。

2007/03/25




(394) JOHN HANDY / LIVE AT THE MONTEREY
john handy(as),
michael white(vln), jerry hahn(g), don thompson(b), terry clarke(ds),
1966/CBS Columbia

チャーリー・ミンガス・グループ出身のジョン・ハンディ(as)・クインテットのライブ盤です。
グイグイと突っ走る白熱したエキサイティングな演奏が聴けます。
アルト、バイオリン、ギターのユニークな組み合わせが繰り出すサウンドは圧巻。
ベース、ドラムスも強力、A面、B面共に1曲づつの長丁場です。
特に(1)「Spanish Lady」は強烈な印象、音のシャワーを浴びたい時によく聴きました。
ライブ名盤の1枚。

2007/03/18




(393) WYNTON MARSALIS / WYNTON MARSALIS
wynton marsalis(tp),
branford marsalis(ts), kenny kirkland(p), clarence seay(b), jeff watts(ds),
herbie hancock(p), ron carter(b), tony williams(ds),
1981/CBS Sony

今週の「最近の愛聴盤」でウイントン・マルサリス(tp)を取り上げたので掲載しました。
これがウイントンの初リーダー・アルバムです。
ウイントンがジャズ・メッセンジャーズで颯爽とデビューした時もジャズ界は騒然となりました。
長らくニュー・スターの登場を待ち望んでいただけに当然のことだったと思います。
完璧なテクニックと瑞々しい感性、ほとばしる才気は現代ジャズの復活を予感させるものでした。

2007/03/11




(392) SONNY CRISS / I'LL CATCH THE SUN !
sonny criss(as),
hampton hawes(p), monty budwig(b), shelly manne(ds),
1969/Prestige

先週、「最近購入したアルバム」でソニー・クリス(as)を取り上げたので掲載しました。
これはソニー・クリスのプレスティッジでのラスト作で評価の高いアルバムです。
やはり、メンバー構成に魅力があるでしょうか。
ハンプトン・ホーズ(p)、モンティ・バドウィッグ(b)、シェリー・マン(ds)はウエスト・コーストの強力トリオです。
ポピュラーな曲を吹かせれば彼の右に出る人はいませんね。

2007/03/04




(391) SCOTT HAMILTON /
SCOTT HAMILTON IS A GOOD WIND WHO IS BLOWING US NO ILL
scott hamilton(ts), bill berry(tp),
nat pierce(p), monty budwig(b), jake hanna(ds),
1977/Concord

スコット・ハミルトン(ts)のファースト・アルバムです。
ジャズ・テナーがジョン・コルトレーンとソニー・ロリンズにほぼ席巻されていた頃、
突如としてズート・シムズの音色とベン・ウエブスターのスタイルを持ったスイング・テナー
の新人が現れたのでジャズ界は一大センセーションとなりました。
当時、ハミルトンが非常に新鮮な感覚で受け入れられたのは確かなことです。

2007/02/25




(390) TOMMY FLANAGAN / OVER SEAS
tommy flanagan(p), wilbur little(b), elvin jones(ds),
1957rec/Union

トミー・フラナガンはロリンズの「サキソフォン・コロッサス」やコルトレーンの「ジャイアント・ステップス」の
名サイド・マンとしての方が知られていました。
彼が表舞台に飛び出してきたのは、幻の名盤、「オーバー・シーズ」の一発でしたね。
SJ誌選定「ゴールド・ディスク」の記念すべき第1号でしたが、これには本当に驚かされました。

それ以降のファンには信じられないでしょうが、本当に”超幻の名盤”として有名だったんですよ。
当時のジャズ・ファンの間では、よく話題になったものです。
真偽のほどは分かりませんが、10万円以上(40年位前の話)の値がついたと噂になりましたし、
まさに垂涎の的ですね。なにしろ聴いたことがないので、期待は膨らむ一方でした。

G・Dの第一弾として発売された時には、ジャズとしては破格の売上枚数を記録したはずです。
多分、この記録は今でも破られていないと思いますよ。
そしてこの時には、なぜかオリジナル・ジャケットのデザインは使われませんでした。
後から知ったのですが私が見知っていた緑色?のCが並んだジャケットもオリジナルではありませんでした。
最近のジャケットはフラナガン自身も見るまで忘れていたとも聞いています。
さて、この日本盤はダブル・ジャケットに銀色を配した豪華盤です。
今ではこのジャケットを見るのも珍しいのではないでしょうか。
内容はと言えば、幻の名盤に恥じない、素晴らしいものでしたね。

