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Dragon's Jazz Corner
Chico Freeman (ts)
*CHICO FREEMAN QUARTET / ELVIN
chico freeman(ts),
george cables(p), lonnie plaxico(b), winard harper(ds),
guest:joe lovano(ts)(1,7), martin fuss(ts,bs,fl)(4)
2012/Jive Music/
1 Elvin
2 Inner Urge
3 E.J.'s Blues
4 The Pied piper
5 After The Rain
6 Night Dreamer
7 Think On Me
8 Lonnie's Lament
9 Mahjong
チコ・フリーマン(ts)を聴くのも何年振りになるかな・・・いや10年振り以上かもしれません。
年を取ったら軽いものがいいなんて言いながら、たまには重量級も聴きたくなってしまいます。
故エルヴィン・ジョーンズ(ds)を偲ぶ今作は選曲も面白いと思いました。
縁の深いジョン・コルトレーン(ts)、ウエイン・ショーター(ts)、ジョー・ヘンダーソン(ts)など。
ジョージ・ケイブルス(p)、ロニー・プラシキコ(b)、ウィナード・ハーパー(ds)のトリオがバック、
2曲にジョー・ロバーノ(ts)がゲスト出演しています。
オーストリア盤というのも珍しいかもしれませんね。
やっぱりというか、音が出た途端に存在感が違うと思いましたよ。
深味のあるグサッとくる音色です。
ヘンダーソンの(2)「INNER URGE」が一番の聴きどころになりました。
イントロはドラムスとのデュオで入ってテーマを挟んで中間はピアノレスのトリオ演奏です。
ショーターの(6)「NIGHT DREAMER」もチコ流のユニークな展開です。
手数の多いハーパーのドラムスとプラキシコの強烈なベース・プレイも聴けました。
バラードではコルトレーンの(8)「LONNIE'S LAMENT」がいい感じ。
ここではジョージ・ケイブルスのプレイに注目、彼の張り切りようも十分にうかがえます。
ジョー・ロバーノが入る(1)「ELVIN」と(7)「THINK ON ME」が意外にオーソドックスな演奏。
ここでホッとする時間がありました。
ちなみにチコ・フリーマンはシカゴ派の大物テナー奏者のヴォン・フリーマンの息子です。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(まじめ系)
*CHICO FREEMAN QUINTET / FOCUS
chico freeman(ts), arthur brythe(as),
george cables(p), santi debriano(b), yoron israel(ds)
1994/Contemporary/
チコ・フリーマン(ts)にアーサー・ブライス(あs)の組み合わせときたら外すわけにはいきません。
ゴリゴリながらぐっとスマートで滑らかになった、懐かしいサウンドがここにありました。
チコとケーブルス(p)は絶好調、各人の好演と相まって、ほぼ完成されたチコの世界が聴けます。
文句なしの名盤の一枚です。
モンクが2曲、「Bemsha Swing」、「Rhythm-A-Ning」
*CHICO FREEMAN QUINTET / THE UNSPOKEN WORD
chico freeman(ts), arthur brythe(as),
julian joseph(p), curtis lundy(b), idris muhammad(ds)
1994/Ronnie Scott's JAZZ House/
* SAM RIVERS, ARTHUR BLYTHE, NATHAN DAVIS, CHICO FREEMAN / ROOTS
SALUTES THE SAXOPHONE
sam rivers(ts), nathan davis(ts,ss), arthur blythe(as), chico freeman(ts,ss),
don pullen(p), santi debriano(b), tommy campbell(ds)
1992/In Out/
1 Cottontail-For Ben Webster
2 Parker's Mood-For Charlie Parker
3 Impressions-For John Coltrane
4 You Don't Know What Love Is-For Eric Dolphy
5 The Panther-For Dexter Gordon
6 Body And Soul-For Coleman Hawkins
7 St,Thomas-For Sonny Rollins
8 Red Top-For Gene Ammons
9 Lester Leaps In -For Lester Young
今作の魅力はメンバーの豪華さにあります。
サックスは年齢順にサム・リヴァース(ts)、ネイザン・ディヴィス(ss)、アーサー・ブライス(as)、チコ・フリーマン(ts)です。
バックはドン・プーレン(p)、サンティ・デブリアーノ(b)、トミー・キャンベル(ds)のトリオです。
サム・リヴァースは88歳、ネイザン・ディヴィスは81歳、アーサー・ブライスは76歳ですでに亡くなっています。
チコ・フリーマン(ts)は最も若く70歳で健在です。
この4人のサックス奏者は伝統に根ざしながらもフリージャズ〜ロフト・ジャズ傾向の強いミュージシャン達です。
リヴァースはマイルス・ディヴィスからフリー・ジャズの雄、ディヴィスはエリック・ドルフィ(as)との共演歴が長い、
ブライスは70年代にロフト・ジャズ・シーンで活躍、チコはシカゴ・ジャズの大御所ヴォン・フリーマンの息子です。
当然ながらこの4人のサックス奏者の中心にいるのはサム・リヴァースに他なりません。
共演のドン・プーレンも鍵盤を転がす独特のスタイルとタッチを持つユニークなピアニストで好きした。
残念ながら1995年に53歳の若さで亡くなっています。
全9曲、今作はまた1曲1曲の稀代のサックス奏者の名演に敬意を表しています。
(1)はベン・ウェブスター(ts)、(2)はチャーリー・パーカー(as)、(3)はジョン・コルトレーン(ts)、
(4)はエリック・ドルフィ(as)、(5)はデクスター・ゴードン(ts)、(6)はコールマン・ホーキンス(ts)、
(7)はソニー・ロリンズ(ts)、(8)ジーン・アモンズ(as)、(9)レスター・ヤング(ts)に捧げる形になっています。
この人選も絶妙で、なるほどこの人達が後のサックス奏者に与えた影響が一番大きいのかと思いました。
このメンバーなら悪かろうはずもなくどれも素晴らしい演奏が詰まっていました。
中でも私的ベストは(4)「You Don't Know What Love Is」になります。
ここでのネイザン・ディヴィスのソプラノ・サックスのバラード・プレイに痺れてしまいました。
彼に関してはエリック・ドルフィとの共演盤を聴いたことがあるだけでほとんど知らなかった。
こんなに凄いプレイヤーだったのかと認識を新たにしました。
(2)「Parker's Mood」のアーサー・ブライスやドン・プーレンのソロもまた心に残る名演です。
(3)「Impressions」ではチコ・フリーマンの強烈なソプラノ・サックス・ソロが聴けました。
(5)「The Panther」のサム・リヴァースの朗々と歌うテナー・サックスのソロなど聴きどころが満載です。
1991年ドイツ/レバークーゼン”フォーラム”での実況録音ですが司会はチコが務めていました。
1990年代の貴重盤の一枚に上げておきます。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(中間系)
*CHICO FREEMAN QUARTET / LIVE AT RONNIE SCOTT'S
chico freeman(ts),
kenny barron(p), santi debriano(b), fredrick waits(ds)
1986/Hendring Wadham/