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Chet Baker (tp,vo)


*CHET BAKER QUARTET LIVE / THIS TIME THE DREAM'S ON ME
chet baker(tp)
russ freeman(p), carson smith(b), larry bunker, bob neel(ds)
2000/PACIFIC JAZZ/

1 All The Things You Are
2 Isn't It Romantic
3 Maid In Mexico
4 My Funny Valentine
5 This Time The Dream's On Me
6 Introduction
7 Line For Lyons
8 Lover Man
9 My Funny Valentine
10 Maid In Mexico
11 Stella By Starlight
12 Myb Old Flame
13 Headline
14 Russ Job


最近入手したチェット・ベイカー・カルテットの1953〜54年にかけてのライブ盤です。
特に1〜5は未発表曲で貴重です。
6〜14は「JAZZ AT ANN ARBOR」として、LPで発売されました。
やっぱり、この頃のベイカーは素晴らしいですね。
当時のウエスト・コースト・ジャズの真髄が聴けます。
白人トランペッターとしてはダントツの魅力があります。
私は懐かしくてジワーとなってしまいました。
ファンの耳を馬鹿にしてはいけませんね。
マイルスを凌いだ人気も一理ありますよ。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*CHET BAKER QUARTET / LIVE IN TOKYO
chet baker(tp,vo),
harold danko(p), hein van der geyn(b), john engels(ds)
1987Rec/Paddle Wheel/

チェット・ベイカーの日本ライブ盤、2枚組です。

伝説のミュージシャンが日本に残した正式な唯一のレコーディングとして
後世まで語り継がれる出来栄え、チェットはこのライブを残して一年後、
文字通り伝説の人になってしまった。
(帯中よりの抜粋)

「Stella By Starlight」、「My Funny Valentine」、「For All We Know」, etc




* CHET BAKER & PAUL BLEY DUO / DIANE
chet baker(tp,vo), paul bley(p)
1985Rec/SteepleChase/

1 If I Shold Lose You
2 You Go To My Head
3 How Deep Is The Ocean
4 Pent-Up House
5 Everytime We Say Goodbye
6 Diane
7 Skidadidlin'
8 Little Girl Blue


チェット・ベイカー(tp,vo)は1929年生まれ、1988年にオランダで変死、58歳でした。
常に麻薬がらみの話題が多くて1960年代〜70年代半ばにかけては引退同然になっていた。
私にとってもベイカーは50年代で終わっていてカムバックしたのを聴いても全然いいとは思わなかった。
ジェリー・マリガン(bs)との再会セッション「カーネギー・ホール・コンサート」(1977/CTI)で聴けます。
ここでのマリガンは絶好調で一世一代の名演奏を聴かせているけどチェットはまったく冴えなかった。
多分、病み上がりの回復途上だったと思う・・・それでまたチェットから離れてしまったは事実です。

先日の「チェット・ベイカー・シングス」の紹介中、80年代のチェットを全然聴いていないことに気付いた。
で、何かないか?と探したら今作がありました。
フリー・ジャズの雄、ポール・ブレイ(p)とのデュオなら面白いんじゃないかと思いました。
ブレイはカナダ出身の1932年生まれ、2016年にフロリダにて83歳で亡くなっています。

これはねぇ〜、真夜中にグラス片手に聴いたら最高だと思うよ。
枯れた味わい、二人は音数を極力少なくして寄り添うように流れるようにメロディを追って行く。
(1)「If I Shold Lose You」に痺れてしまった。
ヴォーカルが聴けるのは(2)「You Go To My Head」だけです。
私が聴きたかったのは大好きな(5){Everytime We Say Goobye」だけど十分満足しました。
ただ同じ傾向の演奏が続くのでいまひとつ物足りないと思うかも知れません。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




* KIRK LIGHTSEY TRIO & CHET BAKER / EVERYTHING HAPPENS TO ME
kirk lightsey(p), david eubanks(b), eddie gladden(ds),
chet baker(tp,vo)(1,2)
1983/Timeless/