2007/02/18




(389) BOB JAMES / BOLD CONCEPTIONS
bob james(p), ron brooks(b), bob pozar(ds),
1962/Mercury

ボブ・ジェームス(p)のファースト・アルバムです。
今となってはこのオリジナル盤も貴重なものかもしれませんね。
最初は純ジャズ路線、色々と迷いはあったようですがフュージョン・ブームで大ブレイクしました。
彼を見出したのがクインシー・ジョーンズ(arr)ということでその下地は十分にありました。

2007/02/11




(388) SEAWIND / LIGHT THE LIGHT
jerry hey(tp,fhn,french horn), kim hutchcroft(as,ts,bs,fl), bud nuanez(g),
ken wild(elb), larry williams(key), bob wilson(ds), pauline wilson(vo)
1979/Horizon Music

シーウインドは名前の通り爽やかなサウンドで人気がありました。
ポーリン・ウィルソンの可愛らしい歌声が最大の魅力です。

2007/02/04




(387) RONNIE FOSTER / DELIGHT
ronnie foster(key.vo),
freddie white(ds), leon"ndugu"chancler(ds), robert"pops"popwells(b),
nathan watts(b), george benson(back vo), steveland morris(stevie wonder)(ds), etc
1979/CBS Columbia

1970年代のフュージョン・シーンで活躍したロニー・フォスター(key)作品です。
メジャー・レーベルなのでいかに注目されていたか想像がつくと思います。
メンバーにもジョージ・ベンソンがバック・グランド・ヴォーカルで参加していたり、
スティービー・ワンダーが変名でドラムを叩いたりしています。

2007/01/28




(386) MICHAEL BRECKER / MICHAEL BRECKER
michael brecker(ts) pat metheny(g)
kenny kirkland(p) charlie haden(b) jack dejohnette(ds)
1987/IMPULSE/MVCM-138

(386) BRECKER BROTHERS / SOME SKUNK FUNK
randy brecker(tp)  michael brecker(ts) jim beard(key)
will lee(b) peter erskine(ds) marcio doctor(per)
the wdr big band koln conducted by vince mendoza
2005/BHM/VICJ-61289

マイケル・ブレッカーが逝ってしまいました。
くしくも↓の(384)でカムバックを願ったばかりなのに残念です。
前者はマイケルの記念すべき初リーダー・アルバムです。
20年前なら37歳なのでずい分とリーダー作は遅かったなと改めて思いました。
それだけに満を持して出した自信作で当然グラミー賞にノミネート、ここから怒涛の進撃が始まったわけです。
後者は「ドラ盤」になったブレッカー・ブラザーズの結成30周年特別企画盤です。
紹介時には以下のようなコメントを書きました。

2003年のドイツのジャズ・コンサートで録音されたものですが、これは文句なしに凄いアルバムです。
まずは1曲目の「SOME SKUNK FUNK」の圧倒的な迫力に驚かされました。
特にマイケル・ブレッカー(ts)の全身全霊を傾けた鬼気迫るプレイには、背筋が寒くなるほどの気迫を感じました。
まるで病魔に倒れるのを予知していたかのような、すさまじいソロです。
フュージョン・シーンの名コンボの一つだったブレッカー・ブラザーズの曲が次々と演奏されます。
現代を代表するテナー奏者の一人、マイケル・ブレッカーの真の姿がここにありました。
マイケルが病気を克服してカムバックしてくれるのを祈るのみです。

この2枚を聴いてマイケルを偲びました。

2007/01/21




(385) GARY BARTZ / BARTZ
gary barz(as),
harry whitaker(key), hubert eaves(key), reggie lucas(g),
ed"tree"moore(g), basil fearington(b), mtume(per), etc
1980/Arista Records

1970〜1980年のジャズ受難の時期にはジャズ・メンもみんな一所懸命だったのです。
これはファッショナブルに変身したゲイリー・バーツのフュージョン盤。
事実、どうしても似合わない人もいましたね。

2007/01/14




(384) THE BRECKER BROTHERS / DETENTE
michael brecker(ts fl), randy brecker(tp,fhn),
airto(per), hiram bullock(g), paulinho da costa(per),
steve gadd(ds), mark gray(key), dan grolnick(key),
neil jason(b), steve jordan(ds), ralph mcdonald(per),
marcus miller(b), jeff mironov(g), david spinozza(g), etc
1980/Arista Records

ランディ・ブレッカーは元気に活躍中ですが、マイケルの具合はどうなんでしょうか。
早く元気な姿を見せてもらいたいものです。
なお、このアルバムのプロデューサーはジョージ・デューク(key)です。

