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Chris Cheek (ts)
* CHRIS CHEEK QUINTET / SATURDAY SONGS
chris cheek (ts), steve cardenas (g)
david soler (pedal steel g), jaume llombard (b), jorge rossy (ds,vib&marimba)
2016/Sunny Side/
1 String Finger
2 Ginger Something
3 Eye Factory
4 Bucky's Blues
5 Either Way
6 Slow Ships
7 Saturday Song
8 Alhambros
9 Foreever Green (A.C.Jobim)
10 Strawberry Jam
11 While You Sleep
12 Windmill Hill
先日聴いた「シーマス・ブレイク&クリス・チーク」が良かったのでもう一枚チークを聴いてみようと思いました。
全12曲、1曲を除いてはチークのオリジナルです。
前作とはだいぶイメージが違う作りになっています。
まずはスティール・ギターの起用が新鮮でした・・・多分、ジャズで聴くのは初めてじゃないかな。
私にとってスティール・ギターといえばハワイアンで、「和田弘とマヒナスターズ」しか思い浮かびません。
これが新しい感覚のサウンドを生み出している。
聴いてみると独特のリズム感を持つ楽曲が並んでいました。
リズム感重視でポップス、ロック、カントリー、民族音楽、現代音楽などの要素などが含まれています。
ある意味ロバート・グラスパー(p)らが提唱するジャズとヒップ・ホップやロックを融合させる試みに似ているかも知れません。
どの曲も従来のジャズの感覚からずれていてつかみどころがなく面白いです。
ただ新しいだけじゃない良き古さを合わせ持っている・・・温故知新。
チークの異色作ということになるのかな、とてもジャズの範疇には収まり切れない。
こういう枠にとらわれない幅広い音楽性が魅力で、一筋縄ではいかないチークの才能を感じました。
好みがハッキリと分かれると思うので肌に合わない人も多いかも・・・聴く人を選ぶアルバムだと思います。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(中間系)
* SEAMUS BLAKE & CHRIS CHEEK QUINTET / LET'S CALL THE WHOLE THING OFF
seamus blake(ts), chris cheek(ts),
ethan iverson(p), matt penman(b), jochen rueckert(ds)
2016/Criss Cross/
1 Let's Call The Whole Thing Off (G.Gershwin)
2 Choro Blanco (S.Blake)
3 Lunar (C.Cheek)
4 La Cancion Que Falta (G.Klein)
5 Limehouse Blues (P.Braham)
6 Surfboard (A.C.Jobim)
7 Count Your Blessings (J.Berlin)
8 A Little Evil (Snook)
シーマス・ブレイク(s)とクリス・チーク(ts)の競演盤です。
CDショップでこれを見た時、聴き逃せないと思いました。
特にチークを聴くのは久し振りなので興味津々でした。
後で調べてみるとこの二人の共演盤は何枚かあるようですね。
エリック・アレキサンダーとグラント・スチュアートの2テナー・ユニットの「Reeds & Deeds」の
向こうを張ってブレイク&チークの「Reeds Ramble」を結成するつもりかな。
聴いていてふと思いました。
これはブラッド・メルドー(p)やカート・ローゼンウィンケル(g)のテナー版ではないかと。
かすれるような音色、浮揚感のある超クールなサウンド、細かく音をつなぐ奏法。
変拍子、一瞬タイミングを外して半音を多用する・・・それが緊張感を生んでいます。
古典の(5)「Limehouse Blues」を聴くとよく分かります。
(6)「Surfboard」における二人の掛け合いにも注目しました。
ボサノバ・テイストはどこかに吹っ飛んでしまいました。
バラードの(7)「Count Your Blessings」における二人の表現力も素晴らしいです。
面白いですね。
今までにはない感じがします・・・やはり新感覚のテナー奏者はちょっと違う。
サックスを自在に操る・・・二人のテクニシャンぶりも凄いです。
たまには現代の先進主流派テナー奏者を聴かないといけませんね。
やはりジャズは現在進行形です。
二人はいつの間にかマイケル・ブレッカー(ts)を超えていた。
バックの3人にも注目しました。
随所できらめくピアノを聴かせるイーザン・イヴァーソンの存在感は十分です。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(まじめ系)
*CHRIS CHEEK QUARTET / BLUES CRUISE
chris cheek(ts,ss)
brad mehldau(p,fender rhodes), larry grenadier(b), jorge rossy(ds)
2005/FRESH SOUND NEW TALENT/
1 Flamingo
2 Low Key Lightly
3 Coo
4 Squirrelling
5 Song Of India
6 Falling
7 Blues Cruise
8 John Denver
9 The Sweetheart Tree
クリス・チーク(ts)の新譜はブラッド・メルドー・トリオをバックに迎えての豪華盤です。
メルドーはすでに世界的、チークはまだマイナーな存在だと思うのでよほど強固な結び付きがあります。
音楽性が似かよっていたのが、先にメルドーが世の中に出たという感じでしょうか。
全9曲はオリジナル5曲、その他4曲で曲想が変化に富んでいるので飽きさせません。
