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Dragon's Jazz Corner

Stephen Riley (ts)


*STEPHEN RILEY QUARTET / LOVER
stephen riley(ts),
peter zak(p), neal caine(b), jason marsalis(ds)
2013/SteepleChase/

ステフェン・ライリー(ts)・・・SteepleChaseの看板テナー奏者の一人です。
リーダー作を聴くのは2枚目になります。
まずは、くぐもったテナーの音色が最大の特徴でどこか懐かしいムードを持っています。
スタイルは超クールでリー・コニッツ、ウォーン・マーシュやテッド・ブラウンの
流れを汲むレニー・トリスターノ派の影響が強いと思いました。
内容はモダンで十分刺激的ですが音色が音色なのでオブラートに包まれています。
ピアノのピーター・ザックも同じトリスターノ派のサル・モスカやロニー・ボールを彷彿とさせます。

全9曲のスタンダード作品集。
ウエイン・ショーターやセロニアス・モンクの曲が入っていてソツがありません。
バラードで演奏される(2)「慕情」は大好きな曲でこの曲が入っているとつい手が伸びます。
(4)「WHEN YOUR LOVER HAS GONE」は前奏からノスタルジックな4ビートへ転調・・・。
底辺に流れる大きなスイング感が心地良かった。
新しいところではショーターの(6)「DELUGE」に注目・・・演りなれているせいか安定しています。
表題曲の(7)「LOVER」もいいですが前半はちょっと凝り過ぎかもしれません。
その他の曲もピアノレス・トリオで演奏するなど、展開に味があって聴きどころが多いです。
全体的にゆったりとして落ち着いた仕上がりで十分にリラックスできました。
いつまでもこの流れに身をゆだねていたいと思ってしまう。
ジャズって本当にいいですねぇ〜。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*ARI AMBROSE & STEPHEN RILEY QUARTET / TENER TREATS TWO
ari ambrose(ts), stephen riley(ts),
jay anderson(b), matt wilson(ds)
2009/SteepleChase/

テナー・サックスが2本のピアノレス・カルテットですが面白そうなので買ってみました。
最初は慣れていないせいか、その重たいサウンドがしっくりきませんでした。
でも、聴いているうちに「段々良くなる法華の太鼓」みたいになってきました。
そしてハマりました・・・万人向けじゃないですがいいですよ。
以前なら2テナーと聞けば「あ〜、テナー合戦ね」で済みましたがこれは違います。
2テナーによるバトルも人気でしたが、これは対決ではなくて協調スタイルです。
同じ楽器のハーモニーとアンサブルが新鮮なので、これも流行しそうな気がします。
注目のアリ・アンブローズとステフェン・リレイ・・・タイプの違う二人のテナー奏者の共演。
ここではクールで軽いテナー(リレイ)と野太く重いテナー(アンブローズ)の組み合わせになっています。
私がまず聴きたかったのは(2)「WAVE」と(5)「SCRAPPLE FROM THE APPLE」でした。
ボサノバはテナー向き、チャーリー・パーカーもサックス奏者の登竜門なのでスンナリ聴けました。
その他では(3)「BACK HOME IN INDIANA」の掛け合いと
(7)「HOW HIGH THE MOON」でのコラボレーションが聴きどころです。
ちなみに今作はこの組み合わせの2枚目のアルバムだそうです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)