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Dragon's Jazz Corner

George Garzone (ts)


*GEORGE GARZONE & TRIO DA PAZ / NIGHT OF MY BELOVED
george garzone(ts), kenny werner(p)
romero lubambo(g), nilson matta(b), duduka da fonseca(ds)
2007/VENUS RECORDS/

1 Felicidate
2 Gentle Rain
3 Choro
4 Pra Dizer Adeus
5 Alone
6 A Noite Do Meu Bem
7 Falando De Amor
8 Ballad For Lana
9 The Shadow Of Your Smile
10 Fotografia


夏にはやはりボサノバが聴きたいということでこのアルバムを購入してみました。
それもジョージ・ガーゾーン(ts)とケニー・ワーナー(p)とは・・・こういう企画は面白いでしょうね。
二人共に一筋縄ではいかない好みのプレイヤーなんです。
ガーゾーンはゲッツの音色+コルトレーンのスタイルで、両者の長所を上手にミックスしています。
現在のテナー奏者にはこれを目指す人も多いのではないでしょうか。
バックはブラジル出身のギター・トリオで、ジョビンの曲が4曲、オリジナルが2曲取り上げられています。
スタン・ゲッツ(ts)やハリー・アレン(ts)のようなスマートなスムーズさはありませんが、
一味違うボサノバ・アルバムでトツトツとして歌う骨太、硬派のテナー奏者の面目は保たれています。
私的なベスト・トラックは(3)、「NIGHT OF MY BELOVED」と副題の付いた表題曲の(6)、(5)も秀逸。
「GENTLE RAIN」や「THE SHADOW OF YOUR SMILE」も耳触りがいいです。
バークリーなどで教鞭を取っているようですが、ある意味模範的な演奏と言えるのかもしれません。
もう1人のケニー・ワーナーも興味深いピアニストです。
多彩で多才?・・・この人の頭の中はどういう具合になっているのか未だに分かりませんよ。
ヴォーカルのバックやこのアルバムでの流麗なプレイと複雑な自己の作品とのギャップが埋まらないです。
ワーナーの参加アルバムを見てもその多様性には驚かされてしまいます。
チャーリー・ミンガス、アーチー・シェップ、メル・ルイス、ジョー・ロバーノ、リー・コニッツなど、経歴は一線級、
ロザンナ・ヴィトロ(vo)を売り出したことでも知られ、鈴木重子(vo)さんのバックも努めています。
いずれにせよ、意表を突いた企画であることは間違いありません。
ジョージ・ガーゾーンとケニー・ワーナーのボサノバ・アルバムは新鮮です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)




*GEORGE GARZONE & BEN BESIAKOV QUARTET
/ HEY WHY DON'T WE PLAY

george garzone(ts), ben besiakov(p)
anders christensen(b), billy hart(ds), jens winther(tp)
2002/STUNT/

1 Hey Open Up
2 On The Trail
3 Mack The Knife
4 Recess
5 The Mingus I Knew
6 Estate
7 WhatbIs This Thing Called Love
8 Finale

ユニークなテナー奏者のジョージ・ガーゾーンにデンマークのピアニスト、
ベン・ベシアコフの組み合わせは2枚目になるでしょうか。
前作も「ドラ流」にしましたが前回に増してこれも良いです。
全8曲、ガーゾーンとベシアコフが2曲づつオリジナルを提供しています。
3曲にトランペットが加わりますがこれはない方が良かったかも。
特に超スロー・バラードで演奏される「マック・ザ・ナイフ」には驚かされました。
「MACK THE KNIFE REAL SLOW AND IN B-MINOR」という副題まで付いています。
これが今作の最大の聴きものですがその他の曲にも聴きどころがいっぱいあります。
適度な緊張感とスイング感があってジャズ本来の魅力が楽しめると思います。
この二人の絶妙なインター・プレイにベテランのビリー・ハート(ds)の絡みが素晴らしい。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*GEORGE GARZONE / MOODIOLOGY
george garzone(ts,ss)
kenny werner(p), john lookwood(b), bob gullotti(ds)
claire daly(bs), douglas yates(as,bcl), mike mainieri(vib)
1999/NYC/

1 Moodiology
2 Hey, Open Up
3 Farewell To Athena
4 Summertime
5 Simple
6 Naima
7 The Other Mingus
8 I'll Remember April
9 Soul Eyes
10 Plaka
11 Moodiology


ジョージ・ガーゾーン、今アメリカで最も注目されているサックス奏者ではないでしょうか。
プロデューサーはヴァイヴ奏者のマイク・マイニエリで彼自身も参加しています。
影響を受けたミュージシャンとして、スタン・ゲッツ、ジョー・ロバーノ、マイケル・ブレッカー、
デイヴ・リーブマン等の名前を挙げていますがコルトレーンやショーターがないのは意外です。
聴いてもらえばすぐにお分かり頂けると思いますがこの人は只者ではないです。
至極個性的で刺激的、将来性も十分に感じさせます。
この作品は11曲中8曲がオリジナルで、残りの3曲がスタンダードという構成になっています。
「SUMMERTIME」、「I'LL REMEMBER APRIL」、「SOUL EYES」の解釈も新鮮です。
私の一押し、ケニー・ワーナー(p)も頑張っています。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)