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Dragon's Jazz Corner

Kunimitsu Inaba 稲葉國光(b)


*KUNIMITSU INABA QUINTET / BASSIN'
稲葉國光(b)
中牟礼貞則(g)(1,2,3,4,5,6,8)、峰厚介(ts)(1,2,3,4,5,7)、
山本剛(p)(3,4,9,10)、岩崎佳子(p)(1,2,5,7,8)、関根英雄(ds)
2010/Little Pumpkin/

1 You Are My Everything
2 You Stepped Out Of A Dream
3 HI-Fly
4 Well You Needn't
5 You Go To my Head
6 Conversation #2
7 A Ghost Of A Chance
8 Este Seu Olhar
9 Sweet Sensation
10 In The Wee Small Hours Of The Morning
11 Alone Together


ジャズ・ファンなら稲葉國光さんの名前を知らない人はいないんじゃないかな。
それほどの名ベーシストの初めてのリーダー作だそうです。
「そうだったのか・・・」 私は信じられない思いがしました。
デビューしてから半世紀余り、すでに2枚や3枚のアルバムは出していて当然でしょう。
これも稲葉さんの人柄によるものか。
それこそ縁の下の力持ちというか、バックに徹していて表面に出ようとしません。
渡辺文男(ds)さんが「地味なんだよね」と話していました。
この二人がバックを務めたバリー・ハリス(p)の「ライブ・アット・DUG」の名盤もあります。
稲葉さんが共演した国内外有名ジャズ・ミュージシャンは数知れず、アン・バートン(vo)もお気に入り。
中牟礼貞則(g)さんとの付き合いは長く若い頃は一緒に住んで徹夜で練習したそうです。
それが(6)の「CONVERSATION #2」のデュオです。
アルバムの中に稲葉さんの指の写真がありますが角張った分厚い指をしています。
ある人が「稲葉さんの指は楽器の一部になっている」と言いました・・・けだし名言です。

選曲を見るとそのまま稲葉さんのジャズ人生が見えるようです。
曲名のYOUをジャズやベースに置き換えるとそんな思いが感じられます。
モダン・ジャズの名曲、ウェストンの(3)「HI-FLY」、モンクの(4)「WELL YOU NEEDN'T」がいい。
ここには抜群のスイング感を支えるベーシストがいます。
バラードなら(7)「A GHOST OF A CHANCE」が聴きどころになるかな。

中牟礼さん、峰厚介(ts)さん、山本剛(p)さんは日本を代表するプレイヤーです。
岩崎佳子(p)さんはラテン系を得意にするピアニストで稲葉さんとよく一緒に演奏しています。
関根英雄(ds)さんはグングンと突っ走るドラマーで見に行くと元気がもらえます。

やっぱり、ここには稲葉さんの人生が詰まっていました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)