[トップページ]



Dragon's Jazz Corner

Frank Morgan (as)


*FRANK MORGAN QUARTET / A NIGHT IN THE LIFE
frank morgan(as)
george cables(p), curtis lundy(b), billy hart(ds)
2007/HIGHNOTE RECORDS/

1. Confirmation
2. On Green Dolphin Street
3. Half Nelson
4. Hot House
5. Billie's Bounce
6. It's Only A Paper Moon


フランク・モーガン(as)・カルテットの”JAZZ STANDARD”におけるライブ盤の第3弾です。
2003年の11月に録音されたものですがほぼ2年ごとにリリースされています。
どれもスタンダード・ナンバーで出色の出来ですが、今作は比較的長い曲が集められています。
その分、ベテラン・カルテットの演奏を十分に堪能することが出来ました。
中々に3連作は買いにくいものですが、スタンダード作品集として非常に魅力的だと思います。
モーガンの演奏が素晴らしい・・・時代を越えた名曲の数々がジャズの魂と共に現代に蘇ってきました。
50年代にはチャーリー・パーカーの直系として期待され、その後の消息は不明になり、
80年代になって突然復活してきたモーガンの真髄を聴く意味でも貴重な作品集になりました。
バックのジョージ・ケイブルス(p)、カーティス・ランディ(b)、ビリー・ハート(ds)も好サポート、
彼らにとっても印象に残る共演になったのではないでしょうか。
1枚だけならやはりVOL.1をお勧めします。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*FRANK MORGAN QUARTET / REFLECTIONS
frank morgan(as)
ronnie mathews(p), essiet essiet(b), billy hart(ds) 
2006/HIGHNOTE/

フランク・モーガン(as)は今いくつ?・・・調べてみたら現在72歳、今年中には73歳になります。
残念ながらこの年齢になるとさすがに衰えは隠せませんね。
音に切れと力がなくなってきて、60代と70代ではだいぶ勢いが違うなあーと感じました。
それでも70代でこれだけ吹ければ立派だと思わざるを得ません。
ここでは唄もののバラードに味を出すことに活路を見出している気がします。
特に(3)、(4)、(7)などに聴きどころが多く、それこそベテランの味を味わうのも一興でしょう。
年を取ったら取ったでやり方も聴き方もあるということですね。
頑張っていることに敬意を評すべきかも知れませんが、「ドラ流・・・」入りは断念しました。

「Walkin"」、「Monk's Mood」、「I'll Be Around」、「Love Story」、「Solar」、
「Blue Monk」、「Crazy He Calls Me」、「Out Of Nowwhere」

(中間系)




*FRANK MORGAN QUARTET / RAISING THE STANDARD
frank morgan(as)
george cables(p), curtis lundy(b), billy hart(ds)
2005/HIGHNOTE RECORDS/

1 Polka Dots And Moonbeams
2 Footprints
3 Nefertiti
4 Don't Get Around Much Anymore
5 Old Folks
6 Tune Up
7 In A Sentimental Mood
8 Helen's Song
9 Bessie's Blues


