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Dragon's Jazz Corner

Von Freeman (ts)


* VON FREEMAN QUARTET / GOOD FOREVER
von freeman(ts),
richard wyands(p), john webber(b), jimmy cobb(ds)
2006/Premonition/

1 Why Try To Change Me Now
2 An Affair To Remember
3 A Night In Paris
4 Smile
5 I'll Never Be Free
6 Didn't We


ヴォン・フリーマン(ts)の2006年の作品です。
なんとこの時フリーマンは83歳、かくしゃくとしたプレイ振りからはとても信じられません。
共演者がリチャード・ワイアンズ(p)にジミー・コブ(ds)というんだから垂涎盤の一枚です。
フリーマンはシカゴ・ジャズの大物だけどローカル・ミュージシャンなので知名度はいまひとつかも。
特にバラード奏法が素晴らしくてその野太い音色と時折混じるフリー・トーンに引き付けられてしまいます。

全6曲は自身のオリジナル1曲(3)とその他5曲の構成です。
(1)「Why Try To Change Me Now」はシブい選曲・・・フランク・シナトラのヒット曲として知られています。
(2)「An Affair To Remember」がロマンティックで良かった。
この曲は映画「めぐり逢い」の主題歌、ケーリー・グラントとデボラ・カーの美男美女が主演でした。
チャップリンの(4)「Smile」も小品ですが心に沁みました。
全体を通して寄り添うようなワイアンズのピアノがまた心憎いばかりです。
バーのカウンターに座ってグラスを傾けながらBGMでそっと聴いたら最高だと思います。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




* VON FREEMAN QUARTET / LIVE AT THE DAKOTA
von freeman(ts),
bobby peterson(p), terry burns(b), phil hey(ds)
1996Rec/Premonition Records/

1 Bye Bye Blackbird.
2 Crazy She Calls Me
3 My Little Brown Book
4 Caravan
5 Do Nothin' Till You Hear From Me
6 Footprints
7 Blues For Sunnyland


ヴォン・フリーマン(ts)の1996年のライブ盤です、
フリーマンはシカゴ・ジャズの大御所でチコ・フリーマン(ts)の父親としても知られています。
今作は73歳時の録音ですが元気な姿と演奏を聴かせてくれました。
フリーマンは2012年に88歳で亡くなっています。
共演者は多分シカゴのローカル・ミュージシャンだと思います・
知名度は低いけれど実力は確かでアメリカの底力を感じさせる一枚でもあります。

全7曲は自身のオリジナル1曲とスタンダード6曲の構成です。
新しいところではウェイン・ショーター(ts)の(6)「Footprints」を取り上げています。
それぞれが素晴らしい演奏なので聴き応えは十分です。
フリーマンの野太い音色と時折混じるフリー・トーンに圧倒されてしまいました。
バラードの(2)「Crazy She Calls Me」には心底痺れた。
ピアノのボビー・ピーターソンって何者なんだ?
この人がまた強烈な演奏を聴かせてくれました。

ちなみにこのCDは今年のオフ会に持って行きました。
エリントンの(4)「Caravan」をみんなに聴いてもらいました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)




* VON FREEMAN QUARTET / SERENADE & BLUES
von freeman(ts),
john young(p), david shipp(b), wilbur campbell(ds)
1975Rec/Nessa/

1 Serenade In Blue
2 After Dark.
3 Time After Time
4 Von Freeman's Blues
5 I'll Close My Eyes


イリノイ州シカゴはジャズ・ジーンにおいても重要な位置を占めています。
「シカゴ・ジャズ」という言葉もあります。
シカゴは「アート・アンサンブル・オブ・シカゴ」を生んだ土地柄で先取の気風を持っている。
ヴォン・フリーマン(ts)はそんなシカゴ・ジャズの大御所です。
野太い音色のゴリゴリとした奏法はジョン・コルトレーンと相通じるところがあります。
どちらが先という訳ではなく同時発生的に出てきたスタイルだと思っています。
ちょうどアルト・サックスにおけるチャーリー・パーカーとソニー・スティットのように・・・。
フリーマンはシカゴを出なかった。
先進のニューヨークを目指す人もいれば家族のためにローカル・ミュージシャンに甘んじた人も多くいました。
ヴォン・フリーマンはそんなジャズ・メンの中の一人です。
息子のチコ・フリーマン(ts)が見事に育っています。
、そういえばエリック・アレキサンダー(ts)もシカゴ・ジャズの出身でした。

全5曲でフリーマンの円熟の演奏が聴けました。
一度聴いたら忘れられない存在感があります。
なお(5)「I'll Close My Eyes」はCD化により追加されたものです。
15分近い長丁場でLPには入りきらずにカットされたものだと思います。
曲調はちょっと甘いけれど、これがまたホンワカとしていてとてもいい味が出ています。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)