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Dragon's Jazz Corner
Peter Anderson (ts)
* PETER AND WILL ANDERSON QUINTET / BLUES FOR JOE
peter anderson(ts), will anderson(as),
peter bernstein(g), pat bianchi(org), kenny washington(ds)
2017/Gut String Records/
1 Blue For Joe (P.Anderson)
2 The Royal Standard (P.Anderson)
3 Exceptional Elegance (W.Anderson)
4 Lush Life (B.Strayhorn)
5 Relaxed Beauty (W.Anderson)
6 Minor Joe (P.Anderson)
7 Vitality (P.Anderson)
8 Body And Soul (J.Green)
9 The Truth Will Prevail (W.Anderson)
10 Few And Far Between (W.Anderson)
最近ピーター&ウィル・アンダーソン兄弟の作品を見かけることが多いです。
前回はクラリネット作品だったけど今回はサックスに戻りました。
ただバックがオルガン・トリオというのが新味です。
先日紹介した白人オルガニストのパット・ビアンチと絶好調のピーター・バーンステイン(g)の組み合わせ。
ドラマーは安定感十分のベテラン、ケニー・ワシントンです。
全10曲は二人のオリジナルが8曲とスタンダード2曲の構成です。
二人はクインシー・ジョーンズを尊敬しているようですね。
クインシーのコメントが掲載されていました。
また今作はバリトン・サックス奏者のジョー・テンパーリーに捧げる作品になっています。
テンパーリーに6年間師事したとありました。
ジャケットのようにブルージーに演奏しようという意図はよく分かります。
でもね、そうなり切れなかったのが面白いです。
いかにも彼ららしい軽快で爽やかなオルガン・ジャズになっています。
曲想そのものはファンキー&ソウルなんだけど二人の持ち味はそうは変われません。
「Lush Life」と「Body And Soul」・・・2曲のスタンダードはくつろげました。
相変わらず二人のコンビネーションは抜群です。
オルガン=ファンクは私が持つイメージだけど最近はそのイメージが崩れつつあります。
アメリカやヨーロッパの若いオルガニストを聴いていると現代のオルガン・ジャズはスマートです。
それにしてもバーンステインは超売れっ子のギタリストになりましたね。
寝るヒマがあるんだろうか。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(中間系)
* PETER & WILL ANDERSON / CLARINET SUMMIT
peter anderson(cl)(solo1), will anderson(cl)(solo2),
ken peplowski(cl)(solo3), paquito d'rivera(cl)(solo4)
tardo hammer(p), david wong(b), kenny washington(ds)
2016/Storyville/
1 How About You ? (B.Lane) (solo1,3,2)
2 When You Wish Upon A Star (L.Harline) (solo2,3,1)
3 Very Saxy (Eddie.L.Davis) (solo1,3,2)
4 Prelude To A Kiss (D.Ellington) (solo1)
5 I'll Never Be The Same (M.Malneck) (solo2)
6 Cry Me A River (A.Hamilton) (solo3)
7 Make Someone Happy (J.Styne) (solo2,3,1)
8 How Insensitive (A.C.Jobim) (solo2,1,3)
9 Groovin' High (D.Gillespie) (solo4,2,1,3)
10 Creole Love Call (D.Ellington) (solo4,2,3,1)
11 A Night In Tunisia (D.Gillespie) (solo3,4,2,1)
ピーター&ウィル・アンダーソン、兄弟(双子)サックス奏者のクラリネット作品です。
普段はピーターがテナー・サックスでウィルがアルト・サックスを吹いています。
二人は軽快でスイング感溢れるクラシカルなジャズ・スタイルを持っています。
柔らかく優しい音色、スマートで優等生、爽やかなウエスト・コーストの風を感じる。
そんな二人のクラリネットならピッタリじゃないかと思いました。
その上共演がケン・ペプロウスキーとパキート・デ’リヴェラときたら興味津々です。
ペプロウスキーはベニー・グッドマンを彷彿とさせる名手でパキートはキューバ出身のアルト奏者。
久々にパキートのクラリネットが聴けるのは嬉しかったです。
ライブ盤ですが4人のクラリネット奏者が並んだステージは壮観だったでしょうね。
つくづく「見てみたいなぁ〜」と思いました。
今時、スイング系のクラリネット作品は珍しいのではないかと思います。
でもオールド・スタイルはいつの時代でも一定の支持があるのは確かです。
全11曲は良く知られたスタンダードが中心です。
唯一の例外は(3)「Very Saxy」でエディ”ロックジョウ”デイヴィス(ts)の曲です。
”ロックジョウ”の曲が取り上げられるのは珍しいけどバトル曲としてはピッタリかな。
各曲のソロの順番を書いてくれているのも親切ですね。
ベテランのペプロウスキーとパキートの上手さはすでによく知られています。
ピーター&ウィルの兄弟もそれに勝るとも劣らない好演を聴かせてくれました。
複数のクラリネットによるユニゾンやアンサンブルがまた新鮮です。
クラリネットが堪能出来るジャズ・アルバムとして貴重な作品になると思います。
疲れている時に最適な癒し系・・・4人のクラリネットが一度に聴ける大徳用盤です。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(くつろぎ系)
*PETER AND WILL ANDERSON QUINTET / DEJA VU
peter anderson(ts), will anderson(as),
jeb patton(p), david wong(b), albert "tootie" heath(ds)(1-4,7,9),
phil stewart(ds)(5,6,10,11)
2015/Gutstring Records/
1 DEJA VU (P.Anderson)
2 PRESQUE VU (W.Anderson)
3 BELFAST BLUES (P.Anderson)
4 DEVIL'S ADVOCATE (W.Anderson)
5 A NIGHTINGALE SANG IN BERKELEY SQUARE (Sherwin/Maschwitz)
6 DEJA INTENDU (W.Anderson)
7 RACHEL (P.Anderson)
8 JAMAIS VU (W.Anderson)
9 LOVER MAN (Davis/Ramirez/Sheman)
10 CATS IN NEW YORK CITY (P.Anderson)
11 JUST ONE OF THOSE THINGS (C.Poter)
ピーター&ウィル・アンダーソン、兄弟サックス奏者の作品。
この二人の作品は何度か目にしていましたが聴くのは今回が初めてです。
全11曲はオリジナル8曲とスタンダード3曲の構成です。
先週に引き続き今一番興味ある曲、コール・ポーターの(11)「Just One Of Those Things」も入っています。
(5)「A Nightingale Sang In Berkeley Square」と(9)「Lover Man」も好きな曲です。
それぞれに美しいメロディ・ラインを持っています・・・オリジナルよりもやっぱりこの3曲が良かった。
ベテラン・ドラマーのアル・ヒースが6曲に参加しています。
二人は軽快でスイング感溢れるクラシカルなジャズ・スタイルを持っています。
技術的には文句なし。
ピーター・アンダーソン(ts)はレスター・ヤング派、ウィル・アンダーソン(as)はチャーリー・パーカー派です。
実に心地良いサウンド・・・オールド・スタイルはいつの時代でも一定の支持があります。
柔らかく優しい音色、スマートで優等生、爽やかなウエスト・コーストの風を感じる。
二人の息の合ったアンサンブルが聴きどころでオリジナルでは(4)がベストか。
疲れている時に最適な癒し系・・・何より安心して聴いていられる良さがあります。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(くつろぎ系)