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Dragon's Jazz Corner

Kenny Werner (p)


ケニー・ワーナー(p)も密かに聴いていた一人です。
幅広い音楽性が持ち味でどうにもつかみどころがありません。
むずかしいことをやるかと思えばボサノバに登場したり、歌手のバックをつとめたりもします。
ロザンナ・ヴィトロ(vo)を売り出したり、鈴木重子さんのアルバムでも活躍しました。
一筋縄ではいかないピアニストで、私はそんなところに惹かれました。
ケニー・ワーナーの頭の中はどういう構造になっているのか、いまだにわかりません。
ただ、リーダー・アルバムは聴いていて楽しいかというとそうでもないので、
ほとんど紹介する機会がありませんでした。




*KENNY WERNER & JENS SONDERGAARD / A TIME FOR LOVE
kenny werner(p), jens sondergaard(as)
2008/STUNT RECORDS/

このケニー・ワーナー(p)とイェンス・ソンダーゴー(as)の作品はmanaさんとGAKOさんのベスト3です。
存在は知っていましたがなんとなく買わなかったアルバム。これは見事に1本取られました。
副題に”Play Ballads”とあるようにスタンダードのバラード集なんだけど、もうね、素晴らしいの一語です。
もしもこのアルバムを聴いていたら私もベスト3入りは間違いありませんでした。
二人の緊張感溢れるコラボレーションには唸るばかり、今年どころか近年でもベスト3を争うアルバムです。

「最近の愛聴盤」↓でケニー・ワーナーはつかみどころがなくイメージがわかないと書いたばかりです。
ところがこれを聴いてワーナーは根っからのロマンチストだと思いました。
そうでなければこれほどロマンチックなピアノはとてもじゃないが弾けません。
私の好みからいえばこれがワーナーのベスト・アルバムと言えます。
イェンス・ソンダーゴーの前作は「MORE PEPPER」というライブ盤でした。
多いにアート・ペッパーを意識した作品でしたが自由に吹いているこちらのほうが断然いいです。
二人のあまりの素晴らしさに(5)「OVER THE RAINBOW」では涙が出た。

いろいろ書いたけど、本当は何も言いたくない感じがします。
ただ、聴いていたいだけです。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)



*KENNY WERNER TRIO / WITH A SONG IN MY HEART

kenny werner(p), johannes weidenmueller(b), ari hoenig(ds)
2008/Venus Records/

ケニー・ワーナー(p)は興味が尽きない、気になるピアニストです。
普通は聴いているとイメージが固まってくるものですがこのワーナーだけはどうにもつかみ所がありません。
それでついまた聴いてみたくなります。
結果、かなりの枚数を持っていますが未だにイメージが固まらないです。
独特の感性と表現力を持っていてユニークなアプローチを見せてくれます。
このスタンダード作品集でも同様の感想を持ちました。
引き出しが多くてとても一筋縄ではいかない展開です。
聴く人にイメージを固まらせないのは、ワーナーの方が一枚も二枚も上手かも知れませんね。
このトリオは2000年代に入ってからのレギュラー・トリオといえるものです。

[ ドラゴン流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系)



*KENNY WERNER TRIO VOL.2 / BEAT DEGENERATION
kenny werner(p), johannes weidenmueller(b), ari hoenig(ds)
2002/Night Bird/

新生ケニー・ワーナー・トリオのライブ盤の第二弾。
2000年11月パリのサンセット・クラブです。




*KENNY WERNER TRIO VOL.1 / FROM AND FANTASY
kenny werner(p), johannes weidenmueller(b), ari hoenig(ds)
2000/Night Bird/

新生ケニー・ワーナー・トリオのライブ盤。
2000年11月パリのサンセット・クラブです。
スタンダードをどう料理するか。
個性溢れるワーナーのピアノに注目しました。

[Nardis], [Tears In Heaven], [Dolphin Dance], [My Funny Valentine]




