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Dragon's Jazz Corner

James Moody (ts)


* JAMES MOODY & MARK TURNER / THE TWO TENORS
james moody(ts), mark turner(ts),
larry goldings(p), ben wolfe(b), clarence penn(ds)
1997/Warner Bros/

1 The Plain But The Simple Truth
2 The Man I Love
3 Ludwig
4 We'll Be Together Again
5 Alone Together
6 If You Could See Me Now
7 Satellite
8 Hesitation Blues


先週のシェリル・ベンティーン盤でジェームス・ムーディ(ts)の名前を見かけました。
そういえば「ムーディも長い間意識して聴いたことがないなぁ〜」と思いました。
ムーディは1925年生まれ、ジョージア州出身、2010年に85歳で亡くなっています。
ディジー・ガレスピー(tp)のバンドに加わって知られるようになってきました。
バラードの「I'm In The Mood For Love」が大ヒットしたのでスタイルが決まってしまった。
名前の「ムーディ」のイメージもピッタリだった・・・これが良くもあり悪くもあったかもしれません。
フルートの名手でもあり、実際はモダンなプレイも出来るけれど惜しかったと思います。

マーク・ターナー(ts)は1965年生まれ、オハイオ州出身でバークリーを出ています。
ジョシュア・レッドマン(ts)を継ぐテナー奏者として1990年代に頭角を現してきました。
ブラッド・メルドー(p)、ラリー・グレナディアー(b)、ジョージ・ロッシー(ds)のアート・オブ・ザ・トリオ、
カート・ローゼンウィンケル(g)、ブライアン・ブレイド(ds)、ケヴィン・ヘイズ(p)などの
錚々たるメンバーと共演して浮揚感のある新感覚ジャズを先導していました。

今作はジェームス・ムーディとマーク・ターナーの共演盤です。
バックはラリー・ゴールディングス(p)、ベン・ウォルフ(b)、クラレンス・ペン(ds)のトリオです。
一般的に超ベテランと若手との組み合わせは上手くいかないと思っています。
なぜなら若手はベテランに気を遣うし、ベテランはすでに力が落ちている場合が多いから。
でも今作はムーディが意外なほど元気なので驚かされました。
モダンなムーディには聴き応えがあるし、十分に2テナー共演盤としてのレベルは保っています。
ラリー・ゴールディングスのピアノ・トリオもいいです。
どうするか、入手を迷った一枚だっただけに良い意味で意外性のあった作品でした。
ジェームス・ムーディ晩年の代表作になりました、お勧めです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



* JAMES MOODY QUARTET / MOODY PLAYS MANCINI
james moody(as,ts,ss,fl,vo),
gil goldstein(key,arr), todd coolman(b), terri lyne carrington(ds)
1997/Warner Bros/

1 The Pink Panther
2 Slow Hot Wind
3 Moon River
4 Silver Streak
5 Royal Blue
6 Too Little Time
7 Charade
8 Soldier In The Rain
9 (I LoveYou And) Don't You Forget It
10 Two For The Rosd


ここにきてジェームス・ムーディ(ts)のアルバムを何枚か入手しました。
先週に続いて2枚目の紹介になります。
今回はいかにもムーディらしい企画盤でヘンリー・マンシーニの映画音楽作品集になりました。
これならある程度のイメージがつかめると思います・・・やっぱりムードがピッタリなのでいいですよ。
ムーディは芸達者のエンターテナーのようですね。
(3)と(9)の2曲でヘタウマ的な歌を披露しているけどご愛嬌の域を出ていません。
一般的にジャズ・マンの歌は声が太い、渋い、ナット・キング・コール風と相場が決まっています。
(1)と(8)でフルートを披露していますがこれが達者なんですよ。
(2)と(7)と(10)で聴けるムーディのソプラノ・サックスはクリアで爽やかな音色を持っています。
特に(2)「Slow Hot Wind」はメロディの美しさと相まって最高です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)




* JAMES MOODY QUARTET / YOUNG AT HEART
james moody(sax,fl,vo),
mulgrew miller(p)(4,7,8,10), larry goldings(p)(1,2,3,5,6,9)
tedd coolman(b), billy drummond(ds), orchestra & others
1996/Warner Bros/

1 Young At Heart
2 Love And Marriage
3 Nancy (With The Laughing Face)
4 That Old Black Magic
5 Only The Lonely
6 The Song Is You
7 In The Wee Small Hours Of The Morning
8 It Was The Very Good Year
9 Come Fly With You
10 A Nightingale Sang In Berkeley Square


ジェームス・ムーディ(ts)の3枚目のアルバム紹介です。
図らずも1996〜97年のワーナー盤を入手したことになりました。
3枚の中では最もムーディの往年のスタイルが出ていると思います。
ムーディの代表作に「ウィズ・ストリングス」↓というアルバムがあります。

*James Moody With Strings (Argo/1961)

こちらはオーケストラがバックですが一番それに近い雰囲気が出ています。
ムーディーは端正でスマート、ロマンティックで美しいメロディ・ラインを聴かせてくれました。
ヴォーカルも(1)で披露していますが聴き慣れてくると愛嬌があっていい感じです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)




* JAMES MOODY / MOODY WITH STRINGS
james moody(ts,fl), orchestra, strings
1960/Argo/

1 Dorothee
2 Love For Sale
3 Another Day
4 All My Life
5 I'm Old Fashioned
6 Fools Rush In
7 Somerset
8 I Remember Clifford
9 Love Walked In
10 A Song Of Love
11 Dorian Mood


ジェームス・ムーディ(ts)の最高傑作と目されているアルバムです。
評価が高いミュージシャンの多くがストリングスをバックにした作品を残していますね。
たとえ売れ行きはもう一つでもそれだけ魅力があるんだろうと思います。
自分に焦点が向き実力がそのまま出るので当たり前といえば当たり前ですが・・・。
さて、今作も良かったです。
ムーディどころか疾走感のあるキレのいいサックスとフルートを聴かせてくれています。
実にモダンな演奏でハード・バッパーとしてのムーディの神髄がここにありました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)