[トップページ]



Dragon's Jazz Corner

Bill Charlap (p)


*BILL CHARLAP TRIO / NOTES FROM NEW YORK
bill charlap(p), peter washington(b), kenny Washington(ds)
2016/Impulse/

1 I'll Remember April (G.Depaul/P.Johnston/D.Raye)
2 Make Me Rainbows (J.T.Williams/A.Bergman/M.Bergman)
3 Not A Care In The World (V.Duke/J.Latouche)
4 There Is No Music (H.Warren/I.Gerswhin)
5 A Sleepin' Bee (H.Arlen/T.Capote)
6 Little Rascal On A Rock (T.Jones)
7 Too Late Now (B.Lane/A.J.Lerner)
8 Tiny's Tempo (L.Grimes/C.Hart)
9 On The Sunny Side Of The Street (J.McHugh/D.Fields)



先日リニー・ロスネス(p)を聴いたので今度は夫君のビル・チャーラップを選びました。
幾何学的でアヴァンギャルドなジャケットにも惹かれました。
実にチャーラップを買ったのは久し振りで9年振りです。
イメージがだいぶ変わっていると思いました。

ロスネスとはピアニスト同士ということもあり互いに影響しあっているでしょうね。
ロスネスは独特のタッチとタイミングの持ち主でカチッとした硬派のピアニストで個性的です。
そんなところがチャーラップの味わいとして加わったと思います。

結論から言えばこれは素晴らしいアルバムです。
贅肉をそぎ落として一音一音を際立てる、引き締まった硬質な演奏を繰り広げています。
90年代から20年以上続くこのピアノ・トリオは稀有な存在です。
ピーター(b)&ケニー(ds)の両ワシントンとのビル・チャーラップ・トリオはなお現在進行形。
その完成度の高さに驚きました・・・凄いです。
現在、世界最高クラスのレギュラーのジャズ・ピアノ・トリオではないかな。

まぁ〜、どれを聴いても非の打ちどころがない感じがします。
まずは1曲目の「I Remenber April」を聴いてみて下さい。
聴き慣れている曲ですがグイと引き寄せられてしまいました。
ベストは(2)「Make Me Rainbows」かな、このノリ、絶妙なタッチとタイミングに参りました。
(3)はアップ・テンポで(4)はスロー・バラードで演奏されます。
(5)「A Sleepin' Bee」の三位一体となったスイング感も凄いです。
超スロー・テンポで演奏される(9)「On The Sunny Side Of The Street」は斬新です。
ピアノ・ソロですがまったく別の曲に聴こえます。

久々に背筋がゾクゾクした一枚です。
ジョン・コルトレーン(ts)で名を上げた再生インパルス・レーベルも久しぶりでした。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*BILL CHARLAP TRIO / LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD
bill charlap(p), peter washington(b), kenny washington(ds)
2007/BLUE NOTE RECORDS/

1 Rocker
2 Autumn In New York
3 Godchild
4 The Lady Is A Tramp
5 It's Only A Paper Moon
6 My Shining Hour
7 All Across The City
8 While We're Young
9 Last Night When We Were Young


今やこのビル・チャーラップ・トリオも世界を代表するピアノ・トリオの一つでしょうね。
これはヴィレッジ・ヴァンガードでのライブ盤ですが緊張感が漂っているところに独特の雰囲気を感じます
観客の期待度と共に「さあー、聴くぞ」という姿勢が伝わってくるようです。
聴けば聴くほど味わい深く、格調高く上品で、バランス、コンビネーション共に抜群です。
このトリオはスタンダードを演奏することが多いですが、スタンダードの名曲が
瑞々しい感覚と共に新しい息吹を吹き込まれているような感じがします。
(1)「ROCKER」は見出してくれた恩師、ジェリー・マリガン(bs)の曲です。
マイルス・デイビス(tp)の名盤、「Birth Of The Cool」の中で演奏されたのが知られています。
マリガン・ファンの私としては、一番目に収録してくれたのは嬉しい限りです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*BILL CHARLAP TRIO / SOMEWHERE
[The Song Of Leonard Bernstein]
bill charlap(p)  peter washigton(b)  kenny washington(ds)
2004/BLUE NOTE/

