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Dragon's Jazz Corner

Giovanni Mirabassi (p)


* GIOVANNI MIRABASSI QUARTET / NO WAY OUT
giovanni mirabassi(p), gianluca renzi(b), lukmil perez herrero(ds),
stefon harris(vib)
2015/Cam Jazz/

1 No Way Out
2 The Snow While Syndrome
3 Two Finger Snaps
4 L'Audace
5 Palm'air
6 What Was That Dream About
7 Canzone
8 UBandolero Stanco


そろそろヴィブラフォン聴きも終わりにしたいと思っています。
最後を飾るのはステフォン・ハリス(vib)です。
ステフォンは自己のアルバムでは一ひねりあるので他に何かないかと探しました。
で、見つけたのがこれです。
ストレートなジョヴァンニ・ミラバッシ(p)との共演盤なら間違いないと思いました。

ミラバッシもまた先々週に紹介したウラジミール・シャフラノフ(p)と同様にサワノが見出したジャズ・ピアニストです。
私のサワノのピアノ・ベスト3はこの二人にヨス・ヴァン・ビースト(p)を加えた3人です。
3人の中で一番刺激的な音を聴かせてくれるのが今回のミラバッシでさすがにイタリア・ジャズ界は層が厚い。

全8曲は全てミラバッシ自身のオリジナルで占められています。
スタンダードが1曲もないですがミラバッシは作曲能力にも秀でているので飽きさせません。
つくづくミラバッシのピアノは凄い・・・変幻自在に展開するフレーズは新鮮で刺激的です。
ステフォンも美しく華麗なミラバッシのピアノに触発されて幻想的なヴァイブ演奏を聴かせてくれました。
こんなにストレートで熱いステフォンを聴くのは初めてだと思います。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*GIOVANNI MIRABASSI TRIO / LIVE @THE BLUE NOTE TOKYO
giovanni mirabassi(p), gianluca renz(b), leon parker(ds),
2010/DISCOGRAPH/

1 NY #1
2 It's Us
3 World Changes
4 Here's The Captain
5 My Broken Heart
6 It Is Wait It Is
7 Six For Sex
8 Gold And Diamonds
9 World Changes


ジョバンニ・ミラバッシ(p)の新譜は東京BNにおけるライブ盤になりました。
ジャケット見ると日本盤のようですがフランス盤です。
違うのはスタンダードが1曲もなくて全てオリジナルで占められていることです。
これは日本盤ならとても考えられないことでしょうね。
ミラバッシの圧倒的なパフォーマンスにはファンも多いと思います。
美しく、流麗、華麗という表現がぴったりの抜群のテクニックの持ち主です。
加えて強力なタッチとスイング感とを兼ね備えているのはほぼ完璧に近い。
鬼に金棒と思いきや、これがある意味欠点になるからジャズはむずかしいです。
というか、私には聴くほうのわがまま(ないのもねだりの天邪鬼)が出てしまいます。
ツボを心得ているというか手慣れているというか。
変な表現なんだけどミラバッシは上手すぎると思う・・・上手すぎて隙がない。
ジャズの魅力の一つに陰影や落差があるけれどやや一本調子に聞える時があります。

ここではレオン・パーカー(ds)の存在が決め手だと思います。
トリオにおいてもドラマーが前面に出てくるのは世界的な流れになっていますね。
押し出しが強く合わせるのも上手い、かつ、波がうねるようなリズム感を持っている。
特に新感覚のドラマーにはこの傾向が強いです。
レオンも新しいタイプのドラマーなのでそれが見事に成功しました。
今作はミラバッシとレオンのコラボレーションが魅力の一枚です。
(4)「HERE'S THE CAPTAIN」のドラムスが文句なしに素晴らしい。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



*GIOVANNI MIRABASSI TRIO / PRIMA O POI
giovanni mirabassi(p), gildas bocle(b), louis moutin(ds)
flavio boltro(tp)(3)(7)(10)
2005/ATELIER SAWANO/

