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Dragon's Jazz Corner

Karel Boehlee (p)


*KAREL BOEHLEE TRIO / AT THE BEAUFORTHUIS
karel boehlee(p), hein van de geyn(b), hans van oosterhout(ds)
2007/CHALLENGE RECORDS/

1 Yuka
2 Passage Of Jaco
3 Below The Surface
4 Goobye Cerbaia
5 Poggi Bonzi
6 Twilight
7 eternal Moonlight
8 Mystery Of Reason
9 Get Your Frinch Back
10 End Of An Illusion
11 In My Dreams


元ヨーロピアン・ジャズ・トリオの初代ピアニスト、カレル・ボエリーの新譜です。
なぜ退団したのか定かではありませんが、もっとやりたいことがいっぱいあったと思っています。
日本で絶大な人気を誇るE・J・Tでは企画や演奏内容がかなり限定されてきますからね。
メンバーは以前「ドラ流・・・」にもした「DEAR OLD STOCKHOLM」(M&I/2004)と同じです。
ただし、今回は全て彼のオリジナルで占められていて、これは初めての試みかもしれません。
トリオのバランスは抜群、深いリリシズムと美しい旋律、彼の求めるサウンドにまた一歩近づいたか。
惜しむらくは曲想がどれも同じようなので起伏や変化に欠けるところがあります。
成熟したピアノ・トリオ作品ではありますがこのシリアスな調子を聴き続けるのは少々辛いです。
クラシックも聴くジャズ・ファンなら評価は高いと思われます。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*KAREL BOEHLEE TRIO / BLUE PRELUDE
karel boehlee(p), hein degeyn(b), hans van dosterhout(ds)
2006/M&I/

カレル・ボエリー(p)がヨーロピアン・ジャズ・トリオを去ってからだいぶ月日が経ちました。
あれから色々なジャズ・メンと共演してその音楽性と技量を高めてきました。
たしかにあのままE・J・Tだけに埋もれさせるには惜しい人材だと思います。
ここでも狙いは日本人ジャズ・ピアノ・トリオ・ファン向けのソフトな味付けにはなっています。
でも、随所にキラリと光るフレーズが出てきたりして彼の才能の豊かさを感じることが出来ます。
ヨーロッパの伝統的な叙情感溢れる作品ですが、”山椒は小粒でもピリリと辛い”という印象です。

「Swing Journal : ゴールド・ディスク」

(中間系)




*KAREL BOEHLEE TRIO / DEAR OLD STOCKHOLM
karel boehlee(p), hein van degeyn(b), hans van oosterhout(ds)
2004/M&I/

1 Yoe
2 Dear Old Stockholm
3 You And The Night And The Music
4 Don't Explain
5 Poggy Bonzi
6 The Silence
7 On Green Dolphin Street
8 Goodbye Cerbaia
9 Mr.T
10 Gentle Brain
11 Pavanne

元ヨーロピアン・ジャズ・トリオの初代ピアニスト、カレル・ボエリーの新譜です。
なぜ退団したのか定かではありませんがもう少しシリアスなものを演奏したかったのかもしれませんね。
甘さを残しながらも表現力を深める、彼が狙ったピアノ・トリオの一つの形がここにあります。
ヨーロピアン・ジャズ・トリオとは一味違っていて、これもまた居心地がとてもいいんです。
ちょうど良い按配というか、心地良く耳に馴染んできて上品な癒し系ピアノ・トリオの作品に仕上がっています。
オリジナルとスタンダードのバランスも良く案外と掘り出し物の一枚になりました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)




* KAREL BOEHLEE TRIO / ROMEO AND JULIET
karel boehlee(p), hein van degeyn(b), hans van oosterhout(ds)
2003/M&I/

1 A Time For Us
2 Autumn Leaves
3 You Must Believe In Spring
4 Hymne A L'amour
5 Little Princess
6 My Funny Valentine
7 Ne Me Quitte Pas
8 Strike Again
9 Rosa Turbinata
10 Les Parapluies De Cherbourg
11 Summer Knows
12 Trust Me


カレル・ボエリーはヨーロピアン・ジャズ・トリオ以来好きなピアニストの一人です。
ボエリーは1960年生まれ、オランダ出身です。
ボエリーのピアノは美しく高貴な香りがする・・・一音一音が心に響き沁みてきます。
どこにも妥協も遊びもないと言ったら分かり易いかもしれません。

全12曲はフランス音楽が中心でミシェル・ルグランが3曲、表題曲や枯葉も入っています。
ボエリー自身のオリジナルは1曲だけ特筆すべきは最後にハービー・ハンコック(p)があることです。
つまりボエリーもハンコック的なピアノに注目していたということなります。
その演奏は唯一のオリジナルの(5)「Little Princess」とハンコックの(12)「Trust Me」で聴けました。
このように収録曲からその時点の演奏者の心境を探るのもジャズ聴きの面白いところです。
当然ながら、当たるも八卦当たらずも八卦になりますが・・・。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)




* KAREL BOEHLEE TRIO / SWITCH
karel boehlee(p), frans bouwmeester(b), hans eykenaar(ds)
1989(1984rec)/Timeless/

1 Autumn Leaves
2 Switch (K.Boehlee)
3 Misty
4 Summertime
5 J.E.S.T
6 On A Clear Day
7 Forest Flower
8 United Blues
9 Recorda Me


カレル・ボエリーは1960年生まれ、オランダ出身です。
ヨーロピアン・ジャズ・トリオ(EJT)の初代ピアニスト、88年にEJTの「ノルウェーの森」でデビューしています。
その美しい音色は一発で日本のクラシック・ファンをも魅了してしまった。
その後に起こったヨーロッパ・ジャズ・ブームに一役買ったのは間違いありません。
ちなみにEJTの二代目ピアニストはマーク・ヴァン・ローンでしたね。
ボエリーはトゥーツ・シールマンスとの共演でも知られていて世界的にはこちらの評価が高いです。
ご存知シールマンスはジャズ・ハーモニカの第一人者でギタリストでもあります。
シールマンスの前任ピアニストは才人ケニー・ワーナーだったのでその後釜に座るというのも凄いと思う。

さて今作は1989年発売ですが録音は1984年になっています。
全9曲は自身のオリジナル1曲にその他スタンダードが8曲の構成です。
ボエリーが大学3年の時に結成したピアノ・トリオでこれが実質的なデビュー盤になりますね。
まぁ、驚くほどの完成度でこれが大学生の演奏とは誰も思いませんよ。
どれを聴いても流麗かつ強靭なタッチと美旋律が瑞々しく弾けていた。
とんでもない演奏が詰まっています。
ヨーロピアン・ジャズ・トリオの息吹、芽生えがここにありました。
(6)「On A Clear Day」は大好きな曲だけどそのスピード感と切れ味に参ってしまった。
1980年代ピアノ・トリオ名盤の一枚です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)