[トップページ]



Dragon's Jazz Corner

Melissa Aldana (ts)


*MELISSA ALDANA QUARTET / FREE FALL
melissa aldana(ts),
michael palma(p,elp), lyles west(b), ralph peterson jr(ds),
2010/Inner Circle Music/

1 Free Fall
2 Pasos
3 Creepo The Thief
4 Tears That I Cannot Hide
5 L-Line
6 Broadway Junction
7 Lacy Things
8 Broken Roses
9 Flip Flop


これも昨年のベスト3に登場したアルバムです。
メリッサ・アルダナ・・・女性テナー・サックス奏者の作品。
発売時に気になったんですが買いそびれていました。
インナー・サークルは鬼才グレッグ・オズビー(sax)主催のレーベルです。
メリッサの才能はオズビーも認めたということですね。

メリッサ・アルダナ(ts)は初見、チリ出身でまだ20代のようです。
彼女もまたバークレーを卒業していました。
収録曲は全て自身とメンバーのオリジナルでスタンダードは1曲もなしです。
デビュー作を全てオリジナルで占めるのは珍しいと思います。
女性としては重量級ながらオーソドックスでピュアなハード・バップ・ジャズが聴けました。
初リーダー・アルバムなのでその張り切りようがうかがえる内容です。
エネルギッシュで勢いがある・・・所々で気負いもあるけれど女性の特性もよく出ています。
テナーの音色はしなやかでやわらかく激しくても艶やかな響きがあります。
まったくストレスを感じさせないスムーズな展開は実力も十分とみました。
全体的にアップ・テンポで疾走感のあるプレイに魅力を感じました。
エレピの使い分けが巧みでサウンドに変化を持たせています。
エレピとの相性もいい・・・大らかで広がりのあるサウンドは一番ぴったりくるかもしれません。
バラードは(4)「TEARS THAT I CANNOT HIDE」と(7)「LACY THINGS」の2曲。

さらにメリッサもさることながらピアノのマイケル・パルマが中々いいですよ。
アコースティックとエレクトリック・ピアノを使い分けてモダンなアプローチを聴かせてくれました。
パルマもバークリー出身の27歳、コンテンポラリーな音楽性も持つ現代風のピアニストです。
メリッサとは同級生かもしれませんね。
もちろんラルフ・ピーターソン(ds)の存在感も気になりました。
押し出しが強く多弁でエキサイティングなドラミングにも注目です。
ビシッとアルバム全体を引き締めているのはさすがです。

粒ぞろいの曲が並んでいるので1枚を飽きずに聞き通すことができました。
それぞれに聴き応えがあるし、安心して聴いていられるところもいいです。
女性テナー奏者は少ないのでこれからの活躍を期待したいですね。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)