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Dragon's Jazz Corner

Grant Stewart (ts)


* GRANT STEWART TRIO / ROLL ON
grant stewart(ts), paul sikivie(b), phil stewart(ds)
2017/Cellar Live/

1 Thinking Of You (H.Ruby/B.Kalmar)
2 Here I'll Stay (K.Will)
3 After You've Gone (T.Layton/H.Creamer)
4 Just As Though You Were Here (J.B.Brooks/E.Delange)
5 Un Poco Loco (B.Powell)
6 End Of A Love Affair (E.C.Redding)
7 Fats Flats (F Navarro)
8 Do You Know What It Means To Miss New Orleans (E.Delange/L.Alter)
9 Roll On (E.Hope)


グラント・スチュアート(ts)のピアノレス・トリオ盤です。
グラント・スチュアートについてはあまり興味がなかったのでほとんど情報を持っていませんでした。
テナー奏者にしては茫洋としていてちょっとぼやけた感じがしたからです。

グラントは1971年生まれの現在46歳です。
ちなみにエリック・アレキサンダー(ts)は48歳でハリー・アレン(ts)は50歳なので一番若いです。
解説を読んでみるとグラントはカナダ出身、トロントでパット・ラバーレラ(sax)とボブ・ムーバー(sax)に師事したとありました。
今作のルーツはソニー・ロリンズ(ts)のトリオ盤で「Way Out West」(1957)、「Village Vanguard」(1957)、「Freedom Suite」(1958)だそうです。
サックス奏者がある程度のキャリアを積んでくるとピアノレス・トリオをやりたくなる傾向にあるようですね。
そんなこともあって有名サックス奏者のほとんどにピアノレス・トリオ盤が出ています。
グラントとっては2枚目のピアノレス・トリオになります。

改めて私がグラントのテナーにピンとこないのはなぜだろうと考えてみました。
落ち着き過ぎている・・・抑揚がないというか、どうも一本調子に聴こえてしまうのです。
くねる奏法・・・音域も狭いような気がするし、無理してない、冒険していない感じがします。
私はテナー・サックスが大好きだけど突き抜ける鋭い音色と切れ味が欲しいです。
まあね、最後はやはり好みの問題だと思います。

ピアノがないとなればサックスに歌心が欠かせませんね。
で、ここではサラ・ヴォーンとフランク・シナトラをイメージしたと書いてありました。
私は今作でのグラントは今まで聴いた中で一番良いと思いました。
特に(4)、(6)、(8)のバラードが聴きどころになりました。
マイペースでのんびり、ゆったりと歌う感じがぼんやりとした音色に合っています。
グラントは牧歌的、演歌的歌い方をするサックス奏者だと認識しました。
表題曲はエルモ・ホープ(p)の曲ですがホープには作曲の才もあったので取り上げられたのは嬉しいです。
なおドラマーのフィル・スチュワートはグラントの弟だそうです。


「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




* GRANT STEWART QUARTET / AROUND THE CORNER
grant stewart(ts,ss),
peter bernstein(g), peter washington(b), phil stewart(ds)
2010/Sharp Nine/

1 Get Happy
2 The Scene Is Clean
3 I Waited For You
4 That's My Girl
5 Blue Rose
6 Maybe September
7 Around The Corner
8 Something's Gotta Give


グラント・スチュワート(ts)もまた去年再評価したプレイヤーの一人です。
それで見つけたら買い足している状態になっています。
グラントは多作家ですがそれだけ人気があるということでしょうね。
ゆったりとした豊かな音色を持っています。
一応、ソニー・ロリンズ、デクスター・ゴードン、ジョニー・グリフィン辺りがルーツになるかな。

今作はピーター・バーンステインのギター・トリオをバックにしたワン・ホーンです。
テナー・サックスは特別語ることはないけれど2曲で演奏したソプラノ・サックスが良かったです。
グラントのやわらかで茫洋とした持ち味がソプラノ・サックスの音色に生きて新鮮でした。
(2)「The Scene Is Clean」と(6)「Maybe September」が聴きどころになりました。
ベストはその後者です。

(中間系)




*GRANT STEWART QUINTET / PLAYS JAZZ BALLADS
grant stewart(ts), peter bernstein(g),
david hazeltine(p), peter washington(b), phil stewart(ds)
2009/Birds/

