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Dragon's Jazz Corner
Stanley Turrentine (ts)
* STANLEY TURRENTINE QUINTET / T TIME
stanley turrentine(ts), dave stryker(g),
kenny drew jr(p,org,key), dwayne dolphin(b), mark johnson(ds)
alfredo mojica(per)(2,6)
1995/MusicMasters/
1 Don't Mess With Mr.T
2 A Little Sweetness
3 I Haven't Got Anything Better To Do
4 Impressions
5 TerribleT.
6 The Island
7 Touching
8 Side Steppin'
秋にはのんびりゆったりとしたジャズが聴きたい。
昼下がりのコーヒー・タイム。
こんな時はベテラン・テナー・サックス奏者のスタンダード作品集が一番です。
先週のデヴィッド・ニューマンに続いて今週はスタンリー・タレンティンです。
表題名もそのまんまの「T・タイム」なら間違いないと思いました。
ところがこれは予想が大外れで「ティー・タイム」にしては激し過ぎました。
思ったよりずっと内容が濃くて思わずニンマリの掘り出し物の一枚です。
ここは共演者も面白かったです。
まずはケニー・ドリュー・Jrに注目しました・・・一時期よく聴いていたことがあります。
彼は物凄いテクニシャンで、まさにオスカー・ピーターソン級の実力の持ち主です。
でも父親を超えるのはむずかしい・・・技巧派にありがちな弾き過ぎる傾向にあります。
今回はオルガンとキーボードも聴くことが出来ました。
ギターのデイヴ・ストライカーはあちこちで名前を見かける実力者です。
驚いたのがドラマーのマーク・ジョンソンです。
同姓同名の有名ベーシストがいるので紛らわしいですがこの人のドラムも聴きどころになりました。
タレンティンのCTI盤でのヒット作でマーヴィン・ゲイの(1)「Don't Mess With Mr.T」も入っています。
自身のオリジナルではよく知られた(5)「TerribleT」や(7)「Touching」などの3曲。
コルトレーンの(4)「Impressions」では全員が一丸となった熱いプレイを繰り広げています。
これが凄かったです・・・何度も聴き直してしまいました。
バラードではイヴァン・リンスの(6)「The Island」など選曲も申し分ありません。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(中間系)
* STANLEY TURRENTINE SEXTET / IF I COULD
stanley turrentine(ts), hubert laws(fl), roland hanna(p),
ron carter(b), grady tate(ds), steve kroon(per), etc
1993/MusicMaster/
1 June Bug
2 Caravan
3 I Remember Bill
4 The Avenue
5 Marvin's Song
6 Maybe September
7 A Luta Continua
8 If I Cold
スタンリー・タレンティンは私の癒し系テナー奏者の一人です。
1960年代のブルー・ノート時代は「ソウルフル&ブルージー」といった夜のムード一杯でした。
そのベタベタ感が身体にまとわり付くようで苦手だったです。
70年代になるとCTIに移籍して「シュガー」の大ヒット盤を吹き込みました。
その頃ジャズはクロスオーバーやフュージョンに移行していてタレンティンは見事にその時代にマッチしました。
私がタレンティンを好きになったのはその頃からです。
さて今作の全8曲にタレンティン自身のオリジナルはありません。
その代わりに兄のトミー・タレンティン(tp)作が(1)、(5)の2曲、表題曲の(8)はパット・メセニー(g)の曲です。
何といってもここでの聴きどころはヒューバート・ロウズのフルートにあります。
ロウズはクラシック畑出身の名手でフュージョン時代に一世を風靡しました。
それこそ当時のCTIのどの盤を見てもロウズの名前があったのを覚えています。
ここはロ-ランド・ハナ(p)、ロン・カーター(b)、グラディ・テイト(ds)のバック・トリオも面白いと思いました。
スティーヴ・クローンのパーカッションが入るのでサウンドはフュージョンの延長上にあります。
ベスト・トラックは15分を超す長丁場になったエリントンの有名曲の(2)「Caravan」です。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(くつろぎ系)
* STANLEY TURRENTINE QUARTET & QUINTET / MORE THAN A MOOD
