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Dragon's Jazz Corner
Marcus Printup (tp)
*MARCUS PRINTUP QUINTET / HOMAGE
marcus printup(tp), gregory tardy(ts),
aaron diehl(p), corcoran holt(b), alvin atkinson(ds)
2012/SteepleChase/
1 Weather Bird
2 Nardis
3 Mr.Kenyatta
4 Later
5 Liquid Streets
6 Con Alma
7 Mr. Clean
8 Sunday
9 Theme For Maxine
10 Nostalgia
11 Tiny Capers
マーカス・プリンタップ(tp)の新譜は先輩トランペッターへのオマージュという企画ものです。
キング・オリバーから始まってマイルス・デイヴィス、リー・モーガン、ウィントン・マルサリス、
ロイ・ハーグローヴ、ディジー・ガレスピー、フレディ・ハバード、ウディ・ショウ、
ファッツ・ナヴァロ、クリフォード・ブラウンという錚々たる名前が並んでいます。
購入のキッカケは去年のベスト3に選んだアーロン・ディール(p)が参加していたからです。
どんなピアノを聴かせているのか、興味がありました。
やはり相当にブルース・フィーリングが強く粘っこいピアノを聴かせてくれました。
もう一人、グレゴリー・ターディ(ts)の個性的なプレイも印象に残りました。
こねくるような不思議なサウンドの持ち主です。
この二人が聴きどころになるかな。
プリンタップは名手で器用なトランペッター・・・これくらい出来て当たり前だと思います。
オリバーの(1)「WEATHER BIRD」やただ1曲のスタンダードの(8)「SUNDAY」、
ナヴァロの(10)「NOSTALGIA」は心に響く演奏・・・より古典的なサウンドが面白かったです。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(中間系)
*MARCUS PRINTUP SEXTET / BALLADS-ALL NIGHT
marcus printup(tp), chris chrenshaw(tb),
dan nimmer(p), carlos henriquez(b), quincy davis(ds), riza hequibal(harp)
2010/SteepleChase/
マーカス・プリンタップ(tp)はこのところコンスタントにリリースしています。
気になるのでつい買ってしまいますがこれは中々にユニークな一枚です。
「Ballads-All Night」の題名どおり、バラード作品集なんですが・・・。
全編、ゆったりとしたリズムと曲調でまったく刺激がなく、とてもジャズ・アルバムとは思えませんでした。
癒しのヒーリング・アルバムというか、そんな感じがします。
でも、昼寝の時とか、夜寝る時に聴くとピッタリとハマる作品なんです。
どこまでもクールなトランペットの音色と、暗くたたずむようなトロンボーンと、やさしいハープの調べ。
管楽器では実に珍しい作風です。
評価はむずかしいと思うけど・・・「こんなのもあっていいか」と思いました。
(くつろぎ系)ではどうもしっくりこなくて(やさしい系)にしました。
癒しを求める人には絶好のアルバムです。
余談ですがマーカスとリサは恋人同士じゃないかな・・・違うかな。
(やさしい系)
*MARCUS PRINTUP QUINTET / LONDON LULLABY
marcus printup(tp), ted nash(ts),
eric reed(p), barak mori(b), willie jones V(ds)
2009/SteepleChase/
マーカス・プリンタップも気になるトランペッターです。
ウィントン・マルサリスに似て生真面目なところがあります。
前回、ドラ盤にしたチェコのピアノ・トリオとの共演盤(ドラ盤335参照)は素晴らしかったです。
さて今作は1曲目の「RECORDA-ME」を聴くとそのコンセプトが明らかになります。
狙いはケニー・ドーハム&ジョー・ヘンダーソンの名盤「ページ・ワン」(BlueNote4140)だと思いました。
現在のトランペッターの主流はクリフォード・ブラウンの流れを汲むテクニックを生かして鋭く鳴り響くか、
あるいはマイルス・デイビス、またチェット・ベイカーのクールなラインに集約されているのか。
モダン・ジャズにはもう一つのラインがあるのを忘れてはいけませんね。
よりまろやかで温かい音色を持つアート・ファーマー〜ケニー・ドーハムのラインです。
これを聴くとマーカス・プリンタップにはその二人を受け継ぐ貴重な存在になる可能性があります。
もちろん、テクニックもクールさも併せ持っていますが・・・。
選曲も中々に凝っています。
ジョー・ヘンダーソンが2曲、マイルス、ビル・エヴァンスと面白いのはオーネット・コールマンの選曲です。
このオーネットの(6)「TEARS INSIDE」はピアノレス・カルテットで演奏されますが最高です。
その他オリジナル2曲にスタンダード、ジョビンのボサノバと聴きどころも多いです。