1 I'm A Fool To Want You
2 Luiza
3 You Don't Know What Love Is
4 Flamingo
5 I've Grown Accustomed To Your Face
6 Everything Happens To Me
7 Sophisticated Lady
8 Smoke Gets In Your Eyes


グラント・スチュワート(ts)については現在再評価中です。
茫洋としてちょっとぼやけた印象を持っていたのであんまり意識していなかった。
でもライアン・カイザー(tp)盤やエリック・アレキサンダー(ts)との共演盤で聴く機会は多かったです。
意外にもリーダー作を5枚も持っているので無意識のうちに意識していたのかもしれませんね。
どれを聴いても安心感があるような気がしていたのも事実です。

さて今作はそんなグラントのバラード作品集です。
大好きな「Everything Happens To Me」が入っていたのが入手の決め手になりました。
ところでこの「Everything Happens To Me」の作曲者に2説あるのを知っていますか。
一般的にはマット・デニス(vo,p)なんだけど今週紹介の2枚ではホギー・カーマイケル(p)になってます。
なんでこうなるのか摩訶不思議です・・・どちらが本当なのかな。

全8曲は全てスタンダードでバラードで演奏されています。
グラントにはこういうスローなテンポが合っていて、今作は今まで聴いた中で一番良かったです。
ストレートにゆったりとバラードを吹かせたら歌心満点の良さが出ました。
ここがグラントの神髄だと納得しました・・・私はいつも気付くのが遅いです。
(6)「Everything Happens To Me」はもちろんですが(8)「Smoke Gets In Your Eyes」も素晴らしい。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)




*GRANT STEWART QUARTET / YOUNG AT HEART
grant stewart(ts)
tardo hammer(p) peter washington(b) joe farnsworth(ds)
2008/SHARP NINE RECORDS/

グラント・スチュアートは明らかに過渡期にあるようですね。
若い時なら直球一本のストレート勝負でいけますが年齢と共にそれも厳しくなります。
ここではパワーを抑えて滑らかな演奏を心がけているような印象を受けました。
反面、豪快な音色は影を潜めてしまったのが残念な気もします。
これからどう変化していくのか、楽しみに見守ることにしましょう。
今作は大人のムードなのでゆったりとBGMで流してみたらいいと思います。
テナー・サックスのジャズ入門盤としてお勧めしておきます。

(くつろぎ系)




*GRANT STEWART QUINTET / SHADOW OF YOUR SMILE
grant stewart(ts), peter bernstein(g)
tardo hammer(p), peter washington(b), lewis nash(ds)
2007/BIRDS RECORDS/

このグラント・スチュワート(ts)の新譜は新レーベルのBIRDS RECORDSの記念すべき第一弾だそうです。
私がグラント・スチュワートを聴いたのは最近になってからのことです。
もちろん、名前だけはあちこちで聞いていましたがなぜか聴くのが遅れました。
特筆すべきはやはり彼の音色でしょうね。
その腹の底に響いてくるようなぶっとい音色は一度聴いたら忘れられないほど個性的で魅力的があります。
これでスタンダードをじっくりと吹き上げられたらたまらないだろうとは誰しもが考えることです。
今作はタルド・ハマー(p)、ピーター・ワシントン(b)、ルイス・ナッシュ(ds)の魅力あるリズム・セクションに加えて、
旧知のピーター・バーンステイン(g)が参加しています。
正直なところ、テナー・サックス一本で聴かせるにはまだ厳しいところがあるのでバーンステインの起用が大正解。
このバーンステインの存在にインパクトがあり、程好いアクセントになっています。
聴きどころはやはり表題曲の「SHADOW OF YOUR SMILE」になるでしょうか。
正統派のテナー奏者として、エリック・アレキサンダー、ハリー・アレンと共に人気は高いと思います。
エリックとの2テナーのユニットは人気があるようですね。
これで艶やかさを増していけば鬼に金棒、スケールの大きいテナー奏者に育って欲しいものです。

「This Could Be The Start Of Something Big」、「Shadow Of Your Smile」、
「You And The Night And The Music」、「Danny Boy」、「I Won't Dance」、「Autumn Leaves」

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]

(中間系)




*GRANT STEWART QUARTET / IN THE STILL OF THE NIGHT
grant stewart(ts)
tardo hammer(p), peter washington(b), joe farnsworth(ds)
2007/SHARP NINE RECORDS/

