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Dragon's Jazz Corner
Donny McCaslin (ts)
*DONNY McCASLIN TRIO / RECOMMENDED TOOLS
donny mccaslin(ts), hans glawischnig(b), johnathan blake(ds)
2008/Koch/
二人の方が去年の「みんなのベスト3」に名前を挙げているドニー・マッカスリン(ts)の作品です。
1曲を除いてはオリジナルでテナー、ベース、ドラムスのトリオで演奏されています。
個性的な演奏、ノリもいい、グイグイと突っ走る独特の音楽空間には魅力がいっぱいです。
存分にサックスを手の内に入れているというか、しゃべるが如く自在に操るのには驚きました。
フレーズを短く切ってパッパッパと吹く・・・まるで言葉を発しているみたいに聞える。
そう、ラップ・ミュージックのようです。
テナー・サックス奏者では中々に似た人はいないかもしれません。
でもエリック・ドルフィー(as,fl、bcl)には近いのではと思いましたよ。
私的ベストはビリー・ストレイホーンの手になるただ1曲のスタンダードでした。
印象的なテーマを持つバラードの(5)「ISFAHASN」でこれが素晴らしい出来です。
本来は野太く豪快なテナーをか細く弱々しく頼りない音色で吹くのは現在の流行か。
表現方法がグンと広がるので多くのサックス奏者が積極的にこの奏法を取り入れています。
そういえば最近「草食系男子」なる言葉をよく聞きますね。
全体的にジョナサン・ブレイク(ds)の存在感が光り、二人のコンビネーションも聴きどころになっています。
その他の曲ではやや一本調子の感があるところが残念だったかも知れません。
あと1、2曲くらいのスタンダードか、ゲストが入ればもっと良かったと思います。
(5)が素晴らしかっただけに惜しい・・・今作は多分ここが評価の分かれ目になると思います。
私はマッカスリンを何年か前に何度か聴いたことがありましたがまったくのノーマークでした。
幅広い音楽性を持ち可能性を感じさせるテナー奏者。
こういうプレイヤーに目が向くのは大したものだと思います。
[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]
(まじめ系)