ビル・チャーラップ・トリオによるレオナード・バーンステイン作品集です。
お馴染みのレギュラー・トリオで気心も知れていて3人のコンビネーションは抜群です。
1曲目の「COOL」と2曲目の「LUCKY TO BE ME」を聴いてガツンときました。
この2曲にトリオの魅力が凝縮されていると思いました。
チャーラップは今年で38歳、実力、人気共に自己の地位を確立したと思います。
その自信に満ちたプレイ振りと安定感には貫禄さえ感じられます。
まさに油の乗った円熟期を迎えたと言えるでしょうね。
私が知っているミュージカルは中学生時代に見て感激した「ウエスト・サイド・物語」だけですが、
その中から4曲が選ばれているのが嬉しかったです。
オーソドックスなスタイルで聴きやすいといっても甘く見てはいけません。その中身は案外と濃いですよ。
このトリオの来日公演の予定はないでしょうか。是非聴いてみたいものです。

[Cool]、「Lucky To Be Me」、「It's Love」、「Lonely Town」、「Jump」、
[Some Other Time」、「Glitter And Be Gay」、「A Quiet Girl」、
「Big Stuff」、「America」、「Ohio」、「Somewhere」

(中間系)




*BILL CHARLAP NEW YORK TRIO / THE THINGS WE DID LAST SUMMER
bill charlap(p), jay leonhart(b), bill stewart(ds)
2002/VENUS/

先週に引き続いてのビル・チャーラップ(p)です。
このニューヨーク・トリオは前回の「ブルース・イン・ザ・ナイト」に続き2枚目の作品になります。
チャーラップはモダンの中に伝統やユーモアを感じさせるプレイヤーです。
長く聴いていても疲れませんし安心感もあります。
特に(6)の「ユード・ビー・ナイス・トゥー〜」は、お気に入りの1曲になりました。

「The Shadow Of Your Smile」、「How High the Moon」、「Mona Lisa」、
「You'd Be So Nice To Come Home To」、「It's Only A Paper Moon」、「As Time Goes By」

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]

(中間系)




*BILL CHARLAP TRIO / STARDUST
bill charlap(p), peter washington(b), kenny whasington(ds)
tony bennett(vo)(2), shirley horn(vo)(10), jim hall(g)(5), frank wess(ts)(3,8)
2002/BLUE NOTE/

今はピアノ・トリオというとビル・チャーラップを聴く場合が多いです。
適度なモダンさと古めかしさ、リラックス出来る要素を併せ持っていると思います。
テナーのエリック・アレキサンダーと同様にこちらも今が旬のピアニストですね。
この作品はトニー・ベネット(vo)、シャーリー・ホーン(vo)、ジム・ホール(g)、
フランク・ウェス(ts)をゲストに迎えたホギー・カーマイケル作品集になっています。
ホギー・カーマイケルも多くの素晴らしい曲を書いていますね。

「Jubilee」、「I Get Along Without You Very Well」、「Rockin' Char」、
[I Walk With Music」、「Two Sleepy People」、「The Nearness Of You」、
[One Morning In May」、「Blue Orchids」、「Georgia On My Mind」、
「Stardust」、「Skylark」

(中間系)




*BILL CHARLAP/THE EUROPEAN JAZZ PIANO TRIO / ARTFULLY
bill charlap(p)  stephen keogh(b)  mark hodgson(ds)
2001/AUVI JAZZ/

