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Dragon's Jazz Corner
Andrew Hill (p)
*ANDREW HILL QUINTET / TIME LINES
andrew hill(p)
greg tardy(ts,cl,bcl), charles tolliver(tp), john hebert(b), eric mcpherson(ds)
2006/BLUE NOTE RECORDS/
1 Malachi
2 Time Lines
3 Ry Round 1
4 For Emilio
5 Whitsuntide
6 Smooth
7 Ry Round 2
8 Malachi (Solo Piano)
アンドリュー・ヒル(p)の新譜は当然ながら全曲彼のオリジナルです。
知名度の高いピアニストにしては寡作のプレイヤーだと思います。
流行に惑わされない、大衆に迎合しない孤高のピアニストの一人だと思っています。
わが道を行くヒルの作品は軽く聞き流すってわけにはいきません。
ここでも小編成とは思えない分厚いアンサンブルとハーモニーを聴かせてくれました。
若手を従えたヒルは貫禄十分でじっくりと聴かせる重厚なサウンドを演出しています。
グレッグ・ターディ(ts)はヒルに認められたとなると見直さなければいけませんね。
今まではいまひとつピンと来なかったのは目指す音楽じゃなかったのかも。
ここでは水を得た魚のように伸び伸びと意欲的なプレイを展開しています。
久々に聴くチャールス・トリバー(tp)は存在感十分でやっぱりいいです。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(まじめ系)
* ANDREW HILL QUARTET / DIVINE REVELATION
andrew hill(p),
jimmy vass(as,fl), chris white(b), leroy williams(ds)
1975Rec/SteepleChase/
1 Snake Hip Waltz
2 Here's That Rainy Day
3 East 9th Street
4 July 10th
5 Divine Revelation
6 July 10th
先週のポール・ブレイ・カルテットに続いて今週はアンドリュー・ヒル(p)のワン・ホーン入りのカルテットです。
アルト・サックス奏者のジミー・ヴァスはチャールス・ミンガス・バンドの出身者です。
堅いかと思いきやファンキー&ソウルの権化のチャールス・アーランド(org)とも共演しているという変わり種です。
さらにここではフリー味が濃いアンドリューだから相手なりに何でもできる器用なタイプのミュージシャンと言えます。
全5曲は「(4)と(6)は別テイク」1曲を除いてアンドリューのオリジナルです。
1曲だけサラリとスタンダードを入れるのはパターン化されています。
表題曲の(5)「Divine Revelation」は25分を超える長丁場なんだけど、さすがにちょっと長かった。
初めから10分ほど延々と続くソロ・ピアノは正直つらかったです。
あとの4曲の出来が良いのでこちらの方が聴きどころになりました。
(まじめ系)
* ANDREW HILL TRIO / INVITATION
andrew hill(p), chris white(b), art lewis(ds)
1974/SteepleChase/
1 Catfish
2 Lost No More
3 Morning Flower
4 Invitation
5 Laverne
6 Little John
7 Catfish take 3
フリー系ピアノ・トリオの3枚目はアンドリュー・ヒル(p)になりました。
ヒルはブルー・ノートのアルフレッド・ライオンに見出されました。
ブルー・ノートに8枚ほどの正規盤があるけどやはり4100番台の4枚にインパクトがありました。
*Black Fire(BN4151)/*Judgment(BN4159/*Smoke Stack(BN4160)/*Point Of Departure(BN4167)
ジョー・ヘンダーソン(ts)、ボビー・ハッチャーソン(vib)、リチャード・デイヴィス(b)などとの共演が多かった。
セシル・テイラー(p)とはお互いに影響され合ったのではないかと思っています。
アンドリュー・ヒルは知名度が高いのに寡作です。
ヒルは流行に惑わされない、大衆に迎合しない孤高のピアニストの一人です。
私にとってとらえどころがないピアニストで何とも悩ましい存在でした。
「こう思えばああくる、ああ思えばこうくる」・・・常に予想外な存在です。
わが道を行くヒルの作品はどれも軽く聞き流すってわけにはいきません。
今作はヒルのデンマークの「Steeplechase」・レーベル第一弾で珍しいトリオ作品になっています。
全7曲は自身のオリジナル5曲とスタンダード1曲の構成で(1)と(7)は同名曲のテイク違いです。
ヒルのフリートーンを含む力強いタッチと流れるようなピアノ音のマッチングは実に心地良かった。
(4)「Invitation」を聴けばヒルがいかに創造力に富むピアニストであるかが一目瞭然です。
その他にも聴きどころが満載だった。
なんと刺激的で魅力的なフレージングなんだろうか。
「ドラ流目立たないけどいいアルバム」
(まじめ系)
*ANDREW HILL QUINTET & SEXTET / GRASS ROOTS
*lee morgan(tp), booker ervin(ts),
andrew hill(p), ron carter(b), freddie waits(ds)
*woody shaw(tp), frank mitchell(ts), jimmy ponder(g),
andrew hill(p), reggie workman(b), idris muhammad(ds)
1968Rec/BLUE NOTE/
オリジナルLPは1セット目のメンバーですがCDになって2セット目が追加されました。
どうしてこういうことになるんでしょうね。
プロデューサーのフランシス・ウルフは両セットに同じ曲を演奏させています。
思うに2セット目が気に入らなくてまたやり直したのかもしれません。
結果、両方が楽しめる凄くお徳用なCDになりました。
* ANDREW HILL QUARTET & TRIO / BLACK FIRE
andrew hill(p), richard davis(b), roy haynes(ds)(B/3 out),
joe henderson(ts) (A/1,3 B/1,3,4)
1964/Blue Note/
Side A
1 Pumpkin
2 Subterfuge
3 Black fire
Side B
1 Canternos
2 Tired Trade
3 McNeil Island
4 Land Of Nod
アンドリュー・ヒルもブルーノートが生んだ鬼才として忘れられないピアニストです。
どうなんだろう?・・・才能に比して評価が低いのではと思うのは私だけなのかな。
セシル・テイラー(p)ほどクールになり切れなかったのがその原因かも知れない。
キャリアの割に寡作だったこともその理由の一つになります。
もしもブルーノートでなかったらもっと過激な方向に向かう可能性があったと思います。
売れっ子ジャズメンとの共演でややもすると中途半端になってしまった。
ヒルの最初の吹き込みはここでも共演しているジョー・ヘンダーソン(ts)のアルバムです。
*Joe Henderson Quintet / Our Thing (1963/BN4152)
今作はBNにおけるヒルの初リーダー・アルバムです。
ヒルは独特な感性の持ち主で先進の感覚と強力なタッチと絶妙なタイミングを持っていた。
ここでの演奏を聴いてみればその個性が一目瞭然です。
リチャード・ディヴィス(b)&ロイ・ヘインズ(ds)とのトリオは実に刺激的で魅力に溢れています。
当時強靭なベーシストとして頭角を現したディヴィスとは盟友関係にあって付き合いは長いです。
もう一枚なら* Andrew Hill Sextet / Point Of Departure (1964/BN4167)を上げておきます。
意外性がある組み合わせというか、異色作ならハンク・モブレイ(ts)の作品です。
* Hank Mobley Quintet / No Room For Squares (1963/BN4149)
今作はA面のピアニストはハービー・ハンコックでB面がアンドリュー・ヒルという大徳用盤です。
(まじめ系)