グラント・スチュアート(ts)の名前は幾度となく聞いていましたが購入したのは今回が初めてです。
ワン・ホーンのスタンダード・アルバムということでじっくりと聴くことができました。
安心して聴いていられるオーソドックスなメインストリーマーです。
私が最初にイメージしたのはその野太い音色からジョニー・グリフィン(ts)でした。
デクスター・ゴードン(ts)やソニー・ロリンズ(ts)にも近いと思いました。
派手さはありませんが一歩一歩確実に階段を登っていくタイプとみました。
今の段階では刺激的、個性的といった面で今ひとつ物足りない部分があります。
しかし、スケールの大きさはは感じさせるのでこのまま大きく伸びていって欲しいものです。
あと10年したらゆったりとしたバラード演奏も素晴らしいものになるでしょう。

(中間系)




* GRANT STEWART QUINTET / ESTATE
grant stewart(ts), joe cohn(g),
ehud asherie(p), joel forbes(b), phil stewart(ds)
guest:eric alexander(ts)(1,6)
2006/Videoarts Music/

1 Syetems
2 Soul Station
3 Rain Check
4 Estate
5 Carving The Rock
6 3 For Carson
7 Jacqueline
8 Cool Struttin'
9 Felicidate


グラント・スチュワート(ts)を再評価してから見かけるたびに未聴アルバムを収集しています。
今作はギター入りクインテット編成で2曲にエリック・アレキサンダー(ts)がゲスト参加しています。
ステュアートは1971年生まれ、カナダのトロント出身、主筋はソニー・ロリンズになると思う。
現代のテナー・サックス奏者の多作家といえばスコット・ハミルトン、ハリー・アレン、エリック・アレキサンダー、
とこのグラント・スチュワートが四天王でつまり世界中で高く評価されているということになります。
結局、多くのジャズ・ファンはなんだかんだと言いながらも聴きやすくて癒されるジャズを求めている。
もちろん私もその一人です。

今作は案外目立たず地味な一枚かも知れないけど結構良かったです。
ゆったりとして大らかなスチュワートの特徴がよく出ていました。
表題曲の(4)「Estate」におけるバラード奏法も秀逸で全体的にジャズ度が高いと感じました。
今作に関してはゲストのエリックは余計だったんじゃないかな。
ワン・ホーンで通した方がスッキリとまとまったような気がします。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




* GRANT STEWART QUINTET / TENER AND SOUL
grant stewart(ts), joe cohn(g),
ehud asherie(p), joel farbes(b), phil stewart(ds)
ryan kisor(tp)(4,8)
2005/Vdeoarts/

1 Hush A Bye
2 Willow Weep For Me
3 Old Devil Moon
4 Alacant
5 On Green Dolphin Street
6 Tijuana Gift Shop
7 Quiet Sip
8 Dr.Bob's Nightmare


グラント・スチュワート(ts)の2005年の作品です。
先週のライアン・カイザー(tp)盤と同時期に吹き込まれたものでしょうね。
2曲にそのカイザーがゲスト出演しています。

スチュワートについてはあまり意識していませんでした。
でも収集対象にあるエリック・アレキサンダー(ts)との「Reeds And Deeds」やライアン・カイザー盤で馴染みがあります。
私自身が思っていたよりも聴いていて今作が5枚目のリーダー・アルバムの購入になりました。
「え〜、そんなにあったのか〜」という感じです。

全8曲は自身のオリジナル2曲とその他6曲の構成です。
その他ではチャーリー・ミンガス(b)の(6)「Tijuana Gift Shop」とサド・ジョーンズ(tp)の(7)「Quiet Sip」が新味か。
残りの4曲は超有名なスタンダード・ナンバーなので安心感がありました。
ジョー・コーン(g)とのコンビネーションが抜群で全編にわたってスチュワートが大らかに堂々と歌っています。
ちなみにジョー・コーンはアル・コーン(ts)の息子でハリー・アレン(ts)との双頭コンボでも知られていますね。
エリック・アレキサンダーがジョン・コルトレーン(ts)ならグラント・スチュワートはソニー・ロリンズ(ts)が出自です。
さらに二人共にデクスター・ゴードン(ts)の影響を強く感じます。
今作が良かったのでもう少し意識してスチュワートを聴いてみようかと思っています。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)