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Dragon's Jazz Corner
Philip Dizack (tp)
*PHILIP DIZACK QUINTET / SINGLE SOUL
philip dizack(tp), ben wendel(ts),
eden ladin(p), joe sanders(b), eric harland(ds)
2013/Criss Cross/
フィリップ・ディザック(tp)を聴くのは2枚目です。
前回は20歳時の初リーダー作の「BEYOND A DREAM」(2005/Fresh Sound)でした。
フレッシュで瑞々しく勢いがありました・・・早くも8年が過ぎているんですね。
かなりイメージが変わったので驚きました。
今作は自身のオリジナル6曲とメンバーのオリジナル2曲とその他2曲の構成です。
最初にイントロ、最後のエリントンはトランペット・ソロのパフォーマンスです。
(3)「BENNY'S TUNE」はベースとのデュオ、(7)「BOOK OF STONES」はピアノレス・トリオ、
つまり一つの流れのしてのアルバム作りを意図したものだと思います。
その狙いが何なのかは残念ながら分かりませんが・・・。
全体的にエリック・ハーランド(ds)の存在が大きいです。
ディザックは 高音から低音まで、トランペットのコントロールは上手いです。
特に野太く、くすんだ音色に特徴があります。
ベン・ウェンデル(ts)とのフロント2管は重量級のサウンドを聴かせてくれました。
バラバラのようでバラバラでなく、まとまっているようでまとまっていないトータル・サウンドが魅力。
メンバーの出入りが激しく、組み合わせやリズムが目まぐるしく変わる感じがする。
この不安定で危うげな緊張感が現代のジャズ・サウンドの最先端かもしれませんね。
私的ベストは(4)「TAKE ME WITH YOU」で各人のソロはもちろんですがハーランドのドラムスが炸裂します。
(2)「JACOB AND THE ANGEL」の美しくクールな表情も聴きどころになりました。
軽く聴き流すわけにはいかない、久々に構えて聴くアルバムに出合った。
[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]
(まじめ系)
*PHILIP DIZACK SEXTET / BEYOND A DREAM
philip dizack(tp), greg tardy(ts,ss), patrick cornelius(as)
miro sprague(p), joe sanders(b), obed calvaire(ds)
2005/FRESH SOUND NEW TALENT/
今週もスペインの「Fresh Sound New Talent」盤からの新人の登場です。
若干20歳のトランペッター、フィリップ・ディザックを紹介したのはブライアン・リンチ(tp)のようです。
20歳でリーダー・アルバムを出すというのはもうそれだけで天才肌のプレイヤーに他なりません。
下地は文句なし、しかし、これからも順調に伸びていくかどうかは神のみぞ知るです。
「小学校は神童、中学は天才、20歳過ぎたらただの人」との言葉もありますからね。
影響を受けたプレイヤーとしてニコラス・ペイトン、テレンス・ブランチャード、ロイ・ハーグローブの名前が挙がっています。
マイルス・デイビス、ウディ・ショー、フレディ・ハバード、ルイ・アームストロングも好きだそうです。
そこで、ここではよく知られているスタンダードの「POLKA DOTS AND MOON BEAMS」と
「YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS」に注目しました。
前者はミディアム・テンポで演奏される典型的なハード・バップ、後者はじっくりとバラード演奏を聴かせてくれました。
やっぱり新鮮で瑞々しく勢いがあります、音色も美しく、よく鳴るトランペッターで上手いです。
メンバーも20代の若手で固められていて、知っているプレイヤーはグレッグ・ターディ(ts)のみでした。
全員が一丸となった若さ溢れるプレイをお楽しみあれ。
(中間系)