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Dragon's Jazz Corner

Johnathan Blake (ds)


*JOHNATHAN BLAKE QUARTET / GONE, BUT NOT FORGOTTEN
johnathan blake(ds),
chris potter(ts,afl), mark turner(ts,ss), ben street(b)
2014/Criss Cross/

1 CRYIN' BLUES(E.Harris)
2 FIRM ROOTS(C.Walton)
3 MARACAS BEACH(J.Simmons)
4 ALL ACROSS THE CITY(J.Hall)
5 BROSKI(C.Fambrough)
6 BORN YESTERDAY(J.Blake)
7 CIRCLE DANCE(P.Motian)
8 NEW WHEELS(M.Miller)
9 ANYSHA(T.Pitts)
10 THE SHADOWER(J.Blake)
11 TEO FOR THE BLUES(N.Hefti)


ここはメンバー構成が魅力。
現代テナーの雄、クリス・ポッターとマーク・ターナーの組み合わせは見逃せない。
リーダーは先進のドラマーの一人、ジョナサン・ブレイクです。
ピアノ、ギターレスのカルテット編成。
テナー2人のガチンコ勝負が聴きどころで硬質で重量級なのは覚悟していました。

全11曲は自身のオリジナル2曲とその他9曲の構成です。
いわゆるスタンダードは1曲もありません。
最も二人の特徴が出たのは(1)「Cryin' Blues」だと思います。
エディ・ハリス(ts)の作品でファンキー&ソウルなブルース曲です。
いくら先進のテナー奏者でもその根っこにはファンキー&ソウル&ブルースがある。
ユニゾンでテーマが示され、先行はクリス・ポッター・・・熱くスリリングなソロが展開されます。
続くマーク・ターナーはクールで浮揚感のあるソロを展開して二人の特徴が際立ちます。
シダー・ウォルトン(p)のバップの名曲(2)「Firm Roots」ではターナーが先行、ポッターが続く。
(3)「Maracas Beach」は美しいテーマを持つラテン調・・・ここではポッターのアルト・フルートが聴けます。
(5)「Broski」は急速調、ストレートな展開の(8)「New Wheels」、(9)「Anysha」はバラードです。
(10)「The Shadower」はドラム・ソロ、重厚なブルース曲(11)「Two For The Blues」で閉じる。

つかみどころがない茫洋としたターナーのテナーと切れ味鋭く踏み込んでくるポッターのテナー。
対照的で持ち味の違う二人の相性は抜群です。
バックを支えるブレイクのドラミングも多彩・・・選曲も変化に富んでいて飽きさせません。
そんな中での私的ベスト・トラックはジム・ホール(g)の(4)「All Across The City」です。
バラード・・・切なく響くのテーマと続くテナー・ソロがなんとも心に沁みました。
どことなく懐かしさを感じるテーマを持つブレイクのオリジナル(6)「Born Yesterday」も良かった。
ここではターナーのソプラノ・サックスとベン・ストリート(b)もフューチュアーされます。
基本的にドラマーの書く曲は美しくやさしいのはここでも証明されました。
(7)「Circle Dance」・・・題名どおりクルクルと回転するように舞う曲想が面白かった。
ポール・モチアン(ds)の曲ですがブレイクが尊敬しているのがよく分かりますね。

絡み合うテナー・サックス・・・二人の個性が相まって興味深い作品に仕上がったと思います。
最近はこれほど真面目に向き合った作品はなかった。
いつも聴きやすいものばかりだったから・・・。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)