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Harold Mabern (p)


* HAROLD MABERN QUARTET / THE IRON MAN : LIVE AT SMOKE
harold mabern(p),
eric alexander(ts), john webber(b), joe farnsworth(ds)
2018/Smoke Sessions/

Disk 1
1 A Few Miles From Memphis (H.Mabern)
2 I Get A Kick Out Of You (C.Poter)
3 I Know That You Know (V.Youmans/A.Caldwell)
4 I Remember Clifford (B.Golson)
5 T-Bone Steak (J.Smith)
6 Almost Like Being In Love (F.Lowe/A.J.Lerner)
7 Dear Lord (J.Coltrane)


Disk 2
1 Nightlife In Tokyo (H.Mabern)
2 She's Out Of My Life (T.Bahler)
3 How Insensitive (A.C.Jobim/N.Gimbel)
4 Mr.P.C. (J.Coltrane)
5 On A Clear Day (B.Lane/A.J.Lermer)
6 You Are Too Beautiful (R.Rodgers/L.Hart)
7 Rakin' And Scrapin' (H.Mabern)


ハロルド・メイバーン(p)は1936年生まれ、テネシー州のメンフィス出身、2019年9月に83歳でなくなりました。
やや遅れてきたハード・バッパーでバド・パウエル直系のピアニストとしては最後の年代になります。
私が注目したのはハンク・モブレー(ts)の大ヒット作「ディッピン」やリー・モーガン(tp)の「ジゴロ」からでした。

ジャズ低迷期を過ぎて90年代に入るとエリック・アレキサンダー(ts)との共演で不死鳥のように蘇ってきました。
メイバーンは現代シカゴ・ジャズの大御所になっていてエリックにとっては師匠格で父親みたいな存在だった。
エリックはどれだけのジャズ・スピリッツを受け継いだものか。
メイバーンを何度かライブでも見ていますがパワフルでエネルギッシュなピアノ奏法は強烈な印象を残しました。
その強靭なタッチと切れ味は実にソウルフルで抜群のスイング感を持っています。
「この年で何でここまで元気なんだ?」・・・まさに鉄人、まだまだ元気に活躍できると信じていた。
最後のアルバムの題名が「The Iron Man / Live At Smoke」だったのは言い得て妙だと思いました。
一つ忘れていけないのがメイバーンは強烈過ぎて目立たないけどジャズ・ピアノの名手だということです。

さて今作はメイバーンの最後のライブ・アルバムになったレギュラー・カルテットによる2枚組です。
全14曲は自身のオリジナル3曲とその他コルトレーンの2曲を含むスタンダードが11曲の構成です。
内容は推して知るべしの純ハード・バップ・アルバムです。
艶やかで安定感溢れるエリック・アレキサンダーのテナー・サックスが聴きどころになりました。
ただメイバーンにしては大人しくて落ち着いたアルバムに仕上がっています。
ちょっと物足りない部分もあるけれど選曲の良さとメイバーン最後の作品としての価値はあると思う。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*HAROLD MABERN QUARTET / MR. LUCKY
harold mabern(p), eric alexander(ts), john webber(b), joe farnsworth(ds)
2012/HighNote/

1 The People Tree
2 As Long As She Needs Me
3 Soft Shoe Trainin' With Sammy
4 Hey There
5 I've Gotta Be Me
6 Mr. Lucky
7 What Kind Of Fool Am I ?
8 Night Song
9 Something's Gotta Give


ハロルド・メイバーンはやや遅れてきたハード・バッパーと言えるかもしれませんね。
1936年生まれの今年で76歳・・・バド・パウエル直系のピアニストとしては最後の年代かな。
近年の活躍には目覚しいものがあって典型的な遅咲きのプレイヤーです。
何年か前に見たライブではその強靭なタッチと切れ味に驚かされました。
実にソウルフルで抜群のスイング感を持っていました。

メイバーンに注目したのはハンク・モブレー(ts)の大ヒット作「ディッピン」や
リー・モーガン(tp)の「ジゴロ」からでした。
私は当時のリーダー作を持っていないのでほとんどノー・マークというか手が回らない存在でした。
低迷期を過ぎて90年代に入るとエリック・アレキサンダー(ts)との共演で不死鳥のように蘇ってきました。
メイバーンはエリックにとっての師匠格で、父親みたいな存在だと思います。
どれだけのジャズ・スピリッツを受け継いだものか。

内容は推して知るべしの純ハード・バップ・アルバムです。
副題には「サミー・デイビス・Jrに捧げる」とあります。
あまり馴染みのない曲が多いですがサミー・デイビスのヒット曲だと思います。
(7)「NIGHT SONG」がただ1曲のピアノ・トリオ演奏・・・ロマンティックで美しいです。
(4)「HEY THERE」のソロ・ピアノも聴きどころでメイバーンの実力をを余すところなく伝えています。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