*KENNY WERNER TRIO / BEAUTY SECRETS
kenny werner(p), drew gress(b), billy hart(ds), etc
1999/BMG/

全12曲は2曲を除いて自身のオリジナルです。
ワーナーのリリカルで美しいピアノにスポット・ライトが当りました。
曲によってジョー・ロバーノ(ts)、デイブ・バーロウ(tp)などのゲストが加わります。

[With The Song In My Heart], [Send In The Clowns]




*KENNY WERNER TRIO / UNPROTECTED MUSIC
kenny werner(p), marc johnson(b), joey baron(ds)
1998/Double-Time Records/

今作のバックはマーク・ジョンソン(b)とジョーイ・バロン(ds)です。
全12曲は全て自身のオリジナルです。




*KENNY WERNER TRIO / A DELICATE BALANCE
kenny werner(p), dave holland(b), jack dejohnette(ds)
1997/BMG/

ケニー・ワーナーがデイブ・ホランド(b)とジャック・ディジョネット(ds)を迎えたトリオ作品。
全8曲は1曲を除いて自身のオリジナルです。

[Work Song]




*KENNY WERNER TRIO / LIVE AT VISIONES
kenny werner(p), ratzo harris(b), tom reiney(ds)
1995/Concord/

ケニー・ワーナーのレギュラー・トリオによるライブ盤。

[Stella By Starlight], [Fall], [All the things You Are], [Blue In Green],
[There will Never Be Another You], [Blue Train], [Windows],
[oul Eyes], [I Hear a hapsody]




*KENNY WERNER SOLO / AT MAYBECK
kenny werner(p)
1994/Concord/

コンコード・レーベルの名物ソロ・ピアノ・シリーズの一枚。
ワーナーはソロ・ピアノは得意です。


[Someday My Prince Will Come], [In Your Own Sweet Way/Naima],
[Autumn Leaves], [Try To Remember/St.Thomas], [A Child Is Born]




*KENNY WERNER SEXTET / PAINTINGS
kenny werner(p), ratzo harris(b), tom reiney(ds)
tim hagans(tp), billy drewes(ts), mark feldman(vln), etc
1994/Pioneer/



*KENNY WERNER SOLO PIANO / COPENHAGEN CALYPSO
kenny werner(p)
1994/Steeplechase/31346

こちらのソロ・ピアノはスタンダード集。

[If I Should Lose You], [My Romance], [What Is This Thing Called Love],
[Naima], [Watch What Happens], ['Round Midnight], [Yesterdays]




*KENNY WERNER SOLO PIANO / MEDITATIONS
kenny werner(p)
1993/Steeplechase/31327

ケニー・ワーナーのスティープル・チェース第一作目になるのかな。
いきなりのソロ・アルバムは珍しいですね。

[Stella By Starlight], [Giant Steps]




*KENNY WERNER TRIO / PRESS ENTER
kenny werner(p), ratzo harris(b), tom reiney(ds)
1991/Sunnyside/

サニー・サイドからの3枚目のアルバムです。
全9曲は自身のオリジナル7曲とその他2曲の構成です。
独特のタッチが楽しめます。

[Blue In Green]




*KENNY WERNER QUINTET / UNCOVERED HEART
randy brecker(tp), joe lovano(ts),
kenny werner(p), eddie gomez(b), john riney(ds)
1990/Sunnyside/



*KENNY WERNER TRIO / INTRODUCING
kenny werner(p), ratzo harris(b), tom reiney(ds)
1989/Sunnyside/

多才で特異なピアニスト、ケニー・ワーナーのデビュー作です。
全9曲は自身のオリジナル4曲とメンバーの曲が2曲とその他3曲の構成です。
マイルスの「Nardis」、エバンスの「Time Remembered」が含まれ、
ハービー・ニコルス(p)に捧げた曲もあります。
ここいらへんがワーナーのルーツになると思います。

[Nardis], [Time Remembered], [I Hear A Rhapsody]