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Dragon's Jazz Corner
David Kikoski (p)
* DAVID KIKOSKI QUARTET / PHOENIX RISING
david kikoski(p),
eric alexander(ts), peter washington(b), joe farnsworth(ds)
2019/HighNote/
1 Phoenix Rising (E.Alexander/D.Kikoski)
2 Kit It (E.Alexander)
3 Wichita Lineman (J.Webb)
4 If I Were A Bell (F.Loesser)
5 Emily (J.Mandel/J.Mercer)
6 Love For Sale (C.Poter)
7 My One And Only Love (G.Wood/R.Mellin)
8 Lazy Bird (J.Coltrane)
9 Willow Weep For Me (A.Weep)
デヴィッド・キコスキ(p)は1961年生まれの今年58歳、ニュージャージーの出身です。
日本でもお馴染みのバークリー音楽大学で学んでいます。
プロ入りしてからアル・フォスターやロイ・ヘインズといったベテラン・ドラマーにしごかれて成長しました。
盟友はシーマス・ブレイク(ts)でライブでは対照的な静と動、光と影みたいなコンビが面白かったです。
キコスキが動と光、ブレイクが静と影です。
今作はハイノート・レーベルに移籍した第一作です。
全9曲はメンバーのオリジナル2曲とその他7曲の構成です。
選曲は良く知られたスタンダードが中心でキコスキにとっては何をいまさらと思ったかも知れませんね。
でもこのラインがハイノートのポリシーなのでやむを得ない。
1曲目の「Phoenix Rising」を聴いたらコルトレーン・サウンドそのものだと思いました。
キコスキはマッコイ・タイナーの影響が強いピアニスト・・・コルトレーン派のエリックとは相性がいい。
言わばエリック・アレキサンダー(ts)とのコンビネーションは動と動の関係になります。
アップ・テンポにおける両者のエネルギッシュで情熱的な演奏は期待を裏切らなかったです。
ジョニー・マンデルの(5)「Emily」を聴く。
キコスキがいまひとつ突き抜けないのはバラード奏法にあると思っています。
もう少し、しっとり感というか、艶やかさが出てくるともっと幅が広くなるんですが・・・。
もっともキコスキとエリックは似た者同士で器用じゃないところが一番の魅力かも知れません。
このままどこまでも突っ走ってもらいましょうか。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(中間系)
*DAVID KIKOSKI TRIO / LIVE AT SMALLS
david kikoski(p), hans glawischnig(b), obed calvaire(ds)
2009/SMALLS LIVE/
デヴィッド・キコスキ(p)・トリオのライブ盤です。
オリジナルが3曲とジョー・ヘンダーソン(ts)、チャーリー・パーカー(as)が選ばれています。
収録曲は5曲、気合乗りは十分でそれぞれ10分を超える熱演になりました。
キコスキの魅力は甘さ控え目のストレート・アヘッドなピアノ・プレイにあると思います。
ルーツはマッコイ・タイナー(p)、力強いタッチと思い切りがよく硬質で一本気なところが感じられます。
スロー・テンポはいまひとつでグイグイと突っ走るピアノがいいです。
良かったのは(5)「GREY AREAS」でこれが素晴らしい。
「おいおい、これは〜」・・・途中で私は座り直して聞き耳を立ててしまいましたよ。
ピアノとドラムスのコンビネーションが凄い、中盤の盛り上がりが圧巻で背筋がゾクゾクとしました。
今回、新しいメンバーを起用して名実共にキコスキーのトリオになったと思います。
ベースのHans Glawischnigはデヴィッド・サンチェス(ts)やミゲール・ゼノン(as)と共演、
ラテンや一癖あるサウンドだったのでこういうストレートなジャズは初めてです。
若手のドラマーのObed Calvaireはフィリップ・デザック(tp)のアルバムで聴いたことがあります。
二人共に要注目のプレイヤーになりましたが特にオベッド・カルヴァイアー(ds)は魅力十分です。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(中間系)
*DAVID KIKOSKI QUARTET / LIMITS
david kikoski(p)
seamus blake(ts), larry grenadier(b), bill stewart(ds)
2006/CRISS CROSS/
1 Growth
2 Kaye And Moose part1
3 Duane Reade
4 As It Happens
5 Ping Ponging
6 Limits
7 Not The Only Hurting One
8 Healing Time
9 Kaye And Moose part 2
デヴィッド・キコスキ(p)とシーマス・ブレイク(ts)の組み合わせは↓のアルバムでいいなと思っていました。
今作品はそれに加えてバックのラリー・グレナディア(b)、ビル・スチュワート(ds)にも魅力があります。
今や中堅どころの脂の乗り切った旬のメンバーをじっくりと聴くには最適の作品です。
前作と同様に全曲キコスキのオリジナルで意欲的、気合が入っています。
前作と比べると両者共に明らかに表現力が進化しています、切れ味に増して、野太く、逞しくなりました。
甘さを廃した真摯なプレイで聴きどころは多いですが、10分強の最長曲の(3)はお気に入りです。
興味があれば、より繊細で美しい↓「THE MAZE」と聴き比べてみるのもまた一興だと思います。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(まじめ系)
*DAVID KIKOSKI / ALMOST TWILIGHT
david kikoski(p), john patitucci(b), jeff "tain"watts(ds)
1999/CRISS CROSS/
中堅ピアニスト、デヴィット・キコスキの新作です。
帯中には右手首の骨折で録音が延期されたと書いてありました。
全て自作のオリジナル曲で固めた意欲作だと思います。この人は中々面白いですよ。
力強いスケールの大きなピアノを聴かせるかと思えば繊細な部分も持ち合わせています。
ワッツのタイコもパティツッチのベースも好調でピアノ・トリオの佳作だと思います。
(まじめ系)
*DAVID KIKOSKI QUARTET / THE MAZE
david kikoski(p), scott colley(b), jeff "tain" watts(ds),
seamus blake(ts)
1998/CRISS CROSS/
盟友シーマス・ブレイク(ts)とのワン・ホーン・アルバムです。
全6曲は全てキコスキのオリジナルで占められています。
正直これはちょっとキツイと思うよ。
やっぱり1、2曲のスタンダードが欲しい。