1 Barcarole
2 Ero Io
3 Symphomaniax
4 Gettin' In...
5 Theme From Howl's Moving Castle
6 Lloro
7 L'ingenere
8 Tot Ou Tard
9 Minor Voyage
10 Il Bandolero Stanco
11 Symphomaniax (video clip)


澤野工房も多くのピアニストを紹介していますね。
私のベスト3はウラジミール・シャフラノフとヨス・ヴァン・ビーストにこのジョバンニ・ミラバッシです。
ミラバッシは信じられられないほどの美しいフレーズをつむぎ出してきます。
ここでもその魅力が十分に堪能できますよ。
オリジナルが8曲、その他2曲の構成で、オリジナルも良いけれどあとの2曲の選曲がまた絶妙です。
特に(5)の「THEME FROM HOWL'S MOVING CASTLE」は美しく感動的、思わずほろりとしました。
話題のフラビオ・ボルトロ(tp)が3曲にゲストに加わっているのも変化があっていいです。
これもまた素晴らしくて、(7)、(10)ではそのフラビオの実力を知らしめる美しいバラードが聴けます。
北川潔トリオとほぼ同時発売ですが、聴き比べてみるのも面白いと思います。
今の私はどちらかというとこちらの方が好みですね。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*GIOVANNI MIRABASSI & ANDRZEJ JAGODZINSKI TRIO
giovanni mirabassi(p)
andrzej jagodzonski(acd), adam cegielski(b), czeslaw "maly" bartkowski(ds)
2004/SAWANO/

1 Panta Rei
2 Des Jours Meilleurs
3 El Pueblo Unido Jamas Sera Vencido
4 La Petite Valse Brillante
5 Place De La Mairie
6 Frankfurt Serenade
7 You Don't Know What Love Is
8 Bhind The White Door
9 Bobo's Theme
10 Requiem
11 La Vaise A Nini

ジョバンニ・ミラバッシ(p)にアコーディオン・トリオ、この組み合わせに興味を持った人は多いのでないでしょうか。
事実、私もその一人です、どんなアルバムになっているのか、興味津々でしたよ。
二人のインター・プレイではバックが控え目なのでほとんどデュオという感覚で聴くことが出来ました。
アコーディオンの音色にはどこか懐かしい哀愁を感じますね。
その表現力にはさすがのピアノもかなわないと思いました。
それがピアノ・トリオの演奏になった途端にミラバッシのピアノが冴え渡るのです。
つまり、一枚で二度美味しい演奏が楽しめるということですね。
ベスト・トラックは解説書に書いてあった通りの(3)「EL PUEBLO UNIDO JAMAS SERA VENCIDO」です。
美しく感動的で素晴らしい出来、私はいつまでもこの雰囲気に浸っていたいと思いました。
きっとみなさんも何度も繰り返し聴きたくなるでしょうね。
異色の組み合わせに一票入れることにします。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*GIOVANNI MIRABASSI TRIO / DAL VIVO
giovanni mirabassi(p), daniele mencarelli(b), louis moutin(ds)
2002/Sketch (SAWANO)/

ミラバッシ・トリオのライブ盤。
まったく素晴らしいです。
この頃のミラバッシには凄みがあります。




*GIOVANNI MIRABASSI TRIO / ARCHITECTURES
giovanni mirabassi(p), daniele mencarelli(b), louis moutin(ds)
1999/Sketch (SAWANO)/

ジョバンニ・ミラバッシ(p)の日本デビュー盤です。

新ロマン派ピアノ・トリオの傑作、ここに登場!
エンリコ・ピエラヌンチを彷彿とさせる高度のテクニックと
豊かなメロディ・ラインから創出される創造的かつ幻想的な」
インター・プレイは比類なき叙情美と感動を与える。
全曲オリジナルで固めた意欲的な作品となっている。
今後最も活躍が期待できるヨーロッパ若手ピアニストの
初リーダー作が澤野工房の新シリーズとして遂に発売となる。
(帯中よりの抜粋)