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Dragon's Jazz Corner

Archie Shepp(ts)


*ARCHIE SHEPP QUARTET / DEJA VU
archie shepp(ts)
harold mabern(p), george mraz(b), billy drummond(ds)
2001/VENUS/

アーチー・シェップの新譜はフランスをテーマにしたバラード集です。
現在のシェップはアメリカとフランスのパリで半々の生活をしているようですね。
相変わらずの野太い男性的なトーンは他の追随を許さない圧倒的な迫力があります。
時にはある種のしつこさを感じさせますがこの音色にはハマってしまいます。
今回も「ワーッ、またか」と思いながら知らず知らずのうちに聴き入ってしまいました。

「What Are You Doing The Rest Of Your Life」、「Putite Fleur」、「Les Feuilles Mortes」、
「L' Ame Des Poetes」、「Gigi」、「April In Paris」、「Sous Le Ciel De Paris」、「Deja Vu」

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]

(中間系)




*ARCHIE SHEPP QUARTET / TRUE BLUE

archie shepp(ts,vo)
john hicks(p), gorge mraz(b), billy drummond(ds)
1999/venus/

バラードシリーズの3作目ですが、さすがにその存在感は、圧倒的です。
今、これだけ迫力のあるテナーを吹ける人は、ほとんどいませんね。
ジョージ・ムラツのベースは、聞かせます。
個人的には、アーチ―・シェップのボーカルは勘弁してほしいです。

「Lonnie's Lament」、「Every Tme We Say Goodbye」、「Time After Time」、
「All Or Nothing At All」、「But Beautiful」、「Que Reste-t-ii De Mos Amoours」、
「Blue Train」、「A Little Surprise For The Lady」、「I Want To Talk About You」

(中間系)




*ARCHIE SHEPP QUARTET / TRUE BALLADS
archie shepp(ts),
john hicks(p), george mraz(b), idris muhammd(ds)
1997/venus

アーチー・シェップのバラード・シリーズの2作目。
今、これだけ迫力のあるテナーを吹ける人は、ほとんどいませんね。
2匹目のドジョウですがやっぱりいいです。3匹目もあります。

「The Thrill Is Gone」、「The Shadow Of Your Smile」、「Everything Must Change」、
「Here's That Rainy Day」、「La Rosita」、「Nature Boy」、「Yesterdays」、
「Violets For Your Furs」


(中間系)



* ARCHIE SHEPP QUINTET / SOMETHING TO LIVE FOR
archie shepp(vo,ts),
john hicks(p), george mraz(b), idris muhammad(ds),
steve mccraven(ds)
1996Rec/AMJ/

1 A Flower Is A Lovesome Thing
2 My Foolish Heart
3 Strange Fruit
4 You're Blase
5 Something To Live For
6 Georgia On My Mind
7 Hello,Young Lovers
8 California Blues


ジョン・コルトレーンの後継者といえばアーチー・シェップとファラオ・サンダースが双璧だと思っています。
シェップとファラオ、サム・リバースやアルバート・アイラーは実にユニークで孤高のジャズ・マンといえます。
そんな中で後のテナー奏者に多くの影響を与えたウエイン・ショーターもまた重要な位置を占めています。

自分を表現して相手に伝えるには人の声が一番いいですね。
シェップもそれが分かっていて時々は歌を歌っていました。
悪声で下手ですが何か訴えるものは感じるんです。

今作はアーチー・シェップのヴォーカルをフューチャーしたアルバムです。
発売時にはゲテモノ的、キワモノ的評価だったので手が伸びず、今になってようやく聴く気になりました。
最初はちょっと気持悪かったけど我慢して聴いていたら個性的で面白くなりました。
みなさんも聴いたら意外にクセになるかもしれませんよ。

(中間系)




* ARCHIE SHEPP & ERIC LE LANN QUINTET / LIVE IN PARIS
archie shepp(ts), neric le lann(tp),
richard clements(p), wayne dockery(b), stephen mccraven(ds)
1996/Arcade/