1 Ray's Idea
2 Everything Happens To Me
3 Girl With The Purple Eyes
4 Speak No Evil
5 Inner Urge
6 Fee Fi Fo Fum


80年代のチェット・ベイカー(tp,vo)をもう1枚紹介したいと思います。
以前メンバーとして共演歴があるピアニストのカーク・ライトシーの作品に客演したものです。
参加は2曲だけですが曲想が違うので面白かったです。
定番の(2)「Everything Happens To Me」はシブさ全開のヴォーカルとラッパが聴けました。
(1)「Ray's Idea」ではアップ・テンポの演奏なのでこの時期珍しいんじゃないかと思いました。
体調が良かったんでしょうね、中々にスッキリとした演奏を聴かせてくれています。
あとの4曲はピアノ・トリオによる演奏です。
当時このトリオはデクスター・ゴードン(ts)のバックを務めていたと解説にありました。
つまり親分なしで吹き込んでいたところにチェットがフラリと現れて付き合ってくれた感じなのかも。
ライトシーのピアノは良いけれど唸り声が気になる人には向きません。
オランダのタイムレス・レーベルは1980年前後、低迷するアメリカのジャズメンに救いの手を差しのべた。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




* JIM HALL & CHET BAKER & HUBERT LAWS / STUDIO TRIESTE
jim hall(g), chet baker(tp), hubert laws(fl),
kenny barron(key), jorge dalto(key), jack wilkins(g),
gary king(elb), gorge mraz(b), steve gadd(ds), sammy figueroa(per)
don sebesky(srr)
1982/CTI/

Side A
1 Swan Lake
2 All Blues
Side B
1 Mlaguena
2 Django


クラシックのジャズ化はフュージョン・シーンの特徴の一つ(特にCTI)になりました。
アレンジャーの活躍の場が増えたということもあるでしょうね。
ジャケットにはチェット・ベイカー(tp)の名前が最初にあるけどやはり主役はジム・ホール(g)だと思います。
なぜならジムには前に「アランフェス協想曲」というアルバムをヒットさせているから。
演目は「白鳥の湖」、「オール・ブルース」、「マラゲーニア」、「ジャンゴ」の4曲だけです。
それぞれがじっくりと演奏されていてハイライトになっています。
つくづくドン・セベスキーのアレンジが素晴らしいと思います。
フュージョン名盤の一枚に上げておきたいです。

(くつろぎ系)




*CHET BAKER / SHE WAS TOO GOOD TO ME
chet baker(tp,vo), paul desmond(as), bob james(elp),
ron carter(b), jack dejohnette(ds), steve gadd(ds),
dave freiedman(vib), hubert laws(fl), romeo penque(fl.cl),
george marge(fl,oboe),strinngs
1974/CTI/

「枯葉」を初めて採り上げたことで話題を呼んだ、
美しくも切ない感動の名演、名唱。
(帯中よりの抜粋)

ポール・デスモンド(as)との共演は久し振りじゃないかな。
このリズム・セクションでの共演は新鮮。




* CHET BAKER / WITH FIFTY ITALIAN STRINGS
chet baker(tp,vo),
mario pezzotta(as), glauco massetti(as), gianni basso(ts),
fausto papetti(bs), giulio libani(p), franco cerri(b),
gene victory(ds), & strings, harp, flugelhorns
1959/Jazzland/

1 I Should Care
2 Violets For Your Furs
3 The Song Is You
4 When I Fall In Love
5 Goodbye
6 Autumn In New York
7 Angel Eyes
8 Street Of Dream
9 Forgetful
10 Deep In A Dream


何だか急にチェット・ベイカー(tp,vo)が聴きたくなりました。
今作はイタリアのジャズ・メンと共演した企画ものです。
ストリングスをバックにチェットのトランペットと歌声が冴えわたる。
50年代のチェットは本当に素晴らしいと思います。
音色は哀愁を帯びて艶やかで歌声は中性的で気だるい、何とも雰囲気が最高です。
ベストにはインストで(6)「Autumn In New York」、歌で(10)「Deep In A Dream」を上げておきます。

ジャズランド・レーベルはリバーサイドの傍系レーベルで廉価版です。
若い頃すでにリバーサイドは入手困難だったけどジャズランドはまだ出回っていたのを思い出しました。
ここにはウェス・モンゴメリー(g)の「ウエスト・コースト・ブルース」という貴重盤がありました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)




