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Dragon's Jazz Corner

Billy Hart (ds)


*BILLY HART QUARTET / QUARTET

billy hart(ds)
mark turner(ts), ethan iverson(b), ben street(b)
2006/HIGHNOTE/

1 Mellow B
2 Moment's Notice
3 Charvez
4 Confirmation
5 Lorca
6 Irah
7 Lullaby For Imke
8 Iverson's Odyssey
9 Neon


これは久方振りに背筋がゾクゾクとしたアルバムです。
個性派のマーク・ターナー(ts)とイーザン・イバーソン(p)が実に伸び伸びと演奏しています。
ビリー・ハート(ds)がどっしりと構えていて、安定感は抜群、全て手の内に入れているという感じです。
ベン・ストリート(b)の絡みも秀逸、さすがに実力派のベテラン・ドラマーは一味も二味も違います。
オリジナルが中心とはいえ、曲想も変化に富んでいて飽きさせません。
最初はとっつきにくいかも知れませんが、好きな人にはたまらないサウンドです。
有名なチャーリー・パーカー(as)の「CONFIRMATION」がどう展開されているか、是非聴いて欲しいです。
(3)「CHARVEZ」、(7)のバラード、「LULLABY FOR IMKE」におけるターナーの表現力も聴きどころ。
ここでのマーク・ターナーは絶好調、先進のテナー奏者としての面目躍如たるものがあります。
ワン・ホーンのターナー節を満喫できるので、最近のベスト・プレイだと思います。
比較的オーソドックスなHIGHNOTEレーベルにしては、このような作品は珍しいのではないでしょうか。

「2006年のベスト3」の1枚になりました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)




* BILLY HART TRIO / THE TRIO
billy hart(ds), walter bishop jr(p), george mraz(b)
1978Rec/Progressive/

1 This Thing
2 There Will Never Be Another You
3 Nancy
4 Minority
5 Night In Tunisia
6 Waltz For Zweetie
7 Every Time We Say Goodbye
8 For All We Know
9 Anthropology
10 This Thing
11 For All We Know
12 Once I Love


ビリー・ハート(ds)の1978年作品の復刻盤です。
ここで目を惹かれたのはウォルター・ビショップ(p)の名前です。
これを見たらどうしても聴きたくなってしまいました。
演目には馴染みのスタンダードが並んでいるし、どうにも手が止まりませんでした。

ビリー・ハートのドラムスを中心にした切れ味の良いピアノ・トリオの作品です。
特筆すべきはジョージ・ムラツ(b)の強靭さでしょうか。
ヨーロッパのベーシストは60年代にニールス・ペデルセンの登場で一気に注目されることになりました。
最初は超絶技巧ばかりが目立ちましたが徐々にアメリカの伝統的なベース奏法も取り入れていくことになります。
ここでのムラツはまだその成長途上にあるようでブンブンと鳴らす強力なヨーロッパ系ベースを聴かせています。
この存在感が凄いです。
ハートもビショップもそれに扇られてか、いつもよりは激しいプレイを聴かせてくれました。

全体的にはちょっと粗いかもしれませんが寡作のビショップのトリオ盤が聴けることで貴重です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)