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Dragon's Jazz Corner

Steve Kuhn (p)


*STEVE KUHN TRIO / WISTERIA
steve kuhn(p), steve swallow(b), joey baron(ds)
2012/ECM /

1 Chalet
2 Adagio
3 Morning Dew
4 Romance
5 Permacent Wave
6 A Likely Story
7 Pastorale
8 Wisteria
9 Dark Glasses
10 Promises Kept
11 Good Lookin' Rookie


スティーブ・キューン(p)の新譜です。
オリジナルが6曲にその他5曲の構成で気合十分、時間は70分近くになりました。

キューンもステーブ・スワロー(b)もジョーイ・バロン(ds)も長い経歴の持ち主ですね。
それぞれ2人の共演はあってもこの3人の組み合わせは初めてだそうです。
世の常ですがジャズの世界でも環境を変えて刺激を求めるのは必要不可欠だと思います。
さて、仕上げはどうかといえばバッチリとハマっていました。
もっともこの3人ならこのくらい出来て当たり前と思われてしまうのがミソですが。

キューンが叙情感溢れるピアノでリードし、それにスワローとバロンがついて行くパターン。
それぞれの曲を三位一体で持ち上げる・・・まるで大事なものを運んでいるようです。
時折ギターのように聴こえるのはスワローのエレベでしょうが抜群の効果を生んでいます。
バラードは静かでも内に秘めた思いが伝わってきます。
(6)「PASTORALE」は美しく、(8)「WISTERIA」は緊張感に溢れています。
でも実は、私はキューンの疾走感のあるスピード感溢れる演奏が好きです。
(6)「A LIKELY STORY」で堪能できました。・・・バロンのドラミングも凄いよ。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*STEVE KUHN TRIO & JOE LOVANO / MOSTLY COLTRANE
steve kuhn(p), david finck(b), joey baron(ds)
joe lovano(ts)
2009/ECM/


スティーブ・キューン・トリオ&ジョー・ロバーノのジョン・コルトレーン作品集です。
去年の「みんなのベスト3」にも挙げられていました。
ドイツのECMは確固たるポリシーを持っている数少ないレーベルの一つだと思います。
独特の音作りに惹かれるファンも多いのではないかな。

演目はコルトレーン9曲、キューンのオリジナル2曲とスタンダード2曲を含めて全13曲です。
コルトレーン作品集でも一般的にはあまり馴染みのない曲を多く取り上げているようですね。
選曲良し、構成良し、あくまでキューンがコルトレーンをやるとこうなるという感じで個性があります。
キューンはライブで何度か見ましたがいわゆる異相の持ち主で目が鋭く天才肌のピアニストだと思いました。
同じような感覚をチック・コリア(p)にも持った思いがあります。

ベーシストのデヴィッド・フィンクは共演歴も長く、気心が知れています。
ドラマーはビリー・ドラモンドからジョーイ・バロンに代わっていますが絶妙な人選でしょうね。
サウンド的にピタリとハマっていると思います。
さて、ここのジョー・ロバーノ(ts)はどうだろう?
ロバーノも一癖二癖ある個性派のサックス奏者なのでぶつかるかも知れないと思っていました。
ところが聴いてみると直球勝負で相性抜群、キューンの相手ならこのくらいの力がないといけません。
二人が堂々と五分に渡り合っているので実にバランスがいい仕上がりになっています。
どれから聴いても楽しめるアルバムは少ないですがこれはそんな中の一枚です。
75分を超える収録時間もただ長いだけじゃない、制作者の意気込みと好意を感じました。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)




*STEVE KUHN TRIO / LIVE AT BIRDLAND
steve kuhn(p), ron carter(b), al foster(ds)
2007/BLUE NOTE/

1 If I Were A Bell
2 Jitterbug Waltz
3 Two By Two
4 La Plus Gue Lente / Passion Flower
5 Little Waltz
6 Lotus Blossom
7 Stella By Starlight
8 Slow Hot Wind
9 Clotilde
10 Confirmation


