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Dragon's Jazz Corner
Cassandra Wilson (vo)
*CASSANDRA WILSON / LOVERLY
cassandra wilson(vo),
marvin sewell(g), jason moran(p), lonnie plaxico(b),
reginald veal(b), herlin riley(ds), lekan babalola(per), etc
2008/BLUE NOTE/
今年は少しボーカルも聴こうということで選んだのがカサンドラ・ウィルソンの新譜です。
この前カサンドラの作品を買ったのは1999年の「Traveling Miles」だったか。
たしかデビュー・アルバムと2枚目も持っているはずですが、それでももう10年も前のことになります。
カサンドラはかなり濃いボーカルリストなのでいかにも妥協のないジャズ・ボーカルという感じがしました。
でもこのようなスタンダード作品集なら比較的聴き易いと思います。
今作はもちろんカサンドラがスタンダードをどう料理しているかが聴きどころになります。
当然ながら一筋縄ではいきません。
鬼才ジェイソン・モラン(p)とマーヴィン・セウエル(g)のプレイも聴きものです。
マーヴィン・セウエルは以前ゲイリー・トーマス(ts)のアルバムで聴いたことがありますが雰囲気ピッタリの起用。
ただ1曲のオリジナルの(8)「ARERE」って日本語なのかな。
多分、即興演奏だと思いますがこれが出色の出来で印象に残りました。
スタンダード集の中で1曲だけ異色なんだけど、ここに収録したくなったのもよく判ります。
(まじめ系)
*CASSANDRA WILSON / TRAVELING MILES
Cassandra Wilson(vo),
Eric Lewis(p) Lonnie Plaxico(b), Marcus Baylor(ds), Perry Wilson(ds),
Mino Cinelu(per), Jeff Haynes(per), Kevin Breit(g), Marvin Sewell(g),
Regina Carter(vln), Steve Coleman(as), Stefon Harris(vib),
Pat Metheny(g), Dave Holland(b), etc
1999/Blue Note/
今世紀最後のザ・ヴォーカリスト、カサンドラ・ウィルソン!
帝王マイルス・デイヴィスの崇高なるスピリットに捧げる。
(帯中よりの抜粋)
カサンドラ・ウィルソンはクセのある濃いヴォーカリストです。
でもこの魅力にハマると中々抜け出せないのではないかな。
その点、セロニアス・モンクに似たところがあるかもしれません。
*JACKY TERRASSON & CASSANDRA WILSON / RENDEZVOUS
jacky terrasson(p), cassandra wilson(vo),
lonnie plaxico(b), mino cinelu(per), kenny davis(b)(2,13)
1997/Blue Note/
1 Old Devil Moon
2 Chan's Song (Jacky Trio)
3 Tennessee Waltz
4 Little Boy Lost
5 Autumn Leaves (Jacky Solo)
6 It Might As Well Be Spring
7 My Ship
8 I Remember You
9 Tea For Two
10 If Ever I Would Leave You
11 Chicago 1987 (Jacky Solo)
12 Come Rain Or Come Shine
13 Medieval Blues (Jacky Trio)
ジャッキー・テラソン(p)とカサンドラ・ウィルソン(vo)の共演盤は発売当時大きな話題になりました。
ジャズ盤としてはかなり売れたんじゃないかと思います。
が、しかし日本ではジャッキーもカサンドラもいまいちパッとしない印象を持っています。
その理由は何でしょうね?
ジャッキーはかの有名なモンク・コンペの優勝者で超絶技巧の持ち主です。
カサンドラは中性的な声質で20世紀最後のジャズ・ヴォーカリストと言われた逸材です。
両者共に妥協がなく、深くて濃いクセのある音楽性は大衆に迎合しません。
その実力は十分ですが一筋縄ではいかないので親しみやすいとはいかないのも事実です。
さて今作はそんな二人のスタンダード作品集です。
ジャッキーのピアノ・トリオやジャッキーのソロ・ピアノも聴ける構成でよく出来ています。
カサンドラのディープな歌声と共にコアなジャズ・ファンにも十分に通用すると思います。
90年代ジャズ・ヴォーカルの名盤の一枚です。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(まじめ系)