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Dragon's Jazz Corner

High Five Quintet (grp)


*HIGH FIVE QUINTET / SPLIT KICK
fabrizio bosso(tp, flh), daniele scannapieco(ts),
luca mannutza(p), tommaso scannapieco(b), lorenzo tucci(ds)
2010/Blue Note/

1 Split Kick
2 Motorizzazione
3 Some Day My Prince Will Come
4 Il Testimone
5 Quicksilver
6 Spirito Libero
7 Sad Day
8 Something Cute
9 Peace


先日紹介した「プリズム5」を聴いた時に「ハイ・ファイブ」を思い出しました。
ファブリッツィオ・ボッソ(tp)とダニエル・スカナピエコ(ts)を中心にした「ハイ・ファイブ」は
イタリア発の新感覚のハード・バップ・グループで最初に聞いた時には興奮しました。

トランペット&サックスのフロント2管のクインテットはまさにモダン・ジャズの王道です。
チャーリー・パーカー(as)・クインテット、ジャズ・メッセンジャーズ、ホレス・シルバー(p)・クインテット、
リー・モーガン(tp)、ハンク・モブレイ(ts)、ドナルド・バード(tp)、ケニー・ドーハム(tp)など、みんなそうだった。
特にトランペット&テナー・サックスの組み合わせはマイルス・デイビス・クインテットに
代表される王道中の王道で私の一番好きな組み合わせです。

今作の狙いは明らかにホレス・シルバー・クインテットでファンキー・ムードがいっぱいでした。
シルバーやリー・モーガンの曲を取り上げていて気分はモダン・ジャズ全盛の50年代です。
同時にこのグループの特徴でもある明るくさわやかなイタリアン・サウンドを聴くことができます。
聴きやすく楽しいジャズ・アルバムであることは疑いありません。
全体的にアップ・テンポは良く、バラードの出来はいま一つのような気がしました。
収録時間の45分は短いかな。

ベストは断然ダニエル・スカナピエコのオリジナルの(7)「SAD DAY」です。
ここでのボッソが素晴らしい・・・見事にコントロールされたトランペット奏法を聴かせてくれました。
続くスカナピエコもジョン・コルトレーン(ts)ばりのモーダルな演奏で迫ってきます。
モーガンの(8)「SOMETHING CUTE」もネオ・バップ・グループにふさわしいサウンドで注目しました。

あと聴きどころになるのは今作のコンセプトを表現した(1)「SPLIT KICK」です。
この曲はアート・ブレイキーの「バードランドの夜」(53年)の1曲目に収録されたものです。
まさにハード・バップの夜明けを告げた「バードランドの夜」はジャズ・ファンなら必聴の名盤です。
クリフォード・ブラウン(tp)、ルー・ドナルドソン(as)、
ホレス・シルバー(p)、カーリー・ラッセル(b)、アート・ブレイキー(ds)
司会のピーウィー・マーケットの紹介から始まる演奏に興奮すること請け合いです。
まだの人は是非聴いてみて下さいね。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*HIGH FIVE QUINTET / LIVE FOR FUN
fabrizio bosso(tp), daniele scannapieco(ts),
luca mannutza(p), pietro ciancaglini(b), lprenzo tucci(ds)
2009/BLUE NOTE/

イタリア発、今最も熱い新世代最強ジャズ・バンド!
ブルーノート東京での熱狂ライブ・アルバム登場!
(帯中よりの抜粋)

「Passion Dance」、「Adam's Apple」、「Inception」、「Body & Soul」、
「What Is This Thing Called Love」

(中間系)




*HIGH FIVE QUINTET / FIVE FOR FUN
fabrizio bosso(tp), daniele scannapieco(ts),
luca mannutza(p), pietro ciancaglini(b), lprenzo tucci(ds)
2008/BLUE NOTE/

ハイ・ファイブはイタリア発のストレート・アヘッドなハード・バップ・グループです。
ファブリッツオ・ボッソ(tp)とダニエル・スカナピエコ(ts)のフロント2管が魅力。
両者共に個人的にも大活躍しています。
ハイ・ファイブを買ったのはこれで3枚目になります。
2002年、2004年、今回が2008年なので少なくても6年以上の歴史があります。
人気急上昇ということでメジャーのブルー・ノート・レーベルから発売されることになりました。
前回とメンバーも変わっていないのでこれからも長期に渡って活躍するグループになりそうですね。
2曲を除いてはメンバーのオリジナルが中心。
ここでも相変わらずのご機嫌で切れの良いハード・バップ・ジャズを聴かせてくれました。
表題曲の「FIVE FOR FUN」はホレス・シルバー・クインテットを彷彿とさせるファンキーな曲調を持っています。
全員が生き生きとした演奏を繰り広げていて気分爽快、文句なしに楽しめるアルバムです。

2008年11月に来日公演が行なわれその評判は上々でした。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*HIGH FIVE QUINTET / JAZZ DESIRE
daniele scannapieco(ts.ss), fabrizio bosso(tp)
luca mannutza(p), pietro ciancaglini(b), lorenzo tucci(ds)
2004/VIA VENETO JAZZ/

1 Conversation
2 Another One Bites The Dust
3 Libero
4 Dubai
5 Campagna
6 Condado
7 Shade Of Gira
8 Wide Green Eyes
9 The Driver


これにはもう驚いてしまいましたよ。現代の名コンボと言えるのではないでしょうか。
「HIGH FIVE QUINTET」、イタリアからなんとも魅力的な若手?グループが飛び出してきました。
2002年にはアルバムを出しているようなので案外にこのグループの歴史は長いのかもしれませんね。
今、ヨーロッパで最も注目されているファブリッツオ・ボッソ(tp)を始めとして各人が相当の実力の持ち主です。
普通、ハード・バップ・コンボというとベテランが1人か2人、入っていて、彼らがその中心になることが多いです。
しかし、このグループは同世代のメンバーだけで彼らなりの近代的なハード・バップを演奏しているのが最大の特徴です。
フロント2管は↓の(7)でも紹介したスカナピエコ(ts)とボッソ(tp)のコンビで強力な組み合わせです。
ルカ・マヌッツア(p)他のバックのメンバーも良し、バランス良し、若手らしく物怖じせず思い切りのよい演奏が聴けます。
曲目は1曲を除いてメンバーのオリジナルで占められており新鮮、新感覚のハード・バップが楽しめる一枚です。
素晴らしくまとまりのあるコンボで一聴の価値は十分、、みなさんもそのまとまりの良さに驚かせれると思います。
(10)、(11)はボーナス・トラックですがニコラ・コンテのアレンジに軽く対応するあたりはさすがに現代っ子か。
(1)、(10)、(11)、これの聴き比べも面白かったです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*HIGH FIVE QUINTET / JAZZ FOR MORE...
daniele scannapieco(ts.ss), fabrizio bosso(tp)
julian mazzariello(p), pietro ciancaglini(b), lorenzo tucci(ds)
2002/VIA VENETO JAZZ/

「HIGH FIVE QUINTET」の初アルバムだと思います。
自主制作盤かもしれません。
大ブレイクする前のフレッシュなプレイが聴けます。
ホレス・シルバーの名曲「The Jody Grind」を演奏していますがこのラインも狙い目かな。

「Easy Living」