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Dragon's Jazz Corner

Chie Nishimura 西村千恵 (vo)


*CHIE NISHIMURA / MY IDEAL
西村知恵(vo)、
高瀬龍一(tp)、大山日出男(as)、
続木徹(p)、高瀬裕(b)、小山太郎(ds)
2014/EN/


1 LEFT ALONE(M.Waldron)
2 JUST FRIENDS(J.Klenner)
3 THE BOY FROM IPANEMA(A.C.Jobim)
4 LULLABY OF BIRDLAND(G.Shearing)
5 IT NEVER ENTERED MY MIND(R.Rodgers)
6 MY IDEAL(R.A.Whiting/N.Chase)
7 I CAN'T GIVE YOU ANYTHING BUT LOVE(J.Mchugh)
8 YESTERDAYS(J.Kern)
9 STELLA BY STARLIGHT(V.Young)
10 IT'S ALL RIGHT WITH ME(C.Poter)
11 THE VERY THOUGHT OF YOU(R.Noble)
12 MY ONE AND ONLY LOVE(G.Wood)


今、巷で話題の西村知恵(vo)さんを聴いてみました。
「彗星のごとく現れた」とありますが一度は挫折を味わっているようです。
鹿児島出身、2000年に上京するも音楽活動を中止したとあります。
ジャケットでは若く見えるのでまったくの新人なのかと思ってしまいました。

西村さんのデビュー作は全12曲のスタンダード作品集です。
アレンジャーはクールなトランペッターの高瀬龍一さん。
このアレンジが良くてバックのクインテットとのアンサンブルが最大の魅力です。
特に高瀬さんと大山日出男さんとのユニゾンやハーモニーが新味で聴きどころになりました。
つまり西村さんのボーカルが楽器の一部として参加している感じがします。
アレンジの効果が抜群なので危うい部分もあるけれど全体的に適度な緊張感に包まれています。
つまりまったく自由に歌わせてもらえるわけではないんです。
ボーカル・アルバムとしては一味違っていて実に新鮮です。

西村さんの実力は十分です。
声質はやさしく、やわらかく、まろやかで申し分ありません。
根っこにはエラ・フィッツジェラルド(vo)がいるので安心感もあります。
私は1曲目の「Left Alone」でぐっと引き込まれてしまいました。
まじめ系で渋めのベテラン・ジャズ・メンを起用してどこか懐かしい味わいもあります。
バックの高瀬さんのトランペット、大山さんのアルト、続木徹さんのピアノにも注目しました。
「Very Cool」・・・しっとりとした仕上がりで、このジャズ・テイストがたまりません。
(2)「Just Friends」、(4)「Lullaby Of Birdland」、(7)「I Can't Give You Anything But Love」、
(10)「The Very Thought Of You」ではスイング感溢れる歌と演奏が聴けます。
アップ・テンポはもちろんですがバラードも良いです。
上記の(1)「Left Alone」や表題曲の(6)「MY Ideal」、(5)「It Never Entered My Mind」、
(8)「Yesterdays」など、特に(12)「My One And Only Love」はピアノ・トリオでじっくり聴かせる。

ジャズ・ヴォーカリストは40を過ぎてからが味が出ます。
西村さんの将来性は十分だと思います。

このアルバムを聴いてくださるあなたとのかけがいのない出会い、
そして私を支えてくださった方々との一期一会の出会い、
あふれ出る感謝を全ての曲に込めて、
--chie--

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)