1 Delicated To Bessie Smith
2 Hope Two
3 The Man I Love
4 Ask Me Now
5 Circle
6 Twins Valse
7 Things Ain't What They Used To Be


アーチー・シェップ(ts)紹介の最後のアルバムです。
シェップとフランスのトランぺッターのエリック・ル・ランの共演盤です。
シェップは管楽器奏者との共演が少ないので貴重な一枚といえます。

全7曲はシェップ2曲、ルラン2曲、その他3曲の構成です。
トランペットとテナー・サックスの王道2管クインテットのハード・バップ・アルバム。
ライブ盤なのでシェップの生の息吹がそのまま伝わってきます。
もちろん若い頃の激しさはないけれど音楽そのものを楽しんでいる気がする。
モンクの(4)「Ask Me Now」のバラード、(1)と(7)ではシェップの歌声も聴けました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)




*ARCHIE SHEPP QUARTET / BLUE BALLADS
archie shepp(ts)
john hicks(p), george mraz(b), idris muhammad(ds)
1995/VENUS/

遂にアーチー・シェップの全編バラード・アルバムが完成、
ブルーなムードを持つ美しいバラードを集めてシェップが丹精込めてブルーなバラード世界を
完璧に描き出したピュアーなバラード・アルバムの極致。
(帯中よりの抜粋)

「Little Girl Blues」、「More Than You Know」、「Blue In Green」、「Blue And Sentimental」、
「Cry Me A River」、「If I Should Lose You」、「Alone Together」

[ Swing Journal : ゴールド・ディスク ]




* ARCHIE SHEPP QUARTET / I DIDN'T KNOW ABOUT YOU
archie shepp(ts,as,vo),
horace parlan(p), wayne dockery(b), george brown(ds)
1990/Timeless/

1 Go Down Mosea (Let My People Go)
2 I Didn't Know About You
3 Billie's Bossa
4 Hot Hpuse
5 The Good Life
6 Now's The Time
7 Ask Me Now


ちょっと濃い味のバラードを聴きたくなってアーチー・シェップを選んでみました。
ホレス・パーラン・トリオをバックにしたライブ盤です。
シェップにしては奇をてらうところもなく比較的あっさりとストレートに吹いていると思いました。
特にバラードはビブラートを効かせ過ぎて「おぇ〜」という時もあるけれどそれも少ないです。
もっともここが好みの分かれ道になるかもしれないけど。
独特のタイミングとタッチを持つパーランとの相性はいいと思います。
ただヴォーカルはやっぱり今一つでした。

(中間系)




* ARCHIE SHEPP & NIELS=HENNING ORSTED PEDERSEN / LOOKING AT BIRD
archie shepp(ts), niels-henning orsted pedersen(b)
1980/SteepleChase/

1 Moose The Mooche
2 Embraceable You
3 Ornithology
4 Billie's Bounce
5 Yardbird Suite
6 Blues For Alice
7 How Deep Is The Ocean
8 Confirmation


先週に続いてアーチー・シェップ(ts)のデュオ・アルバムです。
今回の相手はニールス・ペデルセン(b)です。
シェップのチャーリー・パーカー作品集です。
聴いていて思うのはバードはやはりシェップにとっても「永遠のあこがれ」だったということ。
シェップも若い頃は一所懸命にバードの後姿を追っていた。

全8曲はバード作が5曲とその他3曲の構成です。
ペデルセンのベース・ラインに乗ってシェップが縦横無尽に展開する。
やっぱり何もかもが素晴らしいと思いました。
バードの(8)「Confirmatin」は難曲でサックス奏者が上手くなると必ずやりたがる曲です。
シェップもずいぶんと練習したと思いますよ・・・味わい深い演奏を聴かせてくれました。
ここでのペデルセンもまた聴きどころになりました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)




* ARCHIE SHEPP & HORACE PARLAN / GOIN' HOME
srchie shepp(ts), horace parlan(p)
1977/SteepleChase/

1 Goin' Home
2 Nobody Knows The Troubles Seen
3 Go Down Moses
4 Steal Away To Jesus
5 Deep River
6 My Lord What A Morning
7 Amazing Grace
8 Sometimes I Feel Like A Motherless Child
9 Awing Low, Sweet Chariot
10 Come Sunday


未紹介のアーチー・シェップ(ts)が何枚かあるのでしばらく続けたいと思います。
今作はデュオ・アルバムで相手はホレス・パーラン(p)です。
シェップ&パーランは一見、異色の顔合わせで私は合わないのではないかと思いました。
でも、1曲目の表題曲「Goin' Home」を聴き始めた途端にそれが危惧に終わったことを確信しました。

全10曲はトラディショナルな曲が中心で1曲(10)のみデューク・エリントンの作品です。
デュオの性格上どうしてもバラードが中心になりますね。
この日のシェップは体調が良かった・・・。
つい我慢出来ずにゴリゴリになるクセも出さずにキッチリと吹き切っています。
シェップの良さを十分に引き出したパーランはさすがの力量の持ち主です。
それでいてパーランの目立たず騒がすの控えめなピアノも最高です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)




* ARCHIE SHEPP QUARTET / BALLADS FOR TRANE
archie shepp(ts),
albert dailey(p), reginald workman(b), charles persip(ds)
1977/Denon/

1 Soul Eyes
2 You Don't Know What Love Is
3 Wise One
4 Where Are You ?
5 Darn That Dream
6 Theme For Ernie


一枚のアルバムが後世に与える影響はどうなんだろう?
「ジョン・コルトレーンのバラード」は後のテナー・サックス奏者のお手本になった。
多くのサックス奏者が同じようなアルバムを作っています。
そしてそのほとんどがコルトレーンに捧げる形になっている。

今作はシェップのそんなアルバムです。
コルトレーンはシェップが師と仰ぐ存在なので当たり前といえば当たり前かな。
シェップのバラード奏法が満喫出来ました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)




* ARCHIE SHEPP & LARS GULLIN QUINTET /THE HOUSE I LIVE IN
archie shepp(ts), lars gullin(bs),
tete montoliu(p), niels-henning orsted pedersen(b), alex riel(ds)
1963/SteepleChase/

1 You Stepped Out Of A Dream
2 I Should Care
3 The House I Live In
4 Sweet Georgia Brown


アーチー・シェップ(ts)もまたヨーロッパに多くの録音を残しています。
そんな中の一枚ですが特にここはメンバーが凄いです。
まだシェップはフリー・ブラック・ジャズの雄「ニューヨーク・コンテンポラリー・ファイブ」に在籍していました。
つまりバリバリのシェップがヨーロッパの精鋭達と共演したスタンダード作品集です。
それだけに興味深く、貴重なアルバムと言えると思います・

スウェーデン出身のラース・ガリンはヨーロッパを代表するバリトン・サックス奏者です。
最初に聴いた時にはその時期ヨーロッパにこんな名手がいたのかと驚かされました。
テテ・モントリューはスペインの天才ピアニストで当時は一番知名度が高かった。
テテに大きな影響を受けたのがミシェル・ペトルチアーニ(p)だと思っています。
ニールス=ヘニング・エルステッド・ペデルセンはデンマークのベーシストでです。
ヨーロッパのベーシストは60年代にこのニールス・ペデルセンの登場で一気に注目されることになりました。
強靭、強烈なベース・プレイという表現はペデルセンから始まったと思います。
アレックス・リールはデンマーク出身のヨーロッパを代表するドラマーです。
つまりここはオール・ヨーロピアン・リズム・セクションがバックに控えていたということになりますね。
これだけのメンバーのライブってどうなんだろう?・・・直に熱気と空気を味わいたい。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)