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Dragon's Jazz Corner

New Century Jazz Quintet(grp)


* NEW CENTURY JAZZ QUINTET / SOUL CONVERSION
benny Benack III(tp), tim green(as,ss),
takeshi ohbayashi(p), yasushi nakamura(p), ulysses owens jr(ds)
2017/Spice Of Life/

1 Soul Conversion (Ohbayashi/Ulisses)
2 Mochi Melon Man (T.Green/Ohbayashi)
3 Not For The "Hip Impaired" (T.Green)
4 Soul Conversation (Ohbayashi/Ulisses)
5 Tinder Madness (B.Benack)
6 James (P.Metheny)
7 Blue Dahlia (B.Benack)
8 Afro-Centric (J.Henderson)
9 Chan's Song (H.Hancock)
10 Spontaneous Combustion (C.Adderley)


「New Century Jazz Quintet」は2014年に結成されました。
ユリシス・オーウェンズ・ジュニア(ds)と大林武司(p)さんが中心となる双頭バンドです。
毎年1枚づつの作品を出していて今作が4枚目になります。
トランペットとサックスのフロント2管の王道クインテットは益々まとまりを強めています。
スピード感に溢れ、切れ味鋭く、爽快なサウンドが特徴です。
特にピアノ、ベース、ドラムスのリズムセクションの素晴らしさは特筆ものです。
ちなみに大林さんと中村さんはテレビの「報道・ステーション」のテーマ音楽を演奏している「J Squad」にも参加しています。

全10曲はメンバーのオリジナル6曲とその他4曲の構成です。
キャノンボール・アダレイ(as)、ジョー・ヘンダーソン(ts)、ハービー・ハンコック(p)の曲が入っています。
パット・メセニー(g)が選ばれたところにいかにも若い世代の感性だと思いました。

全体的にクリアでスマートな演奏はとても聴き易いです。
メンバーがいわゆるジャズ・エリートの集まりなので優等生的ではあります。
もう少し荒っぽく弾けて欲しいと思うのはないものねだりかもしれません。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*NEW CENTURY JAZZ QUINTET / IN CASE YOU MISSED US
benny benack(tp), tim green(ts),
takeshi ohbayashi(p), yasushi nakamura(b), ulysses owens jr(ds)
guest:braxton cook(as)
2015/Spice Of Life/

1 In Case You Missed Us(B.Watson)
2 Revolution
3 Swag Jazz
4 Upon Closer Look
5 Burden Hand
6 Kaze No Torimiti(久石譲)
7 Uprising
8 View From Above
9 Naima(J.Coltrane)
10 Light That Grew Amongst Us
11 Eleventh Hour(M.Miller)
12 Love's In Need Of Love Today(S.Wonder)


アメリカの若手ハード・バップ・バンド「New Century Jazz Quintet」の第二弾です。
ユリシス・オーウェンス(ds)と大林武司(p)さんをリーダーとする次世代バンド。
中村恭士(b)さんを加えた二人の日本人が参加しているのも嬉しいです。

デビュー作の「TIME IS NOW」ほどのインパクトはないけれどご機嫌な演奏を聴かせてくれました。
一番の聴きどころは天才の呼び声が高いユリシス・オーウェンスのドラミングになります。
特にアップ・テンポにおける突っ込んでくるドラミングが素晴らしいです。
オリジナルの(4)「Upon Closer Look」とマルグリュー・ミラー(p)の(11)「Eleventh Hour」が良かった。
久石譲さんの(6)「風の通り道」なども取り上げています。
全体的にリズム・セクションの健闘が目立ちます。
各曲におけるピアノ・トリオの演奏部分に耳が向きました。

今年も日本公演があったけれどタイミングが合わずに見逃してしまいました。
次回こそはと思っている。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)




*NEW CENTURY JAZZ QUINTET / TIME IS NOW

benny benack(tp), tim green(ts),
大林武司(p), 中村恭士(b), ulysses owens jr(ds)
special guest : michael dease(tb)
2014/Spice Of Life/

新進気鋭の「New Century Jazz Quintet」が登場しました。
ちょうど活きの良いグループ・サウンズ・ジャズが聴きたかったのでピッタリとハマった。
1曲目のベース音が出た途端に「これだよ、こでなくちゃいけない」と嬉しくなりました。
中心は期待のユリシス・オーエンス(ds)と大林武司(p)さんのようですね。

全10曲はメンバーのオリジナル7曲にその他3曲の構成です。
注目すべきはマルグリュー・ミラー(p)の曲(2)を取り上げていることです。
大林さんの狙いがミラーとなれば明らかに「ジャズ・メッセンジャーズ」の流れ、
さらに80年代の「テレンス・ブランチャード&ドナルド・ハリソン・クインテット」にも繋がっています。
そのブランチャード&ハリソンの曲は(9)で聴くことができました。

フロント2管&3管編成・・・全体を通して居心地の良いサウンドが聴けました。
リズム感がハッキリとしているので安心感、安定感があります。
ピアノ〜ベース〜ドラムスのリズム・セクションが実に魅力的です。
さらにアンサンブルやハーモニーが洗練されていて美しい。
アレンジが良く、計算されています。
私的ベストは前述のブランチャード&ハリソンの曲(9)とミラーの曲(2)です。
中村さんのアルコ・プレイから始まるバラードの(7)も聴きどころ。
これらを聴けば誰もこのグループの実力を疑わないと思います。
まさしく現代のハード・バップ・サウンドがここにありました。

デビュー作とは思えないまとまりで完成度は高いです。
この7月に早くも来日公演が予定されていますが時間が取れずに残念でした。
”見逃した魚は大きい”という感じがする。
早くも次作が楽しみなグループです。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)