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Dragon's Jazz Corner

Gary Thomas (ts)


*GARY THOMAS QUINTET / FOUND ON SORDID STREETS
gary thomas(ts,fl), george colligan(org), paul bollenback(g),
howard curtis(ds), steve moss(per), etc
1996/WITER & WINTER/

ゲイリー・トーマスのオルガン・サウンドにラップを組み合わせた作品です。
常に新しいジャズを追い求めるトーマスの姿勢が色濃く出ています。
ジョージ・コリガンのオルガンも珍しいかな。
全7曲は全てメンバーのオリジナルです。




*GARY THOMAS QUARTET & QUINTET / EXILE'S ATE
A: gary thomas(ts,fl),
charles covingto(org), paul bollenback(g), jack dejohnette(ds)

B: gary thomas(ts,fl),
tim murphy(org), marvin sewell(g), ed howard(b),
terri lyne carrington(ds), steve moss8per)(6)
1993/BAMBOO/

ゲイリー・トーマスのオルガン・ジャズは2セットの組み合わせが聴ける徳用盤です。
全7曲はオリジナル4曲とその他3曲の構成。
強烈なサウンドはトーマスのエネルギーと創造性がもたらすものです。
留まるところを知らない情熱的なソロを聴いているとこちらまで熱くなってきます。
ジャック・デジョネットとテリ・リン・キャリントンの両ドラマーの弾けぶりも聴きどころです。

「Like Someone In Love」、「Night And Day」




*GARY THOMAS SEXTET / TILL WE HAVE FACES
gary thomas(ts,fl), pat metheny(g), tim murphy(p),
anthony cox(b), ed howard(b), terri lyne carrington(ds), steve moss(per)
1992/BAMBOO/

ゲイリー・トーマスがパット・メセニー(g)と共演したスタンダード作品集です。
二人のぶつかり合いが聴きどころでより突っ込んだ演奏が聴けます。
両者の火が出るような熱いソロが凄い。

「Angel Eyes」、「The Best Thing For You」、「Lush Life」、「Bye Bye Baby」、
「Lament」、「Peace」、「It's You Or No One」、「You Don't Know What Love Is」




*GARY THOMAS QUARTET / WHILE THE GATE IS OPEN
gary thomas(ts,fl), kevin eubanks(g), renee rosnes(p),
dave holland(b), anthony cox(b), dennis chambers(ds)
1990/BAMBOO/

ゲイリー・トーマス(ts)を聴いたのはウォレス・ルーニー(tp)や
ジャック・デジョネット(ds)のスペシャル・エディションの作品からでした。
マイルス・デイビスのグループにも在籍していたようですがまだ聴いたことがありません。

80年代後半、ウィントン・マルサリス(tp)を中心とした新伝承派と
フリーな感覚のジョージ・コールマン(ts)を中心にしたブルックリン派(M‐ベース派)が存在しました。
トーマスはブルックリン派のグレグ・オズビー(as)やジェリ・アレン(p)に近く、
伝統に束縛されない自由な演奏を展開していました。
よって彼の音使いやリズム感は常識的なものから少しづつずれてきます。
決してこちらの予想通りには動いてくれません。
その意外性が聴く者にある種の緊張感を与えるんです。
そしてそれこそがトーマスの最大の魅力だと思います。
彼のフルート奏法も面白いですよ。
細々と弱々しく聴こえますがこれが抜群の効果を生んでいます。
まさしく横笛なんです。
なぜか、フルートの方が安心して聴いていられます。

今作はゲイリー・トーマスがスタンダードに挑戦した作品です。
トーマスがスタンダードをやるとこうなるということで通常のものとは一線を画します。
実に刺激的なアルバムになっています。
バックに当時注目のケヴィン・ユーバンクス(g)とリニー・ロスネス(p)を起用。
モンクの(8)「Epistrophy」ではこの二人も共演。
今聴いても現在の先端ジャズと遜色ないサウンドを出しているのはさすがだと思います。
先述のフルートは(5)「Invitation」で聴けます。
ケヴィン・ユーバンクスの先進的なギター・プレイも聴きどころです。
アンソニー・コックス(b)とデニス・チェンバース(ds)のリズム陣も凄い。

「Strode Rode」、「Star Eyes」、「You Stepped Out Of A Dream」、
「The Song Is You」、「Invitation」、「Chelsea Bridge」、
「On The Trail」、「Epistrophy」





* GARY THOMAS QUINTET / SEVENTH QUADRANT
gary thomas(ts), paul bollenback(g),
renee rosnes(p), anthony cox(b), jeff watts(ds)
billy murphy(ds)(2)
1987/Enja/

1 Foresight, Preparetion And Subterfuge.
2 Tablet Of Destinies
3 No
4 First Sketches
5 Seventh Quadrant
6 Labyrinth
7 Chiaroscuro
8 The Eternal Present


ゲイリー・トーマスのサックスは独学とのことです。
だからこそ面白いのかも知れませんね。
1980年代は当時の先鋭だったブルックリン派(Mベース派)と目されていた逸材です。
私のイメージはちょっと違っていてその範疇にはくくれない孤高のプレイヤーの一人と思っていました。
トーマスはジャック・デジョネット(ds)の「スペシャル・エディション」に加入して名前を知られるようになりました。
その後一時期マイルス・デイビス(tp)のバンドにも参加しています。

さて今作はトーマスの1987年の作品で、デビュー作ながら最高傑作との評価が高いものです。
飛ばす飛ばす・・・ギンギンに熱い・・・重量級でエキサイティングな演奏を聴かせてくれました。
ポール・ボーレンバック(g)、リニー・ロスネス(p)、アンソニー・コックス(b)、ジェフ・ワッツ(ds)も若いです。
つくづく若さって素晴らしいと思う・・・全員がエネルギーに満ち溢れています。
そのパワーに圧倒される一枚です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)