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Steve Nelson (vib)


* STEVE NELSON QUARTET / BROTHERS UNDER THE SUN
steve nelson(vib),
danny grissett(p), peter washington(b), lewis nash(ds)
2017/HighNote/

1 The More I See You (H.Warren/M.Gordon)
2 Eastern Joy Dance (M.Miller)
3 Grew's Tune (M.Miller)
4 Soul-Leo (M.Miller)
5 It Never Entered My Mind (R.Rodgers/L.Hart)
6 Samba D'blue (M.Miller)
7 Brother's Under The Sun (M.Miller)
8 For Those Who Do (M.Miller)
9 New Wheels (M.Miller)
10 Melody For Mulgrew (D.Grissett)


ヴィブラフォン聴きの12枚目は10年振りに出たスティーヴ・ネルソンの新譜です。
ピアノ入りのカルテット編成でマルグリュー・ミラー(p)のトリビュート作品になっています。
ミラーは2013年に57歳で亡くなりました・・・まだまだこれからだったのに早過ぎますよ。
ミラーが知られるようになったのはジャズ・メッセンジャーズへの参加からです。
私はトニー・ウィリアムス(ds)・クインテットが一番印象に残っています。
サイドマンとしての力量には定評がありました。
ネルソンとミラーは同世代で共演も多く、気心の知れた仲でジャズ盟友だったと思います。

全10曲はミラーの曲が7曲とその他3曲の構成です。
ネルソンはミルト・ジャクソン〜ボビー・ハッチャーソンの流れを汲む主流派、いわば王道をいくヴァイブ奏者です。
暑くもなく寒くもなく、気取ったところや尖がったところもなく、最もオーソドックスなスタイルを持っています。
重量感と広がりのあるサウンドはクリアで美しく、刺激にはやや欠けるけれど、その分安定感と安心感は十分です。
年は下ですがちょっとひねた感のあるジョー・ロック(vib)とは好対照だと思います。

共演者ではダニー・グリセットに注目しました・・・ネルソンがミラーの代わりに選んだピアニストです。
グリセットは瑞々しい感覚の持ち主でネルソンとのコンビネーションが今作の決め手になりました。
ルイス・ナッシュ(ds)とピーター・ワシントンのリズムセクションも満点です。
ベストは全員が一丸となって突っ込んでくる(9)「New Wheels」を上げておきます。
続くグリセットのオリジナル(10)「Melody For Mulgrew」も良かったです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*STEVE NELSON QUARTET / SOUND-EFFECT
steve nelson(vib)
mulgrew miller(p), peter washington(b), lewis nash(ds)
2007/HIGH NOTE/

スティーヴ・ネルソン(vib)の新譜です。
オリジナルが3曲、アーマッド・ジャマル(p)、フレディ・ハバード(tp)、ジェイムス・ウイリアムス(p)など。
曲目やバックのメンバーの人選を見ても純ジャズ路線を目指す意欲を感じました。
でもね、いまひとつ物足りなく感じるのはなぜでしょう。
「ドラ盤演奏者リスト」に載っているヴァイブ奏者はたったの4人だけです。
このスティーヴ・ネルソンを筆頭に、あとはステフォン・ハリス、ジョー・ロック、マイク・マイニエリの3人。
彼らを聴いているとつくづくミルト・ジャクソンの存在の大きさを改めて再認識することになります。
ボビー・ハッチャーソンやゲイリー・バートンも凄いと思います。
あとに続くのは誰なのか?
ジャズ・ヴァイブ界は層が薄いので最も新しいスターが望まれるところです。
希少性だけでなく将来を担うニュー・スターになりそうなプレイヤーがいたら教えて下さい。

(中間系)



*STEVE NELSON TRIO / FULLER NELSON

steve nelson(vib), kirk lightsey(p), ray drummond(b)
2004/SUNNYSIDE RECORDS/

スティーヴ・ネルソン(vib)の新譜は1998年の録音です。
内容は悪くないのに発売が遅れたのには何か理由があるのでしょうか。
メンバーのオリジナルが6曲、レム・ウィンチェスター(vib)が1曲、スタンダードが3曲の構成です。
スティーヴ・ネルソンは80年代ジョージ・シアリング・クインテットに起用されて頭角を現してきました。
オーソドックスで洗練されたスタイルの持ち主です。
このアルバムで最も私が注目したのはカーク・ライトシー(p)の参加です。
彼はチェット・ベイカー(tp)からデヴィッド・マレイ(ts)までこなす多様性を持つピアニストでユニーク、
実際、隠れファンも多いのではないでしょうか。
かくいう私もその一人で伝統的でありながらその個性的なタッチは魅力がいっぱいです。
<彼のアルバムでは「GOODBYE MR.EVANS」(1996/EVIDENCE)を是非聴いてみて下さい。>
<KIRK LIGHTSEY(p),TIBOR ELEKES(b),DON MOYE(ds)の強烈なピアノ・トリオが聴けます。>
ベースのレイ・ドラモンドも堅実なプレイでしっかりと二人を支えています。
特にこれはというわけではありませんがドラムレスのゆったりとしたスイング感がとても心地良いです。
秋の夜長にはぴったりのアルバムだと思います。

(中間系)

「The Second Time Around」、「I Don't Stand A Ghost Of A Chance With You」、
「Easy To Love」