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Dragon's Jazz Corner

Kazuhiko Kondo 近藤和彦(as)


*KAZUHIKO KONDO QUARTET / SUBSTANCE
近藤和彦(as,ss)、
今泉正明(p), 上村信(b)、大坂昌彦(ds)、
小曽根真(P)(2,5,9,11)、岡崎好朗(tp)(6)
2009/55Records/


近藤和彦(as,ss)さんの初リーダー・アルバムが出ました。
近藤さんはよく知られたサックス奏者でそれこそあちこちのバンドのメンバーに名前が連なっています。
すでに何枚か出していると思っていたのでこれが初リーダー・アルバムと聞いて意外な感じがしました。
プロデュースは小曽根真(p)さんでここでも4曲に参加しています。
先日、横浜までCD発売記念ライブ(ライブ・レポート参照)に出かけたけど良かったです。
ライブ会場で購入したので近藤さんにサインをお願いしました。

メンバーも魅力的、曲目は全て彼自身のオリジナルで固めて意欲的な作品です。
何曲かスタンダードを入れるかどうか、迷ったと思いますがここにこだわりを感じました。
曲想も幅広くリズムも変化に富んでいるので現在の近藤さんの全貌を十分に伝えていると思います。
音楽性も豊かで作曲能力も非凡です。
ライブでもそうだったけどフラメンコの(5)「EL CANTARRO DE MALLORCA」が新鮮でした。
訥々とした話しっぷりでライブ会場の笑いを誘ったのは(4)「UNDER THE DIM LIGHT」のことでした。
これを聴いたある人から「平成のレフト・アローン」(↓注参照)との感想を言われたそうです。
これには共演者も苦笑、似ているので私も「なるほどなぁー」と思いました。
(2)「FROM DOCTONE」は大好きだった故ケニー・カークランド(p)に捧げた曲。
それこそ今泉正明(p)さんはピッタリの存在でしょうね。
1曲だけ岡崎好朗(tp)さんが(6)「UNEXPECTED」に参加しています。
ニューヨークの爆破テロの印象を綴ったもので最初からトランペットを意識して書いた曲だそうです。
今作品はアップ・テンポのノリもバラードの表現力も自在で近藤さんの実力がフルに発揮されています。

バックのメンバーは小曽根さんを始めとして今泉さん、上村信(b)さん、大坂昌彦(ds)です。
今泉さんのリズム感溢れる力強いタッチ、上村さんのベースは堅実で安定感十分、
大坂さんのフレキシブルでメリハリのあるドラムスはこのグループの充実度を物語っています。

注:レフト・アローン
マル・ウォルドロン(p)が不世出の歌手ビリー・ホリデイに捧げた名曲。
 ジャッキー・マクリーン(as)の切ないまでのアルト・プレイに泣けます。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)