メルドーもフェンダー・ローズを駆使してその変化に一役買っています。
チークの物憂げで気だるい表現力は独特の光を放っていると思います。
メロディ・ラインの美しいスロー、ミディアムテンポな曲ではその個性が一段と輝きを増してきます。
ここでもエリントンの(2)、表題曲の(7)、マンシーニの(9)などでチークの真髄が聴けます。
特に(2)の「LOW KEY LIGHTLY」は雰囲気バッチリで素晴らしいです。
私は何度も繰り返し聴いてしまいました。
ジャズ・ファンには好きなプレイヤーに特別の思い入れがありますね。
他人の評価は関係なくて、相性がいいとか、感性が合うというのは理屈では言い表せません。
私にとってはクリス・チークはそんなサックス奏者の一人です。
時代を担うテナー奏者としてこれからも注目していきたいと思っています。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(中間系)
*CHRIS CHEEK QUARTET / GUILTY & LAZY AFTERNOON
chris cheek(ts)
ethan iverson(p), ben street(b), jorge rossy(ds)
2002/FRESH SOUND/
Disk1
1 All Or Nothing At All
2 I Remember You
3 'Round Midnight
4 I'll Remember April
5 Guilty
6 Conception
7 Autumn Leaves
Disk2
1 Lazy Afternoon
2 Lover
3 Stardust
4 Tea For Two
5 Midnight Sun
6 Walkin Up
7 These Foolish Things
クリス・チーク(ts)、名前は時々聞いていましたが買ったのは今回が初めてです。
私はフームと唸ってしまいましたよたしかに話題になるだけのことはありますね。
ライブでこれだけのバラードを聴かせる人は少ないのではないでしょうか。
しっとりとした独特の雰囲気を持ったプレイヤーです。
この2枚は同時録音のようですがジックリ派には「GUILTY」を、
バラード派には「LAZY AFTENOON」をお薦めしたいと思います。
その味わい深い演奏は是非聴いてほしいですね。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(中間系)
*CHRIS CHEEK QUINTET / VINE
chris cheek(ts)
kurt rosenwinkel(g), brad mehldau(p), matt penman(b), jorge rossy(ds)
2000/FRESH SOUND/
先日購入したクリス・チーク(ts)が良かったので遡って聴いてみることにしました。
クリス・チークはその特徴のあるソフトでしなやかな音色がなんとも味わいがあります。
なんと、ブラッド・メルドー(p)やカート・ローゼンウィンケル(g)などと共演していました。
メルドーはすでによくご存知のことと思います。
ローゼンウィンケルは独特の浮揚感のあるサウンドの持ち主で注目しています。
こういうタイプのギタリストは初めてなんじゃないでしょうか。
このクリス・チークにマーク・ターナー(ts)が新しい感覚のテナー奏者かもしれません。
なお全8曲はすべて彼のオリジナルです。
(まじめ系)
* CHRIS CHEEK QUARTET / I WISH I KNEW
chris cheek(ts),
kurt rosenwinkel(g), chris higgins(b), jordi rossy(ds)
1997/Fresh Sound New Talent/
1 I Wish I Knew
2 At Long Last Love
3 Skylark
4 Stairway To The Stars
5 I'll Be Seeing You
6 Garden Floor
7 Time Remember
8 I Don't To Set The World On Fire
9 What'll I Do
クリス・チークは新感覚ジャズのテナー・サックス奏者の一人です。
ブラッド・メルドー(p)やここのカート・ローゼンウィンケル(g)の盟友としても知られています。
チークはまた古典的なバラード奏法の名手でスタンダードにおける表現力にも長けています。
私の新感覚ジャズの特徴は「浮揚感がある」とか「頼りなさげな感覚」を指しています。
共演の ローゼンウィンケルやジョージ・ロッシー(ds)もまた現代ジャズを牽引するミュージシャンですね。
ローゼンウィンケルを見出したのはヴァイブのゲイリー・バートンですが先見の明がありました。
彼もここではストレートでオーソドックスな演奏を聴かせてくれています。
ロッシーは鬼才ブラッド・メルドー(p)と共に「アート・オブ・ザ・トリオ」を結成していました。
バラード奏法におけるチークのルーツはレスター・ヤング〜スタン・ゲッツの流れになります。
レニー・トリスターノ(p)派のサックス奏者のワーン・マーシュ(ts)やリー・コニッツ(as)の影響もある。
チークには同系統の2枚組↓があるので聴いてみるのも面白いと思います。
* CHRIS CHEEK QUARTET / GUILTY & LAZY AFTERNOON (2002/FRESH SOUND)
chris cheek(ts), ethan iverson(p), ben street(b), jorge rossy(ds)
今作ですが全9曲はチーク自身のオリジナルは(6)の1曲のみでその他スタンダード8曲の構成です。
ベストはバラードの(4)「Stairway To The Stars」でここでのチークとローゼンウィンケルが素晴らしい。
チークのテナーの音色が何とも言えない・・・切なげに独特の味わいがあって心に沁みてきます。
刺激的ではないけれど当時の若手の実力がどれほどのものか・・・軽々と凄い・・・聴けば一目瞭然です。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(中間系)