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Dragon's Jazz Corner

Kasper Villaume (p)


*KASPER VILLAUME TRIO / FOOTPRINTS
kasper villaume(p), jesper bodilsen(b), rasmus kihlberg(ds)
2006/MARSHMALLOW EXPORT/

1 Mr.PC
2 Nice Work If You Can Get It
3 Night Train
4 Trubbel
5 Is That So
6 Place St.Henry
7 Theme From Mash
8 All Of You
9 You Don't Know What Love Is
10 Footprints
11 The Folks Who Live On The Hill


このキャスパー・ヴィヨーム(p)の新譜も中々に出来が良いです。
曲目もバラエティに富んでいてヴィヨームの実力を試すにはもってこいの選曲になっています。
彼は↓の2004年の「117 DITMAS AVENUE」、2005年の「HANDS」で一皮も二皮もむけました。
元々が才能豊かでスケールの大きさを感じさせるピアニストでしたが、ここのところの進化は物凄いです。
まさに急激な変貌を遂げていて、この人には思った以上の大物感を感じました。
是非、このまま順調に伸びていって欲しいヨーロッパ・ピアノ界の新星です。
同時に見逃せないのが強力、強靭なイェスパー・ボディルセン(b)の存在です。
このプレイヤーもまたヨーロッパの時代を担うベーシストになると思っています。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*KASPER VILLAUME QUARTET / HANDS
kasper villaume(p), chris minh doky(b), ali jackson(ds)
chris potter(ts)
2005/STUNT RECORDS/

1 Green Chimneys
2 Captain Kirkland
3 Cloudy & Blue
4 Gone
5 Hands
6 The Sniper
7 Meaning Of The Blues
8 Groove Street


キャスパー・ビヨーム(p)のこの新譜を聴いた時、「ついに来たか」という感じがしました。
待ちに待った瞬間というか、未完の大器、キャスパー・ビヨームの真髄が聴けます。
ボブ・ロックウェル(ts)との共演を聴いて以来注目していたピアニストです。
最初は一癖あるクリス・ポッター(ts)との共演はどうかなと思ったのですが、
そんな心配はあっという間にすぐにどこかに吹っ飛んでしまいました。
パワフルでエネルギッシュ、強烈なドライブ感とスイング感、文句なしのテクニック、恐るべしビヨーム。
スケールの大きさを感じさせ、真にミシェル・ペトルチアーニ(p)の後継者に成り得るヨーロッパ・ピアノの逸材です。
私はクリス・ポッターのファンでけっこうアルバムも持っている方ですが、ポッターもベスト・プレイで迫ります。
クリス・ミン・ドーキー(b)とアリ・ジャクソン(ds)のコンビも強力なリズムを押し出してきていいですよ。
まずは1曲目、ユニークな曲調を持つモンクの「GREEN CHIMNEYS」でガツンときました。
あとは最終曲まで一気に聴かせてくれます、時間が短く感じたのも久し振りです。
直球勝負の王道を行くモダン・ジャズ・カルテットで今年のベスト3候補の1枚です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*KASPER VILLAUME TRIO / 117 DITMAS AVENUE
kasper villaume(p), jesper bodilsen(b), jeff "tain" watts(ds)
2004/STUNT RECORDS/

1 Please Enter-Train
2 Dansevise
3 Seven Steps To Heaven
4 Autumn Nocturne
5 Conception
6 Toys
7 Caravan
8 I Fall In Love To Easily
9 Long Ago And Far Away


キャスパー・ヴィヨーム(p)はピーターソン・トリオでお馴染みの故エド・シグペン(ds)に見出されたようです。
私が最初に聴いたのはボブ・ロックウェル(ts)のライブ盤の「ONE AFTERNOON AT JAZZ CUP」でした。
その後にマシュマロ・レーベルから自己の2枚目のリーダー・アルバムの「ESTATE」で注目されています。
この時のドラムスはモーティン・ルンドでヨーロッパの色が濃いピアノ・トリオでした。
今作ではジェフ”テイン”ワッツ(ds)を起用して従来とはひと味違うドライブ感とスピード感を演出しています。
ワッツの繰り出すリズムが実に効果的にヴィヨームのピアノをプッシュ・アップしています。
ヨーロッパとアメリカのコラボレーションでちょうど良い按配になりました。
(1)のドライブ感、(6)の心地良いスイング感、(9)のフォーバースなどが聴きどころでしょうか。
組み合わせの妙によってヴィヨームの新たな一面を引き出したピアノ・トリオの好盤です。
なお、プロデューサーはベーシストのクリス・ミン・ドーキーです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*KASPER VILLAUME TRIO / ESTATE
kasper villaume(p), jesper bodilsen(b), morten lund(ds)
2002/M&I/

ちょっと前にボブ・ロックウェル(ts)の「ONE AFTERNOON AT JAZZ CUP」という作品を紹介しました。
そのバックでピアノを弾いていた人がこの人、キャスパー・ヴィヨームと読むそうです。
デンマーク出身の28歳、もうすでに注目のピアニストだとは知りませんでした。
今作品は2枚目のリーダー・アルバムで初のピアノ・トリオものです。
演奏の方は上品ですよ。やさしくてやわらかいまろやかなタッチを持っています。
ちょうどヤン・ラングレン的と言えば良いでしょうか。
ラングレンに続いてヴィヨームはこれからの活躍が期待できる北欧ジャズ・ピアニストだと思います。

「You And The Night And The Music」、「Estate」、「Blame It On My Youth」、
「Our Love Is Here To Stay」、「It's All Right With Me」、「I Fall In Love Too Easily」、
「You Must Believe In Spring」、「My Man Is Gone Now」

(中間系)