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Dragon's Jazz Corner

Shun Sakai 酒井俊 (vo)


*SHUN SAKAI 酒井俊 / SHUN

酒井俊(vo)、渋谷毅(p,arr)、川端民生(b)、宮沢昭一(ds)、
宮沢昭(ts,fl)、中牟礼貞則(g)、向井滋春(tb)、吉田憲司(tp)、
大口純一郎(p)、石山実(cong)
2000(1977Rec)/Vivid/


ユニークなヴォーカリスト、酒井俊さんの1977年のデビュー作です。
2000年に復刻発売された時に買おうと思ってそのまま忘れていました。
久し振り(半年振り位かな)に中古盤コーナーを見ていて見つけました。
実はその日はその他にも何枚か見つけたので実にラッキーな一日でした。
「犬も歩けば棒に当る」ですね。

有名スタンダード作品集ですが独特の感性で歌い上げています。
酒井俊は独自の世界を持っている。
聴けば誰でもが「只者ではないなぁ〜」と思うはずです。
歌声が案外可愛らしくて色気もあるんだけど凄みも隠されています。
ちょっとコワイか、と思わせるところがある。

俊さんのライブにも何度か足を運んだけれど劇場型のヴォーカリストです。
ジャズの範疇にはとても収まりきれないスケールの大きさがあります。
心を突き刺す何かを持っています・・・強いブルース・フィーリングかな。
この心を突き刺される感じの歌手はそう多くはいません。
与世山澄子、浅川マキ、この酒井俊、最近では安富祖貴子に感じるものがあった。

バックのメンバーも豪華ですがもう35年も前になるのでみんな若くてピュアでキラメク演奏です。
特筆したいのは渋谷毅さん・・・アレンジとピアノが冴え渡っていて凄い才能を感じさせます。
どれを聴いても瑞々しく新鮮ですが特に私は(7)「I FALL IN LOVE TOO EASILY」に参った。
(9)「TAKE THE A TRAIN」では先述の劇場型歌手の一端が聴けます。
ここでは渋谷さんのピアノも素晴らしくて二人のコラボレーションに注目しました。
(4)「DAY BY DAY」、小品のひっそりとした(10)「LITTLE GIRL BLUE」も良かった。
聴く人それぞれが好きな歌を見つけられたらいいと思います。

個性的で万人向けとはいかないけれど、日本人ジャズ・ヴォーカルの名盤の一枚です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)