共演陣ではサックスのテッド・ナッシュが素晴らしいです。
あまりにいいので私はこの人を聴いたことがあるだろうかと思って早速調べてみました。
かろうじて1枚だけありましたがジョン・ピザレリ(g,vo)盤ではこの良さが分かりませんでした。
これから何枚か聴いてみるつもりです。
(8)「A SHADE OF JADE」におけるエリック・リード(p)のマッコイ・タイナー風なプレイにも注目しました。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(中間系)
*MARCUS PRINTUP QUARTET / BIRD OF PARADISE
marcus printup(tp),
ted nash(ts,as), 中村健吾(b), 高橋信之介(ds)
riza hequibal(harp)(2,3,4,6,9)
2007/SteepleChase/
先日聴いたマーカス・プリンタップ(tp)が良かったのでさかのぼって聴いてみました。
今作はチャーリー・パーカー・トリビュート・アルバムです。
トランペッターのパーカー作品集は珍しいのとピアノレス・カルテットが聴きどころになります。
メンバーに中村健吾(b)さんと高橋信之介(ds)さんが参加しているのが嬉しいですね。
本線はピアノレス・カルテットの演奏にあり、なぜここにハープが加わる必要があるのかと思いました。
もっとも、4人の気合が入った演奏が続くのでハープのやさしい音色を聴くとほっとする部分があります。
ベストは急速調の(7)「THE HYMN」、スイング感溢れる(5)「DONNA LEE」、(8)「QUASIMODO」も良かった。
(11)「BIRD FEATHERS」おけるテッド・ナッシュ(as)のソロに突き抜けた部分があります。
マーカスとテッドのコンビネーションは抜群でクールで安定感のある演奏を聴かせてくれました。
ただ、上手いとは思うがもう少しガツンとくるところが欲しかったのも事実です。
中村さんと高橋さんの二人が繰り出すリズムがこれを支えています。
中村さんは日本を代表するベーシスト、アメリカに渡った高橋さんの成長は著しいです。
現在は共にニューヨークに拠点をおいて活躍中です。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(まじめ系)
*MARCUS PRINTUP & EMIL VIKLICKY TRIO / JAZZ NA HRADE
marcus printup(tp)
emil viklicky(p), frantisek uhlir(b), laco tropp(ds)
2007/Multisonic/
1 Uvod / Introduction
2 Highlands, Lowlands
3 In Holomoc Town
4 Mystery Of Man Blues
5 Dolphin Dance
6 Lasko, Boze, Iasko
7 Body And Soul
チェコ盤を入手したのは初めてじゃないかと思います。
大きなコンサート・ホールのようでまるでクラシックのライブを聴いているような気分になりました。
チェコのピアノ・トリオにマーカス・プリンタップの組み合わせです。
バックのピアノ・トリオは端正で美しく、しっかりとした実力の裏付けがあるのを感じます。
テンポ、ピッチ共に完璧、これほどのピアノ・トリオはそうは聴けないので驚いてしまいました。
クラシックで培われた力は本物、アメリカン・ジャズとのぶつかり合いが最大の聴きどころです。
マーカス・プリンタップはフレディ・ハバード直系のトランペッターでハバードが不調の今は貴重な存在です。
マーカスはこれが底力なんでしょうね。堂々たるプレイ振りで驚かされました。
改めてアメリカの一流ジャズ・ミュージシャンの底力を思い知らされました。
恐るべし、マーカス・プリンタップ。
マーカスにとっては異色のアルバム、代表作の一枚になるのは間違いないありません。
クラシック・ファンにもお勧めできます。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(まじめ系)
*MARCUS PRINTUP QUINTET / PEACE IN THE ABSTRACT
marcus printup(tp), gregory tardy(ts)
marc cary(p), kengo nakamura(b), shinnosuke takahashi(ds)
2006/STEEPLE CHASE/
注目の新進トランペッター、マーカス・プリンタップの新作です。
フロントの相手はグレゴリー・ターディ(ts)で2管ジャズの王道の組み合わせです。
しかし、ここでの私の興味はマーク・キャリー(p)にありました。
キャリーはちょっとひねたユニークなピアニストでこれからの活躍を大いに期待している存在です。
覚えていて損はないプレイヤーだと思うので、是非頭の片隅にでも置いておいて下さい。
ニューヨークで活躍する中村健吾さん(b)、高橋信之助さん(ds)の日本人コンビとの共演も見逃せません。
全9曲中、オリジナルは6曲で現在のプリンタップの音楽性が探れます。
「Hot House」、「Amazing Grace」、「Every Time We Say Goodbye」
(中間系)