stanley turrentine(ts), freddie hubbard(tp,flh)(1,7),
cedar walton(p), ron carter(b), billy higgins(ds)
1992Rec/Musicmaster/
1 Thomasville
2 They Can't Take That Away From Me
3 In A Sentimental Mood
4 Easy Walker
5 Triste
6 Pieces Of Dreams
7 Spirits Up Above
8 More Than A Mood
スタンリー・タレンティン(ts)には「Musicmaster・レーベル」に3枚のアルバムがあります。
■STANLEY TURRENTINE QUARTET & QUINTET / MORE THAN A MOOD (1992)
■STANLEY TURRENTINE SEXTET / IF I COULD (1993) (紹介済)
■STANLEY TURRENTINE QUINTET / T TIME (1995)(紹介済)
今作で3枚の紹介が終了しました。
今作の目玉はもちろんフレディ・ハバード(tp)の参加にあります。
バックにはシダー・ウォルトン(p)、ロン・カーター(b)、ビリー・ヒギンス(ds)が名を連ねました。
当時としてはほぼ完璧なメンバーと言えます・・・特にウォルトンが聴きどころになりました。
全8曲は自身のオリジナルはなく、ハバード参加の2曲がハバード自身の曲になっています。
ハバード参加が2曲だけとは寂しいですが病み上がりなので出来はいまひとつと見ました。
ハバードは80年代の初めから90年代初めまでの10年間をほぼ棒に振りました。
体調不良と唇を痛めたためです。
もしもハバードが元気で活躍していたら世界のジャズ・トランぺッターの景色は変わっていました。
ハバードにはそれだけの実績があったし時代をになうリーダーとして認められていました。
これは本当に残念だったです。
90年代初めにはカムバックしましたが順調ではなかったような気がします。
今作はカムバックした頃の貴重なアルバムの一枚です。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(中間系)
* STANLEY TURRENTINE / BETCHA
stanley turrentine(ts),
sonny burke(key), eddie watkins jr(elb), jeff porcaro(ds),
james gadson(ds), david t walker(elg), wah wah watson(elg),
lee ritenour(elg), charles fearing(elg), thom rotella(elg),
eddie bongo brown(per), gary coleman(vib), todd cochran(synth), etc
1979/Elektra/
Side A
1 Take Me Home
2 Love Is The Answer
3 Betcha
4 Concentrate On You
Side B
1 You
2 Hamlet (So Peaceful)
3 Long Time Gone
4 Together Again
スタンリー・タレンティン(ts)が息の長い活躍が出来たのはフレキシブルな感覚を持っていたからだと思います。
デビューは1960年のブルー・ノートの4000番台でシャーリー・スコットやジミー・スミスのオルガン奏者と共演していた。
ダークでブルージーなスタイルの持ち主で概して「ソウル・ジャズ」の括りにあったと思う。
1970年代のフュージョンにおけるタレンティンにはCTIに「Sugar」や「Cherry」のヒット盤もあります。
今作はエレクトラへの移籍第一弾でタレンティンにとっても気合の入った作品になっています。
オーケストラをバックに悠々と吹いています。
(中間系)
*STANLEY TURRENTINE SEXTET / DON'T MESS WITH MISTER T.
stanley turrentine(ts), bob james(p,elp), eric gale(g),
richard tee(org), ron carter(b), idris muhammad(ds), plus ensemble
1973/CTI
スタンリー・タレンティン(ts)の代表作の一枚です。
何を今さらという感じですが聴きたくなって買いました。
もちろんLPでも持っていますがCDには追加収録という大きな付録が付いています。
今作は(6)、(7)、(8)がそう。
特に気になったのは(7)「MISSISSIPPI CITY STRUT」です。
ビリー・コブハム(ds)の曲を取り上げるのは珍しいから・・・お蔵入りになった理由は何か?
