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Dragon's Jazz Corner

Gigi Gryce (as)


*GIGI GRYCE ORCH-TETTE / REMINISCIN'
gigi gryce(as), richard williams(tp), eddie costa(vib),
richard wyands(p), george duvivier(b), bob thomas(ds),
reginald workman(b), jurian euell(b), walter parkins(ds)
2012(1960Rec)/Mercury/

ジャズ再発廉価版シリーズの1枚です。
ジジ・グライスはシブいプレイヤーで日本での人気も高いようです。
アルト・サックスとフルートを演奏して、コンポーザーとしての能力も高い。
ボストンやパリの音楽学校で理論を学んだ知性派で当時としては珍しいタイプのジャズマンです。
比較的大きな編成のコンボというかバンドを好んで独自のサウンドを追求しています。
ドナルド・バード(tp)と組んだ「ジャズ・ラボラトリー」はその一環でしょうね。
「ニカス・テンポ」が代表作として知られています。

今作も彼の主張に沿ったアルバムになっています。
リチャード・ウィリアムス(tp)とのフロント2管、エディ・コスタがヴァイブで参加しています。
当時の気鋭の若手ベーシスト、レジー・ワークマンの名前も見えました。
(1)「BLUE LIGHT」はジジ・グライスの名曲。
(2)「CARAVAN」、(3)「YESTERDAYS」、(6)「A NIGHT IN TUNISIA」、
(8)「TAKE THE A TRAIN」はジャズの大スタンダードで、「俺ならこうやる」との意気込みを感じる。
盟友リチャード・ワイアンズ(p)の独特のブロック奏法も聴けました。

ちなみに彼以外にもプレイヤーと同時にコンポーザーとして実力のあるサックス奏者もいますね。
ベニー・ゴルソン(ts)、ジミー・ヒース(ts)、ウエイン・ショーター(ts)といったところの名前が浮かびます。

「Bule Lights」、「Caravan」、「Yesterdays」、「A Night In TunisiaA Night In Tunisia」、
Dearly Beloved」、「Take The A Train」

(中間系)




*GIGI GRYCE & DONALD BYRD / MODERN JAZZ PERSPECTIVE
gigi gryce(as), donald byrd(tp),
wynton kelly(p), wendell marshall(b), art taylor(ds),
jackie paris(vo), etc
1995(1958/Rec)/Columbia/

↓の作品との2in1アルバムです。
ジャッキー・パリスの歌が2曲で聴けます。




*GIGI GRYCE & DONALD BYRD QUINTET / JAZZ LAB
gigi gryce(as), donald byrd(tp),
tommy flanagan(p), wendell marshall(b), art taylor(ds), etc
1995(1957/Rec)/Columbia/

↑の作品との2in1アルバムです。


「Over The Rainbow」、「Nica's Tempo」、「Little Niles」、「I Remember Clifford」




*GIGI GRYCE & DONALD BYRD QUINTET / JAZZ LAB

gigi gryce(as), donald byrd(tp),
hank jones(p), paul chambers(b), art taylor(ds)
2010(1957/Rec)/Jubilee/

1 Blue Lights
2 Onion Head
3 Isn't It Romantic
4 Bat Land
5 Bangoon
6 Imagination
7 Xtacy


ジャズ廉価版、999シリーズの1枚です。
ジジ・グライス(as)はリーダー作が少なくて過小評価されているジャズ・マンの一人だと思います。
この特徴あるジャケットは昔LPでよく見かけたことがあったので初CD化と聞いて驚いてしまいました。
今作はドナルド・バード(tp)&ジジ・グライス(as)のフロント2管、
ハンク・ジョーンズ(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)という垂涎もののメンバーです。

ジジ・グライスが率いるジャズ・ラブの正式名称は「Jazz Laboratory」・・・ジャズ実験室というもの。
それにLOVEを引っ掛けて「Lab」・・・いかにも知的なグライスにはピッタリの命名です。
このジャズ・ラブはアレンジを重視していてクールで魅力的なサウンドを創り出しています。
演奏ではドナルド・バードやジジ・グライスの抑制されたクールな音色が聴きどころになります。
今聴いても十分に通用するし古さはあんまり感じません。
それほど好センスで洗練されたサウンドを聴くことができます。
このジャズ・ラブはピアニストに特徴があってここのハンク・ジョーンズの他、トミー・フラナガンや
初期にはデューク・ジョーダンなどが参加していました。

(1)でグライスの名曲「BLUE LIGHTS」が聴けること、バードの(7)「XTACY」も名演ですが、
さらにドナルド・バードとジジ・グライスのワン・ホーンが1曲づつ入っていて小憎らしいほどの演出です。
バードのワン・ホーンの(3)「ISN'T IT ROMANTIC」にも参ったけど、(6)「IMAGINATION」に痺れました。
グライスのワン・ホーンで演奏されるこの曲には新たな発見がありました。
解釈と表現力が新鮮・・・頼りなく危なっかしい奏法と繊細な音色が絶妙な緊張感を生んでいます。
フランク・シナトラの歌で有名なんだけれどこんなにモダンで美しい曲だったとは・・・・。
ハンク・ジョーンズのピアノにも雰囲気あります。
この2曲のためだけに買っても惜しくないと思いますよ・・・999円は安過ぎる。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(中間系)

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余談

こういうのを聴くとマイルス・デイビス(tp)の名盤「クールの誕生」の重要性がよく分かります。
ビ・バップの最盛期に吹き込まれたこの作品がいかに多くのジャズ・メンに影響を与えたのか。
ギル・エバンス(arr)やジェリー・マリガン(bs)、ジョン・ルイス(p)などのアレンジが素晴らしかった。
アドリブ一辺倒からサウンド重視に変わった瞬間です。
ジェリー・マリガンは西海岸でピアノレス・カルテット、ジョン・ルイスは室内音楽的なMJQを結成、
参加していたリー・コニッツ(as)はレニー・トリスターノ(p)派に走ることになります。
その後上記のジャズ・ラブやジョージ・ラッセル(arr)のジャズ・ワークショップに繋がっていくことになりました。
ちなみにマイルスはギル・エバンスと共に何枚もの名作を生み出すことになります。

この「Birth Of The Cool」は1950年録音も”売れっこない”との理由でお蔵入り。
世に出たのは6年後の1956年でした。
マイルスの「才能があれば黒人も白人も関係ない」というのは当時の黒人にしては斬新な発想らしい。
やっぱりマイルスは人よりも一歩も二歩も前を歩いていたということですね。