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Dragon's Jazz Corner
Paul Bley (p)
*PAUL BLEY / NOT TWO, NOT ONE
paul bley(p), gary peacock(b), paul motian(ds)
1999/ECM/
強力年寄りバンドの第2弾です。これもまた一筋縄ではいかず、聴きこなすには骨が折れます。
ブレイ67歳、ピーコック64歳、モチアン68歳のお爺さんジャズです。
しかし、バカにしてはいけませんよ、そこらへんの若造ではとても太刀打ちが出来ません。
私は最初にこれを聴いた時、まったく展開が読めずにゾクゾクとしてしまいましたよ。
冗談抜きに、彼ら年寄りの方が新しいジャズに挑戦しているような気がしています。
(まじめ系)
* PAUL BLEY QUARTET / SPEACHLESS
paul brey(p),
rich perry(ts), jay anderson(b), victor lewis(ds)
1994Rec/SteepleChase/
1 Dropped Stitch
2 Crystal Ball
3 In Walked Bud
4 Speachless
5 Love
6 Past Tense
7 Beau Didley
8 Love Is
9 Shorthand
2ヶ月ほど前にポール・ブレイ・トリオを紹介したので今度はワン・ホーン入りのカルテットです。
前回のメンバーはポール・ブレイ(p)、ロン・マクルーア(b)、ビリー・ハート(ds)でした。
今回はポール・プレイ(p)、ジェイ・アンダーソン(b)、ヴィクター・ルイス(ds)、リッチ・ペリー(ts)です。
テナー・サックス奏者のリッチ・ペリーはスティープル・チェースの看板プレイヤーの一人です。
1990年代から多くの作品をリリースしています。
全9曲中8曲はブレイのオリジナルで残りの1曲はセロニアス・モンクの(3)です。
聴いていて驚いたのはリッチ・ペリーの演奏です。
ブレイのフリー・フォームなピアノにもまったく遜色ない対応でさすがの実力だと思いました。
1曲目なんかまるでマル・ウォルドロン(p)とエリック・ドルフィ(as)を聴いているようでした。
全部オリジナルだときつかったけどモンクの「In Walked Bud」があって良かったです。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(まじめ系)
* PAUL BLEY TRIO / THE NEARNESS OF YOU
paul bley(p), ron mcclure(b), billy hart(ds)
1989/SteepleChase/
1 This Can't Be Love
2 The Nearness Of You
3 What A Difference A Day Made
4 These Foolish Things*
5 Blues In The Closet*
6 Lullaby Of Birdland
7 W'll Be Together Again
8 Take The A-Train
ポール・ブレイ(p)のピアノ・トリオによるスタンダード作品集です。
メンバーはロン・マクルーア(b)とビリー・ハート(ds)です。
フリー系ピアニストとしてはミシャ・メンゲルベルクに続いて2人目になります。
ポール・ブレイのキャッチフレーズは「空間で語るピアニスト」です。
空間にポツンポツンと雨音が落ちるような美しいピアノ音は耽美的な味わいに満ち溢れています。
時には空間をかき回すような激しさもあるけど・・・。
ヨーロッパ、特に北欧の静謐なピアニストに与えた影響は大きいと思っています。
全8曲は全てスタンダードで占められておりオリジナルが多いブレイにしては異色の作品です。
やはり表題曲になった(2)「The Nearness Of You」が素晴らしい・・・13分の長丁場です。
ヴォーカルナンバーとして知られる(3)「What A Difference A Day Made」は意外な解釈で驚かされました。
ちなみに(4)「These Foolish Things」」と(5)「Blues In The Closet」はCD化により追加されました。
マクルーアの沈み込むベース・プレイやハートの安定感十分のドラミングも聴きどころになりました。
ブレイのスタンダード演奏が堪能できるアルバムでお勧めです。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(まじめ系)
* CHET BAKER & PAUL BLEY DUO / DIANE
chet baker(tp,vo), paul bley(p)
1985Rec/SteepleChase/
1 If I Shold Lose You
2 You Go To My Head
3 How Deep Is The Ocean
4 Pent-Up House
5 Everytime We Say Goodbye
6 Diane
7 Skidadidlin'
8 Little Girl Blue
チェット・ベイカー(tp,vo)は1929年生まれ、1988年にオランダで変死、58歳でした。
常に麻薬がらみの話題が多くて1960年代〜70年代半ばにかけては引退同然になっていた。
私にとってもベイカーは50年代で終わっていてカムバックしたのを聴いても全然いいとは思わなかった。
ジェリー・マリガン(bs)との再会セッション「カーネギー・ホール・コンサート」(1977/CTI)で聴けます。
ここでのマリガンは絶好調で一世一代の名演奏を聴かせているけどチェットはまったく冴えなかった。
多分、病み上がりの回復途上だったと思う・・・それでまたチェットから離れてしまったは事実です。
先日の「チェット・ベイカー・シングス」の紹介中、80年代のチェットを全然聴いていないことに気付いた。
で、何かないか?と探したら今作がありました。
フリー・ジャズの雄、ポール・ブレイ(p)とのデュオなら面白いんじゃないかと思いました。
ブレイはカナダ出身の1932年生まれ、2016年にフロリダにて83歳で亡くなっています。
これはねぇ〜、真夜中にグラス片手に聴いたら最高だと思うよ。
枯れた味わい、二人は音数を極力少なくして寄り添うように流れるようにメロディを追って行く。
(1)「If I Shold Lose You」に痺れてしまった。
ヴォーカルが聴けるのは(2)「You Go To My Head」だけです。
私が聴きたかったのは大好きな(5){Everytime We Say Goobye」だけど十分満足しました。
ただ同じ傾向の演奏が続くのでいまひとつ物足りないと思うかも知れません。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(中間系)