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Dragon's Jazz Corner

Olivier Antunes (p)


*OLIVIER ANTUNES TRIO / ALICE IN WONDERLAND
olivier antunes(p), jesper bodilsen(b), morten lund(ds)
2008/Marshmallow/

オリヴィエ・アントゥネスは現在35歳、最初に知ったのはベテラン・テナー奏者のイエスパー・ティロのアルバムです。
「THIS IS UNCLE AL」(2001年)でイェスパー・ルンゴー(b)とアルヴィン・クイーン(ds)のリズム・セクションでした。
その後、2003年にマシュマロ・レーベルから自己名義の「Introducing」が発売されて以来注目していました。
この時のバックもマッズ・ヴィンディング(b)にアレックス・リール(ds)という強力なメンバーです。
私はかなり早い時期から知っていたことになります。
ヨーロッパ・ピアノの伝統を継ぐ美しく透明感のある音色、叙情的かつ静謐なムードはもちろん持っています。
今回彼のライブを見て切れのある強靭なタッチ、抜群のスイング感、アグレッシブなプレイを目のあたりにしました。
歌心も申し分なく、なんというか、天性のもの、天才的なものがあると感じました。
共演のイェスパー・ボデルセン(b)とモーティン・ルンド(ds)も共に30代の上り調子、屈指の組み合わせと言えます。
スタンダード作品集、3人の相性とコンビネーションも抜群で三位一体の素晴らしいピアノ・トリオが聴けます。
ピアノ・トリオ名盤の一枚です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*OLIVIER ANTUNES & JESPER LUNGAARD / ARCHING
olivier antunes(p), jesper lundgaard(b)
2006/MUSIC MECCA/

さて、皆さんはジャズにおけるどんな組み合わせがお好みでしょか。
私は@カルテットAトリオBクインテットCセクステットDデュオEソロという順番です。
その時々によって変わる場合もあり、楽器にもよりますが、大体こんな順番になっています。
オリビエ・アントゥネス(p)を最初に聴いたのはデンマークのテナー奏者のイェスパー・ティロの作品です。
その後の初リーダー・アルバムが”MARSHMALLOW”レーベルの「INTRODUCING」でした。
この時のバックはマッズ・ビンディング(b)とアレックス・リール(ds)で、ドラ流に選んでいます。
今回はデンマークの大物ベーシスト、イェスパー・ルンゴーとのデュオです。
これでデンマークの期待の大型ピアニストとしての地位を確実にしたと思います。
選曲はジャズ・スタンダードとデンマークの曲が上手く組み合わされています。
何と言ってもお互いに寄り添うようなプレイが素晴らしく、デュオの特徴を存分に味合わさせてくれました。
「最近の愛聴盤」としても十分に通用しますが私の選考の重要な視点の一つ”刺激的か、否か?”。
”勢いや個性”を含めて、特に若いプレイヤーにはこれを求めたいです。
アントゥネスには若さにまかせて突っ走って欲しかった、この点のインパクトがやや弱かったのが惜しまれます。

(中間系)

「Come Sunday」、「Estate」、「Autumn Leaves」




*OLIVIER ANTUNES TRIO / INTRODUCING
olivier antunes(p), mads vinding(b), alex riel(ds)
2003/M&I MARSHMALLOW/

1 Eye Of The Hurricane
2 Tit Er Jeg Glad
3 If I Should Lose You
4 Autumn Waltz
5 Night And Day
6 Blue Serge
7 Blues For Bitter Sweet
8 In The Still Of The Woods
9 Yesterdays
10 Gone With The Wind
11 The Folks Who Live on The Hill


これもまた気になりながら買いそびれていた一枚です。
オリビエ・アントゥネス(p)を最初に聴いたのはデンマークのテナー奏者のイェスパー・ティロの作品です。
その時から印象的なピアニストだと思っていました。
この作品が記念すべき初リーダー・アルバムになったわけですが、
サイドのメンバーにも恵まれて聴きどころの多いトリオ・アルバムになっています。
いつものマシュマロ・レーベル同様に上品で安定感のあるピアノ・トリオが聴けます。
まだ30代になったばかりですが米国でリッチー・バイラーク、マルグリュー・ミラー、
マーク・コープランド、ケニー・ワーナーの各ピアニストに師事したとあります。
これを見るとかなり凝った人選ですね。
マッズ・ヴィンディング(b)にアレックス・リール(ds)の強力な布陣と互角に渡り合っているのは凄いと思います。
個性という点ではまだ少々線が細いかもしれませんがこれからの成長を期待したい逸材です。
(1)、(7)のドライブ感、(3)のスイング感などが聴きどころ、トリオのバランスもいいです。
それにしてもバックの二人は凄いです。
二人が繰り出すリズムと醸し出す雰囲気は抜群です。
至福のひと時を過ごすことが出来ますよ。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)