ビル・チャーラップ・トリオのロンドン・ライブ盤です。
全10曲、オリジナルが2曲とあとはウェスト・コースト・ジャズなどの渋めの選曲です。
ロマンティックで美しいメロディ・ラインは健在で刺激はありませんが上品なピアノ・トリオが聴けます。
ブラッド・メルドー、ジャッキー・テラソン、ベニー・グリーンにこのチャーラップが食い込んできた感じですね。
ヨーロピアン・ジャズ・トリオとはどこかで聞いたことがあるなあーと思っていた、
ザ・ヨーロピアン・ジャズ・ピアノ・トリオでした。

[Everthing I Love」、「I've Got My Love To Keep Me Warm」

(中間系)



*BILL CHARLAP TRIO / BLUES IN THE NIGHT
bill charlap(p), jay leonhart(b), bill stewart(ds)
2001/VENUS REC/

1 Blues In The Night
2 I Could Have Danced All Night
3 Blue Skies
4 You Better Go Now
5 My Funny Valentine
6 Tenderly
7 Embraceable You
8 Don't Explain


ビル・チャーラップ(p)の新譜は夜のムードのスタンダード作品集です。
チャーラップは現在絶好調というか、今が正に旬のプレイヤーだと思います。
元々持っている才能を開花させているだけかも知れませんが猛烈な勢いで音楽の幅を広げています。
あちこちのセッションに引っ張りダコで最近の活躍振りには目を見張るものがあります。
こういう組み合わせを考えるのは楽しいでしょうね。
なんと、「ニューヨーク・トリオ」と銘打ってきました。
意外な組み合わせですが適度な緊張感が感じられて中々いいです。
派手さはないけれど聴けば聴くほど味が出るアルバムだと思います。
ヴィーナス独特の音作りも楽しめます。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*BILL CHARLAP / WRITTEN IN THE STARS
bill charlap(p), peter washington(b), kenny washington(ds)
2000/SOMETHIN'ELSE/

ビル・チャーラップ・トリオの新作です。前作は素晴らしくてGDにもなりました。
相変わらずこの人はメロディ・ラインがきれいです。案の定、歌も上手いそうです。
これからの季節にシットリとするにはいいですね。典型的な深夜向きのアルバムだと思います。
考えてみると彼もマリガン・コンボ出身なんですよ。さすがに新人の発掘も上手だったんですね。

「In The Still Of The Night」、「Dream」、「The Man That Got Away」、「Blue Skies」、
「Where Have You Been」、「On A Slow Boat To China」、「One For My Baby」、
「Lorelei」、「It Was Written In The Stars」.etc

(中間系)




*BILL CHARLAP / S'WONDERFUL
bill charlap(p), peter washigton(b), kenny washington(ds)  
1999/VENUS/

ビル・チャーラップ、中々個性的なアプローチをする人ですね。
ジェリー・マリガン・グループに2年間在籍したと説明書に書いてありましたが、
ほとんどノーマークでした。マリガン・ファンの私はかろうじて一枚だけ持っていました。
(晩年のマリガンの作品は日本ではほとんど無視されましたから。)
この人には、独特の乗りというかリズム感があります。
ミディアム・テンポの曲になると、それが顕著に生かされていて、いい感じですねえ。
1曲目「TIME AFTER TIME]はとても聴き味が良くて素晴らしいです。
おそらく歌も相当上手いのではないかと推測致しております。

「Time After Time」、「My Shining Hour」、「Lover」、「S' Wonderful」、etc

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]

(まじめ系)



*BILL CHARLAP TRIO / ALL THROUGH THE NIGHT
bill charlap(p), peter washington(b), kenny washington(ds)
1997/Criss Cross/

ピアノ・トリオ愛好家から注目を集める新進気鋭のピアニスト、ビル・シャーラップの最新作がついに登場、
タッチ、スイング感、音色、リズムの正確さなど、どれをとっても一級品。
名手ジョージ・シアリングが絶賛したという保証つき。
(帯中よりの抜粋)

「All Through The Night」、「The Best Thing For You Would Be Me」