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Dragon's Jazz Corner

Miguel Zenon (as)


* MIGUEL ZENON QUARTET / TIPICO
miguel zenon(as),
luis perdomo(p), hans glawischnig(b), henry cole(ds)
2016/Song X Jazz/

1 Academia
2 Cantor
3 Ciclo
4 Tipico
5 Sangre De Mi Sangre
6 Corteza
7 Entre Las Raices
8 Las Ramas
9 La Novia Que Nunca Tuve


ミゲール・ゼノン(as)の新作はジャケ買いです。
ある種一抹の不安を抱えながら13年振りにリーダー作品を買いました。
ゼノンはバークリーの出身、キューバのダニーロ・ペレス(p)や先輩格のデヴィッド・サンチェス(ts)等と共演して頭角を現してきました。
ユニークで強力なアルト奏者として注目していましたが余りにシリアスでダークな世界・・・聴いていて疲れるので離れてしまいました。
これはゴンザロ・ルバルカバ(p)や前述のデヴィッド・サンチェスにも同様の思いがあります。

今作は原点であるプエルトリコに回帰する曲想で全9曲中8曲が自身のオリジナルです。
ジャケットの雰囲気が良くて、もう1回「買ってみようか」という気になりました。
結果は買って良かった・・・これはゼノンの最高の一枚になったと思います。
超クールな音色のゼノンの特徴もよく出ているし、盟友ルイス・ペルドモ(p)の素晴らしいピアノも聴けます。
思うにジョニー・ホッジス〜ポール・デスモンド〜マリオン・ブラウン〜ミゲール・ゼノンの流れが出来ました。
このラインはサウンド的にとても重要で、アルト・サックスの特徴的な高音部の奏法が受け継がれています。
細く、薄く、繊細でクール、透明感のある美しい音色を持っています。

私的ベスト・トラックは感動的な(2)「Cantor」、ハイセンスなリズム感の(6)「Corteza」にも注目しました。
表題曲の(4)「Tipico」や(3)「Ciclo」も良かった、フリー・フォームで演奏される(7)「Entre Las Raices」も入ってます。
相も変わらず日本盤のみのボーナス・トラックの(9)ですがこの先進のラテン・サウンドも聴きどころになりました。
全体を通してペルドモの存在感が光っていて、ペルドモ居ればこそのゼノンという感じがしました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)




*MIGUEL ZENON QUARTET / CEREMONIAL
miguel zenon(as)
luis perdomo(p), hans glawischnig(b), antonio sanchez(ds)
2004/MARSALIS MUSIC/

くつろぎ系のジャズを聴いているとたまにはシリアスなものを聴きたくなるのが世の常です。
ミゲール・ゼノン(as)は最近も紹介したばかりですが、ワン・ホーンということで選んでみました。
プエルト・リコ人のゼノンはラテン音楽に囲まれていましたがジャズはチャーリー・パーカーに影響されたとあります。
名門バークリーの出身、キューバのダニーロ・ペレス(p)や先輩格のデヴィッド・サンチェス(ts)等と共演して頭角を現してきました。
全9曲中7曲が自身のオリジナルで、ラテン・テイストを残しながらもそのサウンドは単純ではありません。
終始緊張感を持つ冷静な演奏を繰り広げています。
ユニークで強力なアルト・サックス・プレイヤーであることは間違いないでしょうね。
ただ万人に受け入れられるかというとむずかしいです。
私は聴いていて疲れました。すんなりと聴いているわけにはいかないからです。
この点、近年のゴンザロ・ルバルカバ(p)の作品群を思い浮かべました。
私がもっと若ければラテン系ミュージシャンのこういった新しい試みにも付いていけるのですが残念に思います。

(まじめ系)




*MIGUEL ZENON / LOOKING FORWARD
miguel zenon(as,fl,per,vo)
luis perdomo(p), hans glawisching(b), antonio sanchez(ds)
pernell saturnino(bon), david sanchez(ts)(2,7), etc
2001/FRESH SOUND NEW TALENT/

最近、巷でちょっと話題になっているアルト奏者、ミゲール・ゼノンはどんなもんだろうと思って入手しました。
スペインの新人登竜門になっているフレッシュ・サウンド・ニュー・タレント盤で2001年の作品です。
これなら全編彼のオリジナルで占められ彼の音楽性がよく分かると思ったからです。
ソロは高音部を多用しパワフル、リズムの変化も激しいです。
若さと勢いを持ち、インパクトもあり、ユニークですが正直今の私には少々疲れるサウンドでした。
先輩格のデヴィッド・サンチェス(ts)が2曲に参加、ピアノのルイス・ペルドモの好プレイが目立ちます。
この一枚だけでは分かりませんね。スタンダードの表現力も聴いてみたいと思いました。

(まじめ系)