スティーヴ・キューン(p)の新譜はライブ盤です。
キューン、ロン・カーター(b)、アル・フォスター(ds)のベテラン3人が集えば悪かろうはずがありません。
やはり安心感、安定感のある落ち着いたプレイを展開しています。
キューンはスタン・ゲッツ(ts)、ケニー・ドーハム(tp)、アート・ファーマー(tp)などのグループに参加しました。
その頃からビル・エバンス(p)派の逸材として将来を嘱望されていました。
ヨーロッパに渡ってからの深いリリシズムや退廃的、耽美的な演奏は好みが分かれるところではあります。
80年代の後半からはよりオーソドックスなスタイルに戻って魅力的なピアニストの1人になりました。
ピアノの音色も美しくタッチも自在、色々な経験を踏まえているので表現力が多彩で興味深い存在です。
ドーハムの「LOTUS BLOSSOM」は大のお気に入りのようでライブではよく演奏しているようです。
キューンの特徴の一つにワルツを得意としているのでここでも2曲披露してくれています。
圧巻はヘンリー・マンシーニの美しい曲、(8)「SLOW HOT WIND」です。
4ビートのこのノリ、この心地良さはベテラン・トリオならではの味わいです。
親しみのある「LOTUS BLOSSOM」と共に何度聴いても「いいなあー」と思いました。
興味があれば是非ご一聴あれ。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




* STEVE KUHN TRIO / PLAYS STANDARDS
steve kuhn(p), buster williams(b), al foster(ds)
2007/Venus/

.1 Alone Together
2 Golden Earrings
3 I Wish I Knew
4 Left Alone
5 Blue Bossa
6 Nature Boy
7 Softly As In A Morning Sunrise
8 You Leave Me Breathless
9 Oceans In The Sky
10 I See Your Face Bfore Me
11 Love Letters
12 Beautiful Love.


スティーヴ・キューン(p)の今作は紹介から漏れていました。
実は後から買い増したCDの1枚でこういう作品もかなりの数があります。
追々紹介していく機会もあるかもしれません。

キューンにしたら粗くかなり騒がしくなりました。
人選に問題があったかもしれませんね。
キューンにはもっと格調高く上品に演奏してもらいたかったけど・・・。

”スティーヴ・キューン・トリオで聴きたい曲をリクエストしたら?’
というコンセプトを基に録音!
有名スタンダード曲満載のベスト・ヒット的内容のとても親しみやすいジャズ・ピアノ・トリオ作品。
音楽的にはあくまで重厚で華麗なトリオ・サウンドの快感がたまらない傑作!
(帯中よりの抜粋)

「Swing Journal : ゴールド・ディスク」

(中間系)




*STEVE KUHN TRIO / EASY TO LOVE
steve kuhn(p), david finck(b), billy drummond(ds)
2004/VENUS RECORDS/TKCV-35336

近年、絶好調と思えるスティーヴ・キューン(p)の新作です。
この組み合わせはレギュラー・トリオとも言えるもので十二分に気心の知れたメンバー構成になっています。
今年の来日公演時もこのメンバーでした。
レギャラー・トリオは安定感、安心感があると同時に刺激に欠ける部分があるのも事実です。
このアルバムについても、ふとそんなことを感じました。
私のベストは明るい表情を見せながら軽快なスイング感が心地良い(9)の「BE MY LOVE」です。
表題曲の(10)の「EASY TO LOVE」はもっとも緊張感のあるトラックでこのトリオの魅力が垣間見れます。
あとは(3)、(5)、(8)のバラード演奏も聴きどころです。
このレーベルのキューンの作品、「WALTZ」(2002年)のブルーサイド、レッドサイドは実に良い企画でした。

(中間系)

[Dear Old Stockholm], [Emily], [Airegin], [Dream Dancing],
[Two For The Road], [Be My Love], [Easy To Love]




*STEVE KUHN TRIO / PROMISES KEPT
steve kuhn(p), david finck(b), strings
2004/ECM/ECM-1815(輸入盤)

