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Dragon's Jazz Corner

Pat Metheny (g)


*PAT METHENY UNITY BAND
pat metheny(g), chris potter(ts), ben Williams(b), antonio sanchez(ds)
2012/Nonesush /

1 New Year
2 Roofdogs
3 Come and See
4 This Belongs to You
5 Leaving Town
6 Interval Waltz
7 Signals (Orchestrion Sketch)
8 Then and Now
9 Breakdealer


パット・メセニー(g)の新譜です。
近年、メセニーも精力的な活動が続いています。
前作はソロ・ギターでしたが今度は強力なグループを組んできました。
最も刺激的なサックス奏者のクリス・ポッターと暴れん坊ドラマーのアントニオ・サンチェス、
ベースのベン・ウィリアムスは2009年のモンク・コンペの優勝者で期待の若手です。
全9曲は全てメセニーのオリジナルです。
メセニーはアコースティック・ギターとエレクトリック・ギターを使い分けて新味を出しています。

メンバー構成からみても先進のジャズが聴けるのは予想できました。
予想通りスリリングな展開になっています。
ファンキーな(3)「Come and See」、スピード感溢れる(9)「Breakdealer」、
凝った演出の(7)「Signals」が印象に残りました。
メセニー、ポッター、サンチェス、ウィリアムスの4人が真正面からぶつかり合います。
この夏の熱い1枚ではありますね。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)




*PAT METHENY / WHAT'S IT ALL ABOUT
pat metheny(g)
2011/Nonesuch/

1 The Sound Of Silence
2 Cherish
3 Alfie
4 Pipeline
5 Garota De Ipanema
6 Rainy Days And Mondays
7 That's The Way I've Always Heard It Should Be
8 Slow Hot Wind
9 Betcha By Golly, Wow
10 And I Love Her


思うにパット・メセニー(g)の登場も印象的でした。
ドイツのECMレーベルからのデビュー・・・それで最初はヨーロッパの人かと思ったんです。
もう30年以上も前のことですがあまりに鮮やかなのでこれがジャズかなと思いました。
誰にも似ていない、今までにない新しいタイプのギタリストが現れたという気がしました。
メセニーのギターは一人オーケストラ
今でも誰にも真似できない独特の感性を持つ孤高のギタリストだと思っています。

メセニーとの出会いは当時足繁く通っていたジャズ喫茶のマスターとの会話がキッカケです。
私:「だれか、最近いい人いますか?」
マスター:「パット・メセニーがいいよ」
私:「え〜、そうなの・・・他には?」
マスター:「ビリー・コブハム(ds)もいいねぇ〜」
もうかなりの年だったのに・・・先進のプレイヤーの名前が出てきた・・・驚いたのを思い出した。

さて、今作はソロ・ギターです。
オリジナルは1曲もなしのメセニーにしては異色のアルバムといえるでしょうね。
選曲はメセニーの若い頃、周りにはこういう曲があったということだと思います。
自分が好きな曲を好きなように弾いてみたというアルバムです。
原曲のイメージが狂うものもあるけれど俺ならこう弾くというメセニーの世界が広がっている。
いかにも私的なアルバムという感じがするので秘蔵盤という言い方がぴったりくるかもしれません。
近い年齢の人ならそれぞれに思い入れのある曲があると思います。
当時の出来事や思い出に重なるんじゃないかな。
私にも何曲かありました・・・不覚にも(3)「ALFIE」には涙が出そうになった。
好きだった(10)「AND I LOVE HER」も沁みた。
ソフトであたたかいアコースティックの調べは心にそっと寄り添ってくるような感じがする。
ちなみに音量はやや小さめがいいと思うよ。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



*PAT METHENY & BRAD MEHLDAU / QUARTET
pat metheny(g), brad mehldau(p)
larry grenadier(b), jeff ballard(ds)
metheny/mehldau duets (2,4,6,11)
2007/NONSUCH RECORDS/

1 A Night Away
2 The Sound Of Water
3 Fear And Trembling
4 Don't What
5 Towards The Light
6 LOng Beforer
7 En La Tierra Que No Olvida
8 Santa Cruz Slacker
9 SEcret Beach
10 Silent Movie
11 Marta's Theme


去年の「メセニー&メルドー」の続編です。
メンバーも同じ、同日録音なので悪かろうはずがない。
が、しかし、現実的で迷う問題にぶち当たります・・・「もう1枚買う必要があるかどうか?」です。
結局、2枚買っても聴くのはどちらか1枚になるのは今までの経験則から分かっています。
前作はデュオが中心でカルテットが2曲、今作はカルテットが中心でデュオが4曲の構成。
混ざっているからなおさら悩む・・・「さあー、どうしますか?、お客さん」。

結論から言えば、やはりこれは買って良かったと思いました。
最初から2枚出す予定でいたようだし、それぞれのコンセプトは考えられていたのでしょうね。
デュオ中心ならしっとり系、こちらのカルテット中心はより弾けている感じがしました。
なにしろメセニーが凄い、空間にこれだけ音の広がりを感じさせるギター奏者はいません。
自在な表現力と創造力で小宇宙を形成する・・・稀代の名手、パット・メセニーがここにいます。
これほどのギタリストを現在進行形で聴けるのは幸せだと思っています。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*PAT METHENY & BRAD MEHLDAU / METHENY & MEHLDAU
pat metheny(g), brad mehldau(p)
larry grenadier(b)(4,7), jeff ballard(ds)(4,7)
2006/NONSUCH/

1 Unrequited
2 Ahmid-6
3 Summer Day
4 Ring Of Life
5 Legend
6 Find Me In Your Dreams
7 Say The Brother's Name
8 Bachelors 3
9 Annie's Bittersweet Cake
10 Make Peace


このパット・メセニー(g)とブラッド・メルドー(p)の組み合わせはタイミングといい絶好の企画だと思いました。
二人共に独自の世界を持っているので聴き応えは十分、特にプロデュースしたメセニーには意欲を感じます。
才気溢れる両者のコンビネーションも抜群で、これほど相性がいいとは思いませんでした。
デュオの名盤として後世に残るのは間違いのないところです。
(4)、(7)はそのままメルドー・トリオ+メセニーで変化を持たせていますが、この構成が微妙・・・・・。
好き嫌いは別にしてもジャズ・ファン必聴のアルバムなんてそうそうあるものではありません。
2000年代のジャズを語るには欠かせない”「歴史的名盤」になる”との予感がしています。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*PAT METHENY TRIO / TRIO 99-00
pat metheny(g), larry grenadier(b), bill stwart(ds)
2000/Warner Bros/

パット・メセニーの純ジャズ・ギター・トリオが聴けます。

「Giant Steps」




*PAT METHENY TRIO / QUESTION AND ANSWER
pat metheny(g), dave holland(b), roy haynes(ds)
1990/GEFFEN/

パット・メセニーのデイブ・ホランド&ロイ・ヘインズとのスーパー・トリオ。
ストレート・アヘッドなジャズ・スタンダードが聴けるのが嬉しい。

「Solar」、「All The Things You Are」、「Old Folks」




*PAT METHENY / 80/81
pat metheny(g), charlie haden(b), jack dejohnette(ds),
dewey redman(ts), mike brecker(ts)l
1980/ECM/

パット・メセニーの登場は新しいジャズ・ギターの可能性を感じさせました。
これほど音の広がりをもつジャズ・ギタリストはいなかったから。
パットの代表作になると同時に80年代、ジャズ名盤の一枚です。