よく聴いてみたけどほとんど遜色なかった・・・好みか、ほんのちょっとの差なんだろうね。
全員ノリノリで楽しい演奏、リチャード・ティーのオルガンもカッコいいし・・・。
続くボブ・ジェームスのバラード、(8)「HARLEM DAWN」も良かった。
ここでのタレンティンのプレイも聴かせる。
実は私には若い頃に苦手としたテナー奏者が二人いました。
一人はデクスター・ゴードンで、もう一人がこのスタンリー・タレンタインです。
濃厚な味で、しつこいというか、くどいというか、・・・なんともまとわり付かれるようでイヤだったです。
でも、長いブランクを経て、また本格的に聴きだした50過ぎてからかな、その評価が一変しました。
特にこのタレンティンには参ったなぁ〜・・・どっぷりとハマりましたよ。
ソウル・ブルース感はもちろんですが同時にある種のスマートさもあったんですね。
若い頃はその魅力に全然気が付きませんでした。
当たり前ですが実に達者で上手いテナー奏者です。
今作はCTIにおける「シュガー」と並ぶ代表作の一枚で私はこちらの方が好きです。
ボブ・ジェームス(elp)、エリック・ゲイル(g)、リチャード・ティー(org)も聴きどころになっています。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(くつろぎ系)
*STANLEY TURRENTINE / CHERRY
stanley turrentine(ts), milt jackson(vib), cornell dupree(g),
bob james(p.elp), ron carter(b), billy cobham(ds),etc
1972Rec/CTI/
ファンキーでとびきり楽しいジャズ・アルバム。
ふたつのソウルが生み出すムードは最高。
(帯中よりの抜粋)
CTIのフュージョン盤の一枚です。
タレンティンとミルト・ジャクソンの共演盤。
コーネル・デュプリー(g)、ボブ・ジェイムス(elp)のプレイに注目。
ロン・カーター(b)、ビリー・コブハム(ds)もシブい。
[Speedball], [I Remember You], [Cherry]
* STANLEY TURRENTINE / SALT SONG
stanley turrentine(ts),
eumir deodato(key), horace parlan(key), richard tee(key),
eric gale(g), sivuca(g), hubert laws(fl), ron carter(b),
billy cobham(ds), airto moreira(ds,per), dom um romao(per)
1971/CTI/
1 Gibraltar.
2 I Told Jesus
3 Salt Song
4 I Haven't Got Anything Better To Do
5 Storm
6 Vera Cruz *
スタンリー・タレンティン(ts)のCTI作品の一枚です。
表題曲の(3)「Solt Song」はブラジルのミルトン・ナシメントの作品です。
大ヒットした「シュガー」(CTI/1970)のアンサーソング的な企画で「柳の下のどじょう」を狙ったものだと思います。
私はフュージョンもよく聴いていたので懐かしい名前が並んでいたのも嬉しいです。
エミール・デオダート(key,arr)、リチャード・ティー(key)、エリック・ゲイル(g)、ビリー・コブハム(ds)、アイアート・モレイア(per)など。
その他シブーカ(g)、ヒューバート・ロウズ(fl)、ホレス・パーラン(p)、ロン・カーター(b)の名前もあります。
全6曲の6曲目「Vera Cruz」はCD化で新たに加えられたものです。
フレディ・ハバード(tp)の名曲(1)「Gibraltal」はタレンティンの愛奏曲でもありました。
バラードの(4)「I Haven't Got Anything Better To Do」が心に沁みます。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(くつろぎ系)
*STANLEY TURRENTINE / SUGAR
stanley turrentine(ts), freddie hubbard(tp), george benson(g),
lonnie smith(elp), butch cornell(org),
ron carter(b), billy kaye(ds), richard landrum(Conga),etc
1970Rec/CTI/
豪快にして快い名演「シュガー」のオリジナル・バージョンを収めたスタンリー・タレンタインの最高作。
(帯中よりの抜粋)
CTIのフュージョン盤の一枚です。
大ヒット作。
収録曲は3曲だけでどれも10分強の熱演が聴けます。
各人のソロが満喫できます。
「シュガー」もいいけど「インプレッションズ」もカッコいいよ。
メンバーも凄い。
[Sugar], [Impressions]
* STANLEY TURRENTINE QUINTET / HUSTLIN'
stanley turrentine(ts), kenny burrell(g),
shirley scott(org), bob cranshaw(b), otis finch(ds)
1964/Blue Note/
1 Trouble (No2)
2 Love Letters
3 The Hustler
4 Ladyfingers
5 Something Happens To Me
6 Goin' Home
ちょっとコッテリしたテナーが聴きたいということで選んでみました。
スタンリー・タレンティン(ts)はブルーノート・レーベルの看板テナー奏者で30枚以上リリースされています。