*CHET BAKER QUINTET / IN NEW YORK
chet baker(tp), johnny griffin(ts),
al haig(p), paul chambers(b), philly joe jones(ds)
1958Rec/RIVERSIDE/

チェット・ベイカーのアルバムでも特に好きだった一枚です。
CD化で「Soft Winds」が追加されました。

ジョニー・グリフィン(ts)以下ニューヨークのコクのあるミュージシャンを集めた
ブローイング・セッションでイースト・コースト指向を打ち出したチェットの傑作。
(帯中よりの抜粋)

「Polka Dots And Moonbeams」、「Solar」、「When Lights Are Low]




* CHET BAKER QUARTET / CHET BAKER SINGS
SideA
chet baker(vo,tp),
russ freeman(p), james bond(b), peter littman(ds)(1,2,5),
lawrence marable(ds)(3,4,6)
1956Rec/Forum Theatre/(Pacific Jazz/PJ1222/M)

Side A
1 That Old Feeling
2 It's Always You
3 Like Someone In Love
4 My Ideal
5 I've Never Been In Love Before
6 My Buddy


SideB
chet baker(vo,tp),
russ freeman(p), carson smith(b), bob neel(ds)
1954Rec/Capitol Studios/


Side B
1 But Not For Me
2 Time After Time
3 I Get Along Without You Very Well
4 My Funny Valentine
5 There Will Never Be Another You
6 The Thrill Is Gone
7 I Fall In Love Too Easily
8 Look For The Silver Lining


ジェリー・マリガン(bs)の次はやはりチェット・ベイカー(tp,vo)ということになるかな。
チェット・ベイカーの名前にはどうも麻薬的な要素があるように思う。
それでかな、ミュージシャンによるチェットの名前を冠したアルバムがいっぱい出ています。
それをまた買っちゃうファンもいるわけで・・・私を含めて・・・つくづく麻薬だね。

チェットの歌が知られたのは50年代のパシフィック・ジャズの「チェット・ベイカー・シングス」だった。
つまり今作ですがここにはチェットの歌手としての原点があります。
私が一番好きだったのは「That Old Feeling」で抜群のノリとクールな音色のトランペットが素晴らしい。
愛唱曲になった「My Funny Valentine」やバラードの名曲「Time After Time」や「「Like Someone In Love」、
「I Fall In Love Too Easily」、「I've Never Been In Love Before」、「The Thrill Is Gone」なども入っている。
中性的でアンニュイな歌唱法は当時の評価で「気持ち悪さ」の方が断然勝っていたような気がします。
当然ですね、それまでそんな歌い方をする男性ヴォーカリストはいなかったわけだから。
でもね、反面熱狂的なファンが多かったのも事実で私も一発でハマりました。
それが時代と共に認められて違和感がなくなった・・・今では7、8割の人が好きと言うんじゃないかな。
私はチェットの歌には当時新しく入ってきたばかりだったボサノバの気だるい歌い方の影響を感じています。

さて今作の「チェット・ベイカー・シングス」は中々複雑で情報がハッキリしていないところがあります。
私の持っている情報がかなり真実に近いのではないかと思っています。
まずA面とB面の録音日時とメンバーが違っていて、54年と56年の2セットが合わさっている。
両方に参加しているサイドマンはピアノのラス・フリーマンだけです。
その上、今作には特殊な事情がありました。
ちょうどレコードがモノラルからステレオへの過渡期だったので疑似ステレオ化されてしまいました。
なんとギターを後から追加するというとんでもないことが起こっています。
多重録音はひとつの技術ではあるけれどライブで再現出来ないのでまったくの別物だと思っている。
さらに悪いことにモノラルのマスター・テープが見つからない事態になったらしい。
信じられますか?
なのでギターなしのモノラル盤がオリジナルでギター入りのステレオ盤はごまかしということになります。
色々と聴いてみると大体がギター入りになっているようですが・・・多分ギタリストの名前はないと思う。
さて問題のギタリストは誰かな?・・・その答えはジョー・パスです。

(くつろぎ系)