スティーヴ・キューン(p)はプロ入り後、ケニー・ドーハム(tp)のグループで活躍しています。
のちにスタン・ゲッツ(ts)やアート・ファーマー(fhn)と共演、やはり彼もビル・エヴァンスの影響を強く受けていました。
70年代はヨーロッパに渡ってポール・ブレイ(p)やセシル・テイラー(p)の影響でやや難解なプレイになりました。
その後は再びオーソドックスなスタイルに戻って好アルバムを連発しているのはご承知の通りです。
ヴィーナス・レーベルの「WALTZ」(2002年)のブルーサイド、レッドサイドの2枚セットは面白い企画でした。
今作品はストリングスとの共演で全曲彼のオリジナルで占められロマンティックな演奏が聴けます。
彼にとっては新境地を開拓した作品といえるでしょう。
ジャズ・ファンにとっては少々物足りないかもしれませんがより幅広いピアノ・ファンに受け入れられると思います。

(中間系)




*STEVE KUHN TRIO / WALTZ Blue Side
steve kuhn(p), gary peacock(b), billy drummond(ds)
2002/VENUS/

このスティーヴ・キューンのワルツ2連作はヴィーナス・レーベルの中でも抜群の企画と出来だと思います。
書家の岡安千尋氏の題字ジャケットといい、いつまでも心に残るアルバムです。
私のはキューンのサイン入りで「お宝」というべきものです。

演目が↓のレッド・サイドとダブっているのでベーシストの違いがよく分かります。

全編ロマンティックな3拍子のワルツ曲をスイングさせてジャズの楽しさを表現してくれる
現代ピアノ・マスターのスティーヴ・キューンが自身の音楽性に大胆に取り組んだ傑作。
ブルー・サイドはキース・ジャレットのベーシスト、ゲイリー・ピーコックをフューチャーしたクールでブルーなフィーリング。
ベースにエディ・ゴメスをフューチャーしたレッド・サイドと同時発売。
(帯中よりの抜粋)

[Charede], [Remember], [Once Upon A Summertime],
[When I Grow Too Old To Dream], [My Buddy], [I'm Grad There Is You]




*STEVE KUHN TRIO / WALTZ Red Side
steve kuhn(p), eddie gomez(b), billy drummond(ds)
2002/VENUS/

全編ロマンティックな3拍子のワルツ曲をスイングさせてジャズの楽しさを表現してくれる
現代ピアノ・マスターのスティーヴ・キューンが自身の音楽性に大胆に取り組んだ傑作。
レッド・サイドはビル・エバンス・トリオのエディ・ゴメスをフューチャーしたホットで熱いフィーリング。
ベースにゲイリー・ピーコックフューチャーしたブルー・サイドと同時発売。
(帯中よりの抜粋)

[Charede], [Remember], [Once Upon A Summertime],
[How Am I To Know], [My Buddy], [I'm Grad There Is You]



*STEVE KUHN TRIO / TEMPTATION
steve kuhn(p), buster williams(b), billy drummond(ds)
2001/VENUS RECORDS/

スティーブ・キューン(p)のこのシリーズはこれが4作目になります。
未だに色褪せないのは彼の実績がダテではないことを証明しています。
今作品の目玉はバスター・ウィリアムス(b)の参加でしょうね。
トリオのサウンドがぐっと引き締まりましたよ。
キューンの力強いプレイとあいまって強烈な印象を残してくれました。
私はかなり気に入っているので骨太のピアノ・トリオとしてお薦め出来ます。

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]

(中間系)

[Temptation], [Dark Eyes], [You Better Go Now], [The Summer Knows],
[Love Is Here To Stay], [Django], I Can't Get Started]




*STEVE KUHN TRIO / QUIEREME MUCHO
steve kuhn(p), david frinck(b), al foster(ds)
2000/VENUS/

スティーヴ・キューンの新作は前回に引き続きGDになりました。
彼がヴィーナス・レコードに吹き込んだ日本企画の第3弾です。
ここでも彼は、アフロ・キューバン・ジャズを気持良く聴かせてくれています。
ビル・エバンス系のピアニストでしたが最近はリリシズムだけでなく力強さも加わりました。
スティーブ・キューンも60歳を越えましたのでね、独自のスタイルを感じさせます。
ヴィーナス独特の24ビット、ハイパー・マグナム・サウンドと共に日本人好みの作品です。
ジャケットも男性向きなのでジャケ買いも多くなるかも知れませんね。

