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Dragon's Jazz Corner

Byard Lancaster (as,fl)


*BYARD LANCASTER QUINTET / IT'S NOT UP TO US
byard lancaster(fl,as), sonny sharrock(g),
jerome hunter(b), eric gravatt(ds), kenny speller(cong)
1966-1967Rec/Vortex/

今作もCDショップの廉価盤コーナーで見つけました。
フリー系のフルート、アルト・サックス奏者のバイアード・ランカスターの作品です。
バイアードは1942年生まれ、2012年に70歳で亡くなっています。

1960年代はフリージャズの嵐が引き荒れていた。
フリー・ジャズ・ファンも多かったのでジャズ喫茶では好むと好まざるにかかわらず聴かされました。
で、バイアード・ランカスターの名前もこのアルバムの存在も知っていました。
でも積極的に聴きたいと思わなかったのでじっくりと向き合ったのは今回が初めてです。

今作は中々に面白い作品でバイアードの音楽性がよく出ています。
アフリカ的、土着的なリズムとサウンドで叙情的な味わいもありました。
コンガの存在が実に効果的です。
オリジナルの(4)「JOHN'S CHILDREN」はジョン・コルトレーン、
(5)「MR.A.A」はアルバート・アイラーの名前が上がっていて彼のルーツを探ることができます。
フリー系のフルート、アルト奏者はエリック・ドルフィやオーネット・コールマンの影響は避けられません。

オリジナルもいいけれど聴きどころは2曲のスタンダードにありました。
(3)「MISTY」と(7)「OVER THE RAINBOW」をどう料理しているか。
一ヶ所に留まらずあちこち飛び跳ねる感じ・・・個性的で面白いです。
今ならどうっていうことはないけど当時は斬新な解釈と展開だったと思います。
共演者ではやはりソニー・シャーロックのプレイに注目しました。
シャーロックはギターのセシル・テイラー(p)ともいえる存在で強烈なエネルギーを発散します。

ちょっと気になったのは録音の終わりに余韻なく、ポツンと切れてしまうことです。
アトランティック傍系のヴォルテックス・レーベルも珍しいと思う。

[ ドラ流目立たないけどいいアルバム ]

(まじめ系