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Eric Dolphy (as,fl,bcl)


* ERIC DOLPHY SEXTET / LAST RECORDINGS
eric dolphy(as,bcl), donald byrd(tp), nathan davis(ts),
jack dieval(p), jacques hess(b), franco monzecci(ds),
jacky bambou(cong)(2,3)
1964Rec/West Wind/

1 Springtime
2 GW
3 245
4 Serene


「今週のジャケット」紹介も1000枚になりました。
エリック・ドルフィ(as,bcl)のラスト・レコーディングスです。
今作が出る前は「Last Date」(Fontana)がドルフィ最後のアルバムとして知られていました。
1964年6月2日オランダ、ミシャ・メンゲルベルク(p)、ジャック・ショールス(b)、ハン・ベニンク(ds)です。

今作はフランス・パリで1964年6月11日録音・・・名実ともに最後の録音になると思います。
ドルフィが亡くなったのは1964年6月29日(36歳)なので18日前の録音になります。
ドナルド・バード(tp)、ネイザン・デイヴィス(ts)とのフロント3管は分厚くて面白かったです。

ドルフィは特別鬼気迫るというわけでもなく普通に吹いています。
この時はまだ体調はそれほど悪くなかったと思うけど・・・。
内容は「Last Date」が上だけど、ドルフィ最後の作品として「コレクターズ・アイテム」にはなりますね。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*ERIC DOLPHY / THE ILLINOIS CONCERT
eric dolphy(bcl,fl,as)
herbie hancock(p), eddie khan(b), j.c.moses(ds)
1999/BLUE NOTE(1963REC)/

1963年のイリノイ大学でのライヴ盤で、世界初登場だそうです。
まだこんな凄いドルフィが、未発表として残っていたとは信じられません。
エリック・ドルフィとハービー・ハンコックの共演というだけで、このアルバムには価値がありますが、
やはり相当の緊張感とスリルを感じさせる仕上がりになっています。
ハンコックがこんな感じ(マル・ウォルドロン風)のピアノも弾くのかと驚きました。
1曲目「SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE」は20分超の熱演、
これと3曲目の無伴奏ソロ「GOD BLESS THE CHILD」のバス・クラリネットは圧巻です。
終りの2曲は学生バンドとの共演で、これは余計でした。
ハンコックはこの3ヶ月後にマイルスのグループに参加したそうですよ。

(まじめ系)




* ERIC DOLPHY QUARTET / THE COMPLETE UPPSALA CONCERT
eric dolphy(as,bcl,fl),
rony johansson(p), kurt lindgren(b), rune carlsson(ds)
1961/Gambit/

Disk 1
1 What Is This Thing Called Love
2 245
3 Laura
4 52nd Street Theme
5 Bag's Groove

Disk 2
1 Out Of Nowhere
2 I'll Remenber April
3 52nd Street Theme
4 When Lights Are Low

エリック・ドルフィもまたジャズ全盛期に生まれた天才の一人だと思っています。
たった36歳で亡くなったのにこれだけの実績を残しているのは凄いとしか言いようがありません。
ドルフィを最初に意識したのはチャールス・ミンガス(b)のビック・バンドに入ってからでした。
その前には映画の「真夏の夜のジャズ」にチコ・ハミルトン(ds)・コンボの一員として出てたのを見ています。
ドルフィは「馬のいななき」と呼ばれたユニークなアドリブ・フレージングを持っていました。
でも根っこは伝統的なスタイルにも精通していてどんな演奏でも出来たインテリ・ジャズ・マンでもありました。
ドルフィは伝統的なジャズから先進的なジャズに変化していく姿を私たちに見せてくれた。
そういう意味ではジョン・コルトレーン(ts)とドルフィが双璧じゃないかと思っています。

フリー・ジャズ系のサックス奏者に与えた影響が大きい重要なジャズ・メンは誰でしょうね。
*セロニアス・モンク(p)〜ジョン・コルトレーン(ts)
*チャールス・ミンガス(b)〜エリック・ドルフィ(as)
*レニー・トリスターノ(p)〜リー・コニッツ(as)
ということになるかな。

さて今作は1961年のスウェーデンにおけるライブ盤でドルフィが全盛期のものです。
全7曲は全てスタンダードですがドルフィの斬新なソロはテーマ以外は原曲のかけらもありません。
ここでもドルフィの「馬のいななき」ソロが満喫できます。
フリー・ジャズは一般的に演奏が長いのでそれが私にとっての「玉に瑕」になっています。
私は長過ぎると飽きてしまうんですよ。
ドルフィはまたマルチ・プレイヤーとしても知られていてフルートの名手でもあります。
当時はまったく珍しかったバス・クラリネットをジャズのソロ楽器として持ち込んだのもドルフィです。

ピアノは若き日のロニー・ヨハンソンですがこの演奏がヨハンソンの勲章になっています。
ヨハンソン紹介時には必ず「あのドルフィと共演した実績がある」と言われるんです。
ヨハンソンに与えた影響はいかなるものか・・・ヨハンソンにとっては一生の財産でしょうね。

(まじめ系)