ブルーノートは先取の気質もあるけれどもう一方でダンサブル、ブルージー、ソウル、ファンキーも好む。
タレンティンは当初ホレス・パーラン・トリオとの組み合わせが多く、次にシャーリーのオルガンが来ています。
意外にギタリストとの共演は少ないです。
グラント・グリーン(g)とかここのケニー・バレル(g)とかはもっとあってもいいように思うけど・・・。
シャーリー・スコット(org)とは当時新婚だったのかな・・・「Love Letter」を聴くと甘い香りが漂っています。
思いのほかコテコテではなく軽く吹いているので案外にスマートな感覚で聴き易いですよ。
(くつろぎ系)
*JIMMY SMITH WITH STANLEY TURRENTINE / PRAYER MEETIN'
jimmy smith(org), stanley turrentine(ts),
quentin warren(g), donald bailey(ds)
1963Rec/Blue Note/
ヴァーヴ移籍直前、盟友スタンリー・タレンタインを迎え、
グルーヴ感溢れる演奏を展開する二人、
名曲「聖者が町にやってくる」他、時代を反映した感覚も素晴らしい。
二人の共演は「ミッドナイト・スペシャル」や「バック・アット・ザ・チキン・シャック」
などでも聴けるが、このアルバムではギターをクエンティン・ウォーレンがつとめ、
よりタレンタイン的ソウルに傾倒した繰り広げられる。
(帯中よりの抜粋)
*STANLEY TURRENTINE QUINTET / NEVER LET ME GO
stanley turrentine(ts), shirley scott(org),
major holley jr(b), al harewood(ds), ray barretto(cong)
sam jones(7,8), clarence johnston(ds)(6,8)
1963/Blue Note/
今週も先週に引き続いてスタンリー・タレンティン(ts)を聴いています。
今作は細君のシャーリー・スコット(org)との共演でグッド・コンビネーションが聴けました。
肩の力が抜けたリラックスした好盤で何回聴いても飽きません。
シャーリーの女性らしい繊細でしっとりとした演奏もまた心地良いです。
ベスト・トラックはやはり表題曲の(6)「NEVER LET ME GO」かな。
このゆったりとしたノリがなんともいえずいいなぁー。
レイ・バレットのコンガが実に効果的、サム・ジョーンズ(b)の参加も珍しいですね。
(くつろぎ系)
[God Bless the Child], [Without A Song], [Never Let Me Go],
[You'll Never Get Away From Me], [They Can't Take That Away From Me]
*STANLEY TURRENTINE QUARTET / THAT'S WHERE IT'S AT
stanley turrentine(ts),
les mccann(p), herbie lewis(b), otis finch(ds)
1962/Blue Note/
今年になって始まったソウル、ファンク、ブルース路線聴きはまだ続いています。
実は私にとってスタンリー・タレンティン(ts)は今までピンとこないテナー・サックス奏者の一人でした。
ブルージーでソウルフルながらモダン・テナーとしていまひとつ乗り切れないところがあったんです。
ところがここへきて一気に評価が高まってきました。
たしかにモダン・ジャズとしてはいまひとつですがソウル、ファンキー路線からみると実にモダンなんです。
ブルー・ノートに多くの作品を残し、ファンから支持されたのはそういう理由があったからだと思います。
気が付くのが遅くてそれこそ冷や汗ものですが再評価できて良かったです。
さて、今作は西海岸のソウル・ピアノの大御所、レス・マッキャンを迎えた企画ものです。
大人気のマッキャンとタレンティンを共演させたらどうなるかは誰でも興味深いものがありますね。
結果は適度に緊張感を漂わせる、ある意味異色的なアルバムに仕上がりました。
もっとギンギン・ガンガンいくと思いきや、案外しっとりと落ち着いた雰囲気を持っているからです。
ソウル・ファンキー路線にありがちな粗さがなくてお互いの持ち味を探りつつ楽しんでいる感じがしました。
余談ですがこの6月にレス・マッキャンが来日しますね。
共演はジャヴォン・ジャクソン(ts)ということで大いに興味があるところです。
(くつろぎ系)
*STANLEY TURRENTINE QUINTET / UP AT MINTON'S
stanley turrentine(ts), grant green(g),
horace parlan(p), george tucker(b), al harewood(ds)
1961/Blue Note/
ミントンズ・ハウスでのライブ盤は2枚組です。
ホレス・パーラン・トリオをバックにタレンティンが吹きまくります。
デビュー間近のグラント・グリーンの瑞々しいプレイが聴けるのも嬉しい。
[But Not For Me], [Broadway], [Yesterdays],
[Come Rain Or Come Shine], [Love For Sale], [Summertime]
*STANLEY TURRENTINE QUARTET / LOOK OUT plus 3
stanley turrentine(ts),
horace parlan(p), george tucker(b), al harewood(ds)
1960/Blue Note/
スタンリー・タレンタインのブルーノート第一作です。
ホレス・パーラン・トリオをバックに強烈なブルース・フィーリングを発揮する。
CD化に伴い3曲が追加収録されました。
[Tin Tin Deo], [Yesterdays],