* HAROLD MABERN TRIO / SOMEWHERE OVER THE RAINBOW
--Harold Plays Arlen--
harold mabern(p), dwayne burno(b), willie jonesV(ds)
2006/Venus/

1 Somewhere Over The Rainbow.
2 A Sleeping Bee
3 Blues In The Night
4 Out Of This World
5 Savanna
6 Hooray For Love
7 Stormy Weather
8 I've Got The World On A String
9 The Man That Got Away
10 This Time The Dream's On Me


ハロルド・メイバーン(p)もまた80歳を過ぎても現役で活躍するジャズ怪物の一人です。
パワフルかつ強靭なタッチの持ち主でスイング感溢れる演奏は元気がもらえるピアニストです。
やや情緒には欠けるけれど機関車の如く突っ走る奏法には魅力があります。
エリック・アレキサンダー(ts)の師匠格としても知られていますね。

全10曲は全てハロルド・アーレンの作品です。
今作はそこに惹かれました。

(中間系)




*HAROLD MABERN TRIO / FANTASY
harold mabern(p), dwayne burno(b), joe farnsworth(ds)
2004/VENUS/

E・W・&Fの大ヒット曲「宇宙のファンタジー」、リー・モーガンの名曲「サイド・ワインダー」他、
スタンダード曲等に彼の美旋律のオリジナル・バラードを含む強力無比の選曲で
メンバーン節が全開の傑作アルバム。
(帯中よりの抜粋)

「Almost Like Biing Love」、「The Sidewinder」

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]

(まじめ系)




* HAROLD MABERN TRIO / DON'T KNOW WHY
harold mabern(p), nat reeves(b), joe farnsworth(ds)
2003/Venus/

1 Edward Lee
2 Dance With Me
3 My Favorite Things
4 Don't Know Why
5 Dreamy
6 Cabu
7 The Surrey With The Fringe On Top
8 Nightlife In Tokyo
9 Blues For David
10 My Shining Hour


ハロルド・メイバーンも今年の9月に83歳で亡くなってしまいました。
メイバーンは1936年生まれ、テネシー州のメンフィス出身、キャリアはシカゴからスタートしています。
現代のシカゴ・ジャズの大御所でエリック・アレキサンダー(ts)などの父親的存在であるのはよく知られています。
何度かライブでも見ていますがそのパワフルでエネルギッシュなピアノ奏法は強烈な印象を残しました。
「この年で何でここまで元気なんだ?」・・・まさに鉄人、まだまだ元気に活躍できると信じていた。
最後のアルバムの題名が「The Iron Man / Live At Smoke」(2018)だったのは言い得て妙だと思いました。

1960年代は主流派のジャズ・ピアニストとして輝かしいキャリアを残しています。
アート・ファーマー(tp)、ローランド・カーク(sax)、リー・モーガン(tp)、ウェス・モンゴメリー(g)、フレディ・ハバード(tp)等々。
加えて最初のレコーディングがジミー・ホレスト(ts)ということでソウル・ジャズのくくりもあります。
スタイル的にはマッコイ・タイナー(p)に一番近いと思っています。
タッチが強烈なだけに情緒的にはやや欠けるところがあるけど聴いているうちに元気がもらえるのも確かです。
そして実はピアノを転がせる凄いテクニシャンでジャズ・ピアニスト界における名手の一人とも言えます。

(中間系)




*HAROLD MABERN TRIO / KISS OF FIRE
harold mabern(p), nat reeves(b), joe farnsworth(ds)
eric alexander(ts)(1,3,7,10)
2002/VENUS REC/

ハロルド・メイバーン・トリオにエリック・アレキサンダー(ts)をゲストに迎えての作品です。
この二人にジョー・ファーンズワーズ(ds)は付き合いも長いので気心は十分に知れています。
私としてはちょっと食傷気味でしたがここではいい感じで共演出来ていると思いました。
ラテン、ボサノバ系の曲を中心に選曲して全10曲、うち4曲がカルテットでの演奏です。
トリオとの比較で6:4ですから構成もちょうど良い按配になっています。
メイバーンの出来も良くファーンズワーズのけれん味のないプレイも好感がもてます。
全体的に甘さ控え目で聴き応えも十分、ぐっと引き込まれてしまう一枚です。
それにしてもアレキサンダーのボサノバ表現は面白いですね。
ここでも直球一本槍を通しています。
ちょうどエリック・アレキサンダーが2枚続きましたが私の評価はこちらの方が高いです。

「How Insensitive」、「Nancy」、「Bag's Groove」、「Blue Bossa」、
「Black Orpheus」、「Reccardo」、「Kiss Of Fire」

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]

(まじめ系)