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Dragon's Jazz Corner

Seamus Blake (ts)


* SEAMUS BLAKE & CHRIS CHEEK QUINTET / LET'S CALL THE WHOLE THING OFF
seamus blake(ts), chris cheek(ts),
ethan iverson(p), matt penman(b), jochen rueckert(ds)
2016/Criss Cross/

1 Let's Call The Whole Thing Off (G.Gershwin)
2 Choro Blanco (S.Blake)
3 Lunar (C.Cheek)
4 La Cancion Que Falta (G.Klein)
5 Limehouse Blues (P.Braham)
6 Surfboard (A.C.Jobim)
7 Count Your Blessings (J.Berlin)
8 A Little Evil (Snook)


シーマス・ブレイク(s)とクリス・チーク(ts)の競演盤です。
CDショップでこれを見た時、聴き逃せないと思いました。
特にチークを聴くのは久し振りなので興味津々でした。
後で調べてみるとこの二人の共演盤は何枚かあるようですね。
エリック・アレキサンダーとグラント・スチュアートの2テナー・ユニットの「Reeds & Deeds」の
向こうを張ってブレイク&チークの「Reeds Ramble」を結成するつもりかな。

聴いていてふと思いました。
これはブラッド・メルドー(p)やカート・ローゼンウィンケル(g)のテナー版ではないかと。
かすれるような音色、浮揚感のある超クールなサウンド、細かく音をつなぐ奏法。
変拍子、一瞬タイミングを外して半音を多用する・・・それが緊張感を生んでいます。
古典の(5)「Limehouse Blues」を聴くとよく分かります。
(6)「Surfboard」における二人の掛け合いにも注目しました。
ボサノバ・テイストはどこかに吹っ飛んでしまいました。
バラードの(7)「Count Your Blessings」における二人の表現力も素晴らしいです。
面白いですね。
今までにはない感じがします・・・やはり新感覚のテナー奏者はちょっと違う。
サックスを自在に操る・・・二人のテクニシャンぶりも凄いです。
たまには現代の先進主流派テナー奏者を聴かないといけませんね。
やはりジャズは現在進行形です。
二人はいつの間にかマイケル・ブレッカー(ts)を超えていた。

バックの3人にも注目しました。
随所できらめくピアノを聴かせるイーザン・イヴァーソンの存在感は十分です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)




*SOLID & SEAMUS BLAKE / VISITOR
bjorn vidar solli(g), daniel buner formo(org), hakon majset johansen(ds),
seamus blake(ts)
2011/Parallell Records/

1 Insert Witty Title
2 Moving On
3 Weeks On End
4 Writer's Block
5 Rules Of Etiquette
6 Chasing Fanshawe
7 Fresh Fruit
8 Here We Go


北欧ノルウェーのオルガン入りギター・トリオにシーマス・ブレイク(ts)が客演した作品です。
全8曲はメンバーのオリジナル6曲と他2曲の構成です。
曲想にはそれほど変化がなくやや一本調子のような感じがしました。
スタイルはカート・ローゼンウィンケル(g)を筆頭にする新感覚のサウンドです。
リーダーのビヨーン・ヴィダー・ソリ(g)もそのラインを踏襲しているようです。
オルガン・トリオ+テナー・サックス=ソウルというイメージでいると完全に裏切られますよ。
私もオルガン・トリオはこういうものという先入観を壊されました。

北欧独特のクールで静謐なサウンドはここでも生きています。
オルガンはどちらかというとキーボードに近いと思いました。
実に繊細でスマートでこういう使い方は新鮮でもありまた個性があります。
シーマス・ブレイクの馴染み方にも驚きました。
オリジナルのとても初演とは思えない・・・まったくピッタリとハマっているんです。
シーマスはいまひとつ掴みどころがない気がしますがやはり実力は相当なものです。
幅広い音楽性を持つシーマスの新しい一面を見ました。
シーマスはマイケル・ブレッカー(ts)の後継者に成り得ると思っていたけど全然違う。
器用さは無個性にも通じるのでここの評価はむずかしいです。

完成度の高いアルバムで音量の大小でまったく印象が変わってしまいます。
小音量なら就寝時のBGMに大音量ならゾクゾクとするジャズの魅力が味わえます。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*SEAMUS BLAKE QUINTET / LIVE AT SMALLS
seamus blake(ts),
lage lund(g), david kikoski(p), matt clohesy(b), bill stewart(ds)
2010/Smallslive/

1 Subterfuge
2 Amuse Bouche
3 Consequence
4 Stranger In Paradise
5 Fear Of Rooming

シーマス・ブレイク(ts)のライブ盤は評判がいいので入手しました。
噂どおり、これもホントにいいです。
ここにきて好盤が飛び込んできたので「ベスト3」はまた迷っています。
演目はオリジナル4曲にスタンダードが1曲です。
バックにピアノとギターの二つのコード楽器を使うのは現在の流行です。
サウンドが分厚くなってギターとのユニゾンがより効果的に響きます。

まずは(4)「STRANGER IN PARADISE」の一発に参りました。
これはカルテット演奏なんだけどディープで繊細な表現力は感動的です。
デヴィッド・キコスキ(p)もロマンティックで美しく、素晴らしいです。
ニューヨークの先進サウンドを聴かせるオリジナルの出来も文句なしです。
シーマスは思い切りのいいプレイで吹き切っているし完全に一皮むけました。
メンバーも好演、特にラーゲ・ルンドのギターにも痺れた。
今まではいまひとつ物足りなかったけれど初めて突き抜けたシーマスの姿を見ました。

5月に見たシーマスのライブではキコスキとマット・クローシー(b)が一緒でした。
全体的に未消化のライブでしたがこの時はいったい何だったんだろうかと思います。
ここではまるで別人のようです。

今作で新しい発見をしたのが嬉しかったです。
マイケル・ブレッカー(ts)〜ボブ・バーグ(ts)のラインの後継者は誰か?というテーマがある。
正直、ビル・エバンス(ts)では少々弱いと思っていました。
ところがこのアルバムを聴いてピンときたんです。
「シーマス・ブレイクがきた〜!!」と思いました。
ブレッカー〜バーグ〜シーマスの流れが出来たような気がします。
これはけっこう重要な出来事です。

2011年の「ベスト3」の一枚です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)