2007/01/07




(383) GERRY MULLIGAN & CHET BAKER / CARNEGIE HALL CONCERT vol.1
gerry mulligan(bs), chet baker(tp),
bob james(p),dave samuels(vib), ron carter(b),
john scofield(g), harvey mason(ds),
1974/CTI Records

ジェリー・マリガンとチェット・ベイカーのカーネギー・ホールでの再会コンサート盤です。
この日のマリガンは意欲十分で絶好調、一世一代のソロも聴けます。
バックのメンバーにも魅力があるし、マリガン・ファンでもある私の愛聴盤の1枚です。

2006/12/31




(382) ROY AYERS / NO STRANGER TO LOVE
roy ayers(vo,elp,vibes), chuck anthony(g), onje allen gumbs(elp),
kenny turman(b), dennis davis(ds),etc
1979/Polydor

ロイ・エアーズの70年代のフュージョン、ファンク路線の1枚です。
クラブ、ダンスミュージック系では根強い人気があるのではないでしょうか。

2006/12/24




(381) GEORGE BENSON / WEEKEND IN L.A
george benson(g,vo), phil upchurch(g), ronnie foster(key),
jorge dalto(p,key), stanley banks(b), hervey mason(ds), ralph macdonald(per),
1978/Warner Bros records(2枚組)

「ブリージン」の大ヒットで一躍スパー・スターになったジョージ・ベンソンのライブ盤です。
ちょうど、「ベンソン&ジャロウ」が話題になったところで掲載することにしました。

2006/12/17




(380) STANLEY CLARKE / SCHOOL DAYS
stanley clarke(elb,b), (key), david sancious(key), raymond gomez(g),
gerry brown(ds), steve gadd(ds), john mclaughlin(g), billy cobham(ds), etc
1976/newperor records

才人スタンリー・クラークはエレキ・ベースとアコースティック・ベースの両刀遣いの草分け的存在です。
このアルバムは当時のフュージョン系ジャズ喫茶で人気だった1枚です。

2006/12/10




(379) WAR / PLATINUM JAZZ
lee oskar(hca), lonnie jordan(key), howard scott(g), charles miller(bs)
b.b.dickerson(elb), harold brown(ds), dee allen(per),
1977/Blue Note(2枚組)

ジャズ・ハーモニカといえばトゥーツ・シールマンスの名前がすぐに浮かびますが、
よりポピュラーなハーモニカ奏者はこのリー・オスカーです。
ハーモニカ独特の哀愁のある音色は心に響くものがありますね。
”ウォー”もまた人気グループでしたが、ロニー・ジョーダン(key)は今どうしているでしょうか。

2006/12/03




(378) GEORGE DUKE / A BRAZILIAN LOVE AFFAIR
george duke(key vo), byron miller(b), ricky lawson(ds),
airto(per), roland bautista(g), jerry hey(tp), larry williams(ts)
milton nascimento(vo,g), simone(vo), flora purim(vo). etc
1980/Epic

ファッショナブルなイメージが固まりつつあったジョージ・デューク(key)の新たなる挑戦です。
ブラジリアン・テイストが詰まっていて、ジョージ・デュークでは一番好きなアルバムです。
ミルトン・ナシメント(vo)やシモーネ(vo)の参加がその評価を高めています。

2006/11/26




(377) DAVID SANBORN / HIDEAWAY
david sanborn(as,ts,ss), hiram bullock(g), david spinozza(g),
don grolnick(p,fender rhodes),neil jason(b), marcus miller(b),
steve gadd(ds),ralph macdonald(per), etc
1980/Warner bros

フュージョン・シーンで引っ張りダコだったサンボーン(as)がメジャーへの道を歩き始めた頃の作品です。
今や最も集客力がある人気アルト・サックス奏者になりました。
ここではデビッド・スピノザのギター・プレイも聴きものです。

2006/11/19




(376) JEAN-LUC PONTY / ENIGMATIC OCEAN
Jean-Luc Ponty(elvln), Allan Holdsworth(elg),Daryl Stuermer(elg),
Ralphe Armstrong(elb), Allan Zavod(org,synth),Steve Smith(ds),
1977/Atlantic

これは「秘なる海」と邦題が付いたジャン・リュック・ポンティのの代表作です。
ちょっとおこがましい感じはしますが、ステファン・グラッペリに唯一比較し得るバイオリニストかも知れません。
エレクトリック・バイオリンを世に認知させた功績と、幅広い音楽性は他の追随を許しません。

2006/11/12