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Dragon's Jazz Corner

Tom Harrell (tp)


* TOM HARRELL QUINTET / SOMETHING BLUE
tom harrell(tp,flh), ambrose akinmusire(tp),
charles altura(g), ugonna okegwo(b), johnathan blake(ds)
omer avital(b)(4only)
2016/HighNote/

1 Circuit
2 Travelin'
3 Trances
4 Delta Of The Nile
5 Keep On Goin'
6 View
7 Body And Soul (E.Heyman/R.Sour/F.Eyton/J.Green)
8 Sound Image
9 The Vehicle


トム・ハレル(tp)を久々に買ってみました。
ハレルは内向的で控えめな性格、真摯で端正なスタイルの持ち主です。
遊び心がなく超真面目が持ち味なので損をしている部分もあるかもしれませんね。

今作は注目のトランぺッター、アンブローズ・アキンムシーレとの共演に興味がありました。
フロントにトランペットが2本というのも珍しいと思いました。
一般的に年を取ってくると演奏スタイルが穏やかに丸くなってくるものです。
でもハレルはまったく違います。
まぁ、同楽器のバリバリのプレイヤーとは共演を避けたいと思うのが普通でしょうね。
でもあえてそれをやってしまうところにハレルの神髄がありました。
二人はサックスによくあるバトル・スタイルではなくて協調重視の姿勢です。
アレンジは秀逸だしつくづくハレルの作編曲能力は高いと思います。
トランペット同士が絡み合うサウンドは意外に新鮮な感じがしました。
これは新しい発見でしたよ。
ハレルは間違いなく生涯現役を貫き真摯にジャズに向き合っていくと思います。

全9曲は自身のオリジナルが8曲とその他1曲の構成です。
多彩な曲想で飽きさせません。
1曲だけバラードの有名スタンダード(7)を入れたのも上手いやり方です。
ベストは中近東の香りがする(4)「Delta Of The Nile 」になりました。
ウゴンナ・オケグウォ(b)、ジョナサン・ブレーク(ds)のリズムはハレルのお気に入りです。
今作ではCharles Alturaのギターにも注目しました・・・新感覚のギタリストの一人です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*TOM HARRELL QUINTET / LIGHT ON
tom harrell(tp), wayne escoffery(ts),
danny grissett(p), ugonna okegwo(b), johnathan blake(ds)
2007/HIGH NOTE/

トム・ハレル・クインテットのアメリカ発のハード・バップの好盤です。
全曲、ハレルのオリジナルですが変化に富んでいて飽きさせません。
改めて彼の作編曲能力の高さを感じました。
もう少し遊び心があってもいいのではと思いますが真摯な姿勢は彼の持ち味なのでしょうがないかな。
トランペット&テナーのモダン・ジャズの王道フロント2管、クールなペットにホットなテナーが絡みます。
アメリカ盤としては久々に聴き応えのある先進のハード・バップが聴けました。
共演陣ではまずダニー・グリセット(p)が挙げられます。
注目のピアニストで2枚のリーダー・アルバムも好評でした。
ウエイン・イスコフェリーもコルトレーン&ロリンズ&デックスをミックスした主流派テナー奏者です。
ウゴンナ・オケグウォは中堅ベーシスト、ドラムのジョナサン・ブレイクは初見なので新人だと思います。
このメンバーは9月に来日公演が予定されています。
時間が取れれば是非見ておきたいものです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)




*TOM HARRELL / TIME'S MIRROR
tom harrell(tp,flh), craig bailey(as,fl), mark gross(as,cl)
alex foster(ts,fl), don braden(ts), david schumacher(bs)
xavier davis(p), kenny davis(b), carl allen(ds), etc
1999/BMG/

1 Shapes
2 Autumn Leaves
3 Daily News
4 Dream
5 Chasin' The Bird
6 Sao Paulo
7 Time's Mirror
8 Train Shuffle


久し振りにビック・バンドのお薦めが登場しました、トム・ハレルのビック・バンド盤です。
彼はスタン・ケントンやウディ・ハーマン、メル・ルイス、ジョージ・ラッセル等のビック・バンド
に在籍しただけあってなんとも心地良い乗りのビック・バンド・ジャズを聴かせてくれます。
アレンジは全てトム・ハレル自身が行っています、彼には才能があるんですねえ。
一聴の価値は十分にあると思うので是非聴いてみて下さい。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*TOM HARRELL / LABYRINTH
tom harrell(tp,flh,p), don braden(ts),
kenny werner(p), larry grenadier(b), billy hart(ds),
joe lovano(ts), gary smulyan(bcl), steve turre(tb), etc
1996/BMG/

いぶし銀のごとくというのは慌てず騒がずのトム・ハレルにぴったりと当てはまります。
控え目な性格と真摯で端正なスタイルの持ち主です。
(8)「Darn That Dream]ではハレルの珍しいピアノが聴けます。




*TOM HARRELL QUINTET / OPEN AIR
tom harrell(tp), bob rockwell(ts)
hal galper(p), steve gilmore(b), bill goodwin(ds)
1987/SteepleChase/

トム・ハレルもまた実力のわりには目立たないジャズ・マンの一人です。
内向的で控え目な性格なのでアピール度が少ない。
ここで貴重なのはボブ・ロックウェル(ts)の参加です。