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]

(中間系)

[Andalucia], [Besame Mucho], [Siempre En Mi Corazon],
[Duerme], [Quiereme Mucho], [Tres Palabras]




*STEVE KUHN TRIO / LOVE WALKED IN

steve kuhn(p), buster williams(b), bill stewart(ds)
1998/VENUS/

ヴィーナス・レーベル2枚目の作品。

ブルージーでグルービー、そしてスリリングな演奏の連続、
ピアノ・トリオの頂点を極めたスティーブ・キューンの新たな魅力が開花。
(帯中よりの抜粋)

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]


[No Problem], [Sunny], [Love Walked In], [Prelude To A Kiss],
[All Alone], [Autumn Leaves], [You've Changed]




*STEVE KUHN TRIO / COUNTDOWN
steve kuhn(p), david finck(b), billy drummond(ds)
1998/Reservoir/

前作と同メンバーですが1年後の録音です。
コンビネーションもびったりでより濃密な演奏になっています。

[Count Down], [Why Did I Choose You ?],
[When Lights Are Low], [Speak Low]




*STEVE KUHN TRIO / DEDICATION
steve kuhn(p), david finck(b), billy drummond(ds)
1998/Reservoir/

知的で透明感のあるピアノ・トリオが素晴らしいです。
デヴィッド・フィンク(b)とビリー・ドラモンド(ds)は地味ですが雰囲気ピッタリ。

[It's You Or No One], [For Heaven's Sake],
[Like Someone In Love], [Blue Bossa]





*STEVE KUHN TRIO / SING ME SOFTLY OF THE BLUES
steve kuhn(p), george mraz(b), pete laroca sims(ds)
1997/VENUS/

ビル・エバンス亡きあと白人ジャズ・ピアニストの巨人、
スティーブ・キューンの最新にして最高傑作ピアノ・トリオ・アルバム。
知的でアーテイスティックなフレーズが美しく綴られていくメロディ・ラインと
ブルージーなスイング感の融合がたまらなくカッコイイ。
(帯中よりの抜粋)

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]

[This Is New], [Dance Only With Me], [Chicken Feather],
[My Funny Valentine], [Naima], [Who Cares], [Lament],
[The Very Thought Of You]




*STEVE KUHN TRIO & QUARTET / SEASONS OF ROMANCE
steve kuhn(p), george mraz(b), al foster(ds),
tom harrell(tp)(3,6,9), bob mintzer(ts)(1,5,7)
1995/Post Cards/

全9曲、トリオ3曲、カルテット6曲の構成です。
トム・ハレル(tp)とボブ・ミンツァー(ts)はそれぞれ3曲づつで共演はありません。
スティーヴ・キューンの持ち味が発揮された落ち着いた作品です。

[There Is No Greater Love], [Good Morning Heartache]




*STEVE KUHN TRIO / OCEANS IN THE SKY
steve kuhn(p), miroslav vitous(b), aldo romano(ds),
tom harrell(tp), bob mintzer(ts)
1989/SUNNYSIDE/

スティーブ・キューン(p)、ミロスラブ・ヴィトウス(b)、アルド・ロマノ(ds)の醸し出す雰囲気が素晴らしい。
今でも時々は聴きたくなる愛聴盤です。
80年代、ピアノ・トリオ名盤の一枚です。

(中間系)

[The Island], [Lotus Blossom], [Passion Flower], [Angela],
[In Your Own Sweet Way], [The Music That Makes Me Dance]




*STEVE KUHN TRIO / CHILDHOOD IS FOREEVER
steve kuhn(p), steve swallow(b), aldo romano(ds),
1998(1969Rec)/Charly/

オリジナルは1969年のBYG盤。
スティーブ・キューン(p)、スティーヴ・スワロー(b)、アルド・ロマノ(ds)の強力トリオ。
ジャケットはやさしくかわいいですが中味は相当に濃い演奏が詰まっています。

(中間系)

[The Night Has A Thousand Eyes], [The Meaning Of The Blues], [All That's Left],