フランク・モーガン(as)のニューヨークの”THE JAZZ STANDARD”におけるライブの第2弾です。
2003年の11月28日〜30日にかけてのライブからの抜粋です。
VOL.1に当たる「CITY NIGHTS」↓は圧倒的に素晴らしくて「ドラゴン流目立たないけどいいアルバム」にしました。
この作品にはVOL.1の表示もないので、この時には次の発売予定はなかっったと思われます。
あまりに仕上がりが良く評判も良かったので今作の発売に至ったと推測しています。
たしかに前作と聴き比べるとかなり物足りませんが、ここでのプレイも水準以上の出来にあると思います。
特にウエイン・ショーター(sax)の「FOOTPRINTS」、「NEFERTITI」などは新鮮な感じがしました。
「POLKA DOTS AND MOONBEAMS」、「OLD FOLKS」、「IN A SENTIMENTAL MOOD」のバラードも聴きもの、
ミディアム・アップテンポも良し、72歳にして未だ枯れず、その表現力はさらに成長を続けているのではないでしょうか。
モーガンの美しいアルト・サックスの音色に心惹かれるファンも多いと思います。
この熟年カルテットは素晴らしいですね、安定感は十分でバランス感覚もいいです。
4人のコンビネーションも抜群で生き生きとしたプレイを繰り広げています。
1枚だけなら上記の「CITY NIGHTS」がお薦め、味、艶共に熟年ジャズ・ライブ盤の傑作の一枚です。
私は聴くたびに思うのですが、この熟年カルテットは直にこの目で見て聴いてみたいです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*FRANK MORGAN QUARTET / CITY NIGHTS
frank morgan(as)
george cables(p), curtis lundy(b), billy hart(ds)
2004/HIGHNOTE RECORDS/

1 Georgia On My Mind
2 Cherokee
3 Summertime
4 All Blues
5 I Mean You
6 Round Midnight
7 Equinox
8 Impressions

フランク・モーガン(as)の新作です。モーガンは渋いプレイヤーで私も好きですよ。
50年代に作品を残し、パーカー派の逸材として期待されながらも、以後30年間はプッツリと消息を絶ちました。
空白の30年間には諸説があるようですが、30年はあまりに長すぎるので、本人のみが知るところでしょうか。
80年代に奇跡のカムバックを果たしていますがどれも好盤そろいで一聴の価値があります。
まるで30年間の空白を取り戻すかのような快進撃、モーガンが単なるハード・バッパーでないことを証明しました。
1991年、58歳の時にダウン・ビート誌のアルト・サックス部門のポール・ウィナーに輝いています。
まさに遅れてきた大物アルト・サックス奏者で、今年で72歳になりますが未だ枯れていません。
メンバーはジョージ・ケイブルス(p)、カーティス・ランディ(b)、ビリー・ハート(ds)です。
ベテランを揃えてさすがにその演奏には安定感があります。熟年ジャズ・ライブ盤の傑作に仕上がりました。
選曲もよく考えられていて、観客の盛り上がりも相当なものです。
特にマイルス・デイビスの「ALL BLUES」、ジョン・コルトレーンの「EQUINOX」、「IMPRESSIONS」が興味深いところです。
モーダルな曲を取り上げることにより、作品の幅がぐっと広がりました。
マッコイ・ライクなケイブルスにも注目して下さい。
この熟年カルテットは素晴らしいですね。まるで水を得た魚のように生き生きとしています。
フランク・モーガンは今、最もライブを見てみたいプレイヤーの一人です。
来日予定などがあるんでしょうか、情報をお持ちの方がいたら是非知らせて下さい。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*FRANK MORGAN QUARTET / BOP
frank morgan(as)
rodney kendrick(p), curtis lundy(b), ray drummond(b), leroy williams(ds)
1997/TELARC/

フランク・モーガン(as)のロドニー・ケンドリック・トリオをバックにしたワン・ホーン・アルバムです。
有名バップ・ジャズ曲を取り上げた作品。
セロニアス・モンク(p)3曲、ジョン・ルイス(p)、チャーリー・パーカー(as)、ディジー・ガレスピー(tp)、
マイルス・デイビス(tp)など。
モーガンにとってはずっと演奏し続けている手慣れた楽曲だと思います。

「Milano」、「Well, You Needn't」、「K.C.Blues」、「A Night In Tunisia」、
「Blue Monk」、「Half Nelson」、「Lover Man」、「52nd Street Theme」




*FRANK MORGAN QUARTET / LOVE, LOST & FOUND
frank morgan(as)
cedar walton(p), ray brown(b), billy higgins(ds)
1995/TELARC/

フランク・モーガン(as)のシダー・ウォルトン・トリオをバックにしたワン・ホーン・アルバムです。
ラブ・ソング作品集はロマンチックにしっとりとじっくりと聴かせます。

「The Nearness Of You」、「What Is This Thing Called Love」、「Skylark」、
「Once I Loved」、「I Can't Get Started With You」、「It's Only A Paper Moon」、
「My One And Only Love」、「Someday My Prince Will Come」、
「All The Things You Are」、etc



*FRANK MORGAN QUARTET / LISTEN TO THE DAWN
frank morgan(as)
kenny burrell(g), ron carter(b), grady tate(ds)
1994/ANTILLES/

フランク・モーガン(as)のケニー・バレル・トリオをバックにしたワン・ホーン・アルバムです。
ギター・トリオをバックにした作品はないと思うので貴重なアルバムです。
ここではモーガンのブルージーな感覚がよく出ています。

「Grooveyard」、「It's Might As Well Be Spring」、「I Didn't Know About You」




*FRANK MORGAN DUO / YOU MUST BELIEVE IN SPRING
frank morgan(as)
kenny barron(p)(1,2), tommy flanagan(p)(3,4), barry harris(p)(5,6,7),
roland hannna(p)(8,9), hank jones(p)(10.11.12)
1992/ANTILLES/

フランク・モーガン(as)とベテラン・ピアニスト達とのデュオ企画盤です。
ケニー・バロン、トミー・フラナガン、バリー・ハリス、ローランド・ハナ、ハンク・ジョーンズ。
ちょっと考えられないような超豪華なラインアップですね。
顔見世興行的ではあるけれど、メンバー的にも貴重な一枚だと思います。

「But Beautiful」、「You've Changed」、「I Should Care」、
「Enbraceable You」、「My Heart Stood Still」、「I Cover The Waterfront」、
「You Must Bilieve In Spring」、「Come Sunday」



*FRANK MORGAN / FRANK MORGAN
frank morgan(as)
1991/GNP/

フランク・モーガン(as)の1950年代作品のオムニバス盤です。
20代の演奏なので若々しく勢いがあります。
共演者の多くは西海岸のジャズ・メンです。

「Bernie's Tune」、「My Old Flame」、「I'll Remember April」、「The Champ」、
「The Nearness Of You」、「Autumn Leaves」、「Well, You Needn't」




*FRANK MORGAN AND McCOY TYNER TRIO / MAJOR CHANGES
frank morgan(as),
mccoy tyner(p), avery sharpe(b), louis hayes(ds)
1988/Contemporaryl/

1 Changes
2 How Deep Is The Ocean
3 Emily
4 Search For Peace
5 Frank's Back
6 All The Things You Are
7 Theme From Love Story
8 So What


フランク・モーガン(as)は1933年生まれ、2007年に73歳で亡くなっています。
先週、ラルフ・ムーア(ts)が20年振りの登場で驚いたと書きました。
でもモーガンはなんと30年も消息不明だったんです。
50年代に作品を残し、パーカー派の逸材として期待されながらも以後30年間はプッツリと消息を絶ちました。
80年代に奇跡のカムバックを果たして、まるで空白を取り戻すかのような熱い演奏には凄みを感じた。
曲目もマイルスやコルトレーンやショーターなどのモーダルな楽曲も積極的に取り上げていました。
音楽性が広がったモーガンは単なるハード・バッパーでないことを証明したんです。
共演のピアニストではジョージ・ケイブルスやシダー・ウォルトンとのコンビが知られています。

さて今作はジョン・コルトレーン・カルテットの不動のピアニスト、マッコイ・タイナーとの共演盤です。
全8曲にマッコイの曲が3曲含まれていて、モーガンの張り切りようは如何ばかりかと思います。
ここもメンバー構成が面白いと思いました。
エーブリー・シャープはマッコイの秘蔵っ子ベーシストでルイス・ヘイスはバップ派の歴戦ドラマーです。
モーダル派のマッコイとエーブリーにバップ派のモーガンとルイスの組み合わせになりました。
面白いですね、ある種の手探りというか微妙な緊張感が漂っているのを感じました。
つまりお互いに気を遣っているところがあるということになります。
実際はどうでもこういうのを自分なりに感じるのもジャズ聴きの醍醐味の一つだと思っています。
人それぞれに聴き方があり、感じ方があっていいんです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*FRANK MORGAN QUARTET / YARDBIRD SUITE
frank morgan(as),
mulgrew miller(p), ron carter(b), al foster(ds)
1988/Contemporary/

フランク・モーガン(as)のマルグリュー・ミラー・トリオをバックにしたワン・ホーン・アルバムです。
全7曲中、4曲がチャーリー・パーカーの作品。
素晴らしいモーガンのアルト・プレイを聴くことができました。
艶やかな音色とよどみないフレージングはモーガンの面目躍如というところです。
バックのトリオの好演もあって名盤の一枚。

「Yardbird Suite」、「A Night In Tunisia」、「Billie's Bounce」、「Star Eyes」、
「Scrapple From The Apple」、「Skylark」、「Cheryl」




*FRANK MORGAN SEXTET / REFLECTIONS
frank morgan(as), joe henderson(ts), bobby hutcherson(vib),
mulgrew miller(p), ron carter(b), al foster(ds)
1988/Contemporary/



* FRANK MORGAN QUINTET / BEBOP LIVES !
frank morgan(as), johnny coles(flh),
ceder walton(p), buster williams(b), billy higgins(ds)
1987/Contemporaryl/

1 What Is This Thing Called Love ?
2 Parker's Mood
3 Well, You Needn't
4 Little Malonae
5 Come Sunday
6 All The Things You Are
7 Night In Tunisia


フランク・モーガン(as)をもう一枚紹介したいと思います。
こちらは1986年末のヴィレッジ・ヴァンガードでのライブ盤です。
ノリのいいジャズ・スタンダードを中心にバップ色を強く押し出しています。
バックはシダー・ウォルトン(p)を中心にバスター・ウィリアムス(b)とビリー・ヒギンス(ds)です。
フロント2管の相手はジョニー・コールズ(tp)ですがここではフリューゲル・ホーン吹いているようです。
コールズはあまり目立たない地味な存在なので珍しいと思いました。
ジョニー・コールズは1926年生まれ、ニュージャージー出身で1997年に71歳で亡くなっています。
コールズの代表作は「Little Johnny C 」(Blue Note,/1963)でしょうね。
コールズはギル・エヴァンス(arr)、チャーリー・ミンガス(b)などの骨っぽいバンドに参加しています。
またハービー・ハンコック(p)やデューク・ピアソン(p)といったうるさ型とも共演しています。
モーガンは比較的ワン・ホーン・アルバムが多いので2管は案外貴重盤なのかもしれませんね。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*FRANK MORGAN QUINTET / QUIET FIRE
frank morgan(as), bud shank(as),
george cables(p), john heard(b), jimmy cobb(ds)
1987/Contemporary/

フランク・モーガンとバド・シャンクの両ベテランアルト奏者の激突は興味深いです。
ライブ盤なので会場の熱気も伝わってきます。
惜しむらくは録音が奥まっている。

「Solar」、「Emily」、「What's New」、「The Night Has A Thousand Eyes」




*FRANK MORGAN QUARTET / EASY LIVING
frank morgan(as)
cedar walton(p), tony dumas(b), billy higgins(ds)
1985Rec/Contemporary/

フランク・モーガンはチャーリー・パーカー直系のアルト奏者です。
長いこと音信不通だったこともあり伝説のジャズ・マンになっていました。
カムバック後の作品はどれも貴重だと思います。
ここはシダー・ウォルトン・トリオをバックにしたワン・ホーン・アルバムです。
ウエイン・ショーターの(2)「Yes And No」が聴きどころ。

「Manha De Carnival」、「Easy Living」、「Embraceable You」、「Now's The Time」