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Dragon's Jazz Corner

Kevin Hays (p)


*KEVIN HAYS TRIO / YOU'VE GOT A FRIEND
kevin hays(p), doug weiss(b), bill stewart(ds)
2009/Jazz Eyes/

ケヴィン・ヘイズ(p)の新譜です。
ライブ(ライブ・レポート参照)を見に行った時に購入しました。
キャロル・キングやポール・サイモン、ポール・マッカトニーのヒット曲を取り上げています。
自身のオリジナルが1曲もないのが珍しいのでスタンダード作品集ということになるでしょうか。
当然ながら聴きどころはそれらの曲をどう料理しているかになります。
前3曲はけだるいような独特のリズム感はいかにも新感覚のジャズ・ピアニストだと思います。
若い頃に聴いていた馴染み深い曲でしょうがやや間延びしている感覚はまぬがれませんでした。
やはり本領発揮は後半の4曲で特にモンクの(4)「THINK OF ONE」は聴き応えがありました。
ケヴィンがいかにモンクに傾倒していたのかを物語る内容です。
トリオ全体が生き生きと躍動して(4)〜(5)「SWEET AND LOVELY」への流れは最高でした。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)




*KEVIN HAYS TRIO / FOR HERVEN'S SAKE
kevin hays(p), doug weiss(b), bill stewart(ds) 
2006/JAZZ EYES/

1 Sonny Moon For Two
2 For Heaven's Sake
3 Lady Day
4 Beatrice
5 Beautiful Love
6 It Could Happen To You
7 If Ever I Would Leave You
8 Caravan


このアルバムは文句なしに良いです。
ケヴィン・ヘイズ(p)を最初に聴いたのはジョシュア・レッドマン(ts)の「Joshua Redman」(1993)でした。
その時はまだ20歳半ば、一般的なジャズ・ファンに知られたのはこのアルバムだったと思います。
それでも20代にして認知されたのはかなりの才能を持つピアニストだったと言えます。
そうでなければ当時の若手サックス奏者の大注目株だったジョシュアに起用されるわけがありません。
今回それが図らずも証明された結果になりました。
つい最近まで私の知る限りではバップ・テイストの強い普通のピアニストの範囲内にあると思っていました。
事実、サイドマンとしての力量はともかく自己のアルバムでは私の評価もそれほど高いものではありませんでした。
それがクリス・ポッター(ts)のライブ盤「LIFT」↓におけるエネルギッシュで刺激的なプレイで一気に見直しました。
2004年度の私の選んだ「みんなのベスト3」の1枚です。
加えて今回のケヴィン・ヘイズの新譜はさらに今までのイメージを一新するものでした。
リリカルな味を前面に押し出してきて、彼としては今までとは感覚が違う異質なアルバムになったと思います。
こんなプレイが出来るとなるとまだまだ奥が深いピアニストとして考えを新たにしなければなりません。
思ったよりもずっと多様性を持つフレキシブルなプレイヤーで、やはり相当な器のピアニストです。
ヨーロッパ系ピアニストのリリカルな特徴を取り込んで新たな方向を模索しているのかも知れませんね。
ヨーロッパ・ピアノと一味違う絶妙なスイング感と微妙にバップ・テイストを感じさせるところにも特徴があります。
ビル・スチュワート(ds)の存在が大きくて、この二人のコラボレーションも聴きどころの一つです。
ベースのダグ・ウエイスも地味ですが安定感があり、これは魅力的なピアノ・トリオだと思いました。
私の今年のピアノ・トリオ・アルバムの上位にランクされるのは間違いありません。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*KEVIN HAYS SOLO PIANO / OPEN RANGE
kevin hays(p)
2005/ACT/

2005年の発売時にはイマイチ乗り気がなくてパスしたアルバムです。
今回は来日公演中ということで気になって改めて入手してみました。
1曲を除いては全てケヴィン・ヘイズのオリジナルです。
ボイスを入れたりして新しい可能性を探っているようです。
最新作ではそれをさらに展開して色々と試しているようですが私は今のところ手を出していません。
ヘイズは20歳そこそこでメジャー・デビューしていて、天才肌のピアニストと言えると思います。
ブラッド・メルドーと共に新感覚のピアノ界を引っ張っていく存在になるでしょうね。
そういう意味では目の離せないピアニストの一人になりました。
今作は誰にでも勧められるというわけにもいかないので好みが分かれるところではあります。

(まじめ系)




*KEVIN HAYS QUINTET / CROSSROAD
scott wendholt(tp), freddie bryant(g),
kevin hays(p), dwayne burno(b), carl allen(ds)
1993/Steeplechase/

ケヴィン・ヘイズ(p)のスティープルチェース第3弾のリーダー・アルバムです。
ここではスコット・ウェンドホルト(tp)が大きくフューチュアーされています。

[Nature Boy], [Softly As In A Morning Sunrise]




*KEVIN HAYS TRIO / UGLY BEAUTY
kevin hays(p), larry grenadier(b), jeff willams(ds)
1991/Steeplechase/

ケヴィン・ヘイズ(p)の3枚目のリーダー・アルバムです。
初のピアノ・トリオ作品でヘイズ23歳時の録音。
ジョー・ヘンダーソン(ts)、ウエイン・ショーター(ts)、ボビー・ハッチャーソン(vib)
の作品を取り上げ、モンク、コルトレーンの曲もあります。
その他オリジナル1曲、スタンダード2曲が含まれています。
ヘイズのルーツを探る上にも重要かもしれませんね。
ストレートに弾きまくる・・・若さ溢れる瑞々しいプレイが魅力です。

[Shade Of Jade], [Chelsea Bridge], [Ugly Beauty], [Detour Ahead], etc




*KEVIN HAYS QUINTET / SWEET EAR
eddie henderson(tp), vincent herring(as,ss),
kevin hays(p), james genus(b), joe chambers(ds)
1991/Steeplechase/

ケヴィン・ヘイズ(p)のスティープルチェース第1弾は2枚目のリーダー・アルバムです。
エディ・ヘンダーソン(tp)、ヴィンセント・ハーリング(as)をフロントに迎えてのクインテット編成。
全8曲は自身のオリジナル2曲とその他6曲の構成です。
(6)「You And The Night And The Music」はピアノ・トリオ演奏です。
ストレート・アヘッドなハード・バップ・アルバム。