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Dragon's Jazz Corner

David Hazeltine (p)


*GEORGE MRAZ & DAVID HAZELTINE TRIO / YOUR STORY
george mraz(b), david hazeltine(p), jason bown(ds)
2013/Cube Metier/

1 AROUND THE CORNER(B.Harris)
2 TURN OUT THE STARS(B.Evans)
3 BARBARA(D.Hazeitine)
4 FOR B.C(G.Mraz)
5 YOU MUST BELIEVE IN SPRING(M.Legrand)
6 YOUR STORY(B.Evans)
7 I DIDN'T KNOW WHAT TIME IT WAS(Rodgers/Hart)
8 WISTERIA(G.Mraz)


ジョージ・ムラツは1944年、当時のチェコスロバキア出身のベーシストです。
68年に渡米してバークリーに留学、今年で70歳になりました。
多分、チェコ出身のジャズ・マンとしては最も知られていると思います。
オスカー・ピーターソン(p)やトミー・フラナガン(p)に起用されたことにより有名になりました。
クラシックに裏打ちされた堅実で安定感のあるベース・テクニックには定評があります。

ピアニストのデヴィッド・ヘイゼルタインは1958年生まれ56歳です。
現在最も油の乗っているピアニストの一人と言えます。
この二人の共演盤は日本のヴィーナス盤が最初のようです。

全9曲はムラツとヘイゼルタインのオリジナルが3曲とその他6曲の構成です。
ビル・エヴァンスが2曲、バリー・ハリス1曲、スタンダード3曲の選曲のバランスも良い。
ムラツの良く伸びるベース・ラインに支えられてヘイゼルタインのピアノが冴えます。
ジェイソン・ブラウンの控え目で趣味の良いドラミングもピッタリとハマっています。
コール・ポーターの(9)「Every Time We Say Goodbye」は大好きな曲。
ヴォーカルでは聴くことが多いけどインストでは珍しい・・・特にピアノ・トリオ。
ムラツとヘイゼルタインの対比も際立っていて聴き味の良いトリオ作品に仕上がりました。
デュオに近いかも・・・天才肌の二人のプレイが楽しめる好盤です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*DAVID HAZELTINE TRIO / CLEOPATRA'S DREAM
david hezeltine(p), george mraz(b), billy drummond(ds)
2005/VENUS DECORDS/

デヴィッド・ヘイゼルタイン(p)のバド・パウエル(p)作品集です。
コンセプトはパウエルをヘイゼルタイン自身のスタイルで演奏することにあります。
ヘイゼルタインは現在の人気ピアニストの中ではよどみがある方なので興味を持ちました。
どんな演奏を聴かせてくれるのかと思いましたがやはり洗練されたスマートな内容になっています。
どうしても爽やかな部分、切れ味が先に出てくるのでもっと陰影が出てくれたらと思いました。
私が抱いていたイメージとはだいぶ違いました。もう少し泥臭く演奏して欲しかったですが・・・
これが気に入るのか、気に入らないのか、リスナーの評価の分かれるところだと思います。
もっとも、今のヘイゼルタインがパウエルを演ったらこうなるということなんでしょうね。
とは言うものの聴きどころが多いのも事実ですよ。
ベスト・トラックは(6)の「DANCELAND」でここでの最高のパフォーマンスが聴けます。
当たり前ですがやっぱり時の流れは止められませんね。
ジャズもまた間違いなくその時代を反映しています。
ジャケット写真は絵画的で自然体、リアリティがあるので私は気に入っています。

天才ピアニスト、バド・パウエルの芸術作品が持つ「魔力」と「魅力」を余すところなく
再構築してみせた作品集。
原曲の息詰まる緊張感を解きほぐし、パウエルの隠れた華麗なるメロディの地平と
安らぎを新たに創造したヘイゼルタインの大傑作アルバム!!
(帯中よりの抜粋)

「Cleopatra's Dream」、「Bouncing With Bud」、etc

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]

(中間系)




*DAVID HAZELTINE QUARTET / MANHATTAN AUTUMN
david hazeltine(p), peter washington(b), joe farnsworth(ds)
eric alexander(ts)
2003/SHARP NINE/

今や超売れっ子ピアニストになったデヴィッド・ヘイゼルタインの新作です。
「ワン・フォー・オール」でお馴染みのメンバーを従えてご機嫌な演奏を披露しています。
全8曲、彼自身のオリジナルは3曲です。
ヘンリー・マンシーニの「ムーン・リバー」やバート・バカラックの「ザ・ルック・オブ・ラブ」が新味でしょうか。
共演のエリック・アレキサンダー(ts)も円熟味を増してきました。
惜しむらくは両者共にちょっと忙し過ぎか。この辺で充電期間を置くと良いかもしれませんね。

「Moon River」、「The Look Of Love」、「Ask Me Now」、「Nancy」

(中間系)




*DAVID HAZELTINE TRIO / MEETS ERIC ALEXANDER
david hazeltine(p), peter washington(b), louis hayes(ds)
eric alexander(ts)
2002/SHARP NINE/

デヴィッド・ヘイゼルタイン(p)が率いるクラシック・トリオに盟友、エリック・アレキサンダー(ts)
をゲストに迎えてのワン・ホーン・アルバムです。
ヘイゼルタインのオリジナルが2曲、アレキサンダーも1曲提供しています。
エリック・アレキサンダーは今や世界で一番忙しいサックス奏者ではないでしょうか。
あちこちのセッションに引っ張りダコで、ピアニストが最も共演したいプレイヤーだそうです。
相変わらずのストレートでパワフルな演奏には魅力がいっぱいですね。
ベテラン・ドラマーのルイス・ヘイスもフューチャーされています。

「O Grande Amor」、「East Of The Sun」、「Our Delight」

(中間系)




*DAVID HAZELTINE QUINTET / GOOD-HEARTED PEOPLE
steve davis(tb), jim snidero(as,fl)
david hazeltine(p), nat reeves(b), tony reedus(ds)
jesse van ruller(g)
2001/CRISS CROSS/

デヴィッド・ヘイゼルタイン(p)の新作です。このところ意欲的に活動をしているようですね。
この作品が気になったのはゲストにジェシ・ヴァン・ルーラー(g)が参加していたからです。
でも、たったの2曲だけだったのでちょっと期待外れでした。
うち1曲は珍しいデニー・ザイトリン(p)作のバラードでしたがイマイチ深みが足りませんね。
もう1曲はチャーリー・パーカー作のミディアム・テンポです。
やはりこの人はやや甘めの爽やかに疾走するプレイが魅力だと思いました。
クインテットでの演奏は全体的にオーソドックスなスタイルなので安心して聴くことが出来ます。
反面、感覚的にはちょっと古さを感じるかも知れません。

「Imagination」、「Barbados」

(中間系)




*DAVID HAZELTINE TRIO / PEARLS
david hazeltine(p), peter washington(b), joe farnsworth(ds)
2001/VENUS/

先週に引き続きデヴィッド・ヘイゼルタインのヴィーナス・レコードの第3弾です。
1作目がビル・エバンス、2作目がホレス・シルバーのトリビュート・アルバムでしたが、
今作は自己の個性を際立たせようとの狙いがあるようです。
気心の知れたメンバーを起用しているのでトリオとしてのまとまりやスリルは一番あると感じました。
なんと言っても1曲目の「WHAT KIND OF FOOL AM I」の出来が素晴らしいです。
ピーター・ワシントンの良く伸びるベースとジョー・ファーンズワーズの小気味良いドラムに
支えられて快調にスイングします。この1曲だけでも買う価値があると思いますよ。
甘さは控え目の中堅ピアノ・トリオの佳作です。

「My Old Flame」、「The Masquerade Is Over」、「Somewhere」、
「Darn That Dream」、「Close Enough For Love」

(中間系)




*DAVID HAZELTINE TRIO / SENOR BLUES
david hazeltine(p), peter washington(b), louis hayes(ds)
2000/VENUS/

デヴィッド・ヘイゼルタインのヴィーナス・レコードの第2弾です。
今回はファンキー・ピアニストの巨匠、ホレス・シルバーの名曲を取り上げた作品です。
ご存知のようにシルバー・グループはペット、サックス入りのクインテットが中心です。
これらの曲をトリオで演奏することにはある種の勇気がいったと思います。
聴いた後の感想としてはやはりどことなく物足りない雰囲気がありましたね。
しかし、シルバーに馴染みの少ない新しいファンならどうでしょうか。
テーマが親しみ易いのでピアノ・トリオ入門用として単なるスタンダード集より面白いかも知れません。

元祖ファンキー・ジャズの大御所、ホレス・シルバーの代表曲を網羅して
デヴィッド・ヘイゼルタインのクラシック・トリオがファンキー・ジャズの醍醐味をグルービーに演奏!
原曲の魅力をさらに掘り下げて不滅の演奏を仕立て上げた。
(帯中よりの抜粋)

「Nica's Dream」、「Peace」、「Senor Blues」、「Horace-Scope」、「Song For My Father」

(中間系)




*DAVID HAZELTINE TRIO / WALTZ FOR DEBBY
david hazeltine(p), george mraz(b), billy drummond(ds)  
1999/VENUS/

デヴィッド・へイゼルタインの最新盤です。
第一印象は渋いです。これと同じ感想をビル・チャーラップにも持ちました。
リラックスしている中に適度の緊張感があって、聴き応えがあります。
こういうアルバムは派手さはないですが、長く愛聴出来るという点で大変貴重なのです。
1曲を除き全部ビル・エヴァンスの作品ですけれど、エヴァンスよりは感情を表に出すタイプで、
持ち味は大分違うと思います。やはり「WALTZ FOR DEBBY」が一番印象的かな。
評価としては高いですが、曲目が偏っていますので、ドラゴン流には入れませんでした。

今、最も注目されているジャズ・ピアニスト、デヴィッド・ヘイゼルタインが
「ワルツ・フォー・デビィ」や「ファンカレロ」等、ビル・エバンスの素敵なオリジナル曲を
リリカルにまた情熱的にプレイしたピアノ・トリオ・ファン必聴のアルバム!!
(帯中よりの抜粋)

「Waltz For Debby」、「Very Early」、etc

(中間系)




*DAVID HAZELTINE TRIO / AFTER HOURS

david hazeltine(p), billy peterson(b), kenny horst(ds)
1998/GO JAZZ/


デヴィッド・ヘイゼルタイン・トリオのレア盤。
全13曲はオリジナル4曲、その他9曲の構成です。

「Happy Time」、「Theme For Ernie」、「Detour Ahead」、「People」、
「Goodbye」、「I Get A Kick Out Of You」、「Caravan」、etc




*DAVID HAZELTINE QUINTET / HOW IT IS

gim rotondi(tp), steve wilson(as),
david hazeltine(p), peter washington(b), joe farnsworth(ds)
1997/CRISS CROSS/

ジム・ロトンディ(tp)とスティーヴ・ウィルソン(as)のフロント2管。
このデヴィッド・へイゼルタイン・クインテットは軽快なハード・バップ・ジャズが聴けます。

スタンダード「Reasons」、「Pannonica」、「Where Are You」、「Doxy」




* DAVID HAZELTINE TRIO / THE CLASSIC TRIO
david hazeltine(p), peter washington(b), louis hayes(ds)
1997/Sharp Nine/

1 You Make Me Feel So Young
2 The Fruit
3 Sweet And Lovely
4 Concentration
5 Catherine's Fantasy
6 One For Peter
7 You've Changed
8 My Stuff's On The Street Blues
9 These Foolish Things
10 Midnight Waltz


デヴィッド・ヘイゼルタインは1958年生まれ、ウィスコンシン州ミルウォーキーの出身です。
ジャズのくくりとしては地域的にシカゴ・ジャズに最も近いです。
その影響もあってシカゴ出身のジャズメンとの共演も多くエリック・アレキサンダー(ts)がその代表格です。
10代でプロ入りは天才肌だけどしばらくは当地にとどまりニューヨークに出たのは30代半ばでした。
初リーダー・アルバムが30代後半というのはやや遅咲きといえます。
スタイルはオーソドックスでバド・パウエル〜ビル・エヴァンス〜シダー・ウォルトンの流れだと思います。
ヘイゼルタインは今年61歳になるんですね。
でも現代のジャズメンの最盛期は40代、50代、60代と思っているのでまだまだ活躍出来ます。
1950年代、1960年代のジャズメンなら早熟ということもあって最盛期は20代、30代だったけど。

さて今作はヘイゼルタイン(p)の2枚目のリーダー・アルバムです。
初のトリオ編成は「ザ・クラシック・トリオ」と銘打ってきました。
共演者はハードバップ・ドラマーの生き字引的なルイス・ヘイスと安定感十分のピーター・ワシントン(b)です
名前通り古典的かつ王道をゆくストレート・アヘッドな作品になっています。
全10曲は自身のオリジナル4曲とスタンダード6曲の構成です。
バド・パウエルとシダー・ウォルトンが1曲づつ入っているのも分かり易くて納得です。
つまりヘイゼルタインの